2002. 7. 7
2002 FUNKY 4th. Touring

Report by Ryuta


       
コースガイド

秋田⇒岩見三内⇒国道13号⇒出羽グリーンロード⇒

十文字⇒国道342号旅の駅⇒国道397号石淵ダム

⇒愛宕⇒横川目 国道107号⇒湯田町⇒沢内村⇒


盛岡 昼食(焼肉・冷麺)
⇒小岩井⇒滝沢⇒松尾⇒

安比⇒安代⇒鹿角⇒
大葛温泉 入浴⇒太平湖⇒

森吉ダム⇒阿仁前田⇒国道285号上小阿仁道の駅

⇒五城目⇒広域農道⇒黒川⇒上新城⇒添川⇒


   モト ワークス ヒラタ PM7:10
        全走行距離 560km

 このところのFUNKYツーリングは前夜に雨に降られる事が続いていて、今日も朝起きたら路面はウエット小雨もパラついている。天候は回復方向には向っているのだが、今回も雨具を着てAM6:00出発となった。

 梅雨時のツーリングでは雨の確率が高いのは致し方あるまい。隣の写真屋さんとの境にある紫陽花の花も雨露に濡れて輝きを増している。

 今回の参加者は、
 今年2回目の参加 2002 R1 S氏
  R1の慣らしも終えて全開パワーの2002R1 の走りに注目である。

 今回カメラ車の   YZF750SP M氏
  750SPとビデオカメラの相性が悪く、ここの
  ところカメラ車をしていなかったが、今回は?

 前回仕事のため不参加だった 1999 R1 P氏
   今回初めて、新旧R1の揃い踏みが実現する。
   新型には負けられない熱く燃えるP氏は二番手の重要な
   ポジションを走る。

 そして私は前回同様  1985 FZ250 Ryuta
   の参加となった。


 ウエット路面の出羽グリーンロードは慎重なペースで始ったが次第にペースが上がり3台の後姿が遠のいていく。トップを走るP氏は的確な状況判断で先頭の役務果たして行くが後ろを待つ余裕が少し足りないようだ。


 AM7:00前にいつもの南外村国道105号沿いの佐藤酒店に到着して休憩する。店のおばさんに「早いですね。」と言われてしまう。雨は上がったようだが路面は相変わらずのウエット。まだ雨具は脱げない状況だが、カウルの付いていないFZ250に乗る私は雨具がバタついて苦痛となっていたため、上だけを脱ぐことにする。

この自販機裏のテントは雨の時は欠かせない施設で、今まで何回雨宿りしたか分からない。



後ろの鯉は雷に合わせて飛び跳ねる特技を持つ。

 一服した後、南外から大森に向う。出羽グリーンロード中最長の直線路があるこのコースは、馬力が有る者が偉い道で私はアッと言う間に置き去りにされる。ウエット路面にも関わらず3車一体になって点になっていく。

 先頭を走るP氏は、直線後の道路のうねりを通過後にハンドルの振れを感じるようになったと次の休憩で訴える事になるがその話は後ほど。




 大森から雄物川町に出で浅舞、十文字、増田を通過して東成瀬岩井川の旅の駅に到着する。道の駅で無いとこをがここの特徴である。

 ここはFUNKYではお約束の休憩地点で、水沢へ抜ける国道397号と須川温泉に向う国道342号との分岐地点の近くに有り傍にガソリンスタンドも有るが、FUNKYで休憩地点として使われる最大の理由は綺麗なトイレが有ることである。綺麗なトイレは休憩地点として魅力的なファクターである。



 ここで80〜100位のスピードの間でハンドルがブレルと言うP氏のR1を点検する。
●ハンドルがブレル原因として考えられるのは、 
 1、タイヤとバイクの相性。タイヤの空気圧。
 2、ステアリングベアリングの不良。
 3、フロントフォーク・ダンパーの不均等。
 4、ホイールの変形。
 5、チェーンラインのズレ。
 6、タイヤの偏磨耗。  等がある。


 今回は走行中に急にそうなったとの事なので、ステアリングのベアリングの段付きが一番怪しいためフロントタイヤを浮かして点検したが問題は無さそうだ。フロントダンパーの調整も点検したが問題なし。


 結局、秋田に帰るまでハンドルのブレは解消される事は無かったようだ。ステアリングのベアリングはフロントを浮かして点検しても下側のベアリングの傷が小さい場合段付きが分からない時があるので、分解して点検してみる必要があるかもしれない。(結局原因は、フロントタイヤの偏磨耗であった。パイロット スポーツ のフロントタイヤは溝パターンが悪く偏磨耗する。)

 ここで全員雨具を脱ぐ。国道397号に入り岩手県との県境に有るトンネルに向って登り始める。 路面はハーフウエットとなりペースが上がる。幾つかのシェルターと路面にブラックマークが付いたヘアーピンカーブを抜ける。この道はドリフト族のホームコースになっているようで黒いタイヤ痕がヘアーピンコーナーごとに付いて
いる。

 登りの左コーナーのヘアーピンコーナーを立ち上がったP氏、律儀にも後ろの状態をミラーで確認してから最近取り付けたアント・ライオンのハイスロをワイドオープンにする。

 このコーナー先の右側には、右に入る2車線の舗装路が有ってミラーから前方に視線を移したP氏はこの入口が進むべき道に見えてしまった。 その間違いに気付いたP氏はフルブレーキを掛け何とか戻っては来たのだが、2番手のS氏はP氏に視線を送っていたため道路左側に寄ってしまい側溝に限りなく接近してしまう。

 二人とも何事も無かったのだがここで教訓。

 先頭を走る人間はコーナーの進入から脱出するまで100%前方に集中し自分が得た情報を後方に伝えることに専念する。それが後方に余計な情報を与えない事になる。後方の確認はコーナー進入のブレーキングの前に行うのが良いだろう。

 人の後ろを走る時は、前車がコースアウトしようが転倒しようが即座に視線をコーナリングラインに移して自分の走りに徹する事が肝心である。前車を見ていると自分も道連れにされてしまうものだ。コーナーを抜けた後に後方を確認しても遅くは無い。自分の視界から消えて行く者は即座に斬捨てる。これが鉄則である。


 そんな事があってトンネルを抜け岩手県に入る。岩手県側は秋田県側とは違ってキツイコーナーと短い直線で構成される道でブラインドコーナーが連続する。 P氏は先頭の役目も果たすべく一生懸命逃げる。それをS氏がシッカリとマークする。その模様を撮影すべく前の2台のR1を追うM氏であったがここでR1と750の排気量の差が出てしまった模様である。

 R1では幅広いパワーバンドを生かしてギヤをチェンジする事無くブレーキとアクセルワークだけでコーナーをクリアーすることが可能な所も、750ではギヤダウン、シフトアップが必要でその事に時間を取られて徐々にR1との間隔が開き始める。 それでもR1を追い続けたM氏であったがその差はいかんともし難くついに追うのを諦めペースダウンをする。そしてM氏に追いついたFZ250と共にR1を追ったのであった。

 つぶ沼で待っていた R1 2台と一緒になって石淵ダムに向いそこで休憩を取る。













 ダムサイトの駐車スペースに昨年は無かったトイレが設置されていた。

 このトイレは移動式多人数用全自動水洗装置 ベイントイレ と呼ばれる物で、男女用トイレ各1室と機械室から構成されており、水洗の水は循環しているようである。先月のツーリングで行った大深温泉のトイレの様に常に水が流れていて、現代版厠という事か






 このダムサイトには、おもしろBOXなるものがあり中を覗いてみた。熱い時期に来た時若いカップルが中にいてイチャ・イチャしていた事があったが、冷房完備で居心地が良さそうであったのを覚えている。DVDが設置されていて石淵ダムの歴史などを見ることも出来る。

 そのDVDによると戦後間もない昭和21年のカサリン台風で大きな被害を受けたこの地方を救うため計画されたのがこの石淵ダムで、日本で初めて造られたロックヒルダムなのだそうだ。石淵ダムはもう20年近く前から通っていたが、このダムが由緒有るロックヒルダムであることを初めて知った。しかしこのダムも下流に計画されている胆沢ダムができるとダムの湖底に沈むことになるとは時代は移り変わるものだと痛感する。


 このBOXの冷房装置は人が中に入ると動き始めるセンサー付きの省エネタイプなのだが、ガラス張りの室内は既に南国の様に暖められており、涼しくなるまで人は汗をかきながら居続けなければならない冷房装置なのである。我々が外に出たら、外の方が涼しかった。

頑丈なロック装置を追加された自販機。夜間人けの無い場所では必須の装置なのかもしれない。
 石淵ダムを発って水沢方向に走り出す。国道394号愛宕から左折して夏油・横川目方向に向う。ゴーサイン出すと3台のバイクが1列になって見通しの良い右コーナーに飛び込んで行く。綺麗に深くバンクした3台は弾けるようにコーナーを飛び出していく。
 美しい! ! と思わず見とれてしまった。この時、先頭を走るP氏の膝に付いたスライダーが地面と接触したとか。我々は低速のブラインドコーナーは探りながら走るため滅多にスライダー擦ることの無い。そのスライダーが擦るほど深いバンク角であったようだ。



 金ケ崎温泉の前を通り道は牧草地の中を走るようになる。前3台の姿は既に無く北海道を走っている気分で先を急ぐ。夏油温泉へ行く道の手前にある狭い橋で3台に追いつく。トラクターが橋の上でモタモタしていたためバスが追い越せずに停まっていて追いつくことが出来たのだ。すかさず先頭に出て早道をして横川目に向う。北上カントリークラブの前を通過し北上西インターチェンジの横に出る。

 横川目の国道107号にぶつかった所にあるGSで給油する予定でいたが、何とそのGSが閉まっているではないか。私のFZ250は既にここから10km手前でリザーブに入っており、FZ250の予備は2Lしかないためあと30km位しか走ることが出来ないと思われる。

 ここから我々は横手方面に向うのだが、私の記憶では約20km先の湯田町までGSは無かったような。北上方面に行けばGSは近くに有りそうであるが逆に進むのも面白くない。何とかなるだろう。ガス欠の最後の砦プクプク・ポンプ有る事だし、湯田町に向う事にする。


 湯田ダム近くの 道の駅 錦秋湖 で休憩を取る。P氏のR1を除くS氏とM氏もリザーブに入っていたようである。P氏のR1はどんな走りをしても16km/Lは走る高燃費車で、FUNKYの通常の走りで16〜19km/L、20km/Lを越えることもめずらしくない。

 FZ250のタンクを覗いて揺らしてみるとほとんどガソリンが無いように思える。途中で止まるのもイヤなのでP氏のR1のタンクからガソリンを1Lほど拝借することにしてポンプでガソリンを移す。

 国道107号錦秋湖沿いの道は狭く曲がりくねっていたが、改修が進んで今掘っているトンネルが完成すれば完了するところまで来たようだ。107号は相変わらず交通量が多く完成が待たれる。

 国道107号が信号で左折し橋を渡る所にあるGSで給油休憩を取る。FZ250のTRIPメーターは210kmを越えていてガソリンは10.8L入った。12LタンクだからR1から1L貰わなかったら残りは0.2Lしかなかったということか。危なかった。

 2002 R1は13L後半、1999 R1は12L後半、750SPは14L後半のガソリンを給油する。走行距離が各車違うため燃費は一概に比較できないが、FZにガソリンを分けたにも関わらず12L後半しか入らなかったP氏R1の高燃費が光る。
 

 ここで雨中走行で汚れた車体を綺麗にしようとR1コンビが洗車場にバイクを運び込む。S氏にとって汚れたバイクで青空の下を走る事は許されない事なのである。その間、M氏と私はエアコンの効いた店内でお茶してました。年よりは余計なエネルギーは使わないものです。M氏は違いますよ。

 こから湯本温泉、沢内村を通って雫石方面に向う。空には青空と白い雲、気温も上がって熱くなってきた。ここから冷麺と焼肉を食べに一気に盛岡まで走るのだ。 沢内村と雫石町の境にある峠は以前は狭い曲がりくねった道であったが、現在は新山伏トンネルと新しく造られた道路で高速のステージとなっている。トンネルを抜けた緩い下り坂でFZ250なりにペースを上げてみるとやはり製造年度の古さが露呈してしまった。150位でのコーナーではフレームが捩れるのが感じられるが、リヤタイヤが磨耗しているのも関係あるかもしれない。

 鶯宿温泉入口の信号から広域農道に右折して盛岡に向う。この道を走るのは10年ぶり位で周りの景色を思い出しながら走っていたが、道なりに走るうちに記憶に無い景色が現われ道路標示に盛岡・矢巾の文字が書かれている。どうも昔の道路が延伸されて矢巾方面まで通じているようである。


 ここまで来て以前の道まで戻るのも何なのでこのまま進んで見ることにする。盛岡・矢巾方面という事は、流通センター付近に出ると思われ焼肉屋まではそんなに遠くは無い。

 道は次第に山を登り始めどんどん標高を上げていく。そして何と広域農道にはめずらしい立派な長いトンネルが現われた。それも二つも。私はトンネルとか隧道などに特に興味は無いが、農道でこんなに立派なトンネルを造ってしまって良いものか疑問を持ってしまう。農道と言う事は農水省の予算で造られた道路のという事だ思うが、この仕事は国土交通省の仕事だと思うのだが。

 トンネルを抜けると道は下り始め眼前には盛岡の町並みが見えてくる。今回はこの道を初めて通ったためゆっくりと走ってしまったが、交通量もそんなに多くなく楽しく走れる峠道であるようだ。次回からは少しペースを上げて走ってみようと思う。強いて問題点を上げるとしたら農道であるため国道より道路の巾が少し狭いのと、路面の平面度が落ちることである。

 私の予想通り道は矢巾町の流通センター近くのよく知った道に出た。信号を左折して国道46号にある焼肉・冷麺ぴょんぴょん舎に向う。少々遠回りをしてしまったが今回通った農道は、秋田から遠野方面に行く時は近道として利用出来そうである。雫石から矢巾町まで盛岡市街を通らずに行けるのが助かる。
 ぴょんぴょん舎には正午に到着することが出来たが、日曜の昼時とあって店内は順番待ちの列が出来ていた。外の中庭にも席があって最初にそちらを勧められたが、外は気温が上がって熱そうだったので冷房の効いた店内を希望する。しかし席の回転が良く10分程度待って席に付くことができた。

 P氏とM氏が冷麺の中辛、私が冷麺大辛、S氏が冷麺が苦手ということでそば冷麺なるものを注文する。

ぴょんぴょん舎には そば冷麺 (800円税別)なるメニューが存在する。
  味は別皿で付きお好みで入れるシステム。

 私はそば冷麺なるものを初めて見たが、そばの上には梨のスライスが乗ってその上にキュウリと玉子が乗っている。S氏によると、そばも普通のそばと違って冷麺のように硬めになっているとのことであった。辛味は別の皿に付いてきてお好みで入れるようだが、辛いのが苦手なS氏は辛味無しで食べていた。小食のS氏を持ってしても量は少なめであったようである。私も機会があればそば冷麺にトライしてみたいと考えている。


 左の写真でM氏が箸で持っているのは焼豚。冷麺に入っている焼豚は食べないとM氏はP氏にプレゼントする。普通のラーメンの焼豚は食べると言うからこの男の食物に対する判断基準がよく分からない。

 私は盛岡冷麺を多くは食べていないので何処の冷麺が美味しいのかは知らないが、お約束のスイカも入っていて、小岩井農場入口にあるひげ同様美味しいと思う。辛さは大辛でも耐えられない程の辛さではなく、中辛でチョット辛い程度の辛さであったと言う。辛さの感じ方は人それぞれなので、これは大辛を食べた私と中辛を食べたM&P氏の感じた辛さである。

 順番待ちのお客さんが沢山いたので食べ終わって直ぐに席を立つ。 外に出ると中庭の隅に事故ったバイクを発見する。アンダーブラケットから下をもぎ取られたそのバイクは、HONDA CB750F の集合管仕様と見たがどうなんでしょう。

 バイクのオブジェを見る機会はそんなに多くなく、出来れば完全な姿で見てみたかった。この状態で人目にさらされるのは忍びない。だが、これが完成品なのかもしれないが?

  大葛温泉はこの幟が目印となる。


 ぴょんぴょん舎をPM0:40に出発、国道46号を小岩井農場に向う。小岩井駅の近くで我々の後ろにKAWASAKIのバイクが付く。このまま小岩井農場先の高速ステ-ジまで付いてくれるのを期待したがいつの間にかいなくなっていた。残念!!

 予定では網張高原を往復する予定にしていたが、それをやめて途中から滝沢方面に右折することにしたため後ろを前に出せず高速のこのステージを先頭で分岐まで走ってしまう。今日の二番手はこの分岐を良く通り過ぎるのだ。

 右折して3台を前に出し後を追う。縮んだ状態から開放された3台は瞬く間に視界から消えていく。しばらく走って車の後に付いてペースダウンした3台が視界に入ってくる。この先の一時停止で待ってくれるものと考えていたが甘かった。先頭は一時停止を右折して走って行ってしまう。私の予定では右折して100m位走って左折するつもりであったが先頭はどんどん先に進んで行く。慌てて追いかけ先頭を止め空き地でUターンをする。

 先頭はいつもの様に国道282号に出て八幡平に行くつもりであったようだが、一時停止では後続を待って出発する様にしたい。


 Uターンの後、予定の近道に入り国道282号にでる。トイレ休憩を取るため道の駅 西根 に立ち寄る。トイレから帰って来ると我々のバイクの周りには沢山のバイクが停まっていて、R1のグループやハーレーやらオフロードバイクなど色々であったがレーシングスーツを着たライダーは皆無であった。レーシングスーツが今や過去の遺物となってしまったようである。見た目ではなく安全性と機能性を兼ね備えたレーシングスーツは、ライダーウェアーとしてもっと認められても良いと思うのだが。


 ツーリングから帰って来て今回不参加のF氏から聞いた話によると、道の駅 西根 には美味しいと評判のホウレンソウソフトクリームがあると言う。それを知っていればソフトクリームにはチョットうるさい私としては絶対に食べていたのだが、残念ながら次の機会となってしまった。そういえば以前確かにそんな話を小耳に挟んだことがあったような気もするのだが、年寄りはすっかり忘れていたのであった。

 道の駅を発って八幡平樹海ラインに向う。前回のツーリングで散々の目に遭わされた八幡平樹海ラインであったが、前回のリベンとして今回もコースに入れたのである。八幡平に近づくに従って悪い予感がしてくる。状況は前回と同じく八幡平の山頂部は雲の中、雨粒がポツポツと落ちてくる。前回と違う所は風が強くないところか。

 八幡平温泉郷入口の信号をアスピーデライン方向に右折して右側の空き地にバイクを停める。検討の結果、前回と同様に雨が降ってガスがかかっていると思われる八幡平山頂を目指すのは猿にも劣ると言うことで、予定を変更して安比から安代に出て国道282号で鹿角に向うことにする。

 二番手に、一時停止では必ず待つように指示して出発する。安比に行く道は前に一回走ったことがあって、前回はもっと松尾八幡平IC寄りの道から入ったのだが、途中に一時停止があったと記憶していたのでそこで前に追い付き先頭に立って安比に向かうつもりでいた。

 ところが今回、安比高原方面への標識に従って左折し直ぐ後ろに下って前の3台を追いながら道路状況を観察していると、あることに気が付いてしまう。どうもこの道は前回一時停止して右折した道そのものであるようで、このまま進んでも一時停止は現われないと考えられる。そうだとすると安比に行くためには左折しなければいけない個所があるはずなのだが、このまま行けば一時停止は無いので先頭はそのまま行ってしまうだろう。だがその左折場所には安比高原方面の道路標示があったはずで、そこで止まってくれれば良いのだかと希望的観測をして後を追う。

 そしてその場所に差し掛かった先頭は、安比高原は頭にあったのだろう道路標示を見てスローダウン後ろのS氏に相談する。S氏に道に関する相談をしてはいけません。確かにS氏は前回この道を走ってはいたが、二番手・三番手を走るライダーは走った道順を全くと言って良いほど覚えていないものなのである。結局、S氏に?マークを返された先頭は、そのまま進行してしまう。

 その状況を遥か後方で見ていた私の「追い付くまで止まっていてくれ!!」と言う願いも空しく、先頭は戦闘モードに突入し国道282号の一時停止まで一気に走ったのである。結局、こちらの道も走って楽しい道であったわけで、新しい道も覚えることもでき結果的にはOKであったのだが。

  大葛温泉の外観 ここの運営は大葛地区で行っている。

 国道282号を安代まで走りガソリンを給油する。私のFZ250は180km位走って8Lを給油。P氏のR1は7.8Lしか入らない。250ccより燃費の良い1000ccのR1とはどんなバイクなのか。
 スペックをご紹介しよう。
 
・エンジン本体       ストック無改造
 ・エキゾースト・マフラー  アクラボヴィッチ・レーシングライン
 ・スパークプラグ       NGK イリジウムプラグ
 ・エアークリーナーBOX  吸入口改造
 ・エアークリーナーエレメント オリジナルエレメント
 ・キャブレター moto works HIRATAでセッティング
 ・後輪出力  ダイノマシンで測定 142.2PS(換算値)

大葛温泉の浴場 (大きくは無いが清潔感のあるタイル張り)

 気温も上がって汗もかいたので、ここらで温泉に入りたいところ。これから行く国道282号沿いの温泉を調べると田山に温泉が在りそうである。まずは田山を目指して出発する。

 安代と田山の間にある峠手前のパーキングに20台以上と思われる雑多なバイクが停まっているのが見えた。当方は峠モードに入っておりアクセルは既に全開。ライダーの視線を感じながら4台のYAMAHAは峠を一気に駆け抜ける。

 小排気量のFZ250がR1やYZF750SPを引き連れて走る姿は、彼らの目にどう映ったのか気になるところではある。

 田山の町外れで田山温泉入口の看板を左側に発見するが、ここから数キロ入って行かなければならないようなので諦めて通過する。すると今度は町の真中に今風の温泉施設を発見するが、ひなびた温泉好きのFUNKYとしてはここも通過してしまった。ここで入らなくても比内町の大葛温泉や森吉山荘、杣温泉もあると考え先に進むことにする。

 鹿角から峠を越えて比内町大葛に向かう道に左折する。ここの峠はそんなに長くは無いがトンネルまでは高速のコーナーが続く。峠にある少々長めトンネルは、中で大きくカーブしているため走りずらく気を使う。この時期のトンネルの中は気温が低く涼しくて良いのだが、トンネルの中だけ気温が低いため空気中の水蒸気が結露して路面がウエットなのはいただけない。薄暗いく、曲がった、濡れた路面のトンネルほど走りずらいものは無い。

       脱衣所も綺麗で整っている。
 ンネルを抜けると道は細かなカーブが連続するものに変化する。先頭には道が狭くなったらスローダウンして待つように指示したが、間隔が開く過ぎたため一生懸命追いかけたがなかなか追い付かない。

 やっとの思いで追い付き先頭に立つと左手に大葛温泉の幟が見えた。この先のある比内町で運営する温泉
ベニヤマ荘に入るつもりでいたが、ここにも温泉? この建物が以前から在ったのは知っていたが温泉施設であったとは知らなかった。幟が無かったらズーッと知らずにいただろう。すかさずUターンしてパーキングにバイクを停める。 PM3:35着.。ここでS氏が来ない。遅れてきたS氏に理由を聞くと2002モデルのハンドル切れ角の少なさが災いしてUターンに時間が掛かったとか。2002 R1 にも弱点が有るの事を知る。



 タオルを持って中に入ると入浴料の発券機が置いてあり、その金額は何と 金壱百円也。これまでFUNKYで行った温泉で一番安かったのは、昨年行った山形県瀬見温泉の公衆浴場で入浴料100円(無人で100円玉を入れると扉が開くので1回に何人でも入れるが、基本は1人100円。)であった。この大葛温泉も同じ100円でFUNKYが入った最も安い温泉の一つとなったのである。

 しかし、同じ100円でも大葛温泉が瀬見温泉と大きく違う所は新しく綺麗な事であろう。4年前に建てられた言う建物は丁寧に使用されており今年建てられたと言われても信じてしまうほど新しく見える。この温泉は地元大葛の皆さんの手で運営している温泉で、そんな所がこの綺麗さを維持している原因かもしれない。




 温泉の成分は左の表の通りだが、源泉をそのまま使用しているという湯船の温度は39℃前後と思われ、ユックリ入るには丁度良い温度とサラッとしたお湯がマッチしてリラックス出来る温泉だと思う。

 今回は全ての温泉を飲む男 F氏 が不参加のため、私が代理で飲んでみることに。飲んだ感じは普通のお湯って感じで、外国産の硬水ミネラルウォーターだと思ってもらって結構です。

 ここの温泉には石鹸もシャンプーも置いてないので必要な方は持参するようにしてください。

 温泉から上がってお約束のアイスクリームと思ったのだが、残念ながらアイスは置いてなかった。それならばと白い牛乳を自販機から買いグーット飲む。
    美味い!!


 いつもよりチョット長めの休憩を取って
PM4:30大葛
温泉を出てT字路を左折、太平湖に向かう。 FUNKYの中ではTask橋と呼ばれる短い橋を渡ると、道は狭く曲がりくねった峠道になる。





  吉山荘前で休憩を取る。
 ここから太平湖の脇を通り森吉山荘まで同じような道が20km位続くのだが、今回はFZ250という軽いバイクであったので他のビックより有利と考えチョット頑張って見ました。頑張ってはみたものの、FZ250には7,000回転前後に谷があってそこに嵌ると加速しないためビックバイクよりチェンジが大変なことが判明。

 反対に現代のビックバイクはこんなコマイ道も難なくこなすハンドリングを持っていて、引き離すどころか後ろから突っつかれる状態になり結構疲れました。結局35分間連続で目一杯走りPM5:05に森吉山荘に到着、バイクから降りると膝がガタガタで足に力が入らない。

 ここの山荘の壁に犬が一匹ポツンと繋がれて、こんな大きな施設でも犬を飼うことがあるんだと感心していたら、お風呂上りの家族連れが現われ犬の所へ近づいて行く。犬は警戒するどころか鼻を鳴らして擦り寄っていくではないか。良く馴らされた犬だと感心していたら、家族連れは犬を連れていってしまった。犬は家族連れの皆に登り上がって喜んでいる。


 繋がれていた犬は森吉山荘の犬ではなく、飼い主が温泉に入っている間外でジーッと飼い主を待っていた犬であったのだ。どれくらいの間待っていたかは知らないが、その喜び方は尋常ではなく体全体で喜びを表現していて、あれだけ喜ばれると飼い主もよりいっそうあの犬を可愛くなることだろう。

 人間関係においても、嬉しい時は嬉しい気持を素直に相手にぶつけることが相手の気持を引き付けることになる。そんなことを犬に教えられた気がした風景であった。


 新旧R1デザインの違いが良く分かるショット。
 森吉山荘から阿仁前田に向かう道は、最初は川沿いの中速ワインディング。それが終わると周りが開けて直線が長くなりスピードがのる。そこから山の中腹までヘアーピンコーナーを使って登り森吉スキー場入口前を通過、再び下に下りる。

 昨年は降りた所の交差点を左折していたが、今年は道が変わっていて直進し川の対岸の山に登る。対岸の山の中腹には新しい道が出来ていて道路脇には新しい建物も建っている。緩やかに曲がりながら道はゆっくりと下ると人家のある所に出てステージは終了する。 何でこんな複雑なルートを取るかというと、今ここでは森吉ダムの工事が行われていて工事の進み具合に伴ってルートが変更されているのである。今後またルートの変更は有るであろう。


  今年初めて見たトンボを撮る。
 森吉山荘を出る前にP氏が気持が切れて来たのでユックリ行こうみたいな話を私にする。一応うなづいておく。

 中速のワインディングを半分位走ってP氏を先頭に出す。私は楽をさせません。疲れた時は疲れた時の走り方を勉強してください。色々な条件で、色々な気持で、それに合った走り方、気持の作り方を経験し勉強してください。それが安全につながり、楽しさにつながるのです。

 先頭に立ったP氏は言葉とは裏腹に結構良いペースで先頭を引っ張り、見る見るうちに視界から遠のいて行く。

 今日のカメラ車M氏の後輪タイヤは、朝出発する時すでにスリップサインが出ている状態で停まるごとにタイヤの減り具合を確認していたが、いよいよ最期が近づいて来たようで真中の溝の姿は消えかけて来た。

 タイヤをとことん使い切らないと気が済まない性格のM氏は、あえてそんなタイヤで参加したツーリングでもカメラ車の職務を全うしようと前の二台をピッタリとマークしている。



 しかしその努力が空しい努力であった事を秋田に帰ってから知ることになろうとは・・・・・・・。

 阿仁前田で国道105号を横断し、上小阿仁にある道の駅に向かう。 トンネルを抜けるとそこから高速ステージが始り一気に道の駅に到着してしまう。前の3台早過ぎます。

 今回 2002 R1 で2回目の参加になったS氏は、慣らしも終わったR1で快調な走りをみせた。先頭のP氏をピッタリとマーク、走り始めは前に付き過ぎと指摘されると直ぐに適正車間に修正する柔軟な走りをみせる。今後は2番手やカメラ車も務めてもらい、道やそれぞれのポジションの走り方を勉強してもらいたいと考えている。

 道の駅 上小阿仁 の横の入口から正面のパーキングに行くには大きく回らなければならないのだが、先頭を走るP氏は近道をしようと歩道を乗り越えようとするではないか。大丈夫か?

 しかしそこには小さな子供がいて行く手を塞ぎ、そして歩道の向こうにはパンダさんがいた。 さすがのP氏も近道を諦めざるをえなくなり、そ知らぬ顔をしてUターン、大きく回って正面のパーキングにバイクを停める。

 急がば回れを実感した出来事ではあったが、ズルをしてもお天道様は見ている事を忘れないように。

 この道の駅にバイクを停めると色々な人がバイクを見ていく。前回は酔っ払いのおじさん連中。今回は全国高校野球選手権の秋田県予選が近い十和田高校の高校生球児達であった。このレポートを書いている今現在、十和田高校は一回戦を突破したが二回戦で敗退した模様である。道の駅で会ったのも何かの縁と応援していたのだが残念ではある。

 マイクロバスから降りてバイクの横を通る球児達はバイクに一瞥をくれるがバイクの話をするわけでもなく横を通り過ぎる。

 現代の若者のバイクに対する考えというか気持がどんなものなのか良く分からないが、この道の駅で我々のバイクを見た人々のリアクションを観察していると、若者より年配の方々の方が強く興味を示す様である。


 このような状況からバイク業界の将来を考えてみると、あまり明るい展望は見えてこない。先が短い年配層に興味を持たれても業界の先は短い。如何にバイクを若年層に興味ある物にしていくかが業界の今後の課題であろう。そのためには過去のバイクを掘り出してきて焼き直しバイクを製造するではなく、今まで無かった全く新しい発想のバイクを創造する努力をメーカーはするべきである。使い方はユーザーに任せれば良い。無駄と思える事が新しい世界を造る。バイク自体が無駄の塊みたな物なのだから。

 FUNKYの中では小食で知られるS氏ではあるが、さすがに昼食のそば冷麺だけではお腹が空いたようで珍しく以前ここで私が食べた事のあナンドッグを買ってきた。ソーセージをナンで挟んだナンドッグは大変熱く、S氏食べるのに苦労する。熱いため口の中にナンとソーセージを一緒に入れることが上手く出来ずに、結局ナンを全て食べ終わってからソーセージを食べる。一緒に食べる事が特に難しい事とも思えないが、そういうところがS氏のS氏たる所以なのである?

 15分程休憩してPM6:00秋田に向かって出発する。国道285号は相変わらず車が多く車の後について五城目まで走り、バイパスから広域農道に入り一気に黒川まで走って秋田に帰ってきた。

 moto works HIRATA  到着 PM7:10 全走行距離 560km

 帰って来てM氏のリヤタイヤ見ると左の写真の様になっていました。センター部の溝は影の様に薄っすらと見えてはいるが手で触っても段差は感じられない。さすがに中部地方とは違ってサイド部は残っているが、ここまで使わなくてもいいのではないかと思ってしまう。M氏はタイヤの最後を見取ってからタイヤを交換するのを信条としている様で、彼の執念を感じるタイヤである。

 この ミシュラン パイロット スポーツ サイズ 190/50ZR17
のタイヤは5,171km走行しており、スリップサインが出でからも800km以上走っている。これだけ減ったタイヤでも、あれだけの走りができる事に感心するやら呆れるやら。

 帰ってからの楽しみはビデオ。早速M氏のバイクからビデオを下ろしテレビにつなぐ。ガ・・・・・・。

 予想通りというか心配していた通りというか、ビデオテープに映像は残されていなかった。正確には小岩井や国道282号を走るどうでもよい映像の一部を除いてである。

 YZF750SPがカメラ車として活躍していたのはいつの事だったか忘れてしまったが、昨年カメラ車を務めた時テープが途中で止まるトラブルにみまわれカメラ車リストから外されていた。このトラブルは走行しないで状態では起こらない厄介なトラブルで原因が解明されていなかった。

 今年なってR1やR6では問題なく撮影が行われていたため、今回はあえてYZF750SPにカメラ車をお願いしたのだが、結果は昨年と同じであった。

 この結果、先行するR1をタイヤの減ったカメラ車で追ったM氏の努力も、帰ってからのビデオを楽しみに先頭を引っ張ったP氏の思いも水泡に帰したわけで、各人ガックリと肩を落す。これでまたYZ750SPは、カメラ車リストから外されることになったのである。


 PM8:45お約束の写真を撮って解散となった。

 今回は高速マシンによる(私を除く)ハイスピードツーリングの様相を呈したが、我々のツーリングは皆で楽しく走る事を目的としている事を胆に銘じて、各人の思いはそれぞれあるとは思うがその目的に向かって切磋琢磨して楽しんで行きたいと考えているので今後ともヨロシク。

               
                          Report by Ryuta
FUNKY Librery FUNKY Library Site FUNKY Home