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ナイタイ高原牧場を出て上士幌から国道273号線で糠平に向かう。
糠平到着PM4:38。糠平のいつものお店で飲み物とツマミを購入する。ガソリンはまだ余裕があったが、明日の事を考え昨日立ち寄ったいつものGSに行く。いつもの様に勢いよく飛び出して来たピットマン二人は、我々を見て<アレッまた来たの>と言いたげな顔で事務的にヘッドライトを拭く。各車タンクを満タンにし、今日成すべき全ての事を終え本日の宿幌加温泉に向かう。糠平発PM5:00。
幌加温泉入口少し手前でライトバンとオフロードバイクに追付き追い越しをかける。最後尾の400RRはコーナーにさしかかったため追い越しを断念。直線に向いてから追い越しをかける。その時前の4台は減速しウインカーを左に上げて幌加温泉に曲がっているのを発見する。追い越しのためスピードがのったメーターは140を示していたが、直ちにフルブレーキをかける。リヤタイヤを振りながらスピードを一気に10以下まで落し、かろうじて左折に間に合い前の4台を追う。日頃の鍛錬の成果が出たフルブレーキ事件であったが、前の4台はそんな事があったとは全く知らず宿に向かってフル加速中であった。
幌加温泉到着PM5:10。FUNKY指定席の玄関前にバイクを停め荷物をほどく。中に入るとおばさんが出てきて1年ぶりの再会を喜び合う。ここに来ると何故か自分の実家に帰って来たような安心感があるのだ。この宿は、このおばさんとハゲ頭の親父さんで切盛りしており、この2人の人柄こそがこの宿の最大の売りである。勿論温泉もいいのだが。

ここで1つのエピソードをご紹介しよう。それは昨年M氏がこの宿に泊まった時の事。自他ともに認めるタバコ中毒の彼は、宿に来る前にタバコの予備を買わずに宿に来てしまった。手持ちのタバコを全部吸ってしまったM氏は1階の帳場にタバコを買いに行く。がしかし、この宿ではタバコを置いていな事が判明し愕然とする。何しろ大雪山の山奥の宿の事外に買いに行くこともままならず、彼にとってタバコ無しで一晩過ごすことは死ねと言うのと同じ事?。M氏は途方にくれ重い足取りで階段を上ったのであった。
以前はヘビースモーカーであったここの親父さん、自分がタバコを止めたのを機会にタバコの買い置きをやめしまったのである。自分がタバコを止めたのでタバコの買い置きをしなくなったという事は、私が想像するに親父さんは自分のタバコの買い置きを売っていたという事でしょう。お客さんの勝手な都合には迎合せず、お客さんに媚びず、しかし正しいお客さんにはお客さんの気持ちを思いやる親父さんの思考回路、こんなところが自分がこの宿が好きな理由なのかもしれない。
しかしこの話はこれで終わらなかった。話の続きはこうだ。タバコが無い事を知らされガックリと肩を落して、2階の部屋に戻って来たM氏を追いかける様にして親父さんが部屋にやって来る。親父さんの手にはショート・ホープの箱が5個?(正確な個数はM氏にお聞きください。)しっかりと握られておりこのタバコを吸えと言う。自分はタバコをやめたのだが、以前息子さんが親父さんのためにお土産に買って来てくれたタバコがあったのを思い出し持って来たのだと言う。どうせ吸わないタバコだからタダでくれると言うのだ。その時M氏は、息子さんがくれた大事なタバコは貰えないと一応辞退するも、数秒後ショート・ホープの箱はシッカリとM氏の手の中に握られていたのであった。
このショート・ホープは次の日フェリーに乗るまでM氏の肺にニコチンを送り続け、M氏の精神的安定に大きく貢献したのである。当然、今年のM氏のバッグの中には大量のタバコのストックが納められていたのであった。M氏もこのタバコ事件で、親父さんの人柄に触れこの宿に自分の家のような安らぎを感じているようだ。

幌加温泉玄関ロビーにて。10代の高橋由美子が壁からお客さんをお出迎え。左の廊下の突き当たりが男女別浴室。右側に帳場、厨房がある。T氏が着ている浴衣は、幌加温泉提供による物。温泉上りはやっぱ浴衣でしょう。
このレポートに今まで登場する機会が少なかったS氏は、さすがに北海道初参加の精神的・体力的疲労がピークに達したのか、食後布団の上にうつ伏せに倒れこみ、しばらく動こうとはしなかった。体重45kg以下というその超軽量スリムな車体は布団の中に呑み込まれ、布団と体が同じ高さになっており忍者の様にその気配を消していた。
夕 食 朝 食
 
北海道4日目の朝、玄関前にて この宿のもう一人の住人と記念写真
 
1998年撮影 中央が親父さん 1998年撮影 おばさんとお犬様
 
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