Report by Ryuta
         1991年9月12〜17日 
                                北海道ツーリングレポート

     <1991年の9月、FUNKYは8回目の北海道に旅立ちました。>


 9/12 秋田⇒青森 (200km)

 
今回の北海道ツーリング参加者は7名、今までの最多人数である。三丁目ラーメンの出前をとって腹ごしらえした後あたりが真っ暗になったPM7:00、青森のフェリーターミナルをめざして秋田を出発する。途中、大館はずれのドライブインで休憩をとりそこのトイレが臭かったりして、PM10:20青森に到着する。




 早速乗船手続きを済ませて乗船を待つ。無事に乗船をすませ、2等船室のスペースをしっかり確保してからツーリングの無事を願い乾杯する。全員北海道にたいする期待からか元気が良く、何だかんだで寝たのが13日になったAM1:00前、起きたのがAM2:50頃。寝たと思ったら起こされた。眠てぇー。

 
 <東日本フェリー乗船マニュアル>



9/13  函館稚内 (720km)


 AM3:15函館に上陸をは果たす。FUNKY8回目の北海道である。早速コンビニに飛び込み朝食の食料を買い込む。これから先、時間が早くまた田舎道ばかりで食料の調達はむずかしいと思われるからである。函館からR227で日本海に出る。沖にイカ釣り船の漁火が点々と光ってきれいだ。ここまで来るのが大変だったのだ。「夜明け前で道は見えないし、ドロは浮いてるし、こわいし、さむいし、だけど止まらないし」とはO嬢のここまでの感想であった。

 
<夜間走行マニュアル>



             瀬棚の三本杉岩

 AM5:30現在、青森でガソリンを入れてから150km位走っちゃいました。これから先GSが営業していると思われる岩内までは120kmはある。以前、寿都付近でガス欠した経験を持つFUNKYは、前に立ち寄ったことのある北桧山にあるGSにお願いしてガソリン40リットルをキープしておいたのだが果たしてそのガソリンはあるのか?不安であったが、約束の場所にガソリンのタンクを発見して安心する。TZR250を中心にガソリンを補給して出発する。瀬棚の三本杉岩前のパーキングで小休止、寿都、岩内を通過しニセコ五色温泉をめざす。

 
<北海道のガソリンスタンドマニュアル>




 途中、岩内のクレイルチーズで自家製カマンベールチーズをかって今夜の酒の肴を確保する。クレイルチーズの建物二階のドア−の謎は、いまだ解明されていない。

 岩内からニセコの山への登りはワインディングロードが続く本州では絶対に味わえない痛快な道である。またこの道をニセコから岩内へ下ると、日本海や積丹半島の山々が目に飛び込んできて思わずその雄大な景色に見入ってしまう。走りながらの観光は危険なので、バイクを路肩に止めてゆっくりと眺望を楽むことをお勧めする。







 ニセコ五色温泉には、AM9:30に到着。5時間弱でもう280kmも走ってしまった。しかし今夜の宿は稚内、まだ先は長い。五色温泉名物の
混浴の露天風呂が清掃中で利用できず男女別の内湯に入る。残念!何が残念?函館のコンビにで買った食料で朝食をとり空腹を満たすことにする。






 温泉に入ってリフレッシュして、ニセコの山を一気に駆け下り倶知安からR5、キロロ、R393をへて小樽の上に出る。キロロからここまでの道は中速コーナーが続く楽しい道、これから先の小樽への下りは景色はいいが細かすぎて疲れる道だ。小樽に着いて北一硝子に立ち寄る。









 ガラス工芸の数々を見学する。昨年もここを訪れてYZR500のクリスタル(確かドイツ製?)を発見したがプライスの高さに二の足を踏んだS氏は、今年こそはと財布を握り締めて昨年の場所に直行するがYZR500は発見できずガックリと肩を落とす。ランプ照明の喫茶店で休憩をとり特製アイスクリームを食べるが、このアイスの中に入っている物質が判らず全員悩んでしまう。







 AM11:30小樽を出発した我々は、R5の銭函からR337に入り、R231を通ってPM1:20断崖絶壁の海岸が続く雄冬に到着する。この雄冬までの道は、FUNKYが最初に訪れた時はまだ砂利道で所々で工事が行われていた悪路だったが、現在は全舗装の新しい道が完成し快適なツーリングロードになっている。ここで少し遅い昼食をとることにする。各人のオーダーは、Y氏ウニ丼、K氏イクラ丼、その他大勢はホタテカレーをオーダーする。各人の財布の厚さの差がでる。







 PM2:20雄冬を発ち増毛を通過、留萌からはオロロンラインと呼ばれる日本海沿いの景色のよいR232で天塩を目指す。天塩からは国道と分かれてサロベツ原野と日本海に挟まれた海縁の直線路を走る。海に浮かぶ利尻島を左手に見ながら走るこの道は「これが北海道だぁー」と言わんばかりの直線路がライダーの自制心を奪う。右手はストッパーに当たるまで捻られ、バイクの限界を感じようとする誘惑に抗しきれずライダーは風になる。しかしFUNKYにとってこんな道はめずらしくもなく隊列を乱すことなく、淡々と走ってゆく。



 PM5:10いつものパーキングにバイクを停め、利尻島に沈む夕日をしばし眺める。秋田を発って22時間、今自分は日本の北の果てに立っているだということをゆっくりと確認する。人は夕日を見ていると感傷的になるのは何故なんだ。太陽が水平線に消える前に我々はこの場所を後にして、今夜の宿がある稚内に向かった。





 途中、道路脇の草むらにバイクを止め、沈み行く夕日を見つめる
ヤングなアベックを発見する。肩を寄せ合って草むらに腰を下ろす恋人達。ウ!!これって一生に一度はやってみたいスチエーションだよなーとマジ思ってしまう自分であった。
あと少しで長かった1日は終わる。



 
PM6:10宿に到着する。今日の宿は稚内市富士見4丁目にある温泉民宿宿である。庄司歌江も泊まったというそこそこ有名なこの温泉宿は、循環式の沸かし湯温泉でお湯はヌルヌルしている。これがこの温泉の特徴であると言う。温泉に入り排気ガスで汚れた体をきれいにし夕食を食べお腹が満たされると、ビールを飲みながらのビデオ鑑賞会(FUNKYでは全走行中のビデオ撮影を行っている。)もそこそこに夢の中の住人になっていた考えてみれば、23時間で920km以上走って睡眠時間2時間弱なのだから疲れていて当り前か! しかし、FUNKYの歴史の中には23時間で1,000km走った記録があるのだ。勿論、高速を使用しないでの話である。



9/14 稚内川湯 (580km)

 AM7:15宿を出発。温泉民宿
北乃宿の評価は、有名な宿に有りがちな宣伝上手だが内容が伴わないパターンの宿?料理は品数は多いがインパクトが無く、ヌルヌルした温泉も感じがよろしくない。FUNKYの宿としては2度と使われることは無いであろう。

 まずはノサップ岬に向かう。以前高級なウニ丼を食べたプレハブの食堂(教訓、店の外観で値段が安いと思ってはいけない。現在は立派な建物になっているようだ。)の前を通って水族館前にバイクを停め、岬といってもただの岸壁に行って樺太をバックに写真を撮り早々に引き揚げる。稚内市内を通過し、宗谷岬に行く予定を変更して稚内空港の横を通って沼川に向かう。途中の道路が工事中で泥道が続きバイクが泥だらけになってしまった。




 沼川から豊富までは宗谷丘陵に広がる牧草地の中を走る道で、北海道北部独特の濃く透きとおった青空と白い雲が広大な緑の丘にのかった景色は、北海道でもここでしか見られないものだ。




 浜頓別のGSでガソリンを給油し、泥で汚れたバイクを洗車してキレイな体に戻してあげる。汚れたバイクで旅するのは気分がよろしくない。















 AM9:40浜頓別を出発。オホークツ海沿いの単調な直線路が続くR238を興部までハイスピードで走る。そこから右折して道道に入ると道は中速のワインディングロードに変化する。全員1列になってワインディングを楽しむ。西興部から上札久留に向かう道の途中に氷のトンネルへの入口が右側にあったが、我々は先を急ぐ。

 上札久留から上紋峠を越えて岩尾内ダムに出て左折した愛別に向かう道が曲者であった。地図上ではちゃんとした道道であるこの道は、始めは細めの舗装路であったが、峠に近づくと林道状態になり車がやっと通れる程度の道幅しかなく,石がごろごろしたラフロードが延々と続く。ラフロードでは走る速度に個人差が出てラフが得意なY氏は砂煙中に消えて行った。

 凸凹道を走りながら今回の北海道ツーリングの前に行われた、岩手県の北山崎への予選会ツーリングのことを思い出していた。北上山地の中の新しいルートにチャレンジした結果、道路脇に牛がうろうろしている様なラフロードの道を延々と走るはめになったのが、今考えると北海道ツーリングのいい練習になっていたのだ。どこまでも続くと思われた悪路も、ダムの手前で舗装路に変わり全員悪路との格闘から開放され、
再び隊列を組んで走りはじめる。(現在、愛別と岩尾内を結ぶこの道は中・高速コーナーが続く快適なワインディングに変身している。)

 ラフロードが苦手なO嬢は悪路から開放されホットしたのもつかの間、国道39号線まで300mという所で愛車のTZR250後方排気90モデルのエンジンが停止した。原因はガス欠。今回の参加車両の中で一番航続距離が短いと考えられてはいたが、200kmも走らないでガス欠とは予定外であった。オホーツク海沿いの高速走行区間の燃費が相当悪かったのと、ガソリンを入れる時ギリギリまで満タンにしていなかったと思われる。幸い国道に出たところにGSがあり、空き缶にガソリンを買ってきて事なきを得る。全車そのGSでガソリンを給油する。以後この出光のGSは、FUNKYの行きつけのGSとなる。

  
<ガソリン給油マニュアル>

 愛別を出てR39で上川まで行きそこからR333に入り北見峠を目指す。R333に入ってペースが上がると、O嬢の後方排気から大量の白煙が吐き出され後方のライダーに煙たがられる事件があったが、これがこれから後に起こる事件の前ぶれであったかどうかは定かではない。前方を走る車の犬に手を振ったり、パトカーに止められたバイクを横目で見たりして北見峠に到着し休憩をとる。北見峠からは長い下りの道が続きペースも上がる。


 丸瀬布町の信号で信号待ちをしている時、O嬢の後方排気に今日2回目の事件が起こった。O嬢の後方排気がアイドリングしなくなったのである。エンジンもかかりずらくなり、最後にはエンジンが完全にかからなくなってしまった。後方でそんな事が起きていたとは知らず、先頭車は2台のバイク引き連れて信号が青となると同時に鋭いスタートダッシュで発進,1km位走って後ろのバイクが来ないことに気付いた2番手は先頭を止め状況を説明する。

 エンジン停止の原因は焼き付きであった。長い下り坂で高速走行を続けたため、アクセル開度の少ない状況での高回転状態が続いて燃焼温度が上がり、オイル供給量も回転の割には不足して焼き付いたと考えられる。幸いにも焼き付いたのが片側のシリンダーでピストンにも穴が明いていなかったため、何とか応急処置をして走行可能にする事が出来た。しかし、時間を約1時間ロスしてしまう。遅れを取り戻せるか心配になる。

 
<2サイクルエンジンが焼き付いたときの応急処置マニュアル>

 
遠軽からR333旭峠、ルクシ峠を通って端野峠に着く。この峠はR39を通って美幌町に行くには近道なのだが砂利道であった。焼き付き事件で時間が押しているため回り道している余裕はなく、今日2回目の砂利道走行となる。K氏、Y氏が抜け出し後続を引き離していく。O嬢は苦手なオフロードとエンジンの不調で大きく遅れをとるが、何とか長い峠を全員無事に越える(現在 峠はトンネルが完成してアットいう間に通過できる。)

 美幌町を通過して美幌峠に着いた時には辺りは暗闇に包まれ、峠からの美しい屈斜路湖の景色は闇の中に埋もれて何も見えない。昨日の利尻島の様に夕日に照らされた屈斜路湖を期待していた我々であったが、ハプニングの連続で日没に間に合わず闇の中の屈斜路湖を想像しながら峠を下る。途中GSでガソリンを補給して、今夜の宿の川湯 山賊の根城 に到着した時はPM7:00になろうとしていた。本日の走行距離580km。

 川湯駅の近くにあるこの宿は以前FUNKYは一度宿泊したことがあったが私は初めてで、夕食がお好み焼きなのが特徴の宿である。予定より遅く到着したため荷物をほどいて、早速全員鉄板の前に座る。色々あった一日であったが何とか宿にたどり着くことができた事に感謝して、お好み焼きとビールで乾杯する。 ビールが美味い!! お好み焼きは? お好み焼きは夕食には、成り得ないと私は思う。

 夕食後、川湯駅前にある
つづじの湯(温泉)に行き、まったりと温泉につかると疲れもとれ、宿に帰ってビールを飲みなおす。フェリーの中で充分な睡眠を取れなかった昨日とは違い、今日はビールを飲んでも眠くならない。手負いの後方排気を抱えたFUNKYの明日の予定を検討するが、基本的に予定通りのコースで行くことに決定する。


 9/15 川湯⇒浜佐呂間 (490km)

 出発前、宿の前にあった屈斜路湖にいると言うクッシーの前で写真を撮る。クッシーはネッシーの親戚のようで、姿もネッシーに似ている。台車に乗って動き回るこのクッシーは、屈斜路湖祭りの時に出現するのだと言う。

 宿を出でまず硫黄山に行く。ここの駐車場は有料で、料金を支払うと摩周湖の第一展望台の駐車場の駐車券も付いてくる。我々はAM8:00前に入ったため無料であった。硫黄臭のする水蒸気を噴出している硫黄山は、秋田の河原毛地獄や後生掛温泉、下北半島の恐山のように草木も生えない荒涼とした山であった。

 硫黄山を出て摩周湖第三展望台に向かう。川湯から摩周湖への道は、ヘアーピンカーブ連続の登りで後方排気のエンジンが心配だッたが、遅れることなく第三展望台に到着する。後方排気のエンジンは、音はうるさいが当たりが付いてきたのか普通に走れる程度まで回復しているようだ。機械も適切な処置を施せばある程度回復する力を持っているのだ。



 第三展望台は第一展望台と違いお土産屋さん等はないが、駐車場はタダである。私は観光客も少なくゆっくりと摩周湖を観賞でき、第一より神(カムイ)島 (中島)が近く見える第三展望台方が好きである。









 高所恐怖症のY氏は展望台の端には絶対に近づかない。













 
摩周湖から弟子屈を通過して最近開陽台と共に地平線で有名になった多和平を訪れる。開陽台に比べて低い位置にある展望台からの眺望は、緑の大地がうねりながら地平線までつづく様がよく見える雄大なもので、開陽台とは違った広がりを見せる。だけど私は開陽台派かな?



 
多和平からR243、道道,R272を通って標津に出て野付半島に向かう。野付半島には海水に浸されたトドマツが立ち枯れたり風倒木になったトドワラがあるが、駐車場からトドワラまで歩いて15分かかり,散策の時間を入れると往復で45分位は必要なので今回はパス。海に大きく張り出した野付半島の道は、両側に海が見える程狭い半島の中を走っている。そのため風が強く吹くと遮るものが全く無く、以前車で通った時強風が吹いていて、道路下に転落した自転車や路肩で倒れているバイクを見たことがあった。この道を走る時、風に充分な注意が必要である。


 野付半島から標津に戻りR335で羅臼に向かう。AM12:00前に羅臼に到着、昼食を取る。昼食はトド肉を食べさせる高砂食堂でトド肉セットを注文(金1,300円也)する。トド肉は鯨肉に似た味で、むかし学校給食で食べた鯨の肉を思い出した。




























高砂食堂は、2000年9月に訪れた時営業を行っていませんでしたのでお気をつけ下さい。






 お腹がいっぱいになったら次は温泉。羅臼から知床峠に向かって1km位登って行くと左手に熊の湯があります。この温泉は地元の人が管理する温泉で無料で入れます。透明な食塩泉で熱めのお湯が特徴で、熱いからといって水を入れてはいけません。地元の人に怒られます。今回、湯船の掃除の後でお湯が半分位しか溜まっておらず、寝そべって入ってしまいました。また女性用は別にありますからご安心ください。


 温泉でリフレッシュした後は、知床峠のワインディングを走ってウトロまで行き斜里から高速の根北峠を越えて開陽台までいく予定であるが、一つ問題なのが後方排気が知床峠の急な登りと根北峠の高速走行に耐えられるかどうかという問題である。ここで無理をしてエンジンが完全に壊れた場合身動きが取れなくなる可能性があり、ここはO嬢にグット堪えてもらって、今きた道を標津まで引き返してもらい川北の駅で待ち合わせることに決定する。


 6台になったFUNKYは、脱兎のごとく知床峠をめざす。いつも霧につつまれていることが多い知床峠は、風が強く寒く、辛うじて下界が見え国後島が垣間見える。峠で記念写真をとり早々に退散する。

 
<知床峠マニュアル>



 ウトロからR334で斜里の手前まで行き、R244に入る。R244の根北峠はFUNKYの定番コースで、峠部分の前後約30kmは低、中、高速コーナーと長い直線路とが絶妙にブレンドされた道で、ライダーのチャレンジを待ち受けている。

 根北峠を走り抜け、開陽台入口をやり過ごしてO嬢が待つ川北に向かう。川北に着いて待ち合わせ場所の駅を探すが鉄道は廃線となっていて駅舎も無くなっていた。慌てて付近を捜すが、幸い近くの駐車場でO嬢を発見し安堵する。O嬢はここで1時間程待っていたとの事。する事も無く、ひと気の無いこの場所でじっと待っていたO嬢の気持ちを考えると、彼女の性格からしてやりきれない時間であったであろうことが推察され、我々だけが根北峠の走りを楽しんでしまって本当に申し訳なく思う。 スマン、許してくれ !!



 
再び7台になったFUNKYは一路開陽台を目指す。開陽台手前の直線路はFUNKYに取ってすでに珍しいものではなくなっているが、バイクを停めて写真を撮っているライダーを多く見かける。

 駐車場にバイクを停め、FUNKYでは畜生階段呼ばれる(命名者 O嬢)正面の階段を登って展望台に上がり写真を撮る。開陽台も根北峠と共にFUNKYにとってもう定番になっており、根北峠から開陽台そして裏摩周湖へのコースはパックとなってFUNKY北海道ツーリングの必須コースになりつつある。




上の写真にあるレストハウスは現在は無く、名物おばさんも新しくなった展望台売店レストランの方に移ったみたいであるが、あのアットホームな雰囲気がなくなってたいへん残念である







 開陽台から清里峠、裏摩周湖に至るルートには、途中養老牛温泉があり無料の露天風呂などがある。清里峠は気持ちの良い直線路がつづく道。昨年エンジンの不調でフラストレーションが溜まったK氏は今年こそはとペースを上げ、前を行くH氏を抜き先行するトップ集団を追いかけるがとどかない。峠のシェルターを抜けると直ぐ裏摩周湖の入口がある。ここから裏摩周展望台駐車場までの道は、距離は短いが中速コーナーが連続する楽しい道で、各ライダーはワインディングロードを堪能する。


 朝、表の第三展望台から摩周湖を見た我々は、今度は第二展望台の裏摩周展望台から摩周湖を見る。表と裏それぞれ趣きの違った摩周湖を一日で見たことになる。

 PM4:30裏摩周展望台を発った我々は、野上峠を越え川湯手前まで戻り小清水峠で小休止をとり網走、常呂を通って浜佐呂間にある今夜の宿サロマニアンをめざす。




清水峠は日も傾き寒く1人を除い
てヘルメットを脱がずに休憩をとる。



 サロマニアンには日もとっぷりと暮れたPM6:30に到着。今日も予定より遅く着いため荷物を上げて直ぐに食事となる。この宿は
本土のツーリストにはチョッと有名な宿で以前から一度泊まってみたかった宿のひとつであったが、個人客が多く我々みたいなグループは場違いな感じで、居間の居心地があまりよろしくなく、部屋に戻ってビールを飲みさっさと寝る。

 ライダーの人も多く泊まるようでバイク専用の駐車スペースもあり、少人数で泊まる場合には良いかもしれない。食事も地物の食材を使ったものであるが、これだという特徴が無く印象が薄い。山賊の根城のようにインパクトのあり過ぎるのもこまるが。



 9/16  浜佐呂間〜室蘭 (520km)
 
朝起きると、天気は快晴で今日は雨の心配は無さそうである。AM7:50宿の前で写真を撮り出発の支度をするが、O嬢の手負いの後排気の機嫌が悪くエンジンが掛からない。急きょライダーチェンジを行い、後方排気にS・H氏、S・H氏のTZR250RVツインに私が、私のFZR400RRにO嬢が乗ることにする。後方排気はS・H氏の強いキックでようやく目覚め、パァーン・パァーンというアフターファイヤーの音をたてて回り始める。焼き付いた2サイクルエンジンは、始動時排気孔から圧縮が洩れてアフターファイヤーを起こすことが多い。

 
浜佐呂間から道道で佐呂間を通り留辺蘂に出る。留辺蘂からはR242で陸別、足寄に向かう。
 R242に入って我々は後方排気を気づかって低い巡航スピードで走行していたが、突然後方から軽く左手を上げて我々を追い越すヤマハFJ1200帯広ナンバーが現われる。FUNKY史上初めてのバイクに追い越されるという出来事に、先頭を走るTZR250Rはあ然としてFJ1200の後ろ姿を見つめていたが、直ぐに我にかえり手負いの後方排気がいることも忘れ、猛然とダッシュをかけFJを追走し始めた。このままではFUNKY史上に汚点を残すと逃げるFJを追うが、高速コーナーがつづくこの道で250ccではなかなか追いつけず、置戸の信号でFJの後ろにつく。街から外れたところでFJは我々を脅威と感じてかスピードを上げ逃げようとするが、我々はピタリと付いて離れない。非力な我々がFJを抜くのはコーナーと考えた先頭は大きな左コーナーで勝負を掛ける。アウトいっぱいからFJの背後に迫るが、追い越すまではいかずまた後に付く。するとFJのスピードが少し落ちたように見えた先頭は、すかさずFJを抜き去り一気にスピードを上げる。
 結局、後方排気にも抜かれたFJはその後我々の前に現われることはなかったが、FJとしては変なバイクに絡まれるのを避けたのであろうと思われる。



 足寄から芽登、糠平、然別湖に行く予定を変更し、上士幌、鹿追、新得を通りR38狩勝峠をめざす。狩勝峠の高速ワインディングを楽しんでから落合でガソリンを給油、道道でトマムに向かう。最近開発されたトマムリゾートは、冬はスキー場、夏はゴルフ場をメインにプール等を備えた大規模なホテルからなり、トマムの駅から筑波万博で使用された特殊なバスで送迎するという豪華絢爛なシステムをとる。こんな山の中に誰が訪れるのか疑問を持ったトマムリゾートであった。
(現在トマムリゾートは大幅な赤字に悩む、不良債権の塊になっているとか。

 トマムでラーメン屋で昼食をとる。特に印象に残るラーメンでもなく、トマムを後にする。
 トマムから占冠までの道は、所々砂利道が残るが楽しいワインディングがつづく。
(現在は全舗装の道になっている。)
 占冠から日高まではR237で日高峠を越えて一走りで到着する。

<帯広方面から日高に抜ける道マニュアル>
 


 
日高からR237で富川にで、R235で苫小牧にでる。苫小牧に来るといつも車の雑踏の中で、毎年北海道ツーリングもこれで終わりなんだなぁーと北海道から離れる寂しさと、北海道を走った4日間の満足感感じるのである。



R36で登別に行き、登別を通った時気になっていた国道沿いの登別マリーンパークに立ち寄る。ヨーロッパのお城をイメージしたこのテーマパークは、水族館を中心にオットセイのアトラクションやヨーロッパのお土産屋さんなどがある、北海道には場違いなテーマパークであった。

 PM4:20頃に到着した我々は、PM5:00がら入場料が割引になるということで、30分時間をつぶして入場する。









 PM5:00からの入場であったためアトラクションは終了していたが、水族館の売りである水槽の中のトンネルも思ったより短く、全体的に期待はずれであった。


 このテーマパークも現在赤字経営が続いているとのことだが、北海道に来てヨーロッパを観たいと思う人が多くいるとは思えず、当然の結果であろう。





 今晩乗るフェリーは室蘭発PM11:30の青森行き、いつものごとく登別温泉の銭湯さぎりの湯で北海道の埃を落としお土産を買って時間を調整する。銭湯さぎりの湯は、地元の人が行く銭湯で料金も安くFUNKYは毎年訪れていて、番台に座る色白美人のおばさんとも顔なじみになっている。石鹸を忘れた時はタダで貸してくれる関係である。(現在さぎりの湯は場所が表通りに移り立派なビルの中に入っていて、番台のおばさんにも会えなくなった。)

 身ぎれいになった我々は、お土産屋さんの店先にバイクを停め北海道土産を買うのが毎年のことで、隣にあるストリップ劇場の客引きのおばさんも毎年9月に訪れる皮つなぎの我々を覚えていて、1年ぶりの再会を楽しみにしていてくれるほどである。
(現在、FUNKYは苫小牧東港からの秋田行きのフェリーを利用しているためこの2年、客引きのおばさんに会っておらず、再会して最後に会った時にもらったキーホルダーのお返しをしたいと思っているのだが、その機会に恵まれず残念である。)

 室蘭発のフェリーの乗る人は、登別温泉に入ってから乗船することをお勧めする。フェリーの中にもお風呂はあるがやはり温泉は違います。

 <登別日帰り温泉マニュアル>





 室蘭のフェリー乗り場は,自動車専用道路を通って室蘭駅に向かって行き、少し手前の信号から右に曲がって高架を下りるとあります。間違って直進しても駅前を通って行けますので無理してUターンしなくても大丈夫です。

 PM10:30無事青森行きのフェリーに乗船し、今回のツーリングの無事を祝って全員で乾杯するが、疲れが出て若いもの順に寝ていく。





9/17  青森〜秋田 (200km)

 青森港にAM6:30に到着。青森IC手前で最後のガソリンを給油し高速にのって秋田をめざす。

 AM10:50秋田に到着する。エンジントラブルなどはあったが何とか全員無事帰還でき何よりであった。 5泊6日で2,716km走った今回の北海道ツーリングは、FUNKY史上の中でも最も長く走ったツーリングの1つであったが、この経験を生かして楽しいバイクライフをおくられることを願うものである。




トリップメーターが2,716kmを走ったことを示す。




The End


Report by Ryuta




参加メンバー紹介

 O嬢
 
RZ250RR、TZR250、TZR250後方排気、TZR250RSPVツインとヤマハ2サイクル250ccを乗り継ぐ2サイクル好き。SUGO、那須サーキットでSP125レース(TZR125)の経験をもつO嬢は、FUNKYに於いても男性と対等に渡り合う。今回は、エンジンの焼き付きという不幸に見舞われたが、FUNKY史上最強ライダーの1人である。


 S・H氏
 SUGOの年間チャンピオンの経歴を持つS氏は、豊富な経験から北海道ツーリング中、他のメンバーの良き相談役として活躍し、適切なアドバイスで北海道の走り方をレクチャーした。








 K氏
 大学生であるK氏は、ここには登場しないM氏を師と仰ぎM氏のお下がりバイクを愛車とする。昨年に続き2回目の北海道であったが、昨年は愛車の故障により最高速が出ないトラブルに見舞われ悔しい思いをした。今回はその思いを晴らし北海道を満喫したことであろう。パノラマ写真に特異まれなる才能を発揮する。



 Y氏
 今回カメラ車を勤めるY氏は、FUNKYメンバーの中でもベテランの域に達した御仁で、安定したライディングとカメラワークでビデオ撮影を行い、FUNKYの走りを後世に残すことになった。



 H氏
 初めての北海道となった大学生のH氏は、前半高速走行に慣れず戸惑った様子であったが後半にはK氏を左コーナーで抜き去るコーナーリングをみせ格段の進歩をみせた。









 S氏
 FUNKY創設時からのメンバーで北海道を何度となく訪れている大ベテランであるが、愛車FZR400 88モデルの性能を、フルに発揮させていなかったことを、2000年 FUNKY IN 北海道 Part 17で知ってしまう。








 Ryuta
 今回参加していないM氏のFZR400RRでの参加となったが、勉強不足からリミッターが解除されておらず北海道の道を満喫できずに終わってしまったのが心残りであった。







HOMEFUNKY LibraryRyuta’s Museum東北情報北海道情報秋田の林道秋田ヤブ山紀行Mail
Copyright(C) HIRATA  MOTOR CO., LTD.All rights reserved.