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2007年 9月30日(日)

FUNKY 6th.ツーリング


秋の気配を感じ始めた秋田・宮城の道を楽しんだ477kmでした。




   
Report by Ryuta







   

▼ コース

秋田⇒広域農道⇒岩見三内⇒国道13号⇒出羽グリーンロード⇒南外⇒雄物川町⇒浅舞⇒

十文字⇒増田⇒東成瀬⇒国道342号⇒須川⇒小安⇒国道398号⇒花山⇒国見峠⇒鬼首⇒

湯の又湯温泉(入浴)⇒秋ノ宮⇒国道13号⇒横堀⇒稲庭(昼食 佐藤養助本店)⇒小安⇒

国道398号⇒須川⇒東成瀬⇒国道397号⇒十文字⇒三ツ森山⇒老方⇒大森⇒南外⇒

出羽グリーンロード⇒国道13号⇒岩見三内⇒
モト ワークス ヒラタ 走行距離 477km


 




天気は快晴。 気持ちの良い朝だ。電柱も無くなりこれも気持ち良い。

出発の時間になってもまだ朝日は当たっておらず秋を感じてしまった。























タイヤが・・・。思わず笑っちゃいます。
















岩井川の旅の駅











国道398号沿いに在る栗駒神水の水汲場。
軽トラの荷台いっぱいに水を汲む年配夫婦?、そんなに何に使うの?


タイヤは確実に減って行く。
▼秋の風情
北海道から帰って来てから10日程経った9月30日、2007 FUNKY 6th.ツーリングが行われた。当日は朝から快晴の良い天気であったが、秋の気配が感じられるようになって朝の空気はキリッと冷たくなっていた。

いつものように六時の出発時間に合わせ店に行くと、隼が既に来ていて私は急いで出発の支度をする。そうこうしているうちにR1もやって来て、今日参加のメンバー三名が揃い AM6:00 秋田市を出発する。

前回のツーリングまでは出発時眩しい朝日に眉を顰めて走り出していたのだが、今日はまだ太陽が昇り切っておらず、日の出時間が遅くなった事を感じる。こうなってくると秋田のバイクシーズンも残すところ後少しで、鳥海山初冠雪の便りを聞くのも近いだろう。

いつものように広域農道に入り岩見三内に向かった我々は、小さな峠を越えて岩見川に向かって下って行く。するとそこには素晴らしい景色が広がっていた。岩見川から立ち昇った水蒸気か朝の冷たい空気に触れ、朝霧となって山に囲まれた人里を覆っていたのである。

霧の中からは稲わらを燃やす煙が立ち昇っており、それはそれは美しい秋の田園風景でありました。我々は美しい秋田の秋の風景を脳裏に刻み、朝霧の中に入って行く。

広域農道から大張野を抜け国道13号に出た我々は、出羽グリーンロードに入って南外の佐藤商店を目指す。

出羽グリーンロードに入っても所々で霧が出ておりペースが上がらない。この時期、雄物川沿いを走るグリーンロードでは朝霧が発生する事が多いのだが、午前九時頃には消えて無くなってしまうこの霧は、秋の風物詩のようなもので私はこの霧で秋の訪れを知るのである。


この時期としては低い8℃
舗装の張替が終わり路面が綺麗になったグリーンロードを走り、我々は国道105号南外及位の佐藤商店前にバイクを停める。霧が出ていた影響からかいつもより7〜8分到着が遅れたようだ。

佐藤商店前の温度計は8℃を表示しており、この時期内陸部の気温は海沿いの秋田市に比べ3〜4℃は低いようである。これが最終ツーリングの時期になると5℃を下回るようになり指先がしびれて来るのだが、今日はそれ程ではなかった。


▼タイヤ談義

メンバーはリヤタイヤに手を当ててタイヤの状態を確認している。隼のリヤタイヤには今回初めて PIRELLI  が装着されており、今日はこのタイヤの適正空気圧を探りながらの走行になっている。

初めてのタイヤの空気圧は、走りながらタイヤの状態を見て調整(高目からスタートして徐々に抜いていく)していき我々の走り方に有った空気圧を見つけ出すのだが、この最新のレーシングラジアルタイヤ DIABLO SUPERCORSA は、我々が今まで使ってきたどのレーシングラジアルよりも低い空気圧が必要のようで、抜いても抜いても適正な温度に達しなかった。

一方、R1のリヤタイヤにも少々問題が有って、停まった後リヤタイヤを覗きこんだオーナーさんは、苦笑いをしておりました。休憩を終えた我々は、再びグリーンロードに戻り東成瀬岩井川を目指す。

グリーンロードの長い直線に出て私は一気にペースを上げる。すると直線の先に1台の車が見えその場所が微妙な場所だった。直線の中間点位までだったら一気に追い越していけるのだが、私が直線に向いた時車は直線の2/3位の所にいた。

それはこのまま加速して行くと車を追い越した直後にブレーキを掛けなければならない位置と思われ、フルスロットルで加速して行ったその結果は、私の予想通りの状況になってしまった。私は無理に車の前に出る事はせず車の後ろで直線を終える事にしたのだが、何ともストレスの残る直線であった。


月が綺麗に見えていた。

大森町二井山から小さなシェルターを抜けて雄物川町に出ると目の前には稲刈りが終わった田んぼが一面に広がっていた。横手盆地を横切った我々は、浅舞、十文字と走って国道342号に入る。増田に入ると道の両側に林檎の木が見えて来くるが、林檎の実はまだ青く収穫出来るようになるにはもう少し時間がの必要のようである。

東成瀬岩井川の旅の駅で休憩を取った後、我々は国道342号を須川に向かう。幾つもの集落を抜け、成瀬ダムの工事現場を過ぎた所で私はペースを上げる。時にはフロントタイヤを上げながら、時にはリヤタイヤを暴れさせながら私先頭で一生懸命走ったのですが、北海道で止めを差したフロントブレーキのジャダーがそのままで、走っていても怖いばかりで楽しくはなかったです。

須川、栗駒山荘下に出た我々は、右折して小安温泉方面に下って行く。この道は中央に黄色い線がしっかり引かれているから、よほどの事がない限り車に引っ掛かって金魚の糞になってしまう道だ。

今日の我々もしっかり金魚に糞になって国道398号に出る。ここでは国道398号の改修工事が行われていて、合流地点の舗装が剥がされ砂利が敷かれていた。砂利が敷かれていると言う事は舗装が近いのかもしれないが、雪が降る前に新しい道が通れるようになるのは難しいと思われる。


▼栗駒神水


何の花かは知らないが、可愛い花とのショット。

国道398号に左折した我々は、宮城県花山を目指す。この栗駒山周辺には有名な湧水が幾つか有って、その一つが国道398号宮城県境手前に在る栗駒神水である。

先ほど走って来た国道342号沿いにある栗駒仙人水と並んで有名なこの栗駒神水前で、私は休憩を取る事にした。

私は以前一度だけ栗駒神水を飲んだ事が有って、その無味無臭の水を皆さんにも一口飲んで貰いたくて止まったのだが、この水の人気の高さを知る出来事に出会ってしまった。

我々が休憩している横では、栗駒神水を汲む年配夫婦?が忙しく動き回っていた。軽トラの荷台には焼酎の容器からポリ缶まで、家中の蓋付き容器を集めて来たのではないかと思われる程容器を並べ、ご夫婦は一生懸命水を汲んでおられました。

軽トラのリヤタイヤは見る見る内につぶれて行き、軽トラの最大積載量350kgを越える水を積んだのではないかと思える程、ご夫婦は一生懸命栗駒神水を汲んでおられました。飲むだけに使うには多少多過ぎるようの思うこの水を、ご夫婦は何にお使いになるのでしょう?

私がコップに水を汲みに行った時何に使うのかお聞きしようと思ったのですが、殺気立っているかのように素早い動きで水を汲むご夫婦に、私が声を掛ける隙は御座いませんでした。

そして久しぶりに飲んだ栗駒神水は、全く味が無くスーッと体の中に入っていく。水に全く味が無い事から、この水を使って料理を作くれば素材の味を邪魔しないから素材を生かした料理を作る事が出来そうである。

栗駒神水を使って蕎麦を打っているというお蕎麦屋さんの話を聞いた事があったが、きっと蕎麦の香りが際立った美味い蕎麦が出来るのだろう。

我々が休憩している横を二台のバイクが宮城方向に走って行く。新しいYAMAHAのFZ1ともう一台は分からなかったが、二台は軽やかな排気音を残して走り去っていった。この国道398号沿いには、江戸時代から秋田藩と仙台藩を結ぶ街道が在ったそうで昔から秋田と宮城を結ぶ重要な道であったらしい。

花山峠を越えた花山温泉温湯山荘傍には国の重要文化財に指定されている仙台藩花山村寒湯番所跡が在って、旅人はここで通行手形や荷物を厳しく調べられたと言う。現代の我々は調べられる事は無いのだが、昔こんな山の中に両藩を結ぶ街道が有ったとはとても信じられない。


昔の人々はこの山深い花山峠を歩いて越えて行ったのだろうから、それは普通に登山のようなものだったと思われ、昔の人が旅をすると言う事がいかに大変な事だった偲ばれる。


▼スーパー軽トラ!?

水汲みに止まった軽トラ。
ウイング・アルミホィール付きのスーパースポーツ?
結構笑えた!

休憩している我々の横に一台の軽トラが止まって、助手席からペットボトルを手に持った女性が降りて来た。その軽トラを見て我々は思わず笑ってしまった。あおりが外された荷台の上には大きなウイング(小さかったらもっと笑えた)が取り付けられており、それが何とも笑えたのである。

取り付け位置から言って空力的には全く役に立たないと思われるウイングだったが、軽トラの荷台にウイングを取り付けるというセンスが新鮮であった。

日頃から軽トラを乗り回している軽トラフリークの私としては、軽トラが下手な乗用車よりコーナーリング性能が良い事は知ってはいるが、この軽トラがどの程度のコーナーリング性能を持つのか知りたいところだ。

私のスーパー軽トラ(HONDA アクティ 4WD ミッドシップエンジン)と勝負?して頂きたいところだったが、今日は残念ながら軽トラではなくGSX−Rで来ていた為それは叶わぬ事であった。 残念!?


花山で出会った中年ライダーが乗る
RZ350風とRZ250Rの
YAMAHA2サイクルコンビ。

結構金掛かってました。
















花山のGSのおばさん
ようやくFUNKYを覚えたようである。



我々の貴重な給油ポイントになっている田舎のGSがポツポツと廃業してきていて、ここのGSも無くならければ良いのだが?




▼花山の ENEOS GS へ
栗駒神水の味?を確かめた我々は、県境の花山峠を越え宮城県に入る。今日の国道398号は、紅葉にはまだ少し早かったせいか走っている車も少なく又いつもやっている道路工事も無く結構走り易かったが、相変わらず道幅が狭い下りの道には気を使う。

途中、頑張る車と絡みながら我々は花山峠を下ったのだが、この狭い曲がりくねった道(下り方向)を私は嫌いではない。この道を土砂降りの中走った事もあったし、落ち葉が道を埋め尽くしている状態で走った事もあった。

道のレイアウトが大体頭に入っている事も有ると思うが、普通こんな道を好きになる筈は無い私だが、何故かここの下りは集中出来るのだ。二車線が一車線になったりブラインドコーナーの連続だったり読み所が沢山有るこの道、もしかしたら私はそれを読み解くのが好きなのかもしれない。

集中して走っていたら仙台藩花山村寒湯番所跡が在る温湯山荘にあっと言う間に着いてしまった。そこにはさっき我々の横を走って行ったバイクが二台止まっていたが、ライダーの姿は見えなかった。我々はその横を通過して花山のGSを目指す。

温湯山荘と花山の道の駅間の道は、昔(15年以上前)は狭い1.5車線ぐらいの道で紅葉の時期になるとよく渋滞したものだが、道路改修工事も一部を除き殆ど終了してもう昔のように渋滞する事は無くなった。

我々は快適に走って、花山の国道から少し入ったいつも立ち寄るENEOSのガソリンスタンドにバイクを入れる。するとそこには先客のバイク台いて、いつものおばさんがガソリンの給油作業中だった。


▼2ストコンビ

そのバイクは結構マニアックなバイクで、今では絶滅寸前とも言われるYAMAHAの2スト250ccコンビだった。一台はRZ250風のRZ250RR(51L多分)、もう一台はオリジナルに近いRZ250R(3HM1)だった。

改造された一台は、外観はチョッと見RZ350(4U0のカラーリング)のように見えたが、スイングアームはTZR250(3MA1)後方排気の物が嵌められ、フロント周りもTZRの物が使われているようだし、チャンバーはYUZO風だった。

マジマジと見たわけではないので断定は出来ないが、結構金が掛かったバイクである事は確かで、オーナーさんの思い入れが感じられる。
掛けた金の額を考えたらTZR250R(3XV系)の中古車でも買った方が速く楽しく走れると思うのだが、オーナーさんの求める所はきっと違う所にあるのだろう。

そんなバイクに乗るライダーはと言うと、年齢は40歳代中頃と思われ2サイクルバイクがまだ華やかしき頃にバイクに乗った世代と思われた。あの頃の思いが彼らを未だに2サイクルマシンに乗せているのだろうか?

私も1台TZR250R(3XV4)を所有しているが、軽い車体からくる加速の良さ、ハンドリングやブレーキ性能等は4サイクルでは味わえないもので、彼らの2サイクルマシンへの思い入れは良く分かる? 私はRZを改造しようとは思わないが、2サイクルマシンの国内生産が終わった今、私もTZRを大事に使用して行こうと考えている。しかし、結局今年は1回もTZRには乗らなかったなぁ・・・。

そして彼らは2サイクルの甲高い音を残し、ガソリンスタンドを出て行ったのでありました。


▼FUNKYの記憶


ここではまだ稲の天日干しが行われていた。

花山のこのGSに立ち寄るようになってからもう20年近くになると思うが、今回初めておばさんが

「以前来た事有りますよね?」 と言った。

「キターッ!」 私はこの言葉を待っていた。

1年に一度位しか立ち寄らないからFUNKYを思えていなくても当然なのだが、以前は事務所に行って細倉鉱山近くのラーメン屋さんを教えてもらったりした事もあったし、バイクの種類を色で思える方法を編出すのに少なからずFUNKYは貢献した筈で、おばさんがFUNKYを思い出してくれた事が私は嬉しかった。

FUNKYがこのおばさんから認知されるまで十数年の歳月(確かその頃から居たと思う)を要したのだが、このおばさん我々を関東方面から来たと思っていたようで少し 「 ガクッ 」 ときたが、今回しっかり秋田から来た事を擦り込んでおいたから、次回訪れた時の反応が楽しみである。

給油を終え暫しの休憩とする。道路脇には秋桜が咲いていたり、刈った稲が田んぼに干されていたりして、GSの周りの風景はしっかり秋の風情となっていた。

ここ花山の田んぼでは、最近秋田市周辺では滅多に見られなくなった方法で稲を乾燥してた。田んぼのあぜ道に木の柱を立て刈った稲を干していたのだが、乾燥機が普及するまで秋田し周辺でもこの方法で干していた。久しぶりに見た天日干しの風景に私は大変懐かしい思いをしたのでありました。

















































湯の又温泉手前の駐車スペースに到着。








入浴料を払って温泉に向かう。
窓からは綺麗な沢の流れが見える。




温泉をかき回す棒が無くなった浴場。







話題がやはりバイクの事。





この電気配線が懐かしい。しかも、形が美しい!
昔は全部これだったよなぁ・・・。

いつからだ?
グレーのナ味気ないコードになったのは・・・。


スッキリしてバイクのもとへ。
鬼首トンネルを抜けて湯の又温泉へ
給油を終えた我々は、花山湖に架かる座王橋を渡って直ぐ右折、こもれびの森林科学館に向かう。狭い山道(全舗装)を走った我々は、森林科学館に出た後右折し国見峠に向かう。

狭く曲がりくねった国見峠への登りは、バイクを左右に切り替えるのが忙しく結構疲れる。ここを通るのは今まで11月の最終ツーリングの時期が多く美しい紅葉が見られたのだが、今回は時期が1ヶ月も早く木々の葉はまだ青々としている。

この国見峠、道が狭いのにも関わらず結構交通量が有るから、ブラインドコーナーから飛び出して来る対向車には充分な注意が必要である。峠を越えた我々は、広い二車線路に出てペースを上げる。しかし道が江合川沿いを走るようになるまでは、砂利が浮いていたりする事が多く路面状況には充分注意が必要である。

江合川沿いを走る見通しの良い緩やかなカーブが続く道になって、私はユッタリとしたペースでコーナーを楽しむ。稲刈りを終えた田んぼと時々現れる集落、その長閑な田園風景の中を我々は一列になって走り抜けて行く。何とも 「優雅な時間」 であった。

そんな至福の一時を過ごした我々が国道108号に出て県境の鬼首トンネルに向かうと、鬼首峠に向かう道(旧道)との分岐手前のパーキング(道路左側)に白と黒のツートーンカラーの車を発見する。

その時の我々の状態は特に行動を起こさなければならない状態には無くそのまま通過したのだが、彼らが今からお店を開こうとしていたのか、はたまた撤収作業を行っていたのかは定かではなかった。何れにしてもこのパーキング手前では、スピードをコントロールする作業が必要と思われ、皆さんも充分お気を付け下さいませ。

そこを過ぎるとトンネルとワインディングが連続する区間となり、車が少なければ以前は結構楽しめた区間だった。しかし最近のFUNKYの状況(リッターSS車中心の車種構成)の中では距離が短く(トンネルはSS区間に入らない)走って楽しいと感じられる程の時間を作り出せない状況となっている。

その為私は以前よりペースを抑えながらそれなりに走り、鬼首トンネルを抜け秋田県に入る。秋田県に入って私は道路右側に在る湯の又温泉入口を探したのだが、見付けられないままドライブイン?(温泉と食堂が有る場所)まで来てしまった。

私はこの場所の手前に湯の又温泉の入口が有ると考えていたのだが、入口を見付けられなかった為パーキングにバイクを入れ場所を確認する事にしたのだ。パーキングに入って行くとバイクが数台止まっていてそのライダー達が我々に視線を送って来る。チョッと近付き難い雰囲気を感じた私は、少し離れた所にバイクを止め湯の又温泉の場所を確認する。

地図で確認すると湯の又温泉入り口はもう少し先にあるようで、我々は再び秋の宮方向へ走り出す。我々の行動をズーッと見ていたパーキングのライダー達は、我々が何の為のパーキングに入って来たのか分からなかったのだろう、キョトンとした表情で我々が出て行くのを見ていた。

少し走ると湯の又温泉入口が見えて来る。やはり私の思い違いであったようだ。我々の方向から湯の又温泉に向かうにはUターンして入って行くような形になる為、後方と前方を充分に確認してから道路左側いっぱいに寄ってから右に方向を変え温泉への道に入って行く。

ハンドル切れ角が少ないバイクで宮城県側から湯の又温泉に行く場合は、充分な注意が必要ですのでお気を付け下さい。


▼四年ぶりの湯の又温泉


久しぶりの湯の又温泉。
玄関の看板が以前と変わったような?






4年前の写真。
壁に立て掛けられたいるのが掻き混ぜ棒。

二年ぶりに温泉手前のスペースにバイクを停めた我々は、タオルを持って温泉に向かう。一昨年訪れた時は入口の坂に木の棒が渡されていて休業だったが、今日はその棒も無く玄関の戸もすんなり開いて中に入る事が出来た。

ところがそこには誰も居なくて声を掛けても応答が無かった。勝手知ったる温泉といえ断わらずに温泉に入るわけにもいかず、私はブーツを抜いて宿の人がいつも居る座敷の方に行って声を掛けてみる。

すると奥の方からいつものおばさんが出て来た。おばさんは我々の格好を見て少し驚いた表情を見せたが、我々が温泉に入りたい事を告げると表情が変わって

 「お一人様 500円です。」 

各人500円を支払って長い雰囲気の有る廊下を歩いて温泉に向かう。

廊下の窓からはなめ沢(滑らかな一枚岩盤の沢)が見えており、綺麗な水が滑るように流れている。

これが夏だったら滑リ台のようにして遊んだら楽しそうななめ沢だが、間違ってもこの沢でそんな事をしてはいけない。ここの直ぐ下には湯の又大滝が在って空中に舞っちゃいますから・・・。


▼時代の要請!?

廊下の突き当りが温泉で我々は左側の男湯へ入る。着ている物を脱いで浴場に入って見ると、そこには有るべき物がなかった。それは温泉を掻き混ぜる為の木の棒で、以前来た時は窓側の壁に立て掛けられていた。

何故棒が必要かと言うと、この温泉は岩の隙間や湯船の下から53.4℃の温泉が湧き出ていて、そのままでは熱過ぎる為温度を下げる必要があるのだ。

熱い温泉の温度を下げるアイテムが先に板が取り付けられた掻き混ぜ棒で、草津温泉の湯揉みのように温泉を棒で掻き混ぜ温度を下げていたのである。

私はこの入浴前の作業を楽しみにしていたのだが、その掻き混ぜ棒が浴場から無くなっていたのである。

浴場内を見渡したが掻き混ぜ棒は無く、私は恐る恐る熱い温泉に足を差し入れたのだが・・・? 温泉は熱くも何ともなくて普通(40℃位?)の温度だった。

拍子抜けしてしまった私は湯船の中を調べてみると、一本の細い塩ビパイプの先から冷たい水が出ているのを発見する。掻き混ぜ棒が無くなったのはこの塩ビパイプが設けられ、温泉を掻き混ぜて温度を下げる必要が無くなったからのようである。

私としては温泉を棒で掻き混ぜた後、それでも熱い(44℃位?)温泉に少しづつ体を沈めて行くのが好きだったのだが、それが無くなってしまったのが何とも残念だった。

それと以前の湯船では温泉が流れ出ている所に析出物が堆積して棚田のようになっていたのだが、今日の湯船にはそれが無くなっていた。それは明らかに温泉の成分が薄くなっている証拠で、温泉の効用も薄められていると思われる。

何故こんな事になってしまったのかは後で宿の人に聞くとして、我々は緊張感も無く?リラックスして温泉を楽しんだのであります。よく見ると浴場内も小奇麗になっていているし、湯船の底が以前と違って石ではなくタイルが張られており、この浴場はリニューアルを受けたようである。

温泉から上がった私が廊下を歩きながら天井を見上げると懐かしい物が目に入った。それは天井を走る電気配線で、白い碍子に挟まれた電線はその昔私が住んでいた家の物と同じ物だった。

私の昔住んでいた家は戦前からの古い家だったが、この宿も部屋の番号を書いた文字を見ても戦前の建物なのではなかろうか。そんな古い建物にも関わらず綺麗に手入れされた建物内部は、廊下を歩いているだけで何故が落ち着いた清々しい気持ちにさせてくれる。

我々は、玄関に戻って飲料を購入し暫しの休憩を取った。おばさんに何故掻き混ぜ棒を無くして水を入れるようにしたのか聞いてみた。おばさんによると、泊り客の中から温泉が熱くて入れないとのクレームが多く寄せられ、浴場内をリニューアルする際わざわざ温泉に水を入れる設備を造ったのだと言う。

水の量の調整は離れたこちらで出来るようになっているそうで、おばさんは温度はどうだったか我々に聞いていたが、私としては入るのは大変だったが以前のような自然のままの方が良かったと感想を述べておいた。

しかし、今の世の中お客さんに熱いと言われて対応しなければ、インターネッでその情報が瞬く間に広がってしまうから、宿としては対応せざるを得なかったのだと思う。しかし反対に 「掻き混ぜてから入る温泉」 を売りにした方が、私はお客は来るのではないかと思うのだが。

普通に入る温泉は何処にでも有るし、熱いのがいやならもう一つの温い湯船に入れば良いのだから(温い湯船を大きくする必要はあるが、私は昔からのスタイルを変える事はなかったように思う。

実際、私は以前の 「掻き混ぜて入る湯の又温泉」 には又入りたいと思うが、今の湯の又温泉には暫く入らなくてもよいと思ってしまいました。

温泉でリフレッシュした我々は、バイクの所に戻り、昼食の稲庭饂飩を食べに稲庭に向かった。

国道108号に戻った我々は秋の宮の先から川原毛地獄を経て泥湯温泉、木地山と通って皆瀬に出る予定だったが、9月の豪雨で川原毛への道が不通になっており、我々は一旦国道13号に出てから稲庭に向かう事にした。

国道13号の横堀に出ると右側に見慣れない道が出来ていた。それは横手と湯沢を結ぶ横手湯沢道路が横堀まで延伸された道のようで、湯沢〜横堀間は無料との事で結構車が出入りしていた。FUNKYでは使う事は無さそうだが、秋田市から秋の宮温泉に行く時などは便利そうである。

横堀小町塚前の信号を左折して我々は高松に向かったのだが、先ほどから我々の前を一台のDUCATI(Monster?)が走っている。DUCATIのライダーはチラチラとミラーを見て我々の事が気になっているようだ。

私は特に急いでいるわけでもなかったので、暫くDUCATIの後ろに着いて走っていたのだが、あまりに我々の事を見ているので迷惑になっているのかと思い、前に出る事にする。

バイクが後ろに着いた時、前のライダーは後ろのバイクが気になるようで皆さんミラーをよく覗いている。私の場合普通に走っている時だったら自分のペースを保ってそのまま走り続け、追越して行くならそれを追いかける事はしないと思う。

しかし、走っている所がSS区間だった微妙だな。それでも私は自分のペースで走って行くとは思うが、その対応は暫く様子を見てから決めるかもしれない。

高松から宇留院内峠を越えて稲庭に出ようと考えていたら、いつの間にかトンネルに入って皆瀬の藤倉に出てしまった。最近トンネルが完成したようで、峠を越えなくてもよくなったようで私は驚いてしまった。以前から宇留院内峠への入リ口が不自然に直角に曲がっていていておかしいと思っていたが、それはトンネルへの道の為であったようだ。




今日の佐藤陽助本店パーキングはさながらバイク展示会が開催されているかののようであった。



入れ替わっても宮城のバイクばかり。
▼佐藤養助 本店前はさながらバイク展示場?

宮城のDUCATI軍団

12時過ぎ我々が稲庭の佐藤養助本店前に到着してみると、いつもの本店前とは様子が違っていた。

いつもは車が本店前の駐車場を占拠していてバイクの入る余地など無いのだが、今日の駐車場はバイクで溢れており、バイクが車を圧倒していたのだ。

我々は車とバイクの間を通り抜け、ライダー達の視線を感じながら何とか奥のスペースにバイクを停める事が出来た。ヘルメットを脱いで周りのバイクを見てみると、殆どのバイクが宮城ナンバーで秋田ナンバーは我々だけのようだった。

何だか地元秋田ナンバーの我々がよそ者の感じで、我々が宮城県の饂飩屋さんに来たような雰囲気になっていた。

昼時とあって店頭には順番待ちの列が出来ており、我々は順番待ちのボードに名前を記入した後、椅子に座って順番が来るのを待つ事した。我々の目の前には数台の赤いDUCATI(種類は分からないが高そうな車種)が停まっており一際目立っていた。

この手のバイクには詳しくない私だが、ここに並ぶDUCATIを合計すれば千万円以上になる事ぐらいは分かった。DUCATIのクラブか何かで秋田にツーリングに来ているのだろうが、高そうなDUCATI集団を見て宮城県の所得水準の高さを感じる。

DUCATI以外のバイクも結構手が入っているバイクが多く、付いている社外パーツはどれも高そうな物ばかりで、秋田ではあまり見られない物ばかりだった。多分、東京辺りではもっと高価なバイクが走っていると思われ、バイクを眺めているだけでも今の日本の現状(地域格差)を垣間見た気がした?


▼異様な店内


温かいのと冷たい饂飩が味わえる二味せいろ
1050円?だったと思う。



久しぶりに食べた稲庭饂飩だったが、私は以前食べた時より何故か味しいと感じなかった。

我々の順番が来て店内に入ると、店内はいつもとは違う異様な雰囲気に包まれていた。と言うのは、テーブルに着いているお客さんの半数以上がレザージャケットやレーシングスーツ、バイクのライディングウエアーを着ていて、それはとても佐藤養助本店の店内とは思えない雰囲気だった。

普通?のお客さんが場違いに見えてしまうこの店内を見て私は複雑な心境になっていた。バイクライダーがこれほど多いと言う事は、バイクがメジャーな乗り物になって来た事の証でそれ自体は喜ばしい事だと思うのだが、このバイクライダーだらけの店内の状況を異様と感じてしまう自分に戸惑っていたのだ。

自分自信もレザーウエアーを着たライダーなのだが、車で来た観光客の目で見た時この雰囲気はチョッと異様に感じてしまうのではないたろうか。

だからどうしたと言う事もないのだが、いつも場違いな格好で食事をして浮いている我々が、大勢のライダーに埋もれて食事をした今回は以外に目立たない存在で有った事を知った佐藤養助本店での食事であった。

そして久しぶりに食べた佐藤養助の稲庭饂飩は、特に美味いと感じるものではなく普通の味だった。以前と少し味が変わったような気がしたのだが、それは私の気のせい・・・?


▼バイクショウ開催!

食事を追え外に出てみると、先ほどまで並んでいたDUCATIに変わって他の大型バイク(宮城ナンバー)が並んでおり、そのどのバイクも豪華なパーツで飾られた金が掛かったバイクばかりだった。

それはあたかもバイクショーを見ているかのようで、各メーカーの各車種が多数並んでいて、ライダーのファッションと共にそれはそれは華やかな空間(我々のバイクは殆どノーマルで地味でしたが)でした。それにしても何で今日この場所にこれだけの数の宮城ナンバーが集まったのかが分からない。

何か 「佐藤養助本店で会いましょう。」 みたいな呼び掛けでも有ったら別だが、唯の偶然でこれだけの宮城ナンバーは集る事は無いだろうと私は思うのだが、本当のところは分からない。

だって来ているバイクは幾つものグループに分かれていたし、我々が小安に向けて走り出した時すれ違ったバイクを含めると、集まったバイクの数は50台近かったと思われ、何とも解せない今日の佐藤養助本店前であった。

我々は佐藤養助本店前を発って小安から須川を目指す。














今日二回目の岩井川。








東由利の道の駅




小安〜須川〜岩井川 旅の駅
稲庭から皆瀬を通り小安に出たところで私はバイクを止めヘルメットのシールドの汚れを落とす。それはこの先から始まるSSに向けての準備だったのだが、今日の国道398号は車が多く大した走りが出来ないまま須川に到着する。

須川から岩井川までの区間は午前中も走ったが、今度は下り方向に走る。ここはM氏に先頭をお願いして私はその後を追った、M氏さすがの走りを見せ追うのが大変でした。 コーナーが連続する手前でR1との間に車が入ってしまい、結局逃げられてしまいました。

フロントブレーキにジャダーが出ている状態では無理は出来ず、暫く車の後ろで過ごしいる間にR1は視界から消えておりました。SS区間終えたところで再び合流した我々は、岩井川旅の駅のトイレ横にバイクを停める。

いつもは国道脇の精米所の前にバイクを停めるのだが、私事で申し訳なかったがトイレに行きたかった私はトイレ横に停めさせて頂きました。しかし、結果的にトイレは近いし自販機も有るからここに停めた方が便利な事が分かった。

道路脇の場所は精米所が出来てから時々前に車が止まっている事があるから、次回からはこの場所に停めさせてもらおうかな。

休憩を終えた我々は増田、十文字と走って雄物川町の国道108号に出て左折、本荘方面に向かう。雄物川を渡って出羽グリーンロードに右折した我々は、三ッ森山林道に入り東由利の道の駅を目指す。

三ッ森山林道に入って私は最後尾に下がり後ろから着いて行ったのだが、何度走ってもここは苦手でジリジリと皆さんから遅れて行った。いつまでも苦手意識を持ったまま走っても楽しくはなく、次回ここを走る時はフロントブレーキを何とかして遅れないようにしなければなるまい。

三ッ森山を楽しいんだ?我々は、東由利 老方(オイカタ) の道の駅にバイクを停める。


老方〜保呂羽山〜大森〜南外〜出羽グリーンロード


ピレリ デアブロスーパーコルサのリヤタイヤ。
今までのタイヤとは次元が違う?
レーシングラジアルタイヤ。
今回、隼のリヤタイヤには、
Pirelli DIABLO SUPERCORSA SC2
を履いてきていて、その初めてのタイヤでU氏は悩んでいた。

初めてタイヤと言う事で彼もインターネットで情報収集してきたようなのだが、その最適空気圧が今までのタイヤと比べ大分低く設定されているようで、それを探るのに苦労しているようであった。

左の写真は空気圧2.0以下(2.0から少しづつ抜いている)のタイヤの表面だが、もう少し下げても良さそうである。

今回フロントタイヤはミシュランのままで、それとのマッチングも良くないようだから、このタイヤを評価するのにはもう少しテストが必要のようである。

老方を発った我々は大森町坂部に出て保呂羽山を越える。保呂羽山を走るのは久しぶりだったが、道路のアスファルトが張り替えられ滑らかなと路面になっていて走り易かった。

以前の路面は凸凹やうねりが有って、私は保呂羽山越えのルートを避ける事が多かったが、路面が良くなった事でこのルートを避ける理由は無くなったようだ。

保呂羽山から南外に出るには大森町八木沢から南外に向かうのが近道なのだが、私は今朝例の直線を不完全燃焼で終わっていたのが気になっていて、何とかスッキリして今日のツーリング終えたいと考えていた。

その為少し遠回りにはなるが大森猿田を回り、例の直線を走ってから南外に出る事を選択する。そしてその直線なのだが、わざわざ遠回りして行った直線だったにも関わらず、結局今朝と同じく車が入ってスッキリしなかったのである。 残念!?

南外で国道105号に出た後、出羽グリーンロードに入った我々は、大沢郷、小種、県立公園入口
グリーンロードを走り最後のスペシャルステージに向かう。先頭からR1、隼、GSX−Rの順で高速道下のコーナーに飛び込んで行く。

ジリジリとR1が離れていき、私は隼からも置いていかれて一人旅になってしまった。R1も隼も速過ぎです。ブレーキに不安が無かったとしても、ここのこの方向はどうも好きになれない私である。国道13号方向から走るのはそれで程ではないのだが、何故か県立公園方向からの走りは駄目なんだよなぁ・・・。




このツーショット写真は貴重かも?
▼477kmとチョッと短めでした。


帰宅します。
5時半過ぎ、我々は秋田市に無事帰って来た。今日の走行距離は500kmにはとどかず、いつもより短目のツーリングではあったが、天候にも恵まれ沢山楽しい思い出を作る事が出来た。

紅葉にはまだ少し早かった為か車も少なく結構集中した走りが出来た今回のツーリングだったが、私の場合フロントブレーキに問題が有って100%満足する走りにはほど遠かった。

次回の最終ツーリングまでにフロントブレーキに何か対策を施さないと、スッキリしないまま今シーズンを終えてしまいそうである。フロントブレーキディスクを交換すればジャダーが解消するのは分かっているが、それにはそれ相応のお金が掛かってしまう。

最終ツーリングまでには何とかリーズナブルな方法で対策を施し、恒久対策はこの冬ゆっくり考える事にしようと思う。

泣いても笑っても 2007シーズン は最終7th.ツーリングを残すだけとなってしまった。

無事故で最終ツーリングを迎える事が出来たFUNKYだが、最終ツーリングも無事故で終えて2007シースンを締めくくりたいと考えている。


                      おわり

                                     Report by Ryuta

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