西馬音内 七曲峠




003.4.27
2003 FUNKY 1st.ツーリング

    Report by Ryuta
    





秋田⇒岩見三内国道13号出羽グリーンロード

国道105号南外村保呂羽山東由利町

羽後町 七曲峠
西馬音内十文字

増田町上畑 昼食三平そば稲川横堀

国道108号松の木トンネル笹子鳥海町

矢島 花立仁賀保高原金浦温泉 入浴

国道7号
本荘大内町大正寺雄和

空港道路
国道13号横山・金足線 

モト ワークス ヒラタ
  走行距離 360km
 今回のツーリングの一ヶ月以上前、Ryutaの掲示板にある書き込みがあり、そこには5〜6年連絡の無かった昔のFUNKYメンバーの名前が書かれていた。それから始った元メンバーとのメールのやり取りの中で、以前から所有し5〜6年は寝かしていたTZR250R-SPの修理を依頼される。

 その時は、またバイクに乗るんだと思った私であったが、彼女が(そう彼女なんです。FUNKY in Hokkaidoh Part8 レポートにも登場する彼女なんです。)FUNKYでまた一緒に走りたいと考えているとは夢にも考えていなかった。

 そして引き取ってきたTZRは、フロントフォークに深い錆、フューエルタンクの中は錆だらけ、キャブレターの中は腐りきっていたし、タイヤは長い歳月の結果ゴムは硬く熟成され錆で塗装の浮いたアルミホィールに嵌っていた。

 この1992年モデルのTZR250R-SP(3XV5)は、36φキャブレターOX Racing パワーアップ Kit 、SUGO製レース用イグナイターを装備して、以前は後輪59PS近くを発生していた。今回そのパワーをどこまで復活出来るか課題になった。

 その後、本人のFUNKYツーリングへの参加表明もあって4月27日の1st.ツーリングに向けてTZRの修復作業は行われ、その結果TZR250R-SPは後輪で60ps以上発生するまで復活することが出来たのである。

 FUNKYツーリングへの2サイクル車の参加は、一昨年9月のツーリングで私の乗ったTZR250Rが鎧畑ダムサイトで焼き付いた後、無かった。

 昔と違って高速化されてきたFUNKYツーリングは、2サイクル車には厳しい状態になっている事は否めず、今回のTZR250R-SPのセッティングは以前出したベストセッティングから少し濃い目に設定する事にしたのだが、その事が27日のツーリングに思わぬ結果をもたらすとは、その時は思いもよらなかった。

南外の国道105号にある、いつもの佐藤商店前にて
 そして4月27日はやって来た。まずmoto works HIRATAの近くに住むP氏が歩いて登場する。何故歩きなのかと言うと、今日彼はカメラ車の勤める事になり、事前にカメラを搭載のため愛車R1を預けていたのである。続いて、YZF750SPに乗るM氏が到着し、後は十数年ぶりに参加のY嬢(以前はO嬢としていたが、今後はY嬢とさせて頂きます。)を待つばかりとなった。

 集合時間のAM9:00少し前、Y嬢は新しいフューエルタンクが眩しいTZR250R−SPに跨り、新しく買ったSHOEIX−Eleven(XSサイズ)ではなく、シールドの中に茶色のガムテープを貼った古いArai坂田レプリカを被り、以前の北海道ツーリングの時も着ていたタカイ革ツナギ(本人は久しぶりに着るこの革ツナギに体が入るか心配であった模様であるが、何とか体が入って本人はひと安心。)に真新しいSPIDIブーツを履き、手には御NEWのタイチ GP EVOグローブ(Sサイズ)を嵌めて、新旧入り乱れた出立ちてさっそうと我々の前に登場する。


 久しぶりの再会(P氏は十年以上)にも関わらず、そこはFUNKYメンバー直ぐに時間の隔たりを感じさせない会話の応酬が始り、以前と変わらない雰囲気となっていた。

 出発の時間になりAM9:00過ぎ秋田を出発、私、M氏、Y嬢、P氏の順番で走り始める。

 まず秋田中央インターの横を通過し、いつものルートで国道13号の出羽グリーンロードを目指す。岩見三内から大張野方面に向かう道が新しく舗装が完成したとの情報を得てその道を走ってみると、適当なワインディングが続きで今まで使っていたほとんど直線の道より楽しめる事が判明。今後は急ぐ時以外は新しいルートを使う事にしようと思う。

 十数年ぶりに参加のY嬢といえば、さすがに長いブランクのためかすっかり初心者モードの走りになっていて、コーナーに入るとM氏の後ろに十分過ぎる程の空きスペースを作成していた。

 グリーンロードに入ると、M氏とP氏を前に出しY嬢とのランデブー走行となったが如何せんY嬢のペースが上がらず、それぞれの単独走行状態になってしまう。

 本日の私のバイクは昨年北海道に一緒に行ったスズキRF400Rであるが、予定では一昨年の9月のツーリングで焼き付いたTZR250Rのエンジンを載せ換えて(オークションで中古のエンジンアッセンブリを9,750円でGETしてあった。)参加のつもりであったが、ツーリング直前になって乗せ換えエンジンのシリンダヘッドガスケットが使用不能である事が判明、止む無くRF400Rでの参加となってしまった。

 結局TZR250Rのランデブー走行は叶わなかったが、それは次の機会に譲るとしてもRF400Rよりは格段にコーナーリング性能が勝ると考えられるTZR250R−SPがRF400Rに遅れを取るとは腑に落ちなかったのだが、南外の佐藤商店での休憩中の話でその原因の一つが判明した。
    東由利の道の駅にて

 Y嬢のTZRは8,000rpm付近にトルクの谷が出来ていて、コーナーの立ち上がりに丁度この回転に嵌ってしまい一瞬加速しない状態になってしまう様なのである。

 その原因は、焼き付き対策で中速域を濃くしたのが要因のようであったが、中速を濃くした影響はそれだけに留まらなかった事がその後判明する事になる。

 南外の長い直線を走り、大森町に出て保呂羽山を越える。久しぶりに走る大森から保呂羽山に向かう道は、道路改修が進み新しくトンネルやバイパスが出来ていて走り易くなっていたのに驚く。世の中不況とは言えこんな田舎でも公共事業が確実に実行されているのだ。

 昨年、大内町から東由利町に抜ける道から見えた白く綺麗な鳥海山は、今年は残念ながら雲に隠れて見る事が出来なかった。今日の天気は、今のところ晴れるでもなく中途半端な薄曇で気温も思ったより上がっていなくて、道路に設置された気温表示は10℃前後を示している。

  羽後町 七曲峠 9合目 肘曲コーナー

 国道107号に出て道の駅東由利で休憩を取る。そのパーキングには6〜7台のハーレー軍団が鎮座していて、「どーだ・ハーレーだぞー」光線を出して周りを威圧していたが、最近はハーレーの数が増えて珍しくも無くなった事にオーナー達は気付いているのだろうか。今国道を走っていて一番多く見かけるツーリンググループはハーレーに乗っている人達かもしれない。

 そうこうしているうちに、DUCATIやZ系そして1台のRZ250を含む7〜8台のカスタムバイクグループが爆音と共にパーキングに入って来た。最近確かにこの手のグループも多く見かける様になった気がする。

 昔は何処にでもいたカウル付きのバイクに乗った我々のようなグループは、今では殆んど見かけなくなってしまった。多くのライダーから見れば、我々は明らかに異端児であり特殊なグループとなってしまうのだろうか。

 休憩後、他のライダーの視線を感じながら道の駅を出て、羽後町の七曲峠を目指す。いつものコースを逆方向に走るため見える景色がいつもと違って時々道を間違えそうになりながら進む。


 3人によるデジカメ相打ちのショット。1名はカメラ付き携帯。時代を感じる。

 羽後町田代に出る手前で後ろの2台が来ていないのに気付き、Uターンして引き返すと直ぐに2台がやって来た。遅れた理由を聞いてみるとY嬢のTZRが予備タンクに入ったため遅れてしまったと言う。トリップ・メーターが100km程度で予備タンクに入ってしまったようで、計算すると燃費は10km/Lを切っていると思われ唖然とするが、ここから西馬音内までは大した距離もないのでそのまま七曲峠に向かう。

田代から七曲峠に入る入口を行過ぎてしまいUターンする事になったが、何とか七曲峠に辿り着く。
肘曲の桜はまだツボミが綻び始めたばかりで、満開までには少し時間が必要のようであったが、ピンク色が非常に綺麗であった。


 峠から見える景色は春霞で霞んでいて奥羽山脈(焼石岳など)は見えなかったが、桜越しに見る横手盆地の景色は春を強く感じさせる美しい風景であった。

 春の景色を充分堪能した後、九十九折の狭い七曲峠を下り西馬音内の町に近づいた時、P氏が私の横にやって来てY嬢のTZRが停まった事を私に告げた。GSまであと数キロも無い所まで来てのガス欠とは何とも残念ではあるが、私はそのままGSにガソリンを買いに向かった。

 街中のGSは休日とあって休業の所が多く3軒目でようやく営業中の看板が出たGSを見つける。GSのオジサンに事情を話して4Lのオイル缶を借りてそれにガソリンを入れてもらい皆の所に走る。


 戻って見ると、TZRのタンクの中にはP氏のR1から空中給油されたガソリンが入っていた。ちょうどTZRが止まった場所の向い側の家でご婦人が車を洗車中であったのだが、それを見たM氏はそのご婦人に事情を話して石油ポンプを借りる事を思い付く。FUNKYではガス欠の時はまず人家を探して石油ポンプを借りる事が定石となっているが、M氏はそれを実行にうつしたのであった。

 無事ポンプを借りる事が出来て、P氏のR1からY嬢のTZRのガソリンの移動は完了して走行可能にはなったのだが、私が戻って来ないため動く事が出来ず、M氏が私を探しに行く事になった。そんな事になっているとは知らない私は4L缶をテールバックに押し込んで、来た道を急いで戻っていた。TZRの所まで戻ってみるとTZRのタンクの中にはガソリンが移されてた事を知るが、折角買ってきたガソリンであったのでTZRのタンクに4Lのガソリンを注ぎ込む。

 P氏にM氏と会わなかったかと聞かれたが、M氏とは会わなかった。同じ道を走っていたのなら必ず会っている筈だからM氏は違う道を行ったのだろう。

 暫くして戻ってきたM氏の話のよれば、私がいつも立ち寄る幹線沿いのGSに向かったと読んでそのGSに行ったが私が行っていない事が分かって戻って来たと言う。私が左に曲がった十字路をM氏は右に曲がったようである。ここでM氏は一つ学んだようだ。戻って来るのが分かっている場合は、動かず待った方が得策である事を。この事が後で私に影響を及ぼすことになるとは・・・・。

 先ほど4Lのガソリンを買ったGSに戻って全員が給油する。出て来たオジサンは、出前のラーメンで昼食中であったようで食べ掛けのラーメンを残して我々に給油してくれた。オジサンは給油が終わった後、延び切ったラーメンをまた食べていたが悪い事をしてしまった。

 私も昼食のカップラーメンにお湯を入れた後にお客さんが来て20分後に食べた事があったが、うどんの様に太くなったラーメンはとても食べられる物ではなかった。お客さんに注文を付けられないところが、客商売の辛い所である。


  給油後、西馬音内から十文字に出て増田町上畑にある三平そばに向かう。昨年も1st.ツーリングの時に訪れ、漬物と手打蕎麦が大変好評で今年も訪れる事にしたのである。


大盛蕎麦 750円

しかし今年は美味しい漬物が無く、大変に残念であった。お店のお嬢さん達も我々が漬物目当てに来た事を知っていて申し訳ないと恐縮していた。次回に期待したいところだ。

三平そばの向かいには上畑温泉の温泉施設がある    P氏は天婦羅付きの豪華版の大盛蕎麦
 蕎麦は相変わらずの美味しさでアッという間に大盛りを平らげる。手打蕎麦の場合、毎回同じ味で出すのは難しいようで食べる度に味が違う蕎麦が結構あるが、ここの三平そばは食べる度に充分な満足感を与えてくれる。

 お腹も膨れて今度は金浦温泉に向かって出発、増田から道路標示にしたがって広域農道に入り稲川に向かう。この道は横手から増田を結ぶ広域農道の延長線にある道だが、途中から工事中で完成しておらず普通に県道を使った方が良かった。

 稲庭から国道13号に出て、院内から国道108号に入り高速ステージの松ノ木トンネルに向かう。トンネルの手前でM氏とP氏が前に出てトンネルの中に消えていく。この高速区間でM氏のYZF750SPに異変が起きていたのだが、遥か前方で起きた事など知る由も無く私は後を気にしながら2台を追っていた。そしてその時私の後方を走るY嬢もまたトンネルの中で悪戦苦闘していたようだ。

 今では珍しいイエローバルブのH4が装着されたヘッドライト(暗い)、スモークシールドにミラー加工したヘルメットのシールド(暗い)、ギリギリ運転免許の眼鏡等条件を免れた視力によりY嬢はトンネルの中で暗中模索状態の低速走行を強いられていたのである。

 先頭のP氏はR1のパフォーマンスを十分発揮させてこの高速ステージを駆け抜け、笹子のGSの先にバイクを止め後続を待っていた。そこに後から聞いた話だが、走行中急にエンジンの回転が落ちなくなったM氏が到着する。

 私とY嬢は、Y嬢のガソリン給油のためGSに入ったのだが、何故か前方でM氏が大きく手を振っているのが見えた。そんなに手を振らなくても見えているのにと思っていたら、バイクの故障を私にアピールしていたのであった。

 M氏からYZF750SPのエンジン回転が落ちない事を告げられた私は、GSの片隅を借りてYZF750SPの点検を始める。
・アクセルケーブルの切断を確認するが、引きも戻りも切れていない事を確認する。
・キャブレターのスローアジャストスクリューを戻しても変化なし。
 吸気系に問題が有るのは明らかなので、タンクを外してキャブレターを点検する事にする。
 エアークリーナーBOXを外してFCRキャブレターを点検する。
・回転が落ちないと言う事はどこからかエアーを吸っている事が考えられるが、上から見た限りでは異常は発見出来ない。
 キャブを外したいのだがこれを外すのには特殊なヘキサゴンレンチが必要で、さすがのそれは携帯していなかった。GSの人にヘキサゴンレンチを持っていないか聞いて見ると、ラッキーなことに工具箱の中からPBのヘキサゴンレンチセットが出てきて借用する事が出来た。


キャブを外して裏返し、スロットルバルブのエンジン側を点検して原因が判明した。一番キャブの浮動バルブの端が割れていてそこからエアーを吸っていたのだ。割れた部分がエンジン側に落ちなかったのは不幸中の幸いだったと言うべきで、もしエンジンの中に入っていたらバルブやシリンダ・ピストンにダメージを与えかねない情況であった。

 割れた部分がどうしても取り外せないのでエンジンに入る事はないと判断し、このままの状態で秋田まで帰る事にする。癌の手術で開腹したが、もう手遅れ状態であったためそのまま縫い合わせたよう状態になってしまったが、回転の落ちないエンジンで走行する方法はM氏に任せ、高回転は使わない事と長くアイドリングさせない事を指示する。秋田までの約100km前後の走行で、これ以上壊れない事を神に祈るばかりである。


 FCRキャブレターの浮動バルブが破損するトラブルがある事は以前何かで読んだ事はあったが、こういう形で知る事になろうとは思ってもいなかった。このエンジンは50,000km近く走行していたが、帰ってきてKEIHINのFCRのマニュアルを読んでみたら16,000km走行毎に定期的に交換するように書かれていた。つまり浮動バルブは消耗品扱いの定期交換部品であったのだ。M氏のYZF750SPはFCRの浮動バルブ耐久試験を行ってしまったようで、この耐久試験から得られた結論は浮動バルブは40,000km走ったら絶対に交換すべき部品だと言うことだ。


 お金のある人はKEIHINが書いているように16,000km毎に交換をお勧めする。因みに、YAMAHAでの浮動バルブ1個の価格は、8,370円で4個で33、480円、これにシール3,320円(830円×4個)の合計36,800円と消費税1,840円が掛かり、部品代だけで38,640円の費用が掛かる。FCRキャブレターは、高性能なエンジンパワーを手に入れる替わりにそれなりの代償を払わなければいけないようだ。

 このトラブルで1時間近く時間を使ってしまったが、金浦温泉に向かって出発する。国道108号では道路工事があちこちで行われていて片側交互通行個所が数ヶ所あり停止する場面に遭遇する。その時M氏はメインスィッチを切ってエンジンを止め地球に優しいアイドルストップ運動に参加していた。鳥海町の百八蕎麦の所から猿倉方面に入り、フォレスタ鳥海手前の交差点から矢島スキー場に向かう。


 鳥海山山麓の高速ステージでは、何故かエンジンが不調のはずのM氏がY嬢の前を走る場面があったりしたが、矢島の花立から南由利原を通過、仁賀保高原の土田牧場で休憩するつもりが時間が無くなってしまいパス、鳥海山と風車の写真だけを撮って金浦温泉に向かった。





天気は良かったが風は冷たく強い仁賀保高原であった。



 PM4:50、予定より大分遅れて金浦温泉(FUNKYでは、キンポ温泉と呼ばれている。)に到着する。久しぶりに訪れた金浦温泉付近の道路は新しく整備されていて以前の面影は無く何回も迷ってしまった。道路標示に金浦温泉の文字は無いので注意が必要である。

 キンポ温泉自体に変わりは無かったが、浴場の内装が新しくなっていて浴槽も新しく気持の良い物になっていた。ここの温泉は、白濁したイオウ泉とラジウム鉱泉(北投石)があって、どちらもこの辺では珍しい泉質なので一度立ち寄ってみる事をお勧めする。


 温泉から上がってまずはいつものようにアイスクリームを食する。この季節、まだアイスの時期ではないのかアイスBOXの中は空っぽで数種類しかアイスが入っていなかった。定番の最中アイスが無かったため、親戚?のクレープアイスを買う。次はこれもお約束の湯上り白牛乳を飲んで喉を潤す。汗も落ちついてきたので秋田に向けて出発する。

 予定では仁賀保高原を走って帰るつもりであったが、時間が遅くなってしまったので最短距離の裏道で帰ることにする。秋田までは1時間少々で着けるだろう。まずは本荘を目指す。


 これから先、秋田まで何のドラマも無いはずであったが、神様はチャンと最後のドラマを用意してくれていた。

 本荘から国道105号に入り、大内町から雄和町の大正寺に向かう県道に左折して少し走った所で後ろが来ない事に気付く。距離からしてY嬢のTZRが予備に入ったものと予想し暫く待つとY嬢がやって来た。予想通りTZRは予備タンに入ったようだ。

 問題は予備でどこまで走れるかである。これから先には大正寺までGSは無いが大正寺のGSは営業している可能性は薄い。次は雄和町役場の近くにある空港道路沿いのGS。ここは休日でも営業しているが問題は営業時間である。休日のGSは閉店時間が早く閉まっている事も考えられ最悪秋田市まで開いているGSが無い可能性もあったが、これから本荘に戻る気にもなれずこのまま進むことにする。

 雄和町役場手前に在る雄物川に架かる橋までもう数百メートルと言う所でP氏がやって来てTZRが止まったことを私に告げる。私は直ぐにGSを探して空港道路に出るが予想通りと言うか、ヤッパリと言うかGSは閉まっていた。このまま秋田市まで走るのも戻って来るのが大変なので石油ポンプを調達する作戦に変更する。

 GSの隣にあったコンビ(デイリー・ストアー)に入って石油ポンプを探す。店員さんにポンプを置いていないか尋ねるとこの季節もう置いていないと言う。バイクがガス欠して隣のGSまで来たが閉まっていたのでポンプを探していると事情を説明すると、「チョット待っててください。」と言って店員さんは店の奧の扉に消えていった。

 それから2〜3分して店員さんが手に石油ポンプを持って戻ってきた。それもケース付きのデラックスなやつ。ポンプの入ったビニール袋には埃が付いて汚れてはいたが、新品であった。店員さんは、もうこれは売物にならないから私にくれると言う。それでは申し訳ないので代金を払わせてくれと言ったが要らないと言う。払う、要らないの堂堂巡りになってしまたので、私が折れてありがたく頂戴する事にして一件落着。ポンプをリヤバッグに縛り付け走り出したまでは良かったが・・・。

 車の後ろに着いて橋を渡り、皆を探しながら走るが既に日は落ち辺りは闇に包まれていた。雄和・道川線の入口付近にいると思っていたが姿が見えず先に進む。人間の記憶なんていい加減なもので、ミラーで後ろのバイクを時々確認していたにも拘わらず確認したその場所にいないとなるとその記憶が曖昧の物になり確信が持てなくなる。

 そんな繰り返しで大正寺まで行ってしまい私は、ようやく引き返す決心をする。今度は絶対に見落とさないようにとスピードを押さえぎみに先を急ぐが、結局雄和・道川線入口を過ぎ橋の手前まで戻ってしまった。そこで街灯の明かりに照らされた3台のバイクを発見する。 ナニー!!こんな近くにいたんだ。大正寺までの走りは何だったかなんて悔やんみても後の祭りであった。


 私が前の車に気を取られていたのと、街灯に照らされてはいたが動きの無い3台のバイクと3人の人間を単なる画像としか処理していなかったため、そこに注意を集中する事は無かったと考えられる。

 またまたR1からガソリンを拝借して息を吹き返したTZRは、国道13号線のGSまで走りそのタンクを満タンに満たす事だ出来たのである。今日の2回のガス欠事件は、TZRの走行燃費が10L/km以下であったために起きたものであるが、焼き付きを嫌って中速を濃い目にセッティングしたのが燃費の悪さにつながったのは明らかで、今後燃費の向上と焼き付きとの妥協点を探す作業を続ける事になるだろう。

 PM8:00少し前、予定より大幅に遅れてmoto works HIRATAに帰り着き妙に疲れた 2003 FUNKY 1st.ツーリングは無事?終了した。今回のツーリングは十数年ぶりに参加のメンバーがいたり、ガス欠事件・マシントラブルが有ったりして話題には事欠かないツーリングとなったが、これから始る 2003年シーズンのFUNKYツーリング がどんな事になるのか楽しみなところである。

                                 お わ り

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