FUNKY Librery FUNKY Library Home


     


    2005年 6月 5日(日) 3rd.ツーリング

   やませの吹く太平洋を見に本州を横断した
    600km弱の話題豊富なツーリングとなりました。

                    
Report by Ryuta   




秋田⇒協和⇒角館⇒仙岩峠⇒雫石⇒網張⇒滝沢⇒早坂高原⇒岩泉⇒田野畑⇒北山崎⇒

普代⇒久慈⇒平庭高原⇒
森のそば屋 (昼食)⇒葛巻⇒沼宮内⇒松尾村⇒松川⇒

八幡平樹海ライン⇒
藤七温泉 (入浴)⇒玉川温泉⇒玉川ダム⇒田沢湖⇒角館⇒

岩見三内⇒宝川⇒横山金足線⇒
モト ワークス ヒラタ  走行距離 592km


K氏タイヤの減り方が気になる。


◆今回も雨?
夜中に雨が降っていたのは夢の中で知っていた。五時前に起きて外を見ると路面は濡れていたが雨は上がっている。予報では曇りのち晴れの予報で、予報が当たってこのまま雨が降らない事を祈りつつ、濡れたアスファルトの上を軽トラを走らせる。

私が五時半過ぎ店に着いて見ると、すでにバイクが2台止まっていてた。それはR6のK氏、隼のU氏の2人で、K氏がコンビニ方向に向かって歩いて行くのが見えた。

バイクを出して支度をしていると、コンビニ袋にパンと飲み物を入れたK氏が戻ってくる。出発前に腹ごしらえするのがK氏のいつものパターだが、K氏昨日タイヤを交換して気合入ってます。

今回、K氏はFUNKYでは初お目見えの ミシュラン POWER RACE を履いてきたのだが、POWER RACEのミディアムコンパウンドにR6の純正フロントサイズ120/60ZR17サイズが無く、120/70ZR17を履いていた。このサイズ変更が吉と出るか凶とでるのか、今日の結果が楽しみである。

ジェントルな音を立ててR1のM氏が、元気の良い音を立てて10RのA氏が到着し、参加予定メンバーが揃いAM6時過ぎ我々は秋田を出発する。今日の予定は、仙岩トンネルを抜け岩手県に入り網張、早坂高原を通って北三陸の景勝地北山崎まで行き、その後八幡平を越えて秋田に帰って来るコースである。

実は今日の参加者はもう一人いて、用事で朝からの参加が出来ないGSX−RのN氏が、岩手県の松尾・八幡平インター近くのGSで我々と落ち合う事になっている。


◆久しぶりのドライ面

秋田市から国道13号、国道46号に入っても路面は濡れており嫌な感じが続いたが、角館付近まで来ると路面はドライに変わった。前回の2nd.ツーリングは殆どがウエット路面で、路面が乾いているだけで私の気持ちはウキウキしてくる。

仙岩の上り始めにある追い越し車線で、少しアクセルを開けて見る。私の乗るGSX−Rはこの様な上りの高速コーナーでは、加速、安定感共に抜群で一瞬にして峠の茶屋に到着してしまった。ここで最初の休憩となった。

K氏にPOWER RACEの感想を聞いてみると、60から70にフロントタイヤのハイトが上がった影響は良い方に出たようで、走っては特に問題がないようだ。

私は自販機で缶コーヒーを買ったのだが、私の後に自販機を使用したK氏が五百円や百円硬貨を手に帰って来た。
「誰か忘れてません?」 とK氏が言う。
私はハッと思った。千円札で缶コーヒーを一本買って、お釣を取らずに来た自分にその時気付いてしまった。
「オレオレ」
歳は本当に取りたくないものである。缶コーヒーを手にした事に安心してしまい、お釣の事などすっかり忘れてしまった自分が情けない。今回はK氏が気付いてくれたから良かったが、みすみす880円を失う事ところだった。 桑原桑原!

トンネルを抜けた岩手県側が晴れている事を願いつつ、我々は峠の茶屋を出発する。

新緑の早坂高原売店前にて休憩


寒くは無かったが、天気がハッキリせず
霧雨も落ちてきた


◆発ガン性物質を撒き散らす・・・
仙岩トンネルを抜けると路面は乾いていて温度表示も16℃前後と走るには何の問題も無い。国道46号と分かれ雫石スキー場方面に向かう。道路の両側には長閑な緑の田園風景が広がっていて、我々は綺麗な空気を味わいながら走っていた。

玄武温泉手前で我々は一台のワンボックスカーに追い着いた。NISSANキャラバン?と思われるその車は、ギヤチェンジの度に大量のDEP(ディーゼル排気粒子)を我々に浴びせて来る。それはまるで煙幕の様な黒煙で、前が見えなくなるほどであった。

DEPの発がん性が問題となっているこの時代に、これほどの黒煙を吐き出す車に最近私は出会った事は無かったが、ドライバーは自分の後がどうなっているか知っているのだろうか。

網張高原に登って行く道に右折したところで、我々が直ぐにキャラバンを追い越したのは言うまでもないが、ディーゼルを運転するドライバーには前だけでなく後もよく見てもらいたいものである。


◆網張高原は一瞬の出来事

此処から岩手高原スキー場までの道は高速の登りなのだが、途中に注意する箇所あったり最終コーナーの先が一時停止だったり結構気が抜けない。しかし、GSX-Rで走るとアッという間の出来事で、以前のようなコーナーを楽しんだという満足感は希薄であった。

そこから右折して一気に山を駆け下り大きな右コーナーに入って行くとその先に滝沢に抜ける道の標識が見えて来る。そこを左折して私は最後尾に下がり後ろから皆さんの走りを見て走る。皆さん的確な判断で車を追い越し走っている。

県立岩手大学入り口、JR滝沢駅前を通過して国道455号に出て信号を左折、岩洞湖、早坂高原方面に向かう。信号から少し走った右側にお店があってそこに2台のバイクが停まっているのが見え、私はそのライダーと視線が合ってしまった。


◆地元の走り屋さんと合同ツーリング

この店の前には外山ダムまでの峠道を行き来する走り屋さんがよくたむろしている事が多く、私は嫌な予感がしたのだがそ知らぬ顔でその前を通過する。峠道の登りに差し掛かり少しペースを上げようとミラーに視線を移すと、私の後ろにいるバイクの数が5台に増えている事に気付く。

最後尾にいる1台は、先ほど停まっていた内の1台で車種は後から聞いたところではファイヤーブレードであったらしい。だからと言って我々の走りが変わるわけではなく、いつものペースで私は走り続けた。

前が開けばペースを上げるが車を追い越すわけでもなくそれなりのペースで走る我々にファイヤーブレード氏は業を煮やしたのか、いつしか6番手から4番手にポジションをアップしていた。

そのうち我々全員が追い越されてしまうのだろうと私は思っていたが、そこからのポジションアップは無かった。と言うよりこの狭く曲がりくねった峠道では、それはあまりにもリスキーでファイヤーブレード氏もそこまでは出来なかったと言うのが本当のところだろう。結構安全運転の走り屋さんでした。

峠道の途中では、左コーナーから勢いよく飛び出して来た走り屋(腰が大きく落ちていた割にはバイクが立っていてスピードは大した事はなかった。)がいたりして、その昔連なってこの峠を占拠していた走り屋さんの残党が、まだ生息していた事に私は感動した。

私はリスクの多いこの峠道でスピードを出す気が全く無かったため、ファイヤーブレードさんにはきっと我々は相手不足だったのだろう。外山ダムを過ぎた辺りでいつの間にか彼の姿は車列の中から消えていた。少し先の岩洞湖からの道ならお相手しても良かったのにと、チョッピリ残念な気持ちも私の中には有ったのだが。

岩洞湖沿いの道に出てM氏とK氏をを前に出した私は、A氏とU氏を引っ張って早坂高原まで走る。ここの道は早坂高原に近づくにつれ道幅が狭くなり路面もバンピーで難しい場所が多く、走り慣れないと危ない場面も考えられ結構気を使う道なのだ。


◆早坂峠は不変?

9時15分過ぎ早坂峠に到着する。我々がいつも到着するこの時間に、いつもの様に売店の店員さん達が忙しく開店の支度を始めている。我々のパターンも変わらないが、店員さん達の営業パターンも変わらない事に驚いてしまった。

暫し、ここまでの走りや先ほどの走り屋さんの話などをして休憩していたが、標高が高いせいか天気がハッキリせず霧雨が落ちてくる。ここから先の道路状況を初めて走るメンバーに説明し、早々に早坂を後にする。

足が長い人が羨ましい
シート高を気にしないでバイクを選べるって素晴らしい



M氏、今日のコンディションは芳しくないご様子
◆速く走る事が目的ではない もっと楽しく走りたい
早坂峠からの下りは、九十九折の狭い道が続き大変気を使う。楽しくはないがブレーキングやヘアーピンカーブの練習にはなる。そのうち道は川沿いを走るようになり、中速コーナーの練習に持ってこいのスチエーションとなる。ブレーキのタイミング、アクセルを当てるタイミング等スピードは速くはないが、綺麗に決るとコーナーが楽しくなってくる。

そんな走りを楽しんで国道340号に在るいつものJAGSに飛び込む。私のGSX−Rは、秋田から220km走って12L弱のガソリンが入り、18km/L以上の高燃費であった。隼、R6は16km/L前後、10R、R1は17km/L台の燃費で、GSX−Rは回さなければリッターバイクとしては燃費の良いバイクであるようだ。

給油後バイクをスタンドの端に寄せ休憩とする。スタンドからタオルを借りてヘルメットに着いた虫を落とす。暖かくなるにつれ、ヘルメットやウエアーに張り付く虫の数が増えてきた。まだカナブン等の大物は少ないが、これから夏に向かって虫達が我々を悩ませる事になるだろう。


◆M氏 体調不良?

今日のM氏は、朝から交差点でR1の後輪を滑らせたり色々あるようでどうも表情が冴えない。彼の場合午前中は半分眠っている事が多いのだが、今日はいつもの状態とは少し違っている様である。彼は調子が悪ければ悪いなりに走れるライダーで私はそんなに心配はしなかったが、走っても楽しくないのでは走る意味が無い。

脳の働きが良くないのは血糖値が下がっているためではないかと言う話になって、K氏が持っていたパンをM氏に提供しようとしたが、M氏はその申し出を丁重に断っていた。しかし、この血糖値が低いのではないかと言う指摘は当たっていたようで、北山崎でそれは証明される事になる。

北山崎のパーキング
ここから展望台までは歩いて5分位?


M氏血糖値を上げる為
田野畑ソフトに手を出す。


ツツジが鬼の様に咲いていた。


今日のリアス式海岸は薄っすらとした
モヤに包まれていた。




お約束の一枚


◆三陸海岸はやませが入って 寒ッ!
GSを出て北三陸の景勝地、北山崎を目指して走り出す。岩泉から山に入り、松坂峠を超えて田野畑村に出る。この道は最初は一車線の狭い山道なのだが、GSX-Rは軽いハンドリングと太いトルクで難なく走り切ってしまった。

この道を私は今までいろんなバイクで走ってきたが、今回走ったGSX-Rが一番楽で走り易くそして楽しかった。GSX-Rと言うバイク、ビックパワーを使った高速走行だけが得意だと思いがちだが、低速コーナーも得意とする事が今回よく分かった。

国道45号に一旦出て田野畑役場前から海岸線を目指す。昨年工事で通れなかった道路が今年も不通のままの様だったので一年前に使った道で三陸鉄道北リアス線田野畑駅前に出る。

そこから北山崎方向に少し走ると太平洋が右側に見えて来る。秋田を出て約5時間で本州を横断した事になる。以前有料道路の料金所が有った所でM氏とK氏を前に出しその後を着いて行くと、一つ目のトンネルを抜けた所でM氏はスピードを落として私を待っていた。

いつものM氏なら北山崎への信号で待っているのに 「どうかした?」 と思ったが、再び私が先頭に立ち北山崎に向かう。ここの道の圧巻は、深く大きな左コーナーを抜けて坂を登り切ると真っ直ぐな直線に出る所で、ここでアクセルをワイドオープンにすると一気にスピードが乗って北山崎入口の信号に到着する。

我々は信号を左折し北山崎のパーキングにバイクを停める。さすがにこの時期観光客は少なく、停まっている車は少なかった。

パーキングから展望台まで歩いて5分位なのだが、道の途中にはお土産屋さんが並んでいてどこのお店でも田野畑ソフトなる御当地ソフトを売っている。ソフト通?を自負する私は、昨年既にこのソフトを賞味済みであった為店の前を素通りしたのだが、糖分に飢えていたM氏は、何軒目かのソフト売り場に女性の姿を見付けその窓口でたのはたソフトを購入する。

数あるお店の中でM氏が何故そのお店でソフトを購入したのか聞かなかったが、私にはだいたいの想像はつく。M氏はこのソフトのおかげで血糖値が上がり一時的に元気を取り戻した様だったが、その効果は長続きはしなかった様である。

今日の北山崎展望台からの景色は、やませ(オホーツク海高気圧から噴出す冷湿な北東風)の影響かモヤが掛かって見通しが悪く寒かった。道路の温度表示も12℃前後を表示していた。

三陸海岸の景観を鑑賞した後、北山崎を発ち普代、野田と走り久慈で国道45号と分かれ国道281号の久慈渓流沿いを走る。


◆新コース開拓に失敗?

国道281号から戸呂町川沿いの道に右折する。今回、八戸の走り屋さん達がよく走りに来るという広域農道を走ってみたくてシッカリ予習して来たのつもりだったが、私は大きな間違いを犯してしまった。

戸呂町を過ぎ十字路の交差点を左折すると目的の道に入れると頭に入れていたのに、私は何を血迷ったのか左から交わるT字路の道に入ってしまった。その道はセンターラインも無い狭い道だったので道を間違った事に直ぐに気付いたのだが、この狭い坂道でUターンするのは私も含めUターンが苦手なバイクが多く躊躇われた。

Uターンをしやすそうな場所を探しながら走るうち峠に出てしまった私は、このまま先に進む事を決断する。私は目的の道の手前に一本並行する道が有ったのを思い出し、このまま進んでも目的の道に出られると考えたのである。

考えた通り見覚えの有る道に出た私は、そこを右折し当初予定していた道に向かって走る。すると右側に○○農道と書かれた看板が出た道の出口が見えて来る。私が予想していたより狭い道であったが、これが予定していた道である事は分かった。

予定ではこの道から出て来て右折し走り屋さん達の第二ステージに向かう事にしていたので、私は道を直進し第二ステージを目指した。しかしなかなか第二ステージの入口が現れず、不安に思った私は道路右側に有ったパーキングにバイクを入れる。

この時は私は、先ほどの事もあり自分の予習成果にすっかり自信を無くしていて、この先に第二ステージの入口が絶対に有ると言う自信が無かった。この際時間も無い事だし新コースの探索は諦め、素直に山形村に出て平庭高原を登る事を決める。

我々が来た道を引き返し山形村に向かって走り始めると、走り屋さんらしきバイクに乗るライダーとすれ違った。帰って来てから復習した結果、我々は第二ステージの直ぐ手前まで行っていた事が分かったのだが、第二ステージは第一ステージに比べると走れる所が少ない様だったので、私の選択は間違っていなかったようである。


◆平庭高原を楽しむ

山形村手前の峠道はそれなりに楽しめたし、山形村から平庭高原への高速の登りは北海道が思い出されるほど楽しく、GSX−Rの本領を発揮する走りが楽しめた。

シェルターを抜けると今度は中速コーナーが続く白樺の森の中を走る。車がいてそれなりにしか走れなかったが、結構楽しむ事が出来た。平庭高原の峠で後続を待ったのだが、最後尾にいたK氏がなかなか来なくて気を揉んでしまった。

FUNKYで走り始めて6年目のK氏の事、事故る心配は少ないのだが、幾つになっても子供の事が心配な親の心境で少々心配してしまった。暫くして、車3台の後からK氏がやって来る。

車が連なっていた為追い越しが出来ず車の後ろに着いて走って来たようだった。彼は前と離れても無理をせず走って来た様で、私は余計な心配をしてしまった様である。

我々は揃って平庭高原を下り、直ぐ先に在る森のそば屋に向かった

後のオバさん達は蕎麦を打つ続けているが
間に合っていないような感じだった。


U氏は昨年この店の前まで来たのだが、
混んでいて食べずに立ち去っていた。
一年越しの蕎麦を味わう。



M氏、ソフトの糖分も切れてきてお疲れモード。
蕎麦を食べて回復を図る。



後ろに見えるのが葛牧小学校江刈川分校の校舎
◆森のそば屋は相変わらずの混みようでした
森のそば屋に到着したのは午後1時を少し回っていたが、車が駐車場から溢れていて我々がバイクを止める場所も無かった。我々は近くに在る葛牧小学校江刈川分校脇の橋の上にバイクを停めた。私はどれ位の待ち時間なのか、森のそば屋に聞きに行く。

受付のオネエさんは、順番待ちの名前を書いた紙をパラパラとめくって「20分位の待ち時間になりますので二階でお待ち下さい。」と私に告げる。「20分か・・・。」昨年は40分の待ち時間で諦めたのだが、20分なら時間的にも何とかなるし、二年連続で撤退するものチョッと悔しい。八幡平で待ち合わせているN氏の事が気になったが、電話して待ってもらう事にしてここで昼食を取る事にする。

外で少し時間を潰した後、2階に上がって我々は呼ばれるのを待つ。後の部屋ではオバさん達がせっせと蕎麦を打っていて、出来上がったそばから下に運ばれて行き忙しそうであった。

20分も経たない内に我々はオネいさんに呼ばれ下に降りて席に着く。五人いるのだが4人用のテーブルしか無いとので良いかと聞かれたが、時間が無いので駄目だとは言えず狭いテーブルに着く。

しかし、それからが長かった。蕎麦が我々の前に運ばれて来るまで、更に20分位の時間が必要であったのである。待っている間に隣の席のお客さんがいなくなって我々は5人分の席を確保できたのは良かったが、如何せん待ちくたびれてしまった。

特に調子の優れないM氏は、田野畑ソフトの糖分も切れてきてお疲れモードに入っている。もっとも彼の場合、以前来た時も店のオバさんに蕎麦入り枕を貸してもらって横になった実績を持っており、それは特別珍しい事ではないのだが。

朝から殆んど固形物を食べていない事もあって皆さん不機嫌になり掛けた時、蕎麦が運ばれて来る。皆さん無言で蕎麦を口に運んで、食べる時間は10分も掛からなかった。食べ終わって周りを見渡して見ると、席に座っているお客さんは少なく今までの混雑は何だったのか不思議な感じかした。

ここを利用する時は、11時半前か1時半過ぎに入るとそんなに待たずに食べられそうな感じだが、混雑している時に予約してそのまま袖山高原に走りに行って帰って来れば丁度良い時間になっているというパターンも使えるかもしれない。


◆N氏が待つ松尾・八幡平インター近くのGSに急ぐ

結局、森のそば屋を出たのはN氏との待ち合わせ時間午後2時を既に回ってしまっていた。N氏に携帯で連絡を取ると、彼は待ち合わせ場所のGSに到着していて我々が到着するのを待っていた。

我々が待ち合わせ場所に到着するのは、午後3時以降になる事をN氏に告げそれまで時間を潰してもらう事になった。何か食べて待ってて下さいとM氏はN氏に言った様だが、N氏の返事は笑い声だけだったと言う。N氏は3時までの時間を利用して八幡平アスピーデラインに走りに行ったらしいのだが、時間が無くなって途中で引き返して来たようだ。

我々はN氏が待つ八幡平のGSを目指して先を急いだのだが、国道281号は車も多く車の後に着いて走る事が多く、沼宮内で国道4号に出て直ぐ松尾方面に入ったのだが時間を稼げる場所は無く、結局待ち合わせ場所のGSに着いたのは午後3時15分頃になってしまっていた。

隼とGSX−Rの兄弟2ショット


N氏 お待たせいたしました。


◆6台で八幡平樹海ラインを大いに楽しむ
GSに到着してみると、N氏がGSX−Rのガソリンタンクを満タンにして我々を待っていた。我々もタンクを満タンにして樹海ラインに備え休憩を取る。今日の八幡平は麓から山頂部が見えていて、問題なく走れそうで樹海ラインの走りに期待が高まる。

休憩後、まず松川温泉に向かう。八幡平温泉郷入り口の信号から少し走ると、道の正面に岩手山の険しい山容が見えて来る。溶岩が盛り上がって出来た様に見える山頂部の姿は、この山が火山で有る事を主張しているようだ。

松川温泉までの道は狭いうえ結構な登りで、いつもここでは車に追い着いてしまい大量の排気ガスを浴びせられ事が多いのだが、今日は遅いトラック等が走っておらず順調に樹海ライン入り口に到着する。

私が先頭で少し走った感じでは、今日の樹海ラインは車も少なく路面も綺麗で走り易そうな感じである。今回初めて樹海ラインを走るメンバーがいる為、私は後ろに下がり先頭をM氏に任せる。M氏の後ろにはK氏、その後ろにN氏が引っ付いて樹海ラインを駆け上がって行き、私の視界から消えて行った。

この八幡平樹海ラインは、そのレイアウトを頭に入れていないと危険な場所が多々ある。ブラインドコーナーは勿論だが、スピードが乗った上り坂頂上の先に下りのキツイ左コーナー(しかも正面ガードレールの先は崖)
みたいな所も有り、ジェットコースターの様に長い下り坂の先に鋭く右に曲がった上り坂等々、ここ特有のコーナーが沢山用意されている。

私は後ろ2台引っ張って個々のコーナーを噛み砕きながら、そして楽しみながら樹海ラインを登って行く。今日は視界も良く走っていて大変気持ちが良く、そして楽しく走る事が出来た。標高が上がるにつれ道路脇には高い雪の壁が現れ空気がヒンヤリとして来る。

雪の壁からは雪に押しつぶされ道路側に飛び出した木の枝が伸びており、インに付き過ぎると枝に当たりそうになる。雪の壁の下には、バッケ(蕗の薹)が沢山顔を出ていてここはまだ早春の様である。

樹海ラインを充分堪能した我々は、藤七温泉前の駐車場にバイクを止めメインスイッチを切る。エンジン音が消え山に静けさが戻ると、ジワーッと走り切った充実感が満ちてくる。そして各々の口から今走って来た樹海ラインの話が語られ始める。

湯船の底こから熱い温泉が湧き出ていて、
気をつけないと突然の熱さに驚かされる事になる。


この時期にしては珍しく氷河の様な雪の壁が
目前まで迫っていて、圧倒されてしまった。





今年の残雪の量は本当に多い。
◆今年の藤七温泉
昨年も藤七温泉を訪れ展望露天風呂からの雄大な景色を堪能したFUNKYだったが、今年は昨年とは別の山側に在る地面を掘った露天風呂に入る為にやって来た。

我々はまず売店に入浴券を購入しに行ったのだが、そこには昨年は無かった入浴券の発券機が設置されていた。藤七温泉、確実に近代化されている様である。売店にはこれも昨年は無かったアイスクリームの自販機も設置されていた。

藤七温泉には電気が通じておらず自家発電で電気を供給しているのだが、これだけ消費電力が増えたら発電機も大変だろうとお店の人に聞いてみたら、今年は発電機の調子が良く故障無く稼動していると言っていた。昨年はそうでもなかたらしいのだが。

この 藤七温泉 彩雲荘 は岩手県側に位置しているので、私はてっきり岩手県の方が経営しているものと考えていたら、秋田県鹿角市の 湯瀬温泉 姫の湯ホテル の経営らしい。

本家の湯瀬温泉はバブル崩壊後利用客が減少して経営が厳しいらしいのだが、反対にこの彩雲荘は東北で一番高い所(標高1400m)に在る温泉として有名になり、そして展望露天風呂から望む景色の雄大さも知られようになり近年お客は増えているらしい。

会社からはどんどん稼げと発破を掛けられているそうで、設備投資にも金を注ぎ込んでいるらしく、それが近年藤七温泉がハイテク化している要因であるらしい。現在は、家族風呂を建設中であった。

20数年前から藤七温泉を利用している者として、この近代化路線が良い方向なのかどうか分からないが、利用者の声に応えて露天風呂を増設したり家族風呂を造ったりするのは良い方向だと思うし、今の雰囲気を残しつつ利用者の声に応えていってほしいと思います。

一つだけ苦言を呈するとすれば、建物の周りが雑然としているのが気になる。工事中という事も有ると思うが、八幡平の自然の雰囲気を壊している様に私には見えた。もう少し整理整頓を心掛けてほしいと思います。


正統派 本当の露天風呂

発券機で500円の入浴券を買い山側の混浴風呂に行く。脱衣所で裸になって内風呂を 抜け扉を開けるとそこに露天風呂がある。しかし我々が目指すのは、そこから坂を少し下った河原にある露天風呂なのだ。

我々は裸のまま周りから丸見えの坂道をタオルで前を隠しながら露天風呂まで駆け下る。この露天風呂は、温泉が湧き出る河原に掘られていて周りを石で囲い、底には板が張られている。

底の数箇所から温泉が湧き出ていて注意しないと熱い思いをするので気を付けてもらいたい。底には湯の華と言うか泥が堆積していてそれがお肌に良さそうな感じで、K氏は顔に泥パックをして美白に磨きを掛けていた。

露天風呂の近くまで残雪の壁が迫っており、それが氷河の様に先端が割れ崩れている様は迫力満点であった。この時期これだけの残雪がある事は珍しいそうで、我々はその貴重な景色を露天風呂からゆっくりと眺めていた。

関西弁を話す若者が2人、露天風呂に入って来た。FUNKYと関西弁、北海道での出来事もあって相性は良いとは言えないのだが、話してみると現在鹿角市に在住していると言う事もあってか、結構感じの良い青年達だった。早速、下から熱い温泉が出ている所に誘い込んで、彼らに自然の露天風呂の醍醐味を味わってもらった。

このままズーッとここに留まりたいと思ったが、そういうわけにもいかず露天風呂を出て内風呂に行く。内湯のお湯は外の露天風呂と違って源泉(90℃以上)を沢水で温度を調整している為、温泉が少し薄められていて色も薄目である。内湯のお湯で体を流し温泉から上がる。これで少しは体に付いた温泉の臭いが少なくなるだろう。この臭いが体から抜けるには、結構な日数が必要となるのである。

この内湯の建物は地盤が弱いせか少し傾いていて、それを補強する為に柱が追加されていた。その細い柱に触ってN氏が一言、言った。
「この柱、鉄砲
(注。)一突きで外れそうですね。」
  (注、)相撲の稽古法の一。腰を割り、脇を固めて足を出しながら手で柱を突くこと。
確かにN氏の鉄砲一突きで、この柱は外れると私も思います。

温泉から上がり、外で熱った体を冷やす。私は自販機でアイスを買って内側からも冷やす。私の場合、温泉に入る事により体がリフレッシュしそれ以降の走りに集中力が増す事が多く、ツーリング後半の温泉は私には必須なのである。他のメンバーも思い思いに、これからの走りに備え休憩を取っている。

時間は丁度午後5時を回った所ところで、秋田市に帰るのは午後7時を回ると考えられるが、今の時期日の入りは午後7時頃で明るい内には帰られるはずだ。

ここから八幡平アスピーデラインを下り国号341号に出て玉川温泉、玉川ダム、,田沢湖、角館と走る予定で出発する。

何をやってもGSX-Rは目覚めなかったのだが?



◆八幡平アスピーデライン
樹海ラインを見返り峠まで登ってアスピーデラインを秋田県側に下り始める。この時間になると走っている車も少なくそれなりには走れるのだが、上りと違って下りはハミだし禁止で車に追い着くと左に寄ってくれない限り前には出られない。

大沼を過ぎ少し走った所で仕事帰りと思われるトラックに追い着いたが、このトラック寄ってくれるわけでもなくマイペースで走っている。ここはグッと我慢して国道341号までトラックの後に着いて大名行列をしてしまった。

温泉に入ったおかげで体がシャキッとした感じで、私はトラックの後を走りながらこれから先のスペシャルステージに向けてモチベーションを上げていく。トラックは国道341号に出たところで鹿角市方面に右折して行き、我々は田沢湖方面に左折する。


◆国道341号

左折して私は徐々にペースを上げていく。このR341にも気を付ける個所は多く、先頭を走る者として全体のスピードを考えスピードをコントロールして走る。車も少なく快調に玉川温泉入口まで走る。すると以前入口付近に停まっていた車が殆んどいなかった。

以前から玉川温泉を利用する人達が長期に路上駐車するのが問題になっていたが、最近これを禁止する為に道路にロープを張っていると言うのが新聞に載っていた。その結果、入口付近から玉川温泉までの駐車車両は減った様だ。しかし、シェルターを抜けた新玉川温泉に行く橋付近には、追い出されたと思われる車が停まっているのが見えた。どういう方策が良いのか私は分からないが、自然を破壊する方向へは向かってほしくはないものだ。


◆60⇒70の違い

玉川温泉を過ぎ新鳩の湯温泉辺りまでの道路は、道幅が狭く路面もバンピーで走るのに神経を使うのだが、K氏はi以前からここを苦手にしていた。しかし今回ここを走ったK氏の印象は以前とは大分違うものだったらしい。

120/60ZR17から120/70ZR17へのサイズ変更した事によりショックの吸収性が上がり、凸凹の多い路面でもハンドリングへの影響が少なくなり安心して走れる様になったようだ。

今回のタイヤサイズ変更によるハンドリングへの影響はプラス・マイナス両面有ったようだが、総合評価としてはプラスの評価を与えても良いようで、R6に60タイヤを履いている人は、一度70タイヤを試してみる事をお勧めする。但し、タイヤの銘柄によっては評価は変わるとは思いますが。


◆宝仙湖沿いの高速ステージ

新鳩の湯温泉の前を過ぎると道幅も広くなりスピードが上がる。私はこの宝仙湖沿いの道が好物で、レイアウトも大体頭に入っている為ここでGSX−Rのフルスロットルを試してみる事にした。

前にいたバスを追い越した私は一気に加速、タコメーターの針は激しく上下を繰り返しコーナーは直ぐに迫って来る。その時の私にミラーやスピードメーターを見る余裕は無く、私の視界の中に有る物は前方の景色と頻繁に光るメーター下の白いコーションランプだけだった。

人はスピードが怖いとよく言うが、この時の私は加速と言うか加速度に怖さを感じていた。スピードはメーターを見ていなかったので正確な所は分からないがそれなりのスピードは出ていたとは思う。しかし、とんでもない程のスピードが出ていたとは思われず、普段は普通に巡航する程度のスピードであったと思う。

それでも私が怖さを感じたのは、今まで乗ったどんなバイクより加速が速かったからだと思う。両側の景色の消え方が尋常ではなく、一気に前方の視界が狭くなるのだ。それと急加速で浮き気味のフロントタイヤは、ほんの少しのギャップでも過敏に反応して、フロントタイヤの接地感の無さが怖さを助長していたと考えられる。

そんな緊張感を持った走行であったが、私は走りに集中出来ていて大変楽しかった。玉川ダムサイトのパーキングに近づいた時、私は初めてミラーに目をやった。すると後ろにいる筈のM氏の姿が無くミラーの中には小さな光の点が一つ写っているだけだった。

私がパーキングを過ぎた所で左にバイクを寄せ後続を待っていると、最初にやって来たのはM氏のR1ではなくK氏のR6だった。「M氏はどうした?」と思ったが、その後からM氏、N氏等後続が揃って直ぐに出発となった。

そこからトンネルを幾つか抜け、トンネルの先が長い下り坂になっている橋に出る。橋の先の道は右に曲がってはいるが、橋の上ではそこそこスピードを出せる道だ。

私がGSX−Rのスロットルを開け、頭をカウルの中に入れて加速体勢に入った時、一台のバイクが私を追い抜いていった。それはM氏であった。突然の事で少し驚いた私であったが、直ぐにM氏の後に続く。

橋を渡り切って右に曲がると工事の為片側交互通行になっていたが、丁度信号が青になっていて車の後に続いて通過する事が出来た。ここの工事は鎧畑ダム沿いの道路改修工事最後の部分で、大分工事も進んで今年中には完成しそうな感じである。

工事区間が終わって道幅が広くなると、M氏は前にいた車を追い越し一気にペースを上げる。ここからのM氏の走りは、少し切れていた。私はGSX-RのスロットルをワイドオープンにしてM氏を追ったのだが、その差は殆んど縮まらず彼が車に追い着いてスピードを落とすまで、私は彼に追い着く事が出来なかったのである。

そしてその走りは、田沢湖高原入口の信号まで続く事になる。


◆M氏に何かが憑いた?

国道46号に出た我々は、角館のドライブインを目指す。JR刺巻駅の少し手前で国道46号は秋田新幹線のガード下を通って左に大きくカーブしている。ここの路面はドライバーに注意を促す為なのかアスファルトが赤く着色されているのだが、事件はそこで起こった。

私は車の後ろに着いてごく普通のスピードでそのカーブを抜け、刺巻駅前のハミ禁解除の長い直線に出た。車も多いし追い越しを掛ける気は無かったが、ふとミラーを覗き込むと私の後ろには誰もいなかった。 俺だけ! 皆はどうした?

ミラーの中をよく見ると小さく後の集団が映っているのが見えたので、私はスピードを落とし後続が追い着くのを待って再び走り始めた。その時の私は、何故後続が遅れたのかは知らなかった。


後から聞いた話によると、M氏が赤いアスファルトの左カーブに差し掛かった時、R1のリヤタイヤが突然外に滑り出し危うく転倒しそうになったのだと言う。とっさに足が出て転倒は免れたが、先頭の私から大きく遅れてしまったらしい。

大したスピードが出ていたわけでもなく何故R1のリヤタイヤが突然滑ったのか、その原因は未だは究明されていない。あの時、あのコーナーで事故死した人の霊がM氏とR1に乗り移り悪さをしたとすればそれはそれで説明が付くのだが、M氏はその話を信じてしまいたいほど納得のいかない転倒未遂事件であったようだ。


そんな事になっていたとは全く知らなかった私は、どうしてM氏が遅れたか考えもせずそのまま走り続け、予定していた角館のドライブインにバイクを停めた。私の後ろにはN氏がGSX−Rを止め、メインスイッチを切った。


そしてそれはGSX-Rに乗り移った?

しかし皆さんが横一列にバイクを並べているのを見たN氏、バイクを横に移動しようと少し後ろに下がりエンジンを掛けようとメインスイッチを入れてセルモーターを 回す・・・? 回す・・・? 回す・・・? セルは回るが、GSX−Rのエンジンは一向に目覚めようとはしなかった。

「エンジンが掛からないんです。」とN氏は申し訳なさそうに私に告げる。
何で・・・? 新車でしょ・・・。
私もN氏のGSX−Rのセルを回してみたが、何をしてもエンジンは一向に掛かる気配が無い。バッテリーの配線を外してまた繋いだりしてみたが、状況は変わらなかった。

メーターのモニターは <FI> の文字を表示しており明らかに何らかの故障である事は確かで、イモビのランプも消えずに点滅している。機械的に壊れたのと違ってこの手の電気系のトラブルは、原因が分かった所で交換する部品が無ければどうしようもない。

あれこれやっても埒が明かなかったので、バイクをここに置いて軽トラでGSX−Rを引き取りに来る事を決断する。このような場合FUNKYではバイクだけを置いてライダーはタンデムで一緒に帰るのが普通だが、今回はチョッと問題があった。

N氏を誰のタンデムシートに乗せるかと言う問題と、新車のGSX−Rをここに放置しておいて良いかと言う問題であった。前者のN氏を誰のリヤシートに乗せるかと言う問題は、残り5台のバイクの中でタンデムに最も適したバイクに乗るのは隼のU氏なのだが、U氏とN氏がタンデムしている姿を想像すると、チョッとネェーッ。

結局、GSX−Rをここに置いて行き悪戯でもされたら困るので、N氏とGSX−Rセットでここに放置プレイする事で話は決った。我々はN氏とGSX-Rを残し暗くなり始めた角館を後にして秋田に向かった。

結局行きも帰りの同じメンバーでした。


K氏快走に寄与したR6のPOWER RACE



角館のドライブインでGSX−Rを積み込む
◆角館〜秋田間 一往復半
我々は国道46号、国道13号と走って午後7時半過ぎ店に到着する。早速、私は着替えて角館に引き返す準備をし、帰って来た四名の集合写真を撮った後、メンバーに見送られ軽トラに乗ってN氏の待つ角館に向かった。この後、店外で残ったメンバー有志によるミーティングが長長と続いた様である。

秋田〜角館間は約50km、車で走ると1時間位掛かる。従ってN氏は角館のドライブインで2時間以上待っていた事になる。私がドライブインに着いた時、N氏は薄暗い照明の中自販機の明かりに照らされて、テーブルを前に仏様の様に半眼でドッシリと座って私を待っていた。

私の顔を見たN氏は、ホッとした表情を見せ声を掛け来る。2時間もこの無人ドライブインで待っていたのはさぞかし退屈だったに違いない。お疲れさんでした。

GSX−Rを軽トラに積み込むのはいつもの事で簡単だったのだが、N氏を軽トラの助手席に積み込むのに少し時間が掛かってしまった。それでも何とか総重量400kgを軽トラに積み込んで、私は角館を後にした。

秋田に帰ってきたのは午後10時近くになっていたが、まだ2人とも夕食を食べていなかった為、すきやで食事を
してから店に戻りGSX-Rを軽トラから降ろした。私は工場のシャッターを開けGSX−Rを中に入れた後、確認の為メインスイッチを捻ってみる。

すると、角館では点滅していたイモビのランプが消え、<FI> の表示も出なかった。 「アレーッ!」 私は試しにセルボタンを押してみる。 何と言う事でしょう。 エンジンは普通に掛かってアイドリングを始めてしまったでがありませんか。

「ガビィーン」 掛かるんなら角館まで走らなくても・・・と思ったが、しかしそれは結果論で今更どうしようも無い。私は静かにメインスイッチを切ったのだった。どうもGSX-Rに憑いていた霊は角館地区限定の霊で有ったらしく、秋田までは憑いて来られなかったようである。

これ私一人、700km近く走った長い一日は終了した。最後にトラブルに見舞われてしまった今日のツーリングだったが、トラブルが角館で起きたのは幸運だったかもしれない。もしあのトラブルが藤七温泉で起きていたとしたら、私は八幡平の上まで走らなければならなかったのだから。



●後日GSX-RをSUZUKIに出して調べてもらったのだが、例の症状は再発せず原因は分からず仕舞いだった。しかし、また起きる事も考えられるのでECUとイモビのユニットを交換されてGSX-Rは戻って来た。

今回のトラブルがN氏のGSX−R固有のトラブルであってほしいと願っている今日此の頃である。そうでなくては、私は怖くて遠くには出掛けられませんもの。



2005 FUNKY 3rd.Touring





                                     Report By Ryuta


FUNKY Librery FUNKY Library Home