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2006年11月3日(金)7th.ツーリング




今年最後のツーリングを堪能!!
バイクはヤッバリ楽しい!?




       
Report by Ryuta




   

▼ コース

秋田⇒出羽グリーンロード⇒南外⇒大森⇒三ツ森山線⇒

道の駅 東由利⇒羽後町⇒十文字⇒岩井川 JAGS⇒

須川⇒小安温泉⇒皆瀬 
昼食 惣兵衛(蕎麦) 

木地山⇒横堀⇒院内⇒松ノ木トンネル⇒笹子⇒直根


猿倉⇒花立⇒南由利原⇒東由利原⇒西由利原⇒

四角井戸溜池⇒コロニー入り口⇒本荘⇒大内⇒南外⇒

出羽グリーンロード⇒大張野⇒協和⇒鵜養⇒岩見三内⇒


太平 
貝の沢温泉
入浴横山金足線⇒

モト ワークス ヒラタ
 走行距離 430km

南外 佐藤商店前


手が死んでます。マフラーの暖かさと缶コーヒーの温かさが身にしみわたる。 「暖ケーッ」











東由利 道の駅















▼晩 秋
11月にもなると日の出が遅くなり気温も下がるので今日の出発をいつもより1時間半遅い七時半と設定、私は余裕をを持って家を出る筈だったがゆっくりし過ぎて店に着いたのは出発15分前だった。A氏とU氏が既に来ていて、私は急いで出発の支度をする。

きょうの天気は予報によると 「晴れ後曇り後晴れ」 となっていて雨の文字は無かったが、曇りの文字が気になった。気象衛星の雲の映像を見ると山形県沖に雲の塊が有り近づいてきていて、その雲が予報の曇りの雲の様である。

見上げる空は薄雲が広がっていて晴れとは言えない状態だが、薄日が差していており気温も凄く寒いと言う程ではなく、この時期としては普通だろう。

ガソリンを入れに行っていたM氏も到着、我々は予定の時間に秋田を出発する。さすがに走り出すと風が冷たく感じるが、私の寒さ対策は万全で体に寒さは感じない。今回私は後輪タイヤを新しくしていて後輪の皮むきをしなければならなかったのだが、秋田中央インターチェンジ入口横の回り込んだコーナーでタイヤ横の皮むきを予定していたら前に車がいて 「ガックリ!」 その目的は果たせなかった。前に追い越して置くべきだったと後悔したが遅かった。

広域農道の峠に設置された温度表示板が8℃を表示していた。その時の私は、今が8℃だから徐々に気温が上がって暖かくなるだろうと寒さの事は頭の中から消えていた。


▼ニュータイヤ

国道13号に出た後出羽グリーンロードに入った私はペースを上げたが、ニュータイヤの為探りながら走る。今回私は後輪に ミシュラン PILOT POWER 2CT を初めて履いたのだが、このタイヤフロントとの相性も良くハンドリングが軽く(タイヤが新しく形がちゃんとしている事もあるが)バンクしてからの安定感も有って安心してアクセルを開けていける事が次第に分かってきた。

グリーンロードに入って2〜3分も走ると、私はタイヤの皮むきの事などすっかり忘れ、知らず知らずの内にスロットル開度が広くなっていった。これは結構楽しいかもと思い始めた頃、私を悩ませる事が起き始める。それは指先の冷えで、体はそれなりの防寒対策を施してきた私だったが、グローブはいつものグローブで特に対策はしていなかったのだ。

もっとも私はグローブの中に嵌める薄いインナーグローブは持って来ていたのだが、それはリヤバッグの中だった。左手の指先は次第に感覚を失いクラッチ操作がだんだん辛くなってくる。その時後ろの皆さんも私同様指先の冷えに悩まされていたようだ。

しかし、その時の私は走りに集中していて、左手の冷たさも一瞬忘れグリーンロードを駆け抜け、南外の佐藤商店前にバイクを止めた。


▼缶コーヒーよりマフラー

我々が佐藤商店前に到着した時、前にある温度表示板は3℃を示していた。寒いわけだ。先程より5℃も気温が下がっているではないか。内陸に入って来るに従い気温が下がっていたようで、指先の感覚が無くなったのも納得してしまった。

寒い時FUNKYで冷え切った指先を温めるのは缶コーヒーと相場は決まっていたのだが、その常識を覆す御仁が現れた。その彼は冷え切った手をマフラーで温め始めたのだ。 「マフラーで手を温める。」 これは私の辞書には無い行為だった。

そう缶コーヒーよりマフラーの方が暖かいに決まっている。寒い時はマフラーで手を温めればいいんだ。 目から鱗だった。 私は新たな発見に体が震えた。(寒かっただけかも?)

・・・と言うより、私は今までマフラーに抱き付きたくなる程の冷えを覚えた事が無かったと言う方が正しいかも? 

マフラーに抱き付いた彼は我々以上に体が冷えていて、マフラーに抱き付かずにはいられない程体が冷えていたと思われる。彼のレーシングスーツはパンチングレザーで形作られており、至って風通し良い構造になっていたのである。

私が想像するに彼も当然防寒対策はして来たと思うが、彼のレザースーツがパンチングレザーの為風通しがよく体を冷やしてしまったのだと思う。彼は防寒対策は充分してあったが、防風対策が不十分でスーツの中を風が吹き抜け体全体が冷えてしまったのではなかろうか。

その為彼は掌からマフラーの熱を取り入れ、その熱を血液を使って体全体に送っていたものと思われる。体全体が暖まるにはそれなりの時間が必要な訳で、彼は暫くの間マフラーからは離れず手を添えていたのであった。


▼手は冷たくなくなったが・・・

缶コーヒーで指先の痺れを回復した私は、バックに入れていたインナーグローブを嵌めて走り出す。次の休憩は東由利の道の駅、大森から三ツ森山を越えて向かう事にする。

出羽グリーンロードの長い直線を抜け大森に出た我々は、二井山の集落の横を抜け三ツ森線に入る。ここで私は後ろに下がり最後尾から着いて行ったのだが、次第に前の集団から遅れ始める。

先程嵌めたインナーグローブがグローブの中で遊んで、スロットルやブレーキの操作がワンテンポづつ遅れてしまい、私はコーナーごとに離されていったのである。私は手の冷たさからは開放されたが、インナーグローブの操作性に問題が出て遅れてしまったのであった。操作性が損なわれたのは私の用意したインナーグローブが滑りの良い素材だった為で、インナーグローブは滑り難いものを選ぶ事が必要のようである。

三ツ森山を下り沢沿いのワインディングになると、私は完全な一人旅になってしまった。皆さん速すぎ。今の皆さんのレベルは、私が完璧なコンディションでなければ置いていかれる速さで、今年一年で皆さんのレベルは確実にアップしたようである。


▼横手盆地はもう初冬?

東由利の道の駅で休憩した後、我々は国道398号を通ってまずは十文字に向かった。国道107号から国道398号に右折しようと入口の青看板を探して走っていたが、見つけられなかった。

おかしいなと思い振り返ると反対方向の青看板に湯沢の表示が出ていた。以前は我々の進んで来た方向にも青看板が有った筈なのだが無くなってしまったのだろうか? 私は右側に有った空き地を利用してUターン、国道398号に入る。後続は私の突然Uターンに慌てて私に続く。

横根峠を下り横手盆地に出た我々は、稲刈りが終わった田んぼの中を走る。すると田んぼの中に白い物が沢山見えた。よく見るとそれは餌をついばむ白鳥の姿だった。この近くには白鳥の飛来地として有名な皆瀬川が在って、そこにもう白鳥が飛来してきているようである。冬はもう直ぐそこに来ているようだ。

十文字で国道13号を横断、我々は東成瀬の岩井川を目指す。


東成瀬 岩井川 のJA GS
ガソリン給油と休憩

▼脳内出血?

桃レンジャーと合流。

国道342号の東成瀬岩井川にある旅の駅で岩手から来る桃レンジャーと待ち合わせていた我々は、待ち合わせ時間の10時に旅の駅に到着したのだが桃レンジャーの姿は無かった。

するとM氏が手前のGSに桃レンジャーの姿を見たと教えてくれる。我々はまだ130km程度しか走っていなかったが、給油タイミングを合わせる為我々もGSに行く事にする。

このGSで給油するのは久しぶり(2年ぶり?)だったが、感じの良いスタッフさんの対応は変わっていなかった。給油を終えスタッフがレシートを持ってやって来る。私はウエストバッグから財布を出そうとしたのだが手から落としてしまった。私は財布から千円札を出した後、上着の内ポケットから小銭を取り出そうとしたのだが、取り出した小銭が指の間からこぼれ落ちていく。

 「ヤバイ きてしまったかぁ・・・ ?」

自分に意思に反応しない指先に私は

 「これは当たったかぁ?」 

と一瞬焦ってしまったのだが、よく考えたら指先が冷えて動かなかっただけの事だった。東由利の道の駅で走りの事を考え(この区間にSSは無く移動区間だったが・・・。)インナーグローブを外していた私は、指先が冷え切っていたのである。 

少しの体の変化にも敏感に反応する年寄りは、それを直に病気に結びつけて考えてしまったのだった。   「良かった。 良かった。」 


▼桃レンジャーと合体

事務所で休憩し国道397号で峠をを越えてやって来た桃レンジャーB氏と皆さんは久しぶりに会話を楽しむ。

我々のこれからの予定は国道342号を栗駒須川方面に向かうのだが、本当は国道397号を走りたい気持ちが私にはあって、今日の予定を立てる時国道107号で岩手県の横川目まで行き、そこから石淵ダムを経由して秋田県に戻りここ岩井川から須川に向かう事も考えていた。

しかしそうなると日没が早いこの時期、時間的にきつくなり秋田市に帰る頃には暗くなってしまう事も考えられ、已むなく断念した経緯があった。B氏はその横川目からのコースを走って来ていた訳で、我々が走れなかった分をB氏は我々の変わりに走った事になるのかな?

休憩を終えた我々FUNKY戦隊ゴレンジャーは五色揃って須川に向かったのであった。


▼須川を楽しむ

成瀬ダム工事が行われている場所を過ぎると私はいつも後ろに下がるのだが、今日はタイヤの調子を見るため最初少しだけ先頭で走ってみる事にした。するとここでも良いペースで走れるではないか。私は後ろに下がる事を忘れ走りに集中、先頭のまま須川まで楽しく走り切ってしまったのである。

ミシュラン パイロット パワーはバンクした時のグリップ感も良く安定したコーナーリングをみせ、私程度のスピードでは滑り出す事は皆無だった。これで2CT構造によるタイヤ中央部の硬いコンパウンドが効いて、タイヤの磨耗が少なければFUNKYでは結構使えるタイヤとなるのだが、それはGSX−Rのオドメーターが3000km進んだ頃にハッキリする事になると思う。


▼痛ましい事故

須川栗駒山荘下で桃レンジャーの到着を待って、我々は栗駒道路(県道)を小安方面に下り始める。ここの下りは道路中央に黄線が引かれており我々は車の後ろに着いてゆっくりと下って行く。我々がここを通った3日後この県道は冬季閉鎖になったのだが、閉鎖後雪からガードロープを守るためガードロープを外しに行った作業車が雪でスリップ、崖下70mに転落し5名の方が亡くなったニュースが流れていた。

ガードロープを外しに行ってロープを外した場所から崖下に滑落したとの事で何とも皮肉な事故なのだが、一番奥から作業を始めて帰り道のガードロープを残しながら作業すれば事故を防げたと思うのですがどうなんでしょうか。亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。

国道398号に入り道は狭い曲がりくねった道になる。新しく造られている道路はだいぶ出来てきていて、県道から国道に出る所の道幅を広げる工事が行われていた。しかし、全通にはトンネルも完成しなければならないようだし、来年中の全通は無理かもしれませんね?

我々は昼食をとるため皆瀬に新しく開店したと言う 「そば処 惣兵衛」 に向かった。小安付近まで下って来ると
、須川では終わっていた紅葉がまだ綺麗で小安峡大墳湯前の駐車場は満車状態だった。

「そば処 惣兵衛」 の場所は10日程前に車で通っていて分かっていた筈なのだが、私が考えていた場所より手前に在って思わず行き過ぎてしまった。皆さんにはUターンするお手間をお掛けし本当に申し訳なかった。惣兵衛の駐車場は高くなっていて入口が砂利の坂になっていますのでバイクで行った方はお気を付け下さい。


新しく開店したそば処 惣兵衛。


店内の席数はそんなに多くは無いので、昼時には混雑するかも?

「そば処 惣兵衛」 メニュー  拡 大


小安ざるそば大盛りです。
900円
「そば処 惣兵衛」
10月に開店したばかりという「そば処 惣兵衛」は、建物も新築の様で感じの良い店構えだった。

中に入って見ると思っていたよりも狭い感じだったが、小上がりに4人用のテーブルが一つ、6人用のテーブルが2つ、椅子のテーブル席(4人用)が一つ、それにカウンター席が5人位有ったと思ったから全部で定員25名程度と思われる。

ここの店主は近くの かえで庵 でそばを打っていた人だそうで、今回独立してここに店を構えたのだとどこかのHPで読んだのだが、そばの味はやはりかえで庵と似ているのだろうか、楽しみだ。

来店するお客さんは顔見知りが多いようで、店主は来たお客さん来たお客さんと挨拶を交わしていたから、地元の人々に愛されているお店のようだ。

B氏を除く4人は小安ざるそば大盛りを注文、B氏は小安かけそば(温かい)を注文する。暫くしてそばが運ばれて来る。さっそく食べてみると、かえで庵と似たこしのあるそばで美味かった。そば汁がかえで庵と少し違っていた様な気がしたが、お勧めのそば処であった。

「そば処 惣兵衛」 を出た我々は、小安方向に少し戻って木地山方面に向かう。すると以前ここで行われていた道路改修工事が完成したようで、結構スピードの乗る道に変わっていた。私は思わずスロットル開けて新しい道を楽しんでしまったのだが、以前から完成していた上部の道と合わせると距離は短いが山の上までワインディングが続くから結構楽しめる道になった。

木地山のT字路を右折(左折すると泥湯方面)した我々は、国道13号方面に向かう。日差しも出て寒さから開放された我々は、快調に走って横堀小町塚前の国道13号に出て山形方面に向かう。


▼松ノ木トンネルSS

院内で国道13号と別れ国道108号を本荘方面に入った我々は、松ノ木トンネルSSに向かう。院内鉱山跡入り口を過ぎると松ノ木トンネルSSはスタートするのだが、トンネルまでの前半部分には車がチラホラいてクリアーな状態で走る事は出来なかった。

トンネルに入ると前方に車が見え対向車も無かったのでトンネル内で追い着こうと私はスピードを上げたのだが、出口までに車の後ろに着く事が出来なかった。そのためトンネルを出た所で追い越しを掛けられず、次のトンネルもまた車の後ろに着いていた。

トンネル内でスピードを上げた時、最後尾を走る桃レンジャーもまた我々に追い着こうとスロットルを開けたと言う。その時彼は一瞬見えたメーターの針を見て、少なからず驚いてしまったようだ。その時メーターの指針が示していた数字は、彼がこれまでトンネル内で見たどの数字より大きかったと言う。

そんな驚きを覚えながらも二つ目のトンネルを抜けた我々は、車の前に出て笹子名水前(今日は水を汲む人はいなかった。)の高速右コーナーを抜け、道は田んぼの中を走るワインディングに出る。そこで私は後ろに下がり先頭を赤レンジャーに任せて後を追う。

後ろの桃レンジャーが気になった私はスピードを落としミラーの中に彼の姿を探したのだが、結局その姿を捉える事が出来たのは 道の駅 鳥海郷 手前の直線の終わり付近だった。短い距離であったにも関わらず結構な間隔が空いていたようである。我々はその先の信号を左折、丁岳方面に向かった。


▼予定コース変更

笹子の街中を抜けた我々は天神で笹子峠方面に右折、法体の滝を目指した。笹子峠を下り下直根で百宅(ももやけ)方面に左折すると法体の滝方面通行止めの看板が立っていた。百宅集落の先、法体の滝の手前で土砂崩れの為通行止めとなっているようで、予定していた法体の滝に行く事が出来なくなってしまった。

これで楽しみにしていた法体の滝〜フォレスタ鳥海間のSSが走れない事になってしまった。毎年最終ツーリングではこのSSを走っているのだが、夕方近くに走る事多くてコンディションが悪かったから今回私は気温が高い時間に走れるようスケジュールを調整して来ていた。しかし、何とも残念な結果となってしまったのである。

Uターンした我々は、直根(ヒタネと読む)から鳥海町才の神を経て矢島花立に向かうルートに予定を変更、フィレスタ鳥海方面を目指す。

フォレスタ鳥海側から法体の滝までは行ける様なので、法体の滝まで行って引き返して来るという選択肢も我々にはあったのだが、わざわざ戻って法体の滝SSを往復しなくても鳥海山麓には他に楽しいSSが沢山有るから、私は他の場所で楽しもうと頭を切り替えていた。しかし、結果論ではあるが法体の滝を往復するのが正解だった事を私は後に思い知らされる事になるのである。


▼猿倉〜花立

フォレスタ鳥海下の十字路から矢島スキー場入り口までのSSは、紅葉見物の車も少なく今日は快適に楽しむ事が出来のだが、以前と比べアベレージが上がった分楽しむ時間が短くなり物足りなさを感じてしまう今日この頃である。今工事中の花立までの道が完成すればほんの少しは楽しむ時間が長くなるとは思うのだが、今までの工事の進み具合を見ると来年中の完成は微妙だな?

花立の下でその道路工事が行われていて、砂利道の片側交互通行になっていた。我々が信号機の前に来た時ちょうど信号が青に変わって 「ラッキー」 と思った私はそのまま進行すると前から2台の車がやって来る。私は信号が青になったのを確認して入って来たから、この状況は信号機が壊れているか前の車が信号を無視したかのどちらかであった。

車の運転手は私に視線を合わせない様に進んで来る。我々がバイクだったから良かったものの、これが車同士だったらどちらかがバックする状況になっていた訳で、そうなれば青信号で進入した我々が正当性を主張するのは当然なのだが、そうなると面倒な事にも成りかねなかった?

もっとも対向車は前から来たのがバイクだと知って進入して来た確信犯であったと考えるのが正解だったのかもしれないが、いずれにしても狭い砂利道で車とすれ違うのに私は結構緊張してしまった。皆さん信号は守りましょうね。






矢島 花立グリーンハイツ前。
後ろに見えるのは鳥海山。
次第に黒い雲が・・・。

▼花立〜南由利原〜東由利原〜西由利原〜四角井戸溜池・・そして雨!?


休憩している間に西の空が怪しくなってきた。
我々は土の付いたタイヤのまま、花立グリーハイツ前のパーキングにバイクを停めた。

予定では法体の滝で休憩をする事にしていたのだが、それが出来ずに我々は結構長い時間走りぱなっしの状態にあった為、バイクから降りた我々全員、トイレへ直行となってしまったのである。

全員晴々とした表情でバイクの所に戻りタイヤを見ながら今までの走りを検証する。赤レンジャーのタイヤは前後共今日走れば使い切る程度しか溝は残っていなかったのだが、この時点ではまだ溝に深さが残っており、何とか帰るまでは持ちそうな感じである。

花立から見る鳥海山に雪は無く、初冠雪のニュースは聞いたような気がするが雪は消えてしまったようだ。最終ツーリングのこの時期、山頂部が白いのは普通なのだが今年は雪が遅いのかもしれないな。それにしても鳥海山に掛かってきた黒い雲が気になる。

休憩を終え出発しようとヘルメットに手を掛けようとしたその時、私は頭に冷たい物を感じ 「 雨だ!」 と言ったのだが皆さん無反応、雨が少し強くなった時点で初めて 「あっ 雨だ!」 と言う。この時間差の理由は直ぐに理解できた私だが、私の降雨センサーは人一倍敏感な性能を誇っているのだ。

西の空を見ると暗い雲(朝、衛星画像で見た雲?)が迫って来ている様に見えたが、我々はそのまま花立を出発する。南由利原から東由利原に右折すると次第に路面が濡れてきて、そして東由利原から西由利原に向かうと雨が落ちてきた。

 「どうする?」

その時私が持っているカードはそんなに多くはなかった。これから向かう予定の仁賀保高原方面の空は暗いし、この状況では雨で路面がウエットになっている事は確実な状況だった。路面が濡れた状態で仁賀保高原を走ってもしょうがないから仁賀保高原をパスするとしても、我々はこれからどこに向かえばよいのだろう・・・か?

この雨雲の感じからしてこの地域のどこに行っても路面は濡れているものと考えられたが、まず西由利原から四角井戸溜池まで行きそこで止まって結論を出す事にする。ところが西由利原の長い直線付近まで来ると、雨が合羽を着なければならない程強くなってきてしまったのである。

四角井戸溜池のT字路横にバイクを停めた我々は、急いで雨具を取り出し濡れた体の上に合羽を着る。ここまで降られてしまってはこの近辺で乾いた路面などある筈も無く私はこのまま本荘に向かう事を決断する。いつもは楽しくバイクと戯れる四角井戸溜池〜コロニー入口間のワインディングロードを我々は慎重な走りで本荘に向かった。


本荘のローソン。 ここで合羽を脱ぐ。


来年はこれに乗る?


エネルギー補給中
本荘のローソンで休憩
本荘近くまで来ると雨は小降りになってくる。この地域は雨の降り出しが早かったのか雨は上がり始めていて西の空が明るくなってきていた。

本荘の国道105号のいつものローソンで休憩、今後の予定を考える事にする。時間は2時を回ったばかりで日没まではまだ時間があるが、今の時期雨が上がっても夏と違って直ぐに路面が乾く事はないからこの近くで乾いた路面を探すのは難しいと思われた。

今考えると法体の滝〜フォレスタ鳥海間SSを走っておくべきだったと悔やまれる。あの時点で雨雲はまだ鳥海山の西側に有って路面は乾いていたから、あの区間は思いっ切り走れた筈なのだ。大好きなショートケーキのイチゴを横に置いてスポンジケーキを食べていたら、ケーキを載せた皿を床に落としてしまい両方食べられなくなってしまった状態?で、イチゴだけでも食べておくべきだったと後悔したが遅かった。

これからどうするかの結論が出ないまま、長目の休憩を取っていると日差しが出てきて上空も明るくなってきた。予定ではここから国道105号を南外まで走り、出羽グリーンロードで秋田市に帰る事になっていたから、まずは予定通りに走る事を決める。そのうち路面も乾いてくるだろうとの希望的観測を含めての結論だった。


▼セルフスタンド

桃レンジャーが予備タンに入っているとの事で、近くに在ったセルフスタンドで給油する事になったのだが、このセルフスタンドの方式は今まで経験した事のない方式で、我々はで戸惑ってしまう事になるのである。

最初にお金を入れて給油すタイプの機械だったので、私は給油を終えたら機械からお釣りが出てくるものと考えていたら出てきたのはレシートだった。お釣りはどこだと探したら横にお釣り精算機なるものが設置されていた。

しかし、どの様に精算するのかが分からず戸惑っている私の姿を見て、GSのスタッフがやって来た。

 「レシートのここの部分をここにこうすると・・・お釣りがでます。」 と教えてくれる。

皆さんもこの手のセルフスタンドが始めての様で あーだ こーだ とやっていた。GSのスタッフの対応も不親切で、一目で いちげんさん と分かる我々が、戸惑っているのを見ても直ぐには来ないで離れて見ているのはどうかと思う。少なくてもサービス券を持たない我々は、通常より2円は高いガソリン代を払っているのだから・・・。

今回私は初めてのセルフスタンド方式を体験した訳だが、今まで体験したセルフスタンドの中で一番使い易かった方式は、お金を入れて給油し直ぐにお釣りが出てくるタイプのものだった。わざわざ事務所に行ったり精算機まで行く煩わしさが無く、一箇所で全てが完了するところが私が良いと思う理由である。

しかし、私が使い易いと思うその方式のセルフスタンドが意外に少ないのは何故なんでしょうか?

▼今年最後のSS出羽グリーンロードを堪能
ガソリンも満タン、後は燃料を気にしないで思いっ切り走って秋田市に帰るだけなのだが、路面はウエットで我々は車と一緒に国道105号をゆっくりと走る。空は青空も見えてきて爽やかな日が差しているのだが、路面は黒く輝いている。

私が国道105号の軽井沢や矢立峠を走るのは久しぶりだったが、峠手前の狭かった道が大分改修されて走り易くなっていた。来年には全ての改修工事が終わり楽しい道になりそうなのだが、105号だけは出来るだけ計画には入れない様にしないとね・・・。

雨に濡れた木々の紅葉が、傾きかけた日の光に照らし出され鮮やかな彩りを見せていた矢立峠を越え、我々は南外から出羽グリーンロードに入る。路面は濡れてはいたが雨は降っておらずタイヤのグリップ感がそこそこ感じられた私は、スロットルを少しだけ開て走ってみる。

私の後ろを走る赤レンジャーもリヤタイヤの溝が殆ど無い状態であったにも関わらず、私に着いて走っている。 まぁ 路面が濡れていても後輪が滑り出すまではスロットルは開けられる訳で、滑り出したらスロットルをそこで止めればよいだけの話なのだが、これが雨が降っていて路面に厚い水の膜が有る状態ではそうはいかなかったろう。

大沢郷付近で車の集団に出くわし少々ご迷惑を掛けてしまったが、何とかそこから抜け出した我々は雄物川を渡り小種(こたね)の集落を通過、国道341号に出た後再び出羽グリーンロードに入る。この辺まで来ると路面が斑に乾いて来て、これは 「もしかすると もしかするかも・・・。」 と期待を持たせる路面状況になってきた。

平尾鳥の交差点を過ぎると路面は完全なドライに変わる。これでグリーンロード最後のステージを我々はドライで楽しむ事が出来る事になったである。県立公園への交差点を過ぎ集落を抜けた所で私は4番手に下がり、先頭赤レンジャーその後に銀レンジャーそれを緑レンジャー、私、桃レンジャーが追う形になった。

今日の前2台のスピードは特別だった。コーナーごとに緑レンジャーは遅れていき、私はその緑レンジャーからも次第に離されて行く。高速道の下を過ぎた辺りで前2台の姿は私の視界から消えて無くなり、その後の状況は私の見えない所で展開されたのだが、銀レンジャーは最後まで赤レンジャーに食らい着いていた模様である。

銀レンジャーは今年の北海道最後の桂沢ダム〜夕張間SSで赤レンジャーに千切られ悔しい思いをしていただけに、今年最後のこのSSで赤レンジャーに離されずに走る事が出来、しかも後ろの緑レンジャーを引き離す事が出来たから、銀レンジャーとしては大満足のラストランになったようである。

国道13号に出て直ぐに大張野に入った我々は太平の貝の沢温泉でゆっくりする予定だったのだが、日没にはまだ少し時間が有って乾いた路面を目の前にしてしまった私は、由利原で走れなかった分を取り戻そうと秋田と協和を結ぶ広域農道に出た所で予定を変更、広域農道を協和に向かったのであった。

休日の夕方と在って秋田に戻る車で対向車線は混雑していたが、こちらの車線は車が少なく結構楽しむ事が出来た。我々は広域農道から離れ協和スキー方向へ向かい、スキー場手前で鵜養方向に左折し遅沢トンネルを抜け岩見三内を目指す。

この間の田舎道の両側には晩秋の景色が広がっていて、何とも長閑なその景色の中我々は夕日に向かって走っていた。岩見三内から太平に向かった我々は、太平山谷の貝の沢温泉にバイクを停める。



太平 貝の沢温泉 到着


イザ 温泉へ。


後は秋田に帰るだけ。

温泉から上がって一服。
▼貝の沢でも有名人?
我々はタオルを持って玄関に行き、入湯料420円を支払う。そこにいたオバサンが緑レンジャーの姿を見て

「あぁー 今朝広面のローソンにいましたよねぇ 。」

「見ましたもの。もしかしたら今日ここへ来るかも知れないと思ってました。いらっしゃいませぇー。」

緑レンジャー、貝の沢温泉で有名人となっていました。緑レンジャー恐縮しながら420円を差し出す。

我々は早速、温泉に行って温まる事にする。脱衣所でレーシングスーツを脱いだM氏は、黒一色のインナー上下を初お披露目する。このタイチ製のサーマフリース素材を使った薄手のインナーは、防風と防寒を兼ね備え暖かいとの言うのが謳い文句だったが、M氏が使用した感想は暖かくてレザースーツの中に着てもゴロゴロしないから動き易いと述べていた。薄手で体にフィットするこのインナーは、我々の様にレザーウエアーを着るライダーに適したインナーの様である。

温泉に入ってゆっくりしていると、先程までの緊張していた体が解れていくのを感じる。温まった体を洗ってさっぱりして温泉を出て、皆さんとソファーに座って今日のツーリングの話をして時を過ごす。


昨年の最終ツーリングも貝の沢温泉で締めたのだが、この時期どうしても日没時間が早く日中温泉に入ってしまうと走る時間が少なくなってしまう。少ない時間で距離を走ろうとすると休まずに走る事になってしまうから、日中の温泉を止め日中はゆとりを持って走り、日が暮れてからゆっくり温泉に入るパターにしたのだ。

貝の沢温泉を出ると外は真っ暗になっていた。ここから店までは15分位で我々はゆっくりとしたペースで店に向かい、六時少し前店に到着する。すると店の前に見慣れた車が一台停まっていて、それは我々の帰りを待っていたC氏の車だった。彼は現在バイクから暫く離れているのだが、そろそろ禁断症状が出て来たようで来年には復帰の可能性もある様だ。

C氏も交え今日のツーリングの報告会?が開催され、お話は延々と続いたのであった。


これから岩手までツーリングです。
1名入れ替わってる?
▼今シーズンのツーリング終了 そして来シーズンに向けて
これで今年のツーリングは全て終了した訳だが、大きな事故も無く終わる事が出来て本当に良かった。今年のツーリングは昨年より確実にスピードアップされてきており、皆さんの走りが確実にレベルアップした事を物語っている。

特にFUNKYで走り始めて丸三年になったU氏とA氏は、走りのテクニック的には充分なレベルに達したように思う。しかし安全に走るテクニックと言う点ではまだまだ勉強しなければならない事が沢山残っている。来年はそのへんを含め走るポジションも色々と体験し経験を積んでいって欲しいと私は考えている。

桃レンジャーB氏は、今年が復帰初年で走りに慣れるのに精一杯であったと思うが、来年はテクニック的な向上を目指し楽しんでもらいたいと思う。今日参加出来なかったK氏も、来年はGSX−R二年目となりバイクに慣れてレベルアップが予想される。

そしてM氏、三年ぶりの北海道でR1の走りに開眼してしまって本当はもっと走りたかったのではなかろうか。何年走ってもこれで終わりと言う事が無いのがバイクで、来年もまた新しい走りに向かってお互い精進しましょう。

そして私も昨年より少しはレベルアップ出来たと考えているが、来年も楽しい走りを目指していきたいと考えておりますのでメンバーの皆々様方、来年もどうぞ宜しくお願い致します。


※このレポートをご覧の皆様、このレポートが皆様のバイクライフの一助となれば幸いと考えております。お読みいただき誠にありがとうございました。それではまた来年まで さようなら です。


2006 FUNKY 7th.Touring





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