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2006年4月29日(土)
FUNKY 1st.ツーリング



絶好のツーリング日和に恵まれ、美味しい蕎麦を食べ走りを楽しみ、秋田の春を満喫したツーリングになりました。



     
Report by Ryuta   

▼ コース

⇒出羽グリーンロード⇒南外⇒

羽広⇒坂部⇒保呂羽山⇒八木沢⇒

南外 外小友⇒直線⇒大森⇒

二井山⇒三ツ森山⇒東由利⇒

七曲峠⇒西馬音内 
昼食そば 松屋

⇒横堀⇒院内⇒松の木トンネル⇒

笹子⇒
猿倉⇒花立⇒祓川⇒猿倉⇒

花立⇒南由利原⇒仁賀保高原⇒

金浦温泉(入浴)⇒仁賀保⇒

仁賀保高原⇒四角井戸溜池⇒

コロニー入口⇒本荘⇒国道7号⇒

大内⇒大正寺⇒出羽グリーンロード

⇒国道13号⇒岩見三内⇒宝川

⇒モト ワークス ヒラタ

     
 走行距離 392km

南外 佐藤商店前のいつもの光景


寝不足解消のコーヒー?


BT−002 STREET
滑らかで艶の有るタイヤ表面が公道用の証?


▼ 2006シーズン開幕!
2006シーズンは、快晴の天気で開幕した。雲一つ無い天気に気分よく家を出た私は店に向かう。昨年は天候に翻弄されたツーリングも有ったが、今年のツーリングは全て今日の様な天気でお願いしたいものだ。今日はいつものツーリングより出発時間が遅い為、余裕で出発40分前には店に到着する。

私のGSX−RとA氏のZX−10Rを工場から出し、着替えをしているとU氏が隼で到着、少ししてA氏がKDXに乗ってやって来た。彼はここでKDXからZX−10Rに乗り換えてツーリングに参加するのだ。最後にR1のM氏が到着し1st.ツーリング参加の全員が揃う。

M氏の顔色が冴えないので聞いてみたら、事情があってほとんど寝ていないとか。ツーリングにはコンディションを整えて参加するのが鉄則なのだが、今日は距離も短いし彼にはよくある事なので大丈夫だろう。

出発予定時間の
9:30には少し早かったが準備が整ったので秋田を出発、出羽グリーンロードを通っていつもの佐藤商店(南外)に向かう。今回私のGSX-Rは、タイヤをBSのBT−002STREETに換えていた。タイヤの皮むきもしていない全くのニュータイヤの為、一皮剥けるまで無理が出来ない状態で走り出す。


▼ BT−002
STREETのフィーリング?
BT−002STREETは初めて履くタイヤで、ハンドリング特性も分からず直線はそれなりに、コーナーは探りながら走る。 BT−002STREETのハンドリングは、ニュートラルな感じで倒し込みは軽く感じる。しかし、前回走ったフロントがメッツラーRACETEC、リヤがミシュランPOWER RACEのイレギュラーな組み合わせ(私は結構この組み合わせを気に入っていた)に比較して、バイクの旋回力が弱いような気がする。

それとレーシングタイヤと比較するのは酷なのだが、比べるとどうしてもグリップ感が希薄でスロットルの開け方が慎重になってしまう。この印象は一皮剥けた後でも変わる事はなく、改めてレーシングタイヤのグリップの良さを痛感してしまった。一度レーシングタイヤのグリップ感を知ってしまった体は、公道用のハイグリップタイヤでは満足出来ない体になってしまうのか。


▼出羽グリーンロード

今日の1st.ツーリングを前に我々は6日前の日曜日、プレシーズンマッチを戦っていた。その時出羽グリーンロードを一度走っていた私は、先頭でグリーンロードを走ってみようかとも考えたが、タイヤの皮むきも出来ていなかったので後ろに下がって皆さんの走りを後ろから拝見する事にした。

すると皆さんのペースが速く、私は走りを見るどころではなく皆さんから置いていかれてしまう。タイヤが変わった事によりブレーキ、コーナー、加速、全てが以前と変わってしまいしっくりこない感じで、コーナーごとに前との距離ひらいていく。皆さん早過ぎ・・・。皆さんの走りは6日前とは見違えるように速くなっていて、本来の走りを取り戻してしまったようである

今回もまたアッと言う間に時が過ぎ、気が付いたら我々は佐藤商店の前にバイクを停めていた。ここで小休止となったのだが、我々が休んでいると道路に落ちている空き缶などを拾い集めている7〜8人の男達がやって来た。彼らは自販機で清涼飲料を買って休憩を取りながら我々のバイクを見て色々話し始める。

彼らの興味の対象は我々のバイクのリヤタイヤの様で、その太さと溝の無さに驚いている様である。今回のツーリングで溝が無くなる寸前のタイヤも有ったから、一般の人達から見たら異常なタイヤに見えても不思議ではなかった。

我々は、彼らの視線を感じながら佐藤商店を出て道の駅 東由利 に向かった。

     東由利の道の駅
此処では何時もライダーの姿が見られ、ライダーのオアシスとなっている。





七曲峠の肘曲コーナーの桜はツボミがピンク色になっていて、今にも咲きそうな状態だった。昨年はツボミがピンクにもなっていなかったから、今年は昨年よりは開花が早そうである。
▼出羽丘陵を行ったり来たり
佐藤商店の在る大仙市南外及位から大曲方面に向かいJOMOGS先の信号を右折、湯ノ又に出て岩倉温泉方面に右折する。大台峠を越えて大仙市から由利本荘市羽広に入りトンネルを抜けて横手市大森町坂部に入る。

この辺は昨年まで町や村だったのだが、平成の大合併で全部市になってしまった。最近の秋田県では、市の数より町や村の数の方が少ないのはどうした事だ。町や村が市になったからと言って景色が変わる訳ではないから、我々の様に他から来たよそ者には何も変わった事はないのだが、その地に暮らす人々にとってはきっと大きな変化だったに違いない。

坂部から保呂羽山を越え横手市大森町八木沢に出てまた南外の湯ノ又方面に向かう。この地域は式内保呂羽山波宇志別神社に伝わる霜月神楽が有名で国の重要無形民 俗文化財に指定されている。道の右側にはその神楽が行われる神楽殿への看板が出ていた。

再び大仙市南外に戻り、いつもの直線に右折する。直線で今年の最高速を体験した後、また横手市大森町に入る。左の大きな高速コーナーを抜けて直線に向いた時、前方から走って来た軽トラが左に有る小道に入る為、我々の車線に入って来たのが見えた。


▼軽トラとニアミス事件!?

軽トラとは結構距離は有ったが、私は直ぐにフルブレーキを掛ける。しかし、加速体勢に入っていたGSX−Rは、フロントサスが伸びた状態だった為直ぐにタイヤの接地圧が得られず、上滑りした感じで一瞬減速しなかった。その間に軽トラとの距離が一気に縮まり一瞬ヒヤリとさせられたが、私は直ぐに対向車線に入り軽トラを避ける。後ろも私同様に対向車車線に入り軽トラをやり過ごした様であった。

対向車のドライバーは、我々のスピードを読みきれずに対向車線に入って来たものと思われるが、スピードが高い時は対向車の動きに充分注意すると共に脇道が有る道路では特に車の動きを注視する事が必要であろう。出羽グリーンロードには脇道が多く、特にその注意が必要である。


▼三ッ森山は今年も・・・

横手市大森町から横手市雄物川町二井山に入り、三ッ森山を越え由利本荘市東由利老方に在る道の駅を目指す。昨年このコースで残雪のために途中で引き返した経験を持つ我々であったが、行ってみる事にする。登り始めると道路状況が昨年と同じで道路脇には雪が残り木の枝が路上に散乱している。1km位登って道路脇の雪の状態を見ると昨年と同じで、この状態だと山の上部は昨年と同様雪で通行不能と判断、引き返す事にする。

その昔、横手と老方を結ぶ横荘線(計画では横手〜本荘間を結ぶ予定であった)という鉄道が走っていた。今は廃線となって線路は撤去されたいるのだが、その線路跡地が一部出羽クリーンロードに使われていたり、二井山から老方を結ぶ道路として使われたりしている。三ッ森山越えを諦めた私は、その横荘線跡を辿って老方まで行く事を考え、少し二井山方向に戻り左側の小道に入った。


▼横荘線を辿る・・・

大森から出羽グリーンロドを国道107号に向かって走り、二井山の集落の脇を過ぎると左に沼館に向かう分岐が見えてくる。グリーンロードをそのまま進むと道が直角に曲がっている個所がある。その直角に曲がるコーナーの手前部分が横荘線の線路跡地で、直角に曲がらずそのまま進むとそこには今は使われていないトンネルが在る。

そのトンネルを抜けた先の線路跡地は県道48号線として利用されており、それは老方まで繋がっている。私は直角コーナー先のトンネルを抜けた所から横荘線を辿るつもりで小道に入った。小道の入り口部分が舗装されているのを見て、私はその小道は舗装されているものと考えていたが、小道は直ぐに砂利道になっていた。

このバイクで私は砂利道を走りたくはなく、横荘線を辿るのを諦め国道107号を使って老方に向かう事にする。横荘線跡を辿る旅。何れ一度は走ってみたい道ではある。


▼七曲峠 肘曲 の桜は・・・

東由利の道の駅で小休止した後、雄勝郡羽後町の七曲峠に向かう。東由利から羽後町梨ノ木峠を越えて羽後町田代に出る道は、私が大好きな道でリズミカルに走り抜ける。別にスピードが出せるとか、峠道のワインディングと言うわけではないが、長閑な田園風景を観ながら見通しのよいコーナーを走り抜けるのが何とも気持良いのだ。

七曲峠に向かうこのコースは、3年連続1st.ツーリングに使用されているが、毎年少しづつ道路改修が進み走り易くなっている。横手盆地を一望出来る七曲峠肘曲コーナーにバイクを停めると、焼石岳が横手盆地の奥に真っ白い姿で見えている。この景色を見たくて毎年ここを訪れている私だが、何回見ても感動する大好きな秋田の景色である。

一つ残念だったのは肘曲コーナーに立つ桜の花が咲いていなかった事だ。ここ数年春の訪れが遅く此処の桜の花を見る事はなかったが、以前は満開の桜をバックに横手盆地を見た事が何回も有った。1st.ツーリングは毎年4月29日前後に行っているが、その時期に七曲峠の桜が咲いているのは、私の経験からいくと開花時期が平年より少し早かった時に限られるようである。



松屋の外観は普通の家
看板と暖簾でその存在を知る。



座敷に上がって注文する品を検討する。




とろろそば 650円


かけそば(大) 600円


もりそば(大) 600円


天ぷらそば(大) 750円



JAの駐車スペースを使わせてもらった。

▼西馬音内のお蕎麦屋さん 松屋
七曲峠を下り西馬音内の街中に入って行く。今日の昼食は松屋というお蕎麦屋さんで、西馬音内では弥助そばと並んで有名なお店である。私は松屋の存在を以前から知っていたのだが、FUNKYでは今まで一度も立ち寄った事がなかった。その理由は松屋さんの定休日が日曜日で、日曜のツーリングが多いFUNKYの場合なかなか立ち寄る事が出来なかったからである。

弥助そばの前を通り、橋を渡って少し行くと十字路の右角にJAの事務所が見え来る。そこの十字路を左に入った直ぐ左手に松屋さんは在ったのだが、バイクを停める場所が無く戻ってJAの駐車スペースにバイクを停めさせてもらう事にする。

到着したのが丁度昼時で、店内には人がいっぱいで行列が出来ていた。町屋をそのまま店舗にした松屋さんは、左側の入口から入るとそこは土間になっていて、我々は土間に置かれた縁台に座って順番を待つ事になった。

テーブルに座って居る人達の中でお蕎麦を食べている人は少なく、これは結構待たされのではないかと思われたが、我々は10分位待って席に案内される。蕎麦を運んでいるオバサン達の手際が意外に良く、お客の回転は良い様である。

席に着いて早速何を食べるか検討するが、ここは蕎麦専門だと思っていたら饂飩もあるようである。今回私は蕎麦を食べると決めて来ていたので蕎麦を注文する。

     < お品書き >

私は  もりそば(大) 600円
A氏は かけそば(大) 600円

もりかけの違いは、丼の中にそば汁は入っているのがかけ、そば汁が別に付いてくるのが
もりとなる。

U氏は とろろそば  650円
M氏は天ぷらそば(大)750円

また、暖かいのと冷たいのを選ぶ事が出来る。








うどんMENU
飲み物

ここに書かれているのが、松屋さんの全てです。








ここのそばの特徴は、コシのある更科系の美味しいそばと煮干系のそば汁のハーモニーが絶妙で、美味しい頂けるところだ。お値段も良心的で、天ぷらそばが650円では安過ぎるでしょう。

先週のツーリングで象潟道の駅で昼食を取った時、とある食堂に入って食べた天ぷらで嫌な思い出を作ってしまっていた我々は、松屋さんの天ぷらの姿形を見て天ぷらはこうあるべきだと一様にうなずいていた。


















座敷に上がった場合、我々の格好だとブーツを履くのに時間が掛かる。












満足した顔で店を出たM氏。



笹子JAのGSで休憩を取る。








鳥海山 矢島口 五合目 祓川に駐車場
春スキーやボードを楽しむ人達の車で満杯状態。




積雪はまだ3mは優に有る。



ここから山頂まで登ると3時間以上は掛かる。
スキーで降りれば15分?

▼松ノ木トンネル から 鳥海山 矢島口 祓川へ
美味しい蕎麦を食べ満足して西馬音内を出発した我々は、まずは国道13号に出て院内から国道108号に入り松ノ木トンネルに向かう。院内鉱山入口過ぎて道路幅が広くなったところで、私は一気にスピードを上げる。ここはパワーが有る者が偉い道で、私はGSX−Rのスロットルを自分の限界まで開け先頭で松ノ木トンネルに入った。

トンネル先の道はM氏が好きなコースで、私は後ろに下がりM氏を先頭にU氏、A氏、私の順で松ノ木トンネルを出る。皆さん水汲み場が在る大きな右コーナーを綺麗に並んで抜けて行く。以前であればM氏に大きく離されていたU&Aの両氏は、M氏に食らいついて行っている。この1年で高速コーナーの走り方に大きな進歩が見られる両氏の走りであった。

しかし、そこから先の中速コーナーの連続では、両氏共コーナー毎にM氏に離されて行く。まだまだ中速コーナーの走りでは、M氏に歯が立たない様である。そのまま笹子のJAスタンドにすべりこんだ我々は給油を行う。秋田を出て180km程走った私のGSX−Rには12L少々のガソリンが入り、燃費は15km/Lを少し切っていた。そこそこの走りだったので妥当なところだろう。

GSで休憩を取った後、国道108号を鳥海町まで走り猿倉方面に向かう。フォレスタ鳥海の手前から矢島の花立に向かう道を快適に走る。皆さんは快適に走っていた様だったが、私はタイヤの感覚がシックリこなくて探りながらの走りになってしまい、皆さんに遅れて矢島スキー場入口に到着する。そこでまた先頭になった私は、花立に出てそこから鳥海山5合目祓川に向かった。

標高が上がるにつれ道路脇の雪の壁は次第に高くなり、2mを越える雪の回廊の中を我々はゆっくりと祓川を目指す。途中、ブナの森の向うに春の日差しを浴びて白く輝く鳥海山が姿を現す。 美しい! 標高が更に上がりブナの森を抜けた我々は、一面白銀の世界に入り込む。バイクとこの景色は何ともミスマッチで、祓川下の駐車場にたむろするスキーヤーやボーダーの注目を浴びながら、我々は終点祓川の駐車場に到着する。


手の届きそうな所に真っ白な鳥海山山頂が見えていて、ここはまだ冬の世界であった。我々はスキーやボードが置かれた駐車場から出て、駐車場の少し上に在る祓川小屋の手前まで歩いて行く事にする。

目の前には山頂まで続く雪原が広がっていて、そこではスキーヤーやボーダーが蟻のような小さな点となって雪原にシュプールを刻んでいるのが見える。私も昔は岩木山や八甲田に春スキーに出掛けたものだが、ここの様にスキーを担いで山を登って滑るスキーはした事がない。

この斜面を滑ってみたい気はするが、スキーを担いで3時間山を登り15分で下りて来るスキーは、時間の使い方が間違っている様で私の性に合わない気がする。ヘリコプターで山頂に下りて一気に滑り降りるヘリスキーだったやってみたい気もするのだが。

3時間掛けて山頂に立ち、また3時間掛けて下りて来る山登りは好きなのだが・・・。

雪原にレーシングスーツ。何とも場違いなスタイルではある。



鳥海山観光を終えた我々は、祓川を発ち今度は猿倉に向かって下って行く。この猿倉に下る道は残雪が多く雪の壁は5mを越えている所もあった。路面に一部雪が残っている所もあり、慎重に下る。

途中、スノーモービルを楽しんでいる人がいた。この雪原をスノーモービルで走ればきっと楽しいとは思うのだが、ここは国定公園内でレジャーでスノーモービルを走らせる事は制限されている筈なのだが許可を取っているのだろうか。当局に知られなければ良いと言うわけにはいかないと思うのだが。どうなんでしょうね。


   雪の溝を下ってパーキングに降りる。



仁賀保高原の風力発電風車&ひばり荘
のバックに鳥海山の秀麗なる姿が見える。
















クラッチレバーが脱落するという前代未聞のアクシデントに見舞われたU氏の隼


















金浦温泉に到着

▼由利原から仁賀保高原へ
フォレスタ鳥海の前を通過して、我々は先ほど走った猿倉から花立に抜ける道に戻って来た。今回は私が先頭で花立に向かう。新しいタイヤで頑張ってみた私だったが、後ろを引き離す程の走りは出来ていなかった。花立に戻った我々は今度は南由利原から仁賀保高原に向かう。

仁賀保高原の登りはM氏を先頭に一気に駆け登り、土田牧場は先週立ち寄っていたので今日はパスして先に進む。ひばり荘の手前で鳥海山をバックにした写真撮影の為に一旦停止する。ここから観る景色は、鳥海山が見える風景ベスト3に入ると私は思う。


▼ヤバイ! 後続が来ない・・・?

写真撮影後、金浦温泉に向かって走り出す。冬師と象潟長岡を結ぶ道に出て一時停止した時、ミラーを見てU氏とA氏の二人が来ていないのに気付いた。少し待ったが来ない為、象潟側に右折し道路左にバイクを停め後続を待った。嫌な予感が心の中に芽生えはじめた時、バイクが一台来るのが見えた。

それはU氏の隼でもA氏のZX−10Rでもなく、二つ眼のGSX-R1100?であった。GSX−Rのライダーは、そのまま我々の前を通り過ぎて行く。彼が止まらずに走り去った事で2台のバイクが事故っていない(事故っていたら止まっている我々を見て何か言うでしょう)事は分かったのだが、2台に何かが起こった事は確かのようだ。

私はバイクを転回して引き返す事を決め、来た道を戻る。1キロ程戻った道路右側に二人のバイクが止まっており、二人は隼の横に立っていた。2台のバイクに損傷無い様だし、二人も怪我をしている様子は見られずまずは一安心であった。私は右側のスペースにバイクを止め、彼らの所に行き事情を聞く。


▼こんな事も有るんだ
!?
そのトラブルは、私の長いバイクライフの中でも初めてトラブルだった。U氏の後ろを走っていたA氏は、隼から何かが落ちて路上を転がって行くのが見えたので、直ぐにバイクを止め落ちた物を拾ってみると、それはクラッチレバーだった。

一方、クラッチレバーを失ったU氏は、一瞬何が起きたのか分からなかったらしくクラッチレバーを左手で探したようだが、有るべき所にレバーが無い事に驚きながらも減速しながらギヤを落とし、ニュートラルに入れたところでバイクを道路右側に止めたという。

それはクラッチレバーを止めているピボットボルトが抜け落ち、レバーが脱落するという珍しいのトラブルであった。普通ねじ込まれたボルトが重力に逆らって上方に抜け、レバーが脱落する事など考えられないが、起きてしまったのだから致し方ない。

こんな事もあるんだと感心してしまった私だったが、クラッチレバーが使えない隼を走らせる事は不可能にちかく、感心ばかりはしていられなかった。軽いバイクだったら、足で地面を蹴ってバイクを動かし、ギヤをローに入れ発進する事は可能だが、重い隼では不可能にちかい。

幸いレバーは回収されていたので、ボルトが有れば何とかなる。私は色々な種類のボルトやナットを持ってツーリングに出ているが、流石にレバーのピボットボルトは持っていなかった。しかし幸い使える長さの6mmのビスとレバーの穴に丁度嵌るカラーを持っていて、レバーをクラッチマスターに取り付ける事が出来た。

クラッチマスターのプッシュバーに嵌る太鼓状のブッシュも紛失していたが、これはレバーの位置調整ダイアルを調整して何とかなって、隼は無事戦線に復帰する事が出来たのである。隼のクラッチが油圧であった為レバーが脱落したのだが、これがR1やGSX−Rの様にワイヤーケーブル式のクラッチレバーだったら、ボルトが抜けてもレバーがワイヤーに引っ掛って脱落しなかったと思われる。


▼久しぶりの金浦温泉

再び走り始めた我々は、山を下り金浦温泉を目指す。国道7号金浦バイパスの少し山側に入った所に在る金浦温泉は、FUNKYでは度々利用させてもらっている温泉で、私はのんびりとした雰囲気とこの付近の温泉には珍しい少し白濁したお湯が気に入っている。

駐車場の脇に散り始めた桜が咲いていたが、この桜の木は昔ここが小学校だった頃からの物で昔は校庭の傍らに咲いていた桜なのだ。桜の木の下には、ここが小学校の跡地である事が書かれた記念碑が建っている。我々はこの温泉で暫く休養を取り、秋田までの最後の走りに備えたのであった。


▼仁賀保高原への道の完成は時間の問題 !?

金浦温泉でモチベーションを上げた我々は、まずは仁賀保高原を目指して走り始める。昨年の最終ツーリングで過酷な一気走りを経験したA氏は、私が秋田までの一気走りを考えていないか探りを入れてくる。私はA氏やU氏のリヤタイヤの磨耗度合いをチェックする為、本荘のローソンで休憩する事をA氏に告げると彼の顔に一瞬ホッとした表情が見えていた。昨年の一気走り、A氏にはトラウマになってしまった様である。

仁賀保から仁賀保高原に登る道に入ると、今日は走っている車が少なく思う存分走れる状況にあった。ここで私が先頭をM氏に頼んで最後尾に下がると、ペースが一気に上がりM氏を先頭に次々にコーナーに消えて行く。

このスペシャルスーテージは大きく回り込むコーナーを短い直線で繋ぎ合わせたコースで、深いバンク角が可能な道で皆さんタイヤの端まで使ってコーナーを楽しんで行く。このステージの中ほどに工事中の部分が残っていて、張り詰めた緊張感が一瞬途切れてしまうのだが、工事も完成に近づいている様で今年中には工事が終了して通しでこのコースを楽しむ事が出来そうである。完成が大変楽しみである。

M氏は今回もまた膝のスライダーを擦ってここを走り抜けたようだ。仁賀保高原を一気に駆け登った我々は、今度は冬師側に駆け下る。ここの下りが好きだと言うM氏に言わせると、如何に下りコーナーでスロットルを開けられるかがここを走る肝だと言う。そうは言うけど、私はそう簡単に下りコーナーでスロットルは開けられませんが !?


▼前に現れた物は全て・・・

下りの途中でコーナーを攻めている車に追付く。この手の車に対抗意識を燃やすM氏は一気に車をパスして先に行ったが、U氏が後ろに着いた時には頑張る車を抜く場所が見当たらず結局彼は下まで車の後ろだった。このU氏の判断は正しくこんな所で無理しても得るものは何も無い。

四角井戸溜池からコローニー入口に向かうコースで、我々の前に1台の隼が現れる。M氏とU氏は直ぐにその隼をパスして先に行ったのだが、A氏と私が取り残されてしまった。車に追付いた隼は、追い越しを掛けるか掛けまいか迷っている様子だった。

それを見てA氏もどうするか迷っている様だったので、私は車と隼とA氏の三台纏めて追い越して先を行く2台を追った。U氏には何とか追い着いた私だったが、M氏の姿は捕らえられないままM氏が止まって待つコロニー入口に到着する。そこからは、私が先頭になり本荘のローソンに向かった。




本荘 国道105号沿いのローソンで休憩











































皆さん、お疲れさんでした。KDX?前で
▼タイヤは何とか持ちそう?

本荘のローソンにバイクを止め、A氏のリヤタイヤを確認するとまだ溝は見えていて、ここから秋田までの50km位は持ちそうな感じである。このタイヤ、溝が見えている間はそこそこグリップするので最後の最後まで使えるところが良いところだ。しかしウエット路面は論外だが、タイヤのスチールコードが出てしまうと一気にグリップしなくなるので注意が必要である。そこまで使う奴はいないとお思いでしょうが、FUNKYにはリヤタイヤから火花をチラシながら走ったメンバーが過去にいるのだ。


朝タイヤを見た時、夕方にはスチールベルトが出ると思われたA氏のリヤタイヤは、まだ溝の痕跡が見えていた。



▼後は秋田まで一気走り


本荘を発ち、大内から雄和町大正寺に抜け協和の小種でグリーンロードに入る。ここでM氏に先頭を任せると、彼は一気にペースを上げて走り出しその後ろをU氏がピタリとマークする。途中、M氏が車に捕まったりして離される事は無かったのだが、県立公園に向かう交差点を過ぎ国道13号に出るまでの区間では、U氏は徐々にM氏から置いていかれて13号に出た時には大きく間が空く事になる。


NEWタイヤで臨んだM氏。このミシュランPOWER RACE はいつまで持つか楽しみ!


▼集中した走りがもたらすもの

一旦国道13号に出た我々は、直ぐに大張野方面に入り秋田に向かう。そこからのM氏の走りは少し切れていた。追い越せる車は全て追い越して先に進む。それにピタリと着いて離れなかったのがU氏であった。そのマークの仕方は今まで見た事のないほどの見事な走りで、私にはこれまでに無く集中したU氏の走りの様に見えた。

U氏は今回走りに集中する事の大切さを知ったのではなかろうか。走りに集中出来た時、体が自由に動いて何も考えずにコーナーに入っていける時がある。後で何でそれが出来たかを考えても分からない(頭で考えていないから当然)のだが、集中して走っていると突然何もかも上手くいく瞬間がある。

それはあくまでも集中した走り込みをする事で得られるものあり、頭で考えて出来るものではない。数多く走り込む事により上手くいく瞬間が多くなり、それが次第に身に付いてくるのだ。

コーナリング理論を構築してからそれを実践して行く方法でバイクを走れせようとする人もいるが、理論通りに実践出来る人間がいるとするならば、その人はきっと世界チャンピオンになれる素養を持っているのだろう。バイクはあくまでも感覚で乗るファジーな乗り物であって、頭で乗るものではないと私は考えている。


▼1st.ツーリング終了

全走行距離392km。いつもより短い走行距離であったが、体の疲れはいつものツーリングより大きかった様に感じた。それは体がまだ慣れていないシーズン最初のツーリングであったからで、次回からは体も慣れて楽になる筈だ。

次回の2nd.ツーリングは、八甲田山中で遭難しそうになった昨年の2nd.ツーリングのリベンジツーリングとなる予定である。

今日は天候にも恵まれ楽しい一日を過ごす事が出来た。これで2006年シーズンが開幕。今年はどんなシーズンになるか楽しみである。


2006 FUNKY 1st.Touring





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