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2007年7月14〜17日

プチ北海道ツーリング


道南の道と食を思い切り堪能した1000kmでした。




   
Report by Ryuta   

1日目 14日(土曜日) 
秋田 PM8:00出発 
⇒大館⇒碇ヶ関⇒弘前⇒青森⇒青森フェリー乗り場

2日目 15日(日曜日)
東日本フェリー AM1:10発 函館行き ⇒ 函館着 AM5:00 ⇒森⇒八雲⇒R277⇒熊石⇒
⇒瀬棚⇒
寿都⇒港町⇒新見温泉(入浴)⇒ニセコパノラマライン⇒神仙沼⇒ニセコパノラマライン⇒
クレイルチーズ⇒ワイス温泉⇒余市 
海鮮工房(昼食) ⇒余市ニッカウヰスキー(休憩)⇒古平⇒
当丸峠⇒神恵内⇒発足⇒国富⇒ワイス温泉⇒クレイルチーズ⇒ニセコパノラマライン⇒
ニセコ 旅物語 宿泊
住  所       
北海道虻田郡ニセコ町アンヌプリスキー場下
TEL     
0136-58-3149

3日目 16日(月曜日)

旅物語⇒ヒラフスキー場⇒ワイス温泉⇒クレイルチーズ⇒ニセコパノラマライン⇒ニセコ⇒真狩⇒洞爺湖温泉
⇒壮瞥⇒大滝区本町⇒三階滝⇒白老IC⇒国道36号⇒苫小牧西IC⇒支笏湖⇒支笏湖 
伊藤温泉(入浴)
⇒千歳⇒苫小牧東港着 PM6:00   新日本海フェリー  発PM7:30 ⇒ 秋田港

4日目 17日(火曜日)
秋田港着AM7:45 
上陸AM8:00⇒モト ワークス ヒラタ AM8:30着  全走行距離 1,002km








M氏の見送りをうけ、suzukiカップルは秋田を出発する。
















北欧の杜公園入口に在るローソンで最初の休憩を取る。





大鰐IC近くのサンクスで二回目の休憩。














12時過ぎ青森フェリーターミナルに到着。


予約はしていなかったが、無事乗船券を購入。



12時40分過ぎ乗船して場所を確保、私は発泡酒、相棒は缶チュウハイでツーリングの無事を願って乾杯!





バイクに荷物を取り付け、下船準備。


このフェリーは前から乗って後ろから出る。
PM8:00 14-7-2007 秋田出発


▼今年のプチは二人旅

道南を走るプチ北海道を七月の連休に行うようになって今年でもう三回目になる。九月に行っている北海道では最近道南を走る機会が少なくなったのと、長い休みが取れない人にも北海道を走ってもらいたいと始めたプチ北海道だが、回を重ねる毎に道南の情報も集まってきてツーリング内容も次第に充実してきている。

今回も新しい道に挑戦する事になっていて私は楽しみにしているのだが、昨年九月の北海道同様今日本列島に台風が接近してきていて、その影響が心配される。しかし、この時期の台風が北海道に到達する事は少なく私はそんなに気にはしていなかったが、台風に刺激された梅雨前線の活動が活発になって雨が降る事が心配だった。


プチ北海道は道内二日で、両日共雨に降られてしまったら走る楽しみが消滅してしまうから、雨は絶対降って欲しくないのである。

今回のプチ参加者は、私とU氏(相棒)の二人となった。この二人、今までも何回かツーリングに出ているが、年齢差30歳近い親子カップル?(私はライバルだと思っているが)は出掛ける度にその関係を聞かれる事になる。


▼今年は雨具を着ることなく青森へ

昨年のプチでは秋田を出る時結構な雨が降っていてモチベーションが下がったのだが、今年は曇ってはいるが雨の心配は無さそうである。秋田出発をAM8:30としていたのだが、相棒が早くやって来たので時間を早めて8時少し前に出発する事にする。

見送りに来てくれたM氏に写真を撮ってもらった後、、我々は青森のフェリーターミナルを目指して走り出す。私はGSX−R1000 K5、相棒は 隼 とFUNKYでは珍しくSUZUKI二台のツーリングになった今回のプチ北海道は、いつになくペースの速いツーリングとなるのである。

暗い夜道を速い車の後に着いて走る我々は、広域農道から国道285号に出て比内を目指す。米内沢の街中を抜け、今回初めて新しく出来たバイパスを通ってみる。走った感じは遠回りをしている感じで旧道の方が近い感じがしたが、日中だとまた違った印象になるのかもしれない。ツーリングでどっちを利用するかだが、微妙だな・・・。

北欧の杜公園入口に在るローソンで最初の休憩を取る。昨年ここで雨具を脱いで出発しようとした時雨が再び落ちてきて焦ったのだが、今年は空に星がまたたいていて雨の心配は全くなさそうである。

国道285号で比内に出た我々は、大舘バイパスを使って国道7号に入り、矢立峠を越え青森県に入る。青森県に入ると急に気温が下がって寒くなって来た。予定では碇ヶ関から東北道を使う事にしていたのだが、早く秋田を出発した事もあって時間に余裕があり今回は下道で青森に向かう事にする。

東北道大鰐IC近くのサンクスで二回目の休憩を取った後、青森のガソリンスタンドを目指して再び走り出す。弘前から浪岡付近までの国道7号はバイパスが整備されていたのは知っていたが、久しぶり(5年ぶり?)に通った国道7号は青森まで新しいバイパスが伸びて走り易くなっていた。

以前は狭い道が続き出来るだけ走るのを避けていた国道7号弘前〜青森間(その為碇ヶ関ICから東北道を使用していた。)たが、朝晩の通勤時間帯を除けば結構使えそうな感じである。特に今回のような夜間の場合、時間も大きく違わないと考えられ高い高速料金も支払わなくてもよい分お得だし、次回からは下道で青森に行った方が良さそうである。

青森の国道7号沿いの宇佐美出光スタンドで北海道に渡る前にタンクを満タンにするのがFUNKYのルーティーンになっていて今回も出光スタンドに入ったのだが、何だか様子が変?

スタンドのレイアウトも変わっておりスタッフの姿も無かった。周りをよく見たらセルフスタンドに変わっていたのだ。昨年はセルフではなかったから、この1年間に変わったようである。そしてそのセルフ方式はと言うと、以前本荘のセルフスタンドで体験していたお釣り精算機方式のセルフスタンドだった。

本荘の時は、お釣り精算用バーコード付レシートの使い方が分からず恥をかいてしまったが、今回は本荘の学習効果が発揮されすんなりお釣りを手に入れる事が出来たのであった。人間何事も経験ですな・・。

秋田からここまでスロットルが殆ど開く事は無かった為か、私のGSX−Rの燃費は22km/L以上の高燃費で今までの最高燃費を記録してしまったようだ。一方相棒の隼も20Km/L以上走った模様で、これも今ままでの最高燃費であったようである。

燃費の良さに喜んだ我々だったが、それも今回だけでその後は15km/L以下の通常燃費に落ち着く事になる。


AM0:05 15-7-2007 青森フェリーターミナル着

▼無事フェリーに乗船

ガソリンを満タンにした我々は、フェリー乗り場に向かう。昨年は左折する信号を間違え遠回りしてしまった経験から、今年はしっかり信号の数を数えてフェリー乗り場に向かう信号を左折する。

12時を少し回ったところで青森フェリー乗り場に到着する。高速道を使わないでも秋田を8時に出ればゆっくり1:10発のフェリーに間に合う事がわかった。早速乗船手続きの為事務所のカウンターに向かう。

乗船申込書にはバイクのナンバーを書き込むのだが、物忘れの激しい私はいつもナンバーを忘れてしまう為、今回GSX−Rのキーホルダーにナンバーを書き込んできた。これでバイクの所に戻らなくても済む。

今回フェリーの予約はしていなかったが、インターネットで混んでいない事は分っており無事乗船手続きを終える。連休初日の昨日のフェリーは二等船室もバイクも満席だったのだが、日曜日の今日は空いているのだ。

実は我々の乗るフェリーはAM1:10発で、最初私は土曜日のAM1:10発の空席情報が満席なっているのを見て焦ってしまったのだが、良く考えたら我々が乗るのは日曜日の便だったのを思い出し案心した経緯があった。昨年は宿の予約日を間違えたり、最近勘違いが多くて本当に困っている私です。

乗船時間は12:40頃と言う事で、我々は二階に上がって時間を潰す。我々の乗るフェリーは建物の目の前に止まっており(昨年は右の奥だった。)気の早いライダーはもうバイクを並べて待っている。

先頭に並ぶバイクは関東ナンバー?の二台のBMWで、50歳前後と思われるライダー達は何故かエンジンを掛けたり止めたりして待っている。その姿を見ていた私は、私と同じ位の年齢のライダーは、「BMWかハーレーに乗る人が多いよなぁ・・・。」等と考えていた。

自分は一生BMWにもましてハーレーには絶対に乗る事はないと思うが、こんな考えは一般的に見たら変わり者ライダーの何ものでもない事をその後旅先で思い知らされるのだが、その時まで私は自分が変わり者ライダーである事を全く意識していなかったのである。

時間になって我々はBMWの後に続いてフェリーに乗り込む。今日の二等客室は昨年ほどには混んでおらず、足を伸ばしてゆっくり眠れそうである。周りを見回すとご老人は少ないから昨年のような事は無いと考えられるが、赤ちゃんの姿が見え少し心配である。

着替えて落ち着いた二人は先ずは発泡酒と缶チュウハイで乾杯、今回のツーリングの無事を祈る。このフェリー、四時間後には函館に着くから寝る時間は少なく、私は発泡酒の缶を開けた後、歯を磨いて直ぐに寝る体勢に入る。

私は耳の穴に耳栓を押し込んで横になり赤ん坊の泣き声が気になったところまでは覚えていたが、U氏に起こされるまで意識を失っていた。しかし熟睡していたかと言うとそうでもなく、私は寝不足気味で朝を迎えた。一方相棒は寝付かれずに悶々とした夜を送ったようで完全な寝不足状態にあるようだが、私と違って若い彼の事問題無いでしょう?


▼函館は曇り空


ゲートが開くのを待つ。

私が相棒に起こされたのは函館到着時間の30分程前で、私は急いで支度をする。支度といっても着替えるだけだからそんなに時間は掛からず、フェリーが着岸する前にはバイクに荷物を積み終えゲートが開くのを見ていた。

この待っている時間は大型トラックの排気ガスが充満してライダーには結構辛い時間なのだが、今回は大型トラックが多くないせいか比較的過ごし易かった。昨年は排気ガスで目がチカチカするほどで、近くの通風孔に避難した記憶がある。


AM5:00過ぎ我々は無事函館に上陸、直ぐに八雲に向かって走り出す。函館の空は昨年同様どんよりと曇っていて、山々には雲が掛かっていた。路面は乾いていたが、国道227号大野バイパスから国道5号に入った辺りから路面が濡れて来る。

トンネルを抜けて大沼公園に出ると霧雨が降っていて路面は完全なウエットに変わってしまった。昨年は国道227号の中山トンネル付近で路面がウエットに変わったが、今年も昨年同様標高の高い所は雲の中に入って霧雨が降っている状況のようだ。



















二年ぶりの八雲のローソン。これから向かう雲石峠方向は雲の中で、雨が心配。


相棒、寝不足が顔に出てます。








日本海側は天気は良かったが、風が強かった。


強風の中、テントを張ろうと頑張る家族連れ。結局風には勝てず、撤収となった。



昨年の給油した寿都のENEOS。







新見温泉ホテルへ向かう。
この奥にもう一軒、もっと大きな宿があるようだ。



混浴露天風呂なんですけど・・!? 誰もいない。











カウンターの中にいる女将さん。
結構話好きです。

▼八雲から雲石峠を越えて日本海側へ
大沼を過ぎ森町に近づくと路面は乾き始め雨も上がってくる。今走っている国道5号線は幹線国道の為常に車が多く、我々の周りはフェリーから吐き出された車を含め長い車の列が出来ていた。

そんな中、1台の関東ナンバー?BMW(OFF系)?が黄線を無視して我々を追い越して行く。長蛇の列が出来ている状態での追い越しは信号で止まれば車数台先にいるだけの事で、こんなな状況下でのハミ出し禁止違反は割りに合わない行為だと私は思うのだが、時々このようなライダーを見掛ける。

ハミ禁違反はその行為を現認されれば即御用になる違反で、違反の中では一番リスクの大きな違反である。私が二十年以上二輪で其の筋のお世話になっていないのは、ハミ禁違反を99%(100%でないとこが・・・)犯さない事が大きな要因となっている。

皆さん本当に勇気がお有りになる。私は怖くてあのBMWみたいな走りは絶対に出来ません。

森町のバイパス付近で我々は関東ナンバーのビックバイク3台(アメリカン風?)に追い着く。彼らは先ほどのBMWと違って車の流れに乗って走っており、我々もその後ろに着いて走る事にする。

国道5号が内浦湾沿いに走るようになると、風が強くなってきて雲行きも怪しくなってきた。我々は八雲で彼らの後ろから離れ国道277号に左折、一昨年も休憩したローソンのパーキングにバイクを止める。

時間はAM6:30、少し早いが軽い朝食を取る事にする。ここまでは車の流れに乗って走って来たが、これから先は交通量が減るのでペースが上がると考えられ、ここでエネルギーを補給しておく事にしたのである。私はサンドウィッチ、相棒はおにぎりを食べて体調を整える。

それにしても気になるのがこれから向かう山の天候で、内浦湾と日本海を隔てる山は雲に覆われ見えていない状態だった。これから行く雲石峠は以前(20年程前?)に一度通った事がある道で狭い峠道だったと記憶しているが、最近の地図で見ると大分改修が進んで走り易くなっているようで今回ルートに加えた峠なのである。

エネルギーを補給しモチベーションも高まった我々は、今回のプチ北海道最初のSS雲石峠に向かって走り出す。鉛川沿いに走る国道277号は以前と変わらない感じで、路面状態が悪い狭い二車線路が続く。

しかし、私が心配して通り雲石峠の上りに差し掛かると路面が濡れてきて、霧も出てきた。明らかに我々は雲の中に入ってしまったようで、視界も悪くなり走りを楽しむ状況ではなくり我慢の走行が続く。

こうなれば早く日本海側に出て乾いた路面を走りたいと思ったが、路面が乾いているかどうかは行って見ないと分からない。峠を下り見市川沿いの道に出ると雲から抜け出したのか路面も乾き道路も新しい快適な道に変わった。我々は一気にペースを上げたのだが、楽しむ間も無くアッという間に日本海に出てしまった。 残念!

日本海上空には青空も見えていて雨の心配はなさそうなのだが、風が強く走るのに苦労しそうだ。昨年入った平田内温泉入口を横目に見ながら我々は国道229号を北上、瀬棚を目指す。交通量も少なく快適に走行距離を増やした我々は、AM7:50 瀬棚に到着する。


▼久しぶりに北海道の風を感じて走る

一昨年も休憩したこのパーキングは、目の前がキャンプ場になっていて前回は多くのテントが立ち並んでいた。ところが今日の海岸にはテントの姿は見られず閑散としている。ちょうどテントを張ろうとしている家族がいたのだが、お父さんやお母さんの努力のも関わらず強風で砂地に打ったペグが直ぐに抜けてしまい大変苦労している姿が見られた。

暫く風に立ち向かった一家だったが、結局風には勝てず撤収を余儀なくされたのでありました。この強い風、その後我々の走りにも影響を及ぼす事になるのである。

休憩を終えて走り始めた我々は、日本海の荒波に削られ荒々しい岩肌を見せる景色を楽しみながら走る。こんなゆったりとしたペースで走る時、コーナーの進入タイミングや体のポジションニング等を試しながら走ると結構身に付くものが有る。

自分の限界近くで走る時は見えない事柄も、余裕のあるスピード域で走る事により自分の走りが見えてくるのである。

昨年休憩した島牧の道の駅を過ぎ、弁慶岬に行く少し手前で黒松内への案内青看板を見つける。この道、チラッと見た感じでは全舗装の綺麗な道で、山の方まで続いているのが見えた。帰って来てから地図で確認(今回私は地図を持って行かなかった。)すると20kmは続く全舗装の道のようで、結構楽しめそうな道である。次回は是非コースに入れなくてはなるまい。

弁慶岬前後の道は人家も少なく直線路が続くからスピードがのるのだが、今回は思ったようなペースで走る事は困難だった。この道は海岸段丘の上を走る道で、海からの風を遮る物が全く無く、横方向からの強い風が我々を悩ましたのだ。

以前、サロベツ原野で経験した横風と比較したらそれはもう可愛いものだったのだが、それでも横から受ける風でGSX−Rは真っ直ぐ走れない状況に追い込まれ、スローダウンせざるをえなかったのである。

楽しくない緊張感を味わってしまった我々は、昨年も給油した寿都のGSにバイクを入れる。昨年は雨中走行で汚れてしまったバイクを洗車機で洗った我々だったが、今年の雨は大した事が無かった為汚れも酷くなく洗車機の出番は無かった。

GSのスタッフに聞くと昨日までは天気が悪かったらしいのだが、今日は風は強いが久ぶりに青空が出たと言っていたから、我々は結構ラッキーな状態にあるのかもしれない。

これから向かうニセコの山は標高が高いから、先ほどの雲石峠のように雲中走行になる可能性は高いが、少なくても天気は回復傾向にある事は確かようである。


▼ニセコの温泉でリフレッシュ


勇んで温泉へ。 リフレッシュします。
寿都から国道229号を北上した我々は、尻別川渡って右折、蘭越方向に向かう。我々はこれから新見温泉に向かうのだが、私は新見温泉に上る道も楽しみにしていた。

新見温泉への上り口近くまで来て、私は新見温泉と言う立て札を見つけて思わず曲がってしまった。しかし、その道は私が考えていた道とは様子が違っていているのに気付く。

この道は地図で予習をしていた時に見た脇道である事に気付いた私は、相棒にはご面倒を掛けするが、直ぐにUターンしてもとの道に戻る事にした。

しかし、この道でも新見温泉までは行ける筈で、舗装もされっているようなので今考えると向かっても良かったかもしれない。何故なら後で走った予定していた道は、二車線路ではあったがそれ程楽しめる道ではなかったのである。

予定の道に入った我々は、新見温泉を目指してスロットルを開ける。しかし道幅が狭くそれなりにしか走れなかったのだが、私はそれなりに集中して走っていた為、新見温泉の前を通り過ぎようとしてしまった。

それは私がイメージしていて新見温泉の建物と道端に建つ新見温泉とが違っていた為なのだが、その時の私は新見温泉に我々の立ち寄った新見温泉ホテルとその奥に建つホテル新見本館とがある事を知らなかった。私がインターネットで見ていたのは奥のホテル新見本館の方だったようで、それが私が新見温泉を行き過ぎてしまった原因となったのである。

少し行き過ぎてしまった我々は、坂道のUターンを何とかこなし駐車場の空いている場所にバイクを停め、タオルを持って新見温泉ホテルに向かう。靴を脱いでフロントで入湯料500円を支払い、温泉に向かう。

お風呂は内湯と露天風呂が有ったが、我々は混浴露天風呂に入る事にする。露天風呂は脱衣所が男女別々だが同じ温泉に入る方式だった。温泉には誰も入っていなかったが、我々が服を脱いでいる時女性(半世紀以上生きた方)が一人やって来た。しかし、我々の姿を見た彼女はそそくさと引き返して行ったのであります。 何故!?

我々は彼女に嫌われてしまった格好だが、我々としてもホッと胸を撫で下ろす。ここの温泉は弱食塩泉ラジウム泉だそうで源泉温度は70度あるらしい。無色透明の温泉を飲んでみたが、先日入った肘折温泉のお湯と同じように殆ど味の無い美味しい温泉だった。

しかし、温泉には湯の花が浮いておりそれなりの効用は有りそうで、我々は温泉にゆっくり入って寝不足気味の体をリフレッシュする。木々に囲まれた露天風呂から見える景色は人工的に造られた小さな滝?と山の斜面、秋には見事な紅葉を見られそうである。

温泉から上がった我々は、玄関横のソファーで体をクールダウンする。休憩している我々に女将さんと思われる女性が話しかけてくる。彼女の話によると昨日までここは雲の中にあって何も見えない状態であったらしいく、我々はやはりラッキーな状態にある事が分った。

実は雲石峠の事もあって私はここに来るまでニセコの山に雲が掛かっていないか心配していた。しかし、山頂部は雲に隠れて見えていなかったが、この付近はドライ路面で視界も良くホッとしていたのである。今回のツーリング、我々は結構ついているのかもしれない。

今の時間は10時を回ったところで、これから我々は余市の海鮮工房に昼食を食べに向かうわけだが、今までの経験から海鮮工房には11時半前に着かないと並ぶ時間が長くなる事が分っていて、我々が11時半前に余市に着けるかが問題となった。


▼余市 海鮮工房まで一気

私はここから余市まで何キロメートルあるか分らなかったが、感?で「多分間に合うだろう。」という根拠の無い自信の基、新見温泉を出発する。ここから先は道幅も狭くなり曲がりくねった上り坂が続く。暫く走って新見峠に到着すると車が沢山止まっていた。

この峠は登山口になっているようで車の数を見ても今日の登山者は大勢いるようである。しかし、山の山頂部は雲に隠れており思い出の少ない登山になっている可能性が高い。最近は山に登っていない私だが、山好き(人とは登る山が少し異なるが)の端くれとしては何も見えない登山の空しさはよく分かる。

バイクで走っていて雨に会うのと同様山も天候に大きく左右されるスポーツで、自然と上手に向き合って楽しむところがバイクと登山の共通点のようにも思う。自然には逆らわず自分の能力を自覚して上手に対応する事が、バイクや登山を楽しむ基本姿勢のように私は思うのですが・・・。

峠を過ぎると道はゆっくり下り始め、暫く走るとニセコパノラマライン神仙沼〜岩内間の中程に出る。そこを右折してまずは神仙沼に向かい、我々は一気にペースを上げアッというまに神仙沼のパーキングに到着する。

連休中とあってパーキングには人と車が溢れていたが、我々はその中で方向転換し今来た道を引き返し、岩内クレイルチーズを目指してパノラマラインを駆け下る。一年ぶりに走るパノラマラインを我々は深いバンク角を楽しみながら堪能したのでありました。

本来ならばここでクレイルチーズに立ち寄り美味しいソフトクリームでも頂きたいところなのですが、今は余市に11時半までに着かなければならない時間的制約があり、我々はその前を通過する。

クレイルチーズ横のパーキングには、地元の走り屋さんと思しきレーシングスーツを着たライダーが立っていて、我々に視線を送ってくる。タイミングが合えば、ジモピーライダーさんにパノラマラインの走り方をご教授願いたいところなのだが、今は時間が無い。我々の当面の最重要課題は海鮮工房のウニ丼を食べる事なわけで、我々はパーキング前の道を右折してワイス温泉に抜けるSSに入る。

このニセコの山麓を走るSSは、若干の高低差とバイクが直立している時間よりもバンクしている時間の方が長いと感じさせるSSで、昨年は先行する二台のバイクに遅れを取った私と相棒だったが、今年はこの一年の成長を感じさせる走りでこのSSを駆け抜けた。

ワイス温泉で国道5号に出た我々は左折して余市に向かう。さすが連休中とあって国道5号を走る車の数は多く、列を成して走っている。国富から稲穂トンネルを抜け仁木町まで来ると道路の両側でさくらんぼを売っていた。

この仁木町は秋田で言うと十文字・増田地区と同様に果樹園が多い地区で、今がちょうどさくらんぼの季節のようである。秋田では前回のツーリングの7月初め頃が旬だったから、半月程遅れて北海道がさくらんぼの旬になっているようである。

余市の町に近づくと車が渋滞していた。最初は車の後に着いてノロノロ運転をしていた私だったが、GSX−Rの水温が100度を越えオーバーヒートを起こしかねない状況にバイク特権を発動させて頂く事にした。

私の中ではトブ板走行(表現が古い)は出来るだけしないというのが基本なのだが、北海道内の国道の場合路側帯の幅が広くバイクが通るスペースは充分有る事から、私は路側帯を使って前に進む事を決断する。

それにしても余市という所は何でこうも暑いのだろうか。この時期に余市を訪れるのは今回で3年連続なのだが、いずれの場合も他では天気が悪かったり風が強かったりしても、ここ余市だけは燦々と日が照り付け風も弱く、気温も高い。

三方向を山に囲まれているのが原因かどうかは分からないが、いずれにしてもエアコンの効いた車内で涼しい顔をしているドライバーを横目に、我々は信号の先頭を目指してひたすら突き進む。

このどぶ板走行、車が止まっていて車間が空いているところがチェックポイントで、そんな時は徐行して走らないと飛び出してきた車に衝突という事にもなりかねず、細心の注意が必要である。

渋滞の先には海鮮工房がある柿崎商店があって、この渋滞の一因が柿崎商店にある事は明らかだ。駐車場に入り切れない車が路上に溢れ出し通行の邪魔になっているのだが、幸いにも我々は昨年も停めたスペースにバイクを停める事が出来た。

余市 柿崎商店到着 AM11:20
まだそんなに並んでいない。


カニ丼 1018円 ウニ丼赤(カップ)2510円


相棒 かに丼 からスタート。


店を出るとこの状態。我々のバイクの所まで列は伸びていた。



ニッカウヰスキー 余市工場 ゲストハウス。



我々は飲まなかったが、アルコール類のコップの上には昨年は無かったこのキャップが被せられていて時代を感じてしまった。

※マウスポインタを画像に置くと拡大画像が見られます。
▼北海道を食する

階段下からスタート。
15分も待たなかったかな?
余市 柿崎商店 到着AM11:20 途中渋滞も有ったが何とか11時半前に海鮮工房に到着する事が出来た。順番を待つ人の列もまだ階段の下までで、予想通りであった。我々は早速列の後ろに並んで順番を待つ事にする。

この辺から列に並べば、食券を買うまで15分程度で済むのだが、我々のバイクの近くまでになると1時間近く掛かってしまう事もある。ここで昼食を食べようとする方は、我々同様11時半前に並ぶ事をお勧めする。

今回の私はインターネット見た海老丼なる物を食するのを楽しみにやって来ていたのだが、サンプルのガラスケースの中に海老丼の姿は無かった。


カップうに 左が白、右が赤。その左が箱うに。
これが丼に載って出てくる。

ここの新鮮なウニを食べてしまうと、スーパーのウニは食べられなくなってしまう。
それを見てガックリと肩を落としてしまった私だが、無いものは致し方なく他のメニューを考える事にする。海老丼の海老は今の時期旬ではないようでメニューに上がっていなかったようだ。反対に冬にはウニは無いのかもしれない。

私は前回ウニ丼とイクラ丼を半分づつ食べたのだが、ウニ丼は外せないとしてもう一つを何にするかで悩んでしまった。イクラ丼も美味しいのだが二回食べたし、相棒に了解を得て今回はカニ丼に挑戦してみる事にした。

ここのウニ丼の価格は時価で日によって変わるのだが、今年の価格は昨年と大きく違っていた。今日のウニ丼の価格は赤が.2,510円で白が2,100円位、箱ウニがその中間という価格設定で、今日の白の価格は昨年(1,450円)と比べると700円程高い価格だったのである。

白(エゾムラサキウニ)と赤(エゾバフンウニ)との味の違いは少なく我々はいつも白を食べていたのだが、白と赤の価格差が400円程ならば今回は赤を食べてみる事にした。

海鮮工房には食べる部屋が二つ有って、昨年はレジが有る部屋の向いの部屋を指定された我々だったが、今回は我々が向かいの部屋を指定してみた。するとそれはすんなり受け入れられ、我々は食券を持って向かいの部屋へと向かう。

部屋のテーブルは結構空いていて私は簡単に座れると思ったら、大きく空いた席には関取のオジサンが目を光らせていて、我々は追い払われてしまった。それでも今回我々は二人きり、長椅子の間にもぐり込む込む事に成功する。

そして運ばれて来た赤ウニ丼とカニ丼を我々は仲良く半分づつ美味しく頂いたのでありますた。食べ終えた私は、「来年もまたウニ丼&別の丼を頂きたいものだ。」等と思いながら店を出る。

外に出てみるとさっきまで階段下までだった人の列は、我々のバイクの所まで伸びていた。
この状態だと食べるまで1時間は待たないといけないかもしれない。一昨年我々が並んだ時も同じ様な状況で、結局ウニ丼にありつけたのは1時間後だったのである。

柿崎商店を後にした我々は、定番コース ニッカウヰスキー 余市蒸溜所に向かう。


▼リニューアルした余市蒸溜所ゲストハウス


大型ディスプレーが設置された休憩所
一年ぶりに訪れたニッカ余市蒸溜所のゲストハウス二階の試飲ホールは、内部がリニューアルされてお土産売リ場が無くなったり、大型ディスプレーが設置されていたりしていて雰囲気が大分変わっていた。

そして一番変わっていたのは、試飲コーナーに用意されている試飲飲料の種類だった。我々はアップルジュースや美味しい水を飲んだのだが、昨年は無かった高級ウイスキーの試飲が用意されていたのだ。



お約束のフランディアイス。別棟のお土産屋で売っている。

シングルモルトの余市10年物やピュアモルト竹鶴21年、極めつけは余市20年の余市蒸溜所限定ウイスキーを試飲する事が出来るのだ。昨年までは一般に販売されている商品の試飲だったのでインパクトは無かったのだが、普段あまり触れる事のない高品質なウイスキーを試飲出来るこのスタイルは、改めてウイスキーの奥の深を知ったと隣に座っていた男性が申しておりました。

このフロアーにあったお土産売り場が別棟の新しい場所に移ったと言うので、FUNKYではもう定番になりつつあるブランディアイスを求めて外に出る。

ゲストハウスの隣に新しく建てられたノースランドと名づけられた建物の中には、北海道工場オリジナル商品をはじめとするニッカ製品、ウイスキーのつまみにぴったりなチョコレート、海産物加工品などが並べられていた。

そこで我々は余市蒸溜所限定のシングルモルトウイスキー余市10年物(180cc/1500円位?)を今晩の寝酒として購入、ブランディアイスも買って外の芝生の上で頂く事にする。

昨年は外に出るとジリジリする暑さを感じたのだが、今年はそれ程でもなく暫く椅子に座ってゆったりとした時間を過ごす。







積丹半島 ろうそく岩を望む。
▼積丹半島 当丸峠を堪能
充分に休憩を取った我々は、余市を出て次のSS積丹半島当丸峠を目指す。この時期の積丹半島は、これまでの経験から海水浴やキャンプに向かう車でお混雑するのは分かっていた私だったが、車の数の多さは私の予想を上回るものだった。

相棒が積丹半島の観光名所?のロウソク岩を見た事がないと言うので、我々はロウソク岩を望む国道脇にバイクを停めて写真を撮る。以前の旧道に入ればもっと近くでロウソク岩を見る事が出来るらしいが、新しいトンネルが出来てからは気を付けていないと見落としてしまう存在にロウソク岩はなってしまったようだ。

我々が写真を撮っている脇を先ほど追い越したママチャリに乗る男子中学生?5〜6人グループが追い越して行く。普通の格好でママチャリに乗る彼らは、楽しそうにペダルを踏んで走り去って行った。

撮影を終えた我々は走り出して直ぐ彼らを追い越したのだが、再び彼らに追い越される事になるとはその時の私は思ってもいなかった。豊浜トンネルに入って半分位走った所で車が渋滞していてノロノロ運転になってしまった。それでも少しずつは動いていたので我々は車の後ろに着いて走る。

渋滞しながらも何とか豊浜トンネルを抜けた我々だったが、直ぐに沖歌トンネルに入ってしまった。このトンネル2000m以上ある長いトンネルで、これを抜けるには相当の時間を要する事が考えられた。

案の定、ノロノロ走行のスピードは徐々に遅くなり、GSX−Rの水温は100度を越えるしトンネル内の空気は排気ガスで汚れており息苦しくなってくる。そんな我々の横を中学生チャリ軍団が壁際の狭い歩道(幅1m位)の上を飄々と走って追い越して行く。

やられた! 彼らに対抗意識を持っていたわけではなかったが、私はこの状況から抜け出す為、またバイクの特性を生かす事を決断する。幸いにもこのトンネルは最近の新しい規格で造られており、路側帯の白線左側スペースはバイクを通すのには充分な幅が用意されていたのである。

我々は沖歌トンネル出口近くまで来て札幌ナンバーのバイクグループに追い着いた。彼らはノロノロと動く車の流れに乗ってSTOP&GOを繰り返していた。先頭左側のオフ系バイクのライダーは女性のようで、車の脇を行きたいが自身が無いみたいな走りをしている。

最後尾を走るサンダーエース(珍しい!)のライダーは、後ろから追い着いて来た我々に対し申し訳なさそうに頭を下げる。我々は数百メートル先の信号を左折するの予定なので彼らの先に出る事はせず、素直に彼らの後ろに着いてSTPO&GOを繰り返す。

我々がトンネルを抜け古平の街に入っても、ママチャリ軍団を捕らえる事は出来なかった。この事でもお分かりのように、この時期の積丹半島で最速の移動手段はママチャリのようである。

ようやく信号を左折した我々は、渋滞から解放され通常走行に戻って当丸峠に向かう。古平の街外れの人家の脇で、先ほどのママチャリ軍団を見たような気がしたのだが、彼らが何の為にママチャリを走らせていたのかは不明である。

そして当丸峠のSSがスタートする。この当丸峠は昨年も走ったのだが、昨年は神恵内から古平方向に走っていて峠の神恵内側の路面はグルービングとシェルターで楽しくない事は分かっていた。反対に古平側の道は、下りでも結構楽しめた事から今回上り方向にコースを設定したのである。

そしてこの古平側から上る当丸峠がどうだったかと言うと、結論から言うと 「最高!」 でした。交通量は少なく、路面も良く、距離もそこそこ有って、そして何よりもコーナーのレイアウトが絶妙で、ニセコパノラマラインとは違った楽しさがありました。

当丸峠を堪能した我々はグルービングが彫られたシェルターが続く道を慎重に下って神恵内に出る。するとそこではお祭りの行われており、神輿の方向転換のため我々は暫く止められてしまったのだが、我々の前には札幌ナンバーの大型バイク(ネイキットの旧車系?)四台も止められていた。


▼道内ライダーとの触れ合い

我々は彼らの後ろで暫く過ごす事になるのだが、最後尾にいたバイクの行動に我々は煩わされる事になる。日本海を右手に見ながら我々は快適に泊を目指す。昨年通った時は海岸線に沿って曲がりくねった道が続いていた国道229号だったが、改修工事が終了したようでトンネルと橋を駆使して直線的に走れるようになっていた。

そんな中、前のグループが車の列に追い越しを掛ける。それを私は、「こんな所で追い越しても大して先には行けないのに。」 と思いながら見ていた。すると前三台は追い越しに成功するが最後尾の一台が取り残されてしまった。

一台になったバイクは、直ぐに前のバイクに追い着こうとするのかと思ったら、前のバイクが遠ざかって行くのに 「我が道を行くって感じ。」 でマイペースで走っている。私がもしかして違うグループなのではないかと思い始めた時、彼は突然前の車に追い越しを掛ける。

我々も彼に続いて追い越しを掛けたのだが、その追越スピードの遅い事。我々の場合追越は対向車線にいる時間を出来るだけ短くする為フル加速で車の前に出るのだが、彼はチンタラチンタラ加速して追い越しを掛けていて、後に続く私は思わずブレーキを掛けそうになってしまった。


▼阿吽の呼吸

そんな彼の行動に付き合ってはいられないと判断した私は、対向車が来ている状況ではあったがフル加速をして彼の前に出る事にする。私はそのまま追い越しを続け彼の前に出たのだが、そこで心配になったのは後ろにいる相棒の事であった。

対向車とは結構きわどいタイミングだった為、私は直ぐにミラーを覗き込む。すると私の直ぐ後ろに隼の姿があって、相棒は何事もなかったように走っているではないか。私が想像するに彼は私が前のバイクに続いて追い越しを掛けた時、私が前のバイクをも追い越す事を読んでいたと思われる。

さもなくばこれ程までにピッタリと私の後ろにいられる筈はないのだ。これは日頃から私の後ろを走る機会の多い彼が私の行動パターンを読んでいる証拠で、私の心の中を彼はお見通しのようである。

私はミラーを見てホッとしたと同時に 「アレッ」 と言う驚きを感じた追い越しだったが、後ろの相棒はヘルメットの中でほくそ笑んでいたに違いない。


▼ガソリンスタンドのフェークに引っ掛かる

今、何かとお騒がせな泊原発脇のトンネルを抜けて、私はガソリンスタンドを探していた。我々はこれからニセコパノラマラインを越えてニセコアンヌプリ国際スキー場近くの宿に向かう予定で、このまま岩内に出てパノラマラインに入れば最短距離で宿に向かう事が出来るし岩内でガソリンも給油する事が可能なのだが、欲張りな我々はワイス温泉〜クレイルチーズ間のSSをもう一度走る為、ワイス温泉を目指していた。

私の記憶では国道5号国富からワイス温泉間にはGSは無かった筈だから、給油してからもう200km近く走っている我々は、国道5号に出る前に給油しておかないとニセコの山中でガソリンが心細くなってしまう(ワイス温泉から宿までGSは無い)可能性が大きかった。

GSを探す私の目に、道路右側に在るガソリンスタンドが目に入った。しかし、よく見るとそのGSの屋根に取り付けられた電燈が点灯していなかった為、私はそのGSが休みと判断そのまま通過しようとしたその時、事務所のドアが開いていて外で作業しているスタッフの姿を発見する。

スタンドは営業していたのだ。 普通、営業するスタンドは天井の電燈は点けるでしょ。私は今までGSが営業しているかどうかの判断を、遠くからも確認できる天井の電燈が点いているかどうかで判断していたのだが、それが裏目に出てしまった格好だ。

電燈を点けずに営業するGSも有る事を学習した私だったが、この先にもGSは有ると考えそのまま進む事にする。我々は国道229号から共和町に抜ける地方道に入ったのだが、我々の前を走っていた三台の札幌ナンバーも我々同様共和町方向に曲がっていた。

我々の後ろにはまだ先ほど追い越した札幌ナンバーが大人しく走っていたのだが、私はこのまま彼を独りぼっちにしておく事が忍びず、ウインカーを左に上げて彼を前に出す事にした。

彼は我々に軽く会釈をして仲間のもとに戻って行ったのだが、彼にはここまで何回も我々を追い越す機会は有った筈で、何故今までを追い越さなかったか 謎である!?

共和町発足で ほくれん のGSを発見したのだが、休みだった。今日は日曜日で、国道沿い以外のGSは休業しているところが多いようで心配になってくる。岩内と国富を結ぶ国道276号が近くなってきた所で、役場と思われる建物が川向こうに見えて来る。

国道に出れば営業しているGSがあるのではないかと考えた私は、橋を渡って国道に出てみる事にする。すると、ありました ありました 営業しているガソリンスタンドが。私はホッと胸を撫で下ろす。実際問題としてこれ以降宿までの間にGSは一軒の無かったのであります。本当に助かりました。


▼ニセコを楽しむ ステージ1

ガソリンタンクを満タンにし、しっかり休憩を取った我々は、万全の体制を整えて今日最後のSSに向かった。今朝同様に国道5号は相変わらず車で混雑していてのだが、ワイス温泉からクレイルチーズに抜ける道に入ると車は殆ど走っておらず、我々はペースを上げて走る事が出来たのである。

逆方向ではあったが午前中に走った道であった為、頭の中にレイアウトがおぼろげながら残っていて、私は午前中より速いペースで走る事が出来た。私の後ろを走る隼の相棒は、前回のFUNKY 4th.ツーリングで走りに限界を感じ、今回のプチ北海道でライディングスタイルの改造に取り組んでいたのだが、
その彼は私と離れないで走っていたから改造計画は順調に進行しているようである。

クレイルチーズに出る手前で私はペースを落としたのだが、落とすの少しが早過ぎてしまい無駄にスロー走行をしてしまった。明日またここを走る予定にしているので、しっかりコースを頭に叩き込んでおく。


充分にステージ1を楽しんだ我々は、クレイルチーズ横のパーキングにバイクを止める。



クレイルチーズ横のパーキング到着。
タイヤが気になる。


今日はごクレイルチーズのお二人(姉妹)に会う事が出来ました。
▼再会
バイクから降りた相棒は直ぐにタイヤのチャック。フロンタイヤは良い感じに溶けており問題なかったが、リヤタイヤの溝が今朝見た時より明らかに浅くなっているのが分かった。それを見た彼は一瞬不安な気持ちになったのだが、このタイヤはまだ2000kmも走っておらず秋田に帰るまでは大丈夫と自分に言い聞かせていた?

我々は昨年も立ち寄ったクレイルチーズに、ソフトクリームを食べに向かう。

中に入ると二人の女性がいて、我々の姿を見た彼女らは声を揃えて

「あーら! いらっしゃい。」 と声を発する。

我々も  「お久しぶりです。」 と一年ぶりの挨拶を交わす。

「今年はお二人だけ?」 「昨年は大勢だったですよね?」

FUNKYは彼女らの記憶に完全に擦り込まれているようである。

我々はソフトクリーム(300円)を注文、私はお土産のカマンベールチーズを購入する。我々は美味しいソフトクリームをなめながらお二人との楽しい会話を楽しみ、そしてソフトをなめ終えた我々は明日また来るかもしれないとお二人に告げてクレイルを後にする。

さあこれでニセコパノラマラインを一気に走って、今晩の宿 ニセコ 旅物語 に向かうだけとなった。旅物語では五時までに宿に着けば温泉に連れて行ってくれという事で、我々は四時半までに宿に着く事を目標にしていたのだが、現在の時間は四時を少し回ったところで予定通り宿に到着出来そうな感じではある。


▼ステージ2 今日最後の走りを楽しむ

そして今日最後のSS ステージ2 が始まった。岩内側からの上りのパノラマラインは、大きく回り込む中速コーナーを短い直線で結んだ楽しい道で、我々は深いバンク角を楽しみながらニセコの山を駆け上がる。時折現れる直線ではフロントタイヤを浮かせながら加速を楽しみ、神仙沼まではアッという間だった。

神仙沼を過ぎると次第に上空は暗くなって来たが、辛うじて雲の中に入る事は免れ視界が悪くなる事はなかった。この辺は直線の先に急カーブというパターンが多く、ブレーキングが勝負となる。安定してフルブレーキングを掛けるには、グリップの良いタイヤとフェードする事なく微妙なコントロールが効く安定したブレーキが必須で、それがなくてはここは怖くて走れない。

五色温泉に行く分岐を左に見て、我々は蘭越方向に下って行く。この三年パノラマラインを走っている我々だが、いつも五色温泉方面に曲がっていた為私がこの道を走るのは久しぶり(10年以上前)だった。

道は以前走った時と比べると道幅も広くなって大分走り易くなっていたが、交通量も多く周りにいろいろな施設が有って気を使う所は変わっていなかった。我々はそこをそれなり走り、そしてそれなり楽しんで下って行ったのであります。



       ニセコの宿 旅物語
※マウスポインタを画像に置くとHPに載っている建物写真が見られます。


























岡山から来た全身ALL HONDAライダーが乗るフォルツァ4万キロ走行。
ニセコ 旅物語
我々は蘭越には向かわず途中からニセコ方面に左折、昆布温泉の前を通過すると今晩の宿 ニセコ 旅物語 はもう目前の筈だった。私は左側を注視しながらゆっくりと走っていたのだが、旅物語 の建物を見付けられないままアンヌプリスキー場入口まで来てしまった。

旅物語はスキー場入口の手前に在る筈だったのだが、私には見付けられなかった。一旦スキー場方向に曲がってUターンした我々は、今来た道を引き返すと右側にバイクが止めてあるのが見えた。私にはそのバイクに見覚えがあって、それは宿のオーナーさんのブログで見たタイヤマハのバイクのようだった。

もしかしてここなのかと思った私は、そこの敷地内にバイクを入れ左側の車の隣に止める。すると一人の男性が出て来てバイクはあっちだと言って建物の方向を指差す。バイクはあっちと言われても、私はここが旅物語であるのかどうかも確信がない状態にあって、差し当たり止めただけなんですけど・・・。

私は先ずその男性にここが旅物語であるかを確認すると、間違いなく旅物語である事が分って安心する。男性はここのオーナーさんのようで玄関前がバイク置き場になっているので向こうにバイクを置くように言われる。そういう事であれば私にそれを拒否する理由は無く、我々はバイクを玄関前に移動する。

玄関の前に立って見て私がここを素通りしてしまった原因を理解する。最近建物の両側に部屋を増築したようで、この建物正面の形がHPの写真と違っていたのだ。HPの写真を頭に浮かべながら旅物語を探していた私には、この建物は違う建物に見えてしまったのである。

私がバイクから荷物を下ろす姿をオーナーさんは不思議な物を見るような目で遠巻きに見ていたのだが、その訳は夜のミーティングで明らかとなる。

荷物を持って玄関に行くと奥様が出て来て部屋に案内してくれる。私がこの宿を予約した時個室で申し込んだのだが、個室は満室と言う事で男女別相部屋の予約になっていた。どうせ部屋には何もないし、遅くまで行われるであろうミーティングに参加するつもりでいたから部屋は寝るだけなので私はそれで充分と考えていた。

部屋のある二階に上がる階段で奥様から、
「個室が空いていますが個室にしますか。」 と聞かれる。
個室は確か追加料金が掛かると思ったが、料金の話はなかったので男女別の料金で個室に泊まらせてくれるとは何と親切な宿なんだろうと思った私は、
 即 「個室でお願いします。」 と答える。

無事、個室(平ベット2、2段ベット1の4人部屋)に落ち着いた我々は、着替えて下の談話室?で飲み物を頂く。オーナーさんに温泉の事を聞くと、皆さんが到着した五時過ぎに車で送迎してくれると言う。どこか希望の温泉が有るかと聞かれたが、この辺の温泉は五色温泉ぐらいしか知らないのでお任せした。


▼雪秩父温泉ツアー

我々の後に続々と宿泊客が到着して来る。我々以外の二輪宿泊者は京都ナンバーのスカイウェーブ250に乗る30歳代?の男性と岡山ナンバーのフォルツァに乗る私より四歳年上の男性の二人がいた。

温泉ツアー参加者が揃ったところで、常連さんとオーナーさんとでどこの温泉に行くか検討した結果、 国民宿舎 雪秩父 に決定したようだ。5時半過ぎ、ツアー参加者六名(全員男性)はオーナーさんが運転するワンボックスカーに乗って雪秩父に出発する。

最初私は、雪秩父と聞いてもどこの温泉かピンとこなかったが、ワンボックスカーがニセコパノラマラインを上り始めたのを見て雪秩父の場所を思い出した。雪秩父は以前私が立ち寄ろうとした事があった温泉だったが、その時は時間がなくて寄れないでいた温泉だった。オーナーさんの選択は私に取ってもグットチョイスな温泉だったのであります。

雪秩父の玄関前に降ろされた我々は、迎えが来る6時45分までの間をここで過ごす事になった。温泉に入るだけでは時間が余りそうな感じだったが、近くに大湯沼と言うお湯が噴き出している沼があるので見物して見てはどうかとオーナーさんが勧めてくれた。

この手の沼は八幡平にも沢山あるので今回我々は遠慮させて頂いたのだが、見た事の無い方は雪秩父にお越しの節は是非地球の息吹を感じて頂きたいと思います。

フロントで入湯料500円を支払って我々は階段を下りて温泉に向かう。昨日風呂に入っていなかった事も有って、私は内湯でまずは体を洗う。私の座った横には外人さん(多分オーストラリヤ人・白人男性・20歳代後半)が体を洗っていて、ニセコの山はオーストラリヤ人に買い占められた?と聞いていた私は、それを実感?した次第です。

その外人さんの行動で私が最も驚いたのは、体を洗い終えた彼は腰掛にお湯を掛けた後タライをその上に載せて立ち去った事で、私も含めそんな日本人は最近見た事が無く、私はそのマナーの良さに感動してしまったのであります。

日本人が忘れてしまったマナーを外人さんから教えられるとは、私は日本人として本当に恥ずかしかった。私がそこを立ち去る時、タライを腰掛の上に置いたのは言うまでも無い。

体を洗い終えた私は外の露天風呂に行ってみる。このの露天風呂には沢山の湯船が有って、どこに入ったら良いのか迷ってしまった。結局私は一番下にあった丸くて大きな湯船に入る事にする。

ここの湯船の殆どは石とモルタルで造られており、この手の湯船は私が最も苦手とする物で何だか落ち行かない。温泉は秋田の泥湯温泉と似たような灰色(白色ともチョッと違う)の温泉で、お湯の中は見えないから特に湯船の中の行動に私は気を使ってしまった。

以前白濁した温泉の中でモルタルの出っ張りで足を切った経験を持つ私は、ここの湯船がそうだと言う事では無いが、岩とモルタルがトラウマになっていてどうしても湯船の中で緊張してしまうのである。

日頃東北のひなびた温泉に慣れてしまっている私は、これだけ大規模な露天風呂に入っていると、これまた落ち着かない。暫く相棒と共に岡山のスクーターライダーと話をして時を過ごす。岡山のスクーターライダーはこれから下北半島に渡り北東北を周る予定にしているとの事で、後に相談に乗る事にした。

温泉から上がった我々は玄関横のロビーでリッチにビール(発泡酒でなくて)を飲みながら向かえが来るのを待つ。テレビでは九州に上陸した台風が太平洋岸に沿って関東に接近している事を伝えている。

この状況では北海道に大きな影響は無さそうで安心するが、帰りのフェリーへの影響が心配される。まあ、その時はその時。心配してもどうなる事でもないので台風の事は気にしない事にしたのだが、私は明日の天気が気になっていた。


▼黒猫の怨念!?

6時45分、時間通りに迎えがやって来た。我々がワンボックスに乗ってニセコパノラマラインを下って行き、緩い下りの少しスピードが乗りそうな場所に差し掛かった時オーナーさんが

「この場所だったら隼だと ○30 位も出ちゃうんでしょうね?」 などと振ってくる。

振られた相棒は 「今 スピードメーターが壊れていて 0キロしか出ませんよ。」
と切り返す。

そうそう、忘れていました。隼のスピードメーターがニセコ近くに来て調子が悪く、動いたり止まったしてのを。積丹の渋滞やニセコを走った時におかしくなったようなので、多分スピードセンサーが熱を持って異常を起こしているのではないかと推測するが、本当のところは分からない。

この隼、以前にも北海道でスピードメーターが動かなくなった事があってどうも北海道と相性が悪いようなのだが、原因の一つはスピードメーターの使い過ぎに有る事は確かだ。

一方、黒猫の怨念がスピードメーターを狂わせたとの意見も有ったが、確認されていない。ニセコから離れるとメーターは正常に作動していたようで、秋田に帰ってからODOメーターをチェックしたら、動かなかったのは全走行距離1000kmの内50km程であったようだ。何とも不思議なメーター故障ではある。

私はやっぱり黒猫の怨念だと思うんですけど・・・。


話を 「この場所だったら隼だと ○30キロ位も出ちゃうんでしょうね?」
と言うオーナーさんの振りに戻すと、我々が二時間半程前にここを走った時、私のスピードメーターはそのスピードを表示していた筈なのだが、その時の私はスピードメーターを見ていなかった。通常我々は、タコメーターは見てもスピードメーターを見る事は少ない。

見る事が少ないと言うよりも見ている暇がないと言った方が正しいのだが、明日またここを走る予定にしていますので、明日はしっかりスピードメーターを確認したいと思いますのでお楽しみに。


▼XJR1300のリヤタイヤ

我々は 旅物語 に戻って来た。ワンボックスから下りて歩いて行くと玄関横の車庫にオーナーさんのXJR1300が置かれているのが目に入った。ここのオーナーさんは、二輪のジムカーナーにエントリーしてい程のバイクフリークで、このXJR1300でニセコパノラマラインを攻めまくっているらしい。

その様子はHPでも公開(臨場感を盛り上げる為早送りになっているらしいが・・・)されておりその走りを見る事は出来るのだが、XJR1300のリヤタイヤを見てもその走りを窺い知る事は出来る。

目の前のXJR1300のリヤタイヤは、ダンロップ D208GP とチョッと年季が入った賞味期限切れ気味のタイヤだったが、両端を1cm程残して良いように均等に磨耗しておりライダーの果敢な走りを想像させる物だった。

スリップサインが顔を出す寸前のタイヤ表面は、滑々していてオーナーさんが結構高い空気圧で走っているのが窺える。XJRのメーカー標準空気圧は290kPaだが、多分250kPa前後で走っているのではなかろうか。

違っていたら御免なさいなのだが、D280GPのようなレーシングタイヤを公道で履く場合空気圧が重要なファクターになるのだが、私が見た限りでは空気圧が高過ぎるように思う。オーナーさんもタイヤが温まるまで全くグリップしないと言っていたが、この空気圧では幾ら走ってもこのタイヤの適正温度までは上がらないと思います。

タイヤが減るのを嫌ってレーシングタイヤを高い空気圧で使用する人がいるが、高過ぎる空気圧は反対にスリップして早く減ってしまう場合もある。最もサーキットで使用するような空気圧では、表面が消しゴムのようになってこれまた直ぐに減ってしまうのだが。

公道を走る場合サーキット程のグリップは必要ない訳で、表面が溶けて消しゴムのカスが付く状態寸前(表面がささくれた状態)になるよう空気圧を調整する事により、公道での充分なグリップ力とそこそこの耐久性を得る事が出来るのである。

オーナーさんには我々が今履いているタイヤを推奨しておいたが、タイヤの空気圧も重要でバイクに合った空気圧を探し出す事が、バイクを楽しく走らせる上では重要なファクターとなる。

まぁ、リッターバイクでタイヤ1本5000km以上持つ人には関係ない話なんですけど。

チョッと語っちゃいました。




旅物語 夕食
メインデッシュは鯖シャブシャブ1?


デザートの自家製チーズケーキ&チェリージャム
絶品です!









ホンダで日本中を走り回り、ホンダのHPにも登場する私より四つ上の岡山の熟年ライダー。元気です。この後北東北を周って秋田からフェリーで帰ると言うので予定コースのアドバイスをさせて頂きました。
▼旅物語 夕食

鯖をシャブシャブ
これをポン酢に付けていただきます。
温泉から帰って少しして旅物語の夕食が始まる。今宵の夕食のメインは、鯖のシャブシャブと言う私が五十数年生きてきて初めて食べる料理だった。鯖の半身が並んだテーブルには土鍋が置かれており、そこでシャブシャブするようだ。

シャブシャブした鯖をポン酢に付けて頂くのだが、これが結構いける味で美味しかった。ただこの鯖シャブシャブの難点は、多くは頂けない事で沢山食べると結構飽きてくる。私の場合今回出た半分もあれば充分で、もう一種類違うシャブシャブ(蛸シャブ)でも有れば大満足のシャブシャブとなったと思う。

相棒も言っていたが、今回の食事で特筆すべき食材が一つ有って、それは絶妙の甘みを持ったトマトであった。野菜には一際厳しい目を持つネギ嫌いの相棒も絶賛したこのトマトは、多分地物のトマトなのだろう、スーパーで売っているトマトとは一味も二味も違ったまろやかな甘みを持った美味しいトマトだった。

そしてもう一つ、私が感動した食べ物があった。それは食後のデザートに出て来た奥様お手製のチーズケーキとチェリージャムだった。チョッとくどいがそれは私が五十数年生きてきて食べたチーズケーキの中でベスト3に入る美味しさだった。強いて苦言を呈せば、もう少し量を食べたかった。それ程に美味しいチーズケーキだったと言う事なのだが・・・。


▼旅物語 ミーティングタイム

九時を過ぎた頃、奥様からお客に対し全員集合のコールが掛かった。私はミーティングが始まるのかと思っていたら、宿代の精算だった。この時間に宿代を精算する宿は初めてで、少なからずも驚いてしまった私だったが、宿それぞれにパターンが有っても不思議ではなく、私は部屋に財布を取りに戻る。

ここの宿代は一泊二食付で4900円で、私の場合ヤマハの Club YAMAHA の会員割引で300円(その他割引制度有り)を引いた4600円を払おうとしたその時、奥様はその後に言葉を続けた。

「個室は一部屋500円ですので、お一人250円をプラスして○○さんは4950円ですね。」

「ガビィーン!!」 そうですよね。 個室ですもんね。 個室代掛かりますよねぇ・・・。

私 4950円 払わせて頂きました。

それでも規定では個室は1名500円の加算の筈だから、奥様は半額にお安くしてくれたようで大変ありがたかったです。

宿泊客の精算終了後、この宿で毎晩行われていると言うミーティングが始まった。今日の宿泊客は温泉ツアー参加の男性六人と後に到着した男性一名、そしてこの宿で知り合って結婚したと言う二組の夫婦とその子供一名の合計12名で、その12名全員が参加してミーティングはスタートする。

最初はここで知り合って結婚した二組の夫婦の話題から始まり次第に我々に矛先が向いてくる。確かに親子ほどの年の差カップルが皆さん気にならない筈はなく、我々に質問が集中してくる。

先ずは親子なのかと言う定番の質問から始まり、親子でないなら何なんだと鋭い追及が続き、我々の素性は次第に暴かれていく。別に隠す事でもないので我々の話を酒の肴に会話は弾む。

オーナーさんは冬はスノースクート、夏はバイクを嗜むスポーツマン(遊び人とも言うが)で、テレビでは冬のニセコを滑るスノーボードやスノースクート、スキー等のビデオやオーナーさんも参加しているジムカーナーのビデオが流される。

オーナーさんによると私がGSX−Rに乗って現れた時、大変驚いていたのだと言う。今まで何百人、何千人?のライダーを見て来たオーナーさんでも、頭の白いはげた親父がGSX−R1000(スパースポーツ系のリッターバイク)に乗って来たのは初めてだそうで、それで彼は私を好奇の目で見ていたようである。

私、一般人の目から見たらかなり特殊なライダーに分類されるようなのだが、本人にその自覚が全く無かったところに問題が有りそうだ。以前GSX−Rの傍に立っていたら見知らぬ人にいきなり年齢を聞かれた事があって驚いたが、それも私の特殊性にあったのだろうと思う。以後、自覚を持ってGSX−Rを走らせようと思いますが、私どう自覚すれば良いのかが分からない?

我々の事を色々話したのだが、それでも我々ツーリングの事は半分も理解されていなかったように思う。皆さんに全てを理解してもらいたいとは思わないが、我々が追求するバイクの楽しさを少しでも分ってもらえたら良かったのだが・・・。

話し込んでいたら知らぬ間に時が過ぎていて、時間は12時半になろうとしていた。明日の事もあり我々は部屋に戻って就寝する事にする。

アルコールの力も有ったのだろう、ベットに横になった私は直ぐに意識を失っていく。

朝四時半に起きて寝たのは夜の12時半、今日の20時間は本当に内容の濃い充実した20時間だった。そして明日もまたこれが続くのだ。 楽しみだ。

AM 0:30 16-7-2007 旅物語 就寝


宿のご主人とバイクの話?


この宿でSUZUKI3台が揃う事は少ないと言う。




旅物語 朝食






































一っ走りしてクレールチーズで休憩となる。






美味しいモーニングコーヒーをいただく。


BGMのクラッッシック音楽を聴きながら静かに時間は流れていく、至福のひとときだった。


クレールチーズを後にする相棒。
再びここを訪れる時は来るのか?
▼ニセコの朝

珍しい親子?の2ショット写真
北海道の朝私は六時前に起きるのが常なのだが、さすがに今回はそうはいかなかった。それでも六時半には目が覚めた私は、起きてまず窓から空を見る。見上げる空は薄曇で雨の心配は無さそうで安心する。

朝食(七時半)まで間が有ったので私は外に出てみる。さすがに北海道の朝の空気は清々しく気持ちが良い。相棒やオーナーさんも出て来てバイクや道の話をする。ここのオーナーさんは関東出身の方だが、このオーナーさん(奥様も含めて)の人柄がこの宿の最大に売りになっているように私は感じた。この人柄に引かれ、またお客さんは宿を訪れリピーターになっているようだ。

オーナーさんからニセコから洞爺湖に抜ける裏道を教えてもらう。それは私が地図で予習してきた道だったのだが、国道以外の地方道には案内看板が少なく、まして途中が結構複雑な道だったので、オーナーさんから曲がる箇所の目印を教えてもらう。

しかし、私の場合走りながら道を探るからすんないとは行かない事が予想される。そんな場合でも今日はこの地域のランドマーク羊蹄山が見えているから、間違えても方向の修正は容易と思われる。


▼旅物語 朝食


完食しました。
朝食の時間になって我々は中に入る。食堂に行くとテーブルの上には朝食が並べられていた。食事の内容的には、この手の宿の標準的なものでご飯の朝食であった。テレビでは天気予報をやっていて、台風の影響が心配されたが道内は概ね晴れると言っている。

これで安心して2日目をスタートする事が出来る。昨年は雨や霧に走りを邪魔されたが、今日は思う存分走りを楽しめそうである。

我々はここを出てニセコの山を一周し、またこの宿の所まで戻って来る予定にしているのだが、ニセコパノラマラインとワイス温泉〜クレイルチーズ間を利用して周回コースを設定する場合二つのルートは考えられた。

標準的なルート(ここのオーナーさんご推奨)は、パノラマラインを登って雪秩父の先から五色温泉方面に曲がり、そこから倶知安方向に下ってからワイス温泉方面に抜ける裏道に入るルート、もう一つはここから比羅夫スキー場の前を通りニセコ東急ゴルフコースに出てワイス温泉方面に抜ける裏道に入るルートだ。

私は以前走った五色温泉からの道が狭くて楽しくない道だった事と、今ニセコで一番賑わっている(オージーバブル)という比羅夫スキー場前を通って見てみたいという野次馬根性もあって、後者のルートを選択する。


▼SS ワイス温泉〜クレイルチーズ間を攻める

我々が着替えてバイクに荷物を積み出発の支度をしていると、オーナーさんが見送りに出て来てくれる。オーナーさんに見送られた我々は、まず岩内のクレイルチーズを目指して走り出す。

ニセコの街に向かって走って行くと、道路左側に薄紫色の花(野菜の畑?ジャガイモ?)が一面に咲いた畑が見えて来て、その奥に青空をバックに均整の取れた形の羊蹄山が見えていた。絵葉書にもなりそうなその景色を写真に収めようと車を道端に止めてカメラを構えている人がいたが、私は写真の事よりこれから向かう道の事で頭がいっぱいでそのまま通過してしまった。

比羅夫スキー場に近づくにつれ、土地や建物の分譲を示す旗が目立つようになってくる。やはりこの辺はオージーバブルに沸いているようだ。比羅夫スキー場近くにも安い宿が有るようなので、次回はこの辺に宿を取ってみようかな。

オーナーさんから聞いた道でゴルフ場に出た我々は、ワイス温泉方面に抜ける裏道に向かったのだが、入り口を通り過ぎてしまいUターンする事になってしまった。入り口がヘアーピンコーナー途中に有った為気付いて時には通り過ぎていたのだが、次回は間違わないように頭に入れておく。

この裏道を道なりに走ってしまと岩内に近い方に出てしまう為、我々は少しでも長くSSを走る為途中から右折する。その右折場所に四輪が着けたのと思われるブラックマークが沢山着いていたのだが、この狭い道を走り屋さんが走っているのかと驚いていたら50mも行かないうちに消滅してしまった。このブラックマークは誰が着けたものなのか? 謎である!?

いよいよ今日最初のSSが始まる。今回三回目の走行となるこのSSを、我々は攻めに攻めた。コーナーのレイアウトが頭に入った我々は、ブラインドコーナーの先を探りながらも立ち上がりのスロットル開度は昨日と比べると明らかの大きくなっていていた。

キラキラと輝く朝の爽やかな日差しを浴び、それは本当に至福の一時だった。深いバンクから徐々にスロットルを開けカチッとスロットルをストッパーに当てた後スロットルを戻しフルブレーキイングそしてバイクをコーナーに回し込んでスロットルを当てコーナーを探りそして徐々にスロットルを開ける。

この繰り返しが永遠に続くかと思われたその時、SSの終焉を告げる標識が現れ私は我に返る。長かったような一瞬だったような時間を感じない時を過ごした我々は、クレイルチーズ横のパーキングにバイクを止めバイクから降りる。

一瞬虚脱状態になったようにヨロヨロとバイクから離れた私は、走りを共にしたGSX−Rに目をやり、そして今の走りを確かめるようにタイヤを確認する。ささくれ立ったリヤタイヤにそっと手を添えると、タイヤは今の走りを物語るように一瞬手を離しそうになる程に熱かった。

走りの余韻を感じながら我々はにクレイルチーズに向かう。


▼二人っきりでモーニングコーヒー

クレイルチーズに行くと入口に 営業時間AM10:00〜 と書かれていた。今の時間は九時半を少し回ったところで、来るのが少し早かったようだ。しかし、店内には明かりが点いており試しに入口のドアを開けてみると・・・・開いた。

中に入ってみるとお姉さまがいて朝のご挨拶を交わす。

お姉さま 「あらまぁ いらっしゃい。」

 私  「おはようございます。」
    「二階で休みたいと思って来たんですけど・・・まだ営業時間前なんですよね。」

お姉さま 「よろしいですわよ。どうぞ、お二階に上がって・・・。」

営業時間前だったにも関わらず、我々はお姉さまのご好意により特別に休ませていただける事になったのである。(この二階がティールーム・ケンブリッジという名前だった事を私は知らなかった。)

二階に上がって見ると、当然の事だが誰もいなかった。我々は、日本海と積丹半島とそして我々のバイクが見える窓際に席を取る。パーキングからは樹木が邪魔をしてよく見えていなかった日本海も、ここ二階からははっきりと眺められ、目の前には見事な眺望が広がっていた。

室内にはクラッシックミュージックが流れ始め、お姉さまがオーダーを聞きに来る。昨年はここで美味しいソフトアイスをいただいた我々だが、今日はゆっくりとモーニングコーヒーをいただく事にする。(ここは美味しい紅茶が有名らしく、次回は紅茶にしようかな。)

我々は先ほどの走りを語らいながら外の景色を眺め時を過ごす。そしてトレーに載せられたコーヒーが運ばれてくる。ポットに入ったコーヒーはカップ三杯分(これで確か840円?だったと思う。)入っており、それに牛乳とミルクが付いている。

つまり、ブラックコーヒーとカフェオレとミルクコーヒーがそれぞれ味わえるわけで、コーヒー好きにはたまらないコーヒーとなっている。FUNKYのコーヒー好きにも是非飲ませたかった美味しいコーヒー(本当に美味しかった!)をいただいていると、お姉さまが我々二人にここで作っているチーズを二種類差し入れてくれた。

私はその気持ちが本当に嬉しかった。一年に一度、ソフトクリームを食べに立ち寄っていた我々の為に、商売物のチーズ(紅茶とチーズセットが確か1360円だったかな?)を差し入れてくれた気持ちが嬉しかった。

私はツーリング(特に北海道)の時、その土地の人との触れ合いを楽しみにしていると共に大切にしている。毎年訪れている北海道では出来るだけ同じ所で休憩したり給油したりしているのはそこに暮らす人たちとの触れ合いを楽しみたいからで、何回も立ち寄っているうちに人は我々を覚えていてくれるようになり、そしてそこから会話が始まるのである。

最近は苫小牧東港のフェリーを使うようになったので行ってないが、以前室蘭港からのフェリーを利用していた時フェリーに乗る前に必ず登別温泉に立ち寄っていた。その時に劇場の前に立つ呼び込みのオネエさん達と顔見知りになり、毎年お話するのを楽しみにしていたものだった。 あのオネエさん達、元気にしているかなぁ・・・。

私が毎年北海道に行く最大目的はバイクを楽しむ為なのだが、ただそれだけではなく美味しいものを食べたり、その土地の人々と話をするのが大きな楽しみとなっている。ツーリング先の思い出作りには美しい景色も必要だが、私の場合人との触れ合いが最も大きな思い出作りになっている。

お姉さまから 「六十歳になったら体の変わり目だからお気を付けなさい。」 と言うありがたいアドバイスをいただきながら、楽しい会話をさせていただきました。

クラシック音楽が流れる中ゆっくりとコーヒーを嗜み、外を眺めていると数台のバイクがパノラマラインに向かって走って行くのが見えた。その中にホンダCB1300SFの姿もあって、彼はワイス温泉SSから走って来てニセコノラマラインを登って行った。ワイス温泉SSから出て来た事から見ても彼はベテランライダーとお見受けしたのだが、その彼と思わ所で再開する事になろうとは、その時の私は思ってもいなかった。

先ほどまでアドレナリンが出まくっていた体をリフレッシュした我々は、新たなステージに立ち向かうべく、クレイルチーズを後にする。来年またここを訪れる事が出来るかどうかは分からないが、今度来た時は美味しい紅茶を飲もうかな・・・。

私がパーキング横に在るトイレに入ろうとしたら、扉が閉まっていて中に入れなかった。緊急を要する状態でもなかったので、クレイルチーズに戻る事はせずそのまま出発する事にしたのだが、どこかでトイレタイムを設けなければなるまい。

▼今年最後のパノラマライン
クレイルチーズを出た我々は、出だしの森の中の道を楽しいペースて走る。いよいよニセコの山を登り始め深いバンク角を楽しめる場所に差し掛かった時、我々の前に二台の車が現れる。折角のコーナーを車の後ろで過ごすのは勿体無いと追い越しのタイミングを計っていたその時、先頭の車が行き成り急停止する。

ウンカーを上げた訳でもなく、左側に寄ったでもなく急停止したのである。スピードは大した事はなかったから我々は余裕を持って停止しのだが、その直後を走っていた車の運転手さんは、前ぶれもなく無く急停止した車にパニックブレーキを掛け急停止する。

幸いにも上り坂であった為車は直ぐに停止する事が出来たのだが、これが下り坂だったら追突していた可能性が高い。どのような理由で先頭の運転手さん(多分女性)が急停止したのかは不明だが、道路上での危険は運転手さんの数だけ有る事を知った出来事だった。

そんな車に楽しいコーナーの幾つかを潰されてしまった私は、前にも増してペース上げ神仙沼を目指す。この時のペースは私の中でもかなりハイペースな部類に入るものだったと思うが、ミラーの中の相棒は大きくその存在を主張しており、決して小さくなる事は無かった。

ライディングスタイルの改造を行っていた相棒はその改造計画をほぼ完了した模様で、ニセコパノラマラインを跳ねるように駆け抜けていた。神仙沼を過ぎると数台の車に前を塞がれるが、時々現れる直線を利用して前に出て我々はニセコパノラマラインを楽しんだ。

そして雪秩父の前を過ぎ、昨日宿のオーナーさんに話を振られた場所に差し掛かる。その場所は私の分類の中でフルスロットルで走る場所ではなかったが、それなりに走った結果は・・・

それでは発表します。スロットルを戻す直前に見たGSX−Rのデシタルスピードメーターの数字は・・・・  ○BG  でした。

後ろの隼も離れずに走っていましたから、ほぼGSX−Rと同等のものが出ていたものと考えられます。従いまして宿のオーナーさんが予想した ○30 は充分許容差の中に入るもので、正解とさせていただきます。

さすがニセコパノラマラインを知り尽くした御仁の読みは違いますな。感服いたしました。

我々はニセコパノラマラインを走り終え、旅物語の前に戻って来た。本当は立ち寄る予定は無かったのだが、私がトイレを借りる為に急遽立ち寄る事にしたのだ。ちょうどそこにはお客さんを見送りに出ていたオーナーさん家族がいて、私はオーナーさんのお許しを得てトイレに駆け込む。

スッキリして出て来た私は、オーナーさんから今日二回目の見送りを受け旅物語を出発する。ヘルメットを被りGSX−Rに跨った私の姿を見たオーナーさんは、

 「カッコイィーネェー!」 と言う。

年寄りがGSX−Rに跨る姿を見て 「カッコイィーネェー!」 とは・・・?

お世辞と分かってていても年寄は気分を良くして ニセコ 旅物語 を後にしたのでありました。

我々はニセコの街中を抜けて洞爺湖を目指す。久しぶりに走るニセコの街は、電柱も無くなって新しい街並になっていた。ニセコ町は平成の大合併にも参加せずどことも合併しなかったそうで、独自路線で頑張っているようである。オージーバブルの後押しが効いている?

国道5号を横切った我々は直ぐに三ノ原へ向かう地方道に右折する。この道がオーナーさんに聞いた道で、私はオーナーさんのアドバイスを思い浮かべながら三ノ原を目指したのだが、途中何回かUターンを繰り返す事なる。

私は道に迷う度に羊蹄山と来年サミットが行われる事になった洞爺湖近くの山頂に建つホテルを見て方向を割り出し進む。途中通る予定に無かった真狩村役場の近くを通ったものの、最終的には三ノ原の国道230号に出る事が出来た。地図が無くても何とかなるものである。

国道230号を暫く走った後、我々は洞爺湖畔に出る為国道230号から洞爺町に下る道に入る。するとその途中のパーキングに見た事があるバイクが止まっていた。そのバイクはCB1300SFでライダーにも見覚えが有り、間違いなくティールーム・ケンブリッジから見たCB1300SFだった。

CB1300SFの彼は多分我々と同じようなルート(我々は少し寄り道をしてしまったが)を走って来た筈で、60km以上も先で打ち合わせも無くピンポイントで遭遇するとは何たる偶然であろうか。幹線道路を走っていて遭遇する事は珍しくもないが、今回の場合幹線から外れた場所での遭遇だっただけに、私は少なからず驚いてしまった。

しかしこう言う遭遇事件は、私の長いツーリング経験の中では結構起きている事も確かで、北海道最初にツーリングで昭和新山で会った原チャリと国道5号の国富で遭遇した事もあった。思わぬ事が起きるのが旅で、だから旅は楽しいのである。

洞爺湖畔の道に出た我々は、湖面に浮かぶ中島を左手に見ながら波打ち際の狭い道を洞爺湖温泉に向かう。今日の洞爺湖は青空を湖面に映し青く輝いており、対岸には白い煙を吐く昭和新山が見えている。我々は木の葉の間からこぼれる日の光を受けながら、美しい景色の中をマッタリと走る。





洞爺湖温泉のGSで給油。
有珠山の噴火から布復興して
街は結構賑わっていた。

















昼食は焼肉屋さんでジンギスカン。


生ラムロース&野菜&中ライスで
1人前1360円。



これが旨かった。お勧めです。


































苫小牧西IC近くのサンクス。ここから最後のSSに向かいます。
▼洞爺湖温泉で給油
国道230号に戻った我々は洞爺湖温泉に向かう。私がこの地を訪れたのはもう10年近く前の事で、その間に有珠山の噴火があり洞爺湖温泉は甚大な被害受けていた。噴火後の洞爺湖温泉の事が気になっていた私は、今回ここに立ち寄り様子を見てみる事にしたのである。

洞爺湖温泉に近づくに従い観光バスや車が多くなってきて、洞爺湖温泉の街中は観光客が大勢歩いていて活気に満ちていた。我々は街中のあったGSに入りガソリンを給油したのだが、そこのスタッフの方も今は噴火前の状態に戻ったと明るい顔で話してくれた。

我々は給油を終えバイクを脇に寄せ事務所の中で休憩させてもらったのだが、外に止めてあった隼のリヤタイヤがここのスタッフの注目を集めていた。しゃがみ込んで何か不思議な物を見るような目でリヤタイヤを見つめる彼らは、半分スリップサインが出かけた デアブロ コルサV を見て何を思っていたのだろうか。

彼らにその感想を聞く事はしなかったが、彼らが今まで見た事の無い減り方をしたタイヤであったに違いない。

時間はちょうど昼食の時間で、近くに美味しい物を食べさせる所がないかスタッフの方に聞いてみたが、この近くにはラーメン屋位しかないと言う。街外れには焼きそばを食べさせる処も言うが北海道に来て焼きそばでもないし、ラーメンほどその評価に個人差が出る食べ物もないから我々は悩んでしまった。

これから先には数軒のレストラン等が在ると言うので走りながら昼食を食べる処を探す事にした我々は、GSを発って昭和新山方向に走り出す。


▼北海道最後の昼食はジンギスカン


※マウスポインタを画像に置くと拡大画像が見られます。
温泉街を抜けると前が大きな駐車場になったレストランがあったが、ここは焼きそばのレストランに思えてパス、しかしそれから先に食べ物屋らしき建物は見えて来なかった。

諦めかけたその時、道路右側にジンギスカンの文字が見えた。そこは隣が肉屋さんになっている焼肉屋さんで、北海道と言ったらやっぱりジンギスカンでしょう。私はこのタイミング良く現れた焼肉屋さんの駐車場にバイクを入れた。

店内に入り小上がりに席を取った我々は、メニューを見る。するとメニューは普通の焼肉屋さんのもので、その中にジンギスカン(羊肉)は生ラムロースと上ラムだけだった。

美味しいジンギスカンが食べたかった我々は、主人と思われる女性にお勧めを聞いてみた。すると女主人は当店のお勧めは生ラムロースのジンギスカンだと言い切った。女主人が強く推奨する生ラムロース肉を是非食べたくなった我々は、生ラムロース肉と野菜、中ライス(ライスは大・中・小が有る。)を注文する。

女主人は注文を受けると目の前に置かれていた焼き板をジンギスカン用の物に交換する。ジンギスカン用の焼き板は中央が盛り上がったスリット穴が開いていない物で、焼いた肉から出た肉汁が周りに置いた野菜にしみ込み野菜が美味しくなるのだと言う。

そしてその生ラムロース肉ジンギスカンは旨かった。私が今まで食べたジンギスカンの中でランキング1位はナイタイ高原牧場のジンギスカン(現在はメニューから消えている。)なのだが、ここのラム肉はナイタイとは肉のタイプ(部位が違う?)が違うようだが、ラムの癖が無く大変美味しい肉だった。

ここの 焼肉ハウス サウスポー の生ラムロース肉のジンギスカンはお勧めです。

昼食を終え外に出てみると我々のバイクの横にタクシーが止まっていて、その横に乗客と思われる熟年男性が立っていた。出発の支度をしている我々に彼が話しかけてきて、今日の午前に新潟で大きな地震が有った事を教えてくれる。列車が脱線するほどの地震で、大きな被害が出ていると言う。

それは新潟中越沖地震の事だったのだが、我々の居るのは北海道なわけで新潟の地震の事を聞かされてもピンとこなかったが、乗客の彼は我々のナンバーを見て(新潟と秋田は近い?)新潟の地震の事を話してくれたようだ。しかし、新潟中越地震の時も秋田は揺れはしたが被害は無かったから、今回も秋田には被害は無い筈と秋田に連絡は入れなかった。

タクシーの乗客の方は、焼肉屋さんの隣の肉屋さんで肉を買っていたようなのだが、ここの肉は他から買いに来るほど美味しいのだろうか? 生ラムロース肉だったら私も買って帰りたい気はするが、バイクでは無理か・・・。しかし、クール便で送る手も有るな・・・。


▼新たなるスペシャルステージ1・2 へ

昼食を取り体調を整えた我々は、今回初めて走るSSに向かう。

それはプチ北海道二日目のコースを考えていた私が Google Earth で発見した道で、大滝から白老に抜ける山越えの道だった。道幅もしっかり二車線有り途中シェスターが続く区間もありそうなのだが、楽しみである。

壮瞥から国道453号を走って大滝に向かうが、大滝までが結構遠かった。交通量が多く車の流れに乗って走った為、距離はそんなになかったが時間が掛かってしまったのである。しかし、地図によると途中から裏道も有りそうなので、次回はその裏道を試してみようと思っている。

大滝区本町を過ぎて白老方面に右折すると直ぐに三階滝のパーキングが左手に見えて来る。三階滝を過ぎると新しく出来た快適な中速コーナーが続く道になり私は一気にペースを上げるが、峠を越えるとシェルターと橋梁の道が続くようになる。欄干の下は谷底みたいな道が続く為、我々は大人しく車の後ろに着いて走る事にした。

山から下りて白老川沿いを走るようになると道は広々とした原野の中を走るようになる。道は道北や道東に見られるような直線になりペースが上がる。道東や道北と違うところはそれが長く続かないところで、我々は瞬く間に 道央自動車道 白老IC に出てしまった。

国道36号に出た我々は苫小牧方向に左折し、今度は 道央自動車道 苫小牧西IC に向かう。国道36号から苫小牧西ICに向かう場合、白老方向からは一旦信号を右折して国道36号を橋で跨いで向かう為少し間際らしかった。我々はこれから始まる SS2 に備え苫小牧西IC手前のサンクスで休憩する事にした。

ここで隼の減ってきたリヤタイヤを確認すると、真ん中は殆ど溝が無い状態になっていた。これから先のSSには直線はそんなに多くはない筈だから、スチールベルトが出る事はないと思われるが、これではリヤタイヤのグリップは得難く注意か必要と思われる。しかし、この手のタイヤを数多く乗ってきた相棒の事、それなりに走ってくれるだろう。

休憩を終えた我々は、今回のプチ北海道最後のSSに向かう。このSSも今回我々が初めて走る道で、支笏湖に裾野を落とす風不死岳や樽前山の中腹に上って行くこの道は、地図で見る限り細かなコーナーが続く楽しそうな道である。

苫小牧西ICを過ぎてペースを上げるが、先ほどのSS1と違い道幅が狭く見通しが効かない所が多く探りながらの走りになる。しかし、この探りながらの走りと言うものも結構楽しいもので、アドレナリンが出てクリアーになった頭の中で情報が処理され、次々に現れるコーナーをクリアーしていく様は本当に楽しい。

正確には楽しいと感じて走っているわけではなく、何にも感じずに走っていると言った方が正確かもしれない。怖いとか、危ないとかを感じる事無く、平常心で走る事が楽しいと感じるのである。

そして我々は今回のプチ北海道の全てのSSを無事走り切った。後は温泉に入ってフェリーに乗れば明日の朝は秋田港に帰れる。そんなホッとした気持ちになって時、目の前に大型トラックが現れた。

このルートの風不死岳中腹から支笏湖畔まで下る道は舗装はされているが狭い道(秋田で言ったら仁別に行く道程度)で、その狭い道いっぱいに大型トラックが走っているわけでバイクでも追い越す事は不可能で、我々は排気ガスを浴びながらトラックの後ろを着いて行く。

私はトラックのミラーに写る位置を常にキープし運転手に我々がいる事をアピールする。それが功を奏したのかトラックの運ちゃんが交差区間で我々を前に出してくれた。何でこの狭い道を大型トラックが走っているのか私は理解に苦しんだが、室蘭方向から千歳や札幌に抜ける場合、このルートが最短(時間的に)なのかもしれない。

狭い道を脱出した我々は国道276号に出た後、国道453号に入り伊藤温泉に向かう。国道435号に入るとバイクの数が増えてくる。この支笏湖畔の道は札幌からのメジャーなツーリングコースになっているようで、いつも色々なバイクで賑わっている。


今日の支笏湖は風は強かったが、風不死岳が綺麗に見えていた。


支笏湖の湖面は海のようなウネリが出て波が高かった。


ここの露天風呂は景色の良さが売りです。
湖面と温泉の湯面とは同レベル?
・・・と言う事は繋がっている?
































風不死岳をバックにお約束の写真を撮って出発。















▼触らぬ神に祟りなし
伊藤温泉に行くには狭い急坂を下って行かなければならないのだが、その急坂で事件は起きた。我々が急坂を下り始めた時、我々の前をおば様四人が乗る車が走っていたのだが、その車が対向車が来た為、急停止する。

対向車が大きい車(ランクル?)だった事も有って、車が交差出来ない状況に陥ってしまったのだ。我々が後ろでその様子を見ていたら、車のおば様達が窓から顔を突き出して我々にバックしろと、のたまうではないか。

彼女らは知らないのだろうが、バイクは急な下り坂でバックは出来ません。車の様にバックギヤは無いですし、下りて押すにしてもまずサイドスタンドを出せませんから・・・。

我々がおば様達を無視していると、おば様達は何故バックしないんだとお怒りモードに入っていく。何と言われようと出来ないものは出来ませんから、我々はその場に留まっておりました。

反対におば様達の車を少し前に出てもらえれば我々は脇を通って前に出られたのだが、彼女らは下がれの一点張りであった。

そんな状況を見ていた対向車の運転手さんは、大きなタイヤにものを言わせて道路外に外側のタイヤをはみ出させ、おば様方の車を通すスペースを作り出してくれたのでありました。

何とかこう着状態から抜け出した我々だったが、今度は前を走るおば様達の車が伊藤温泉に着く直前で止まってしまった。そのまま進めば駐車スペースが見えて来るのに、何故か止まって動こうとしない。このおば様達にお付き合いするのを止めた私は、車の横をすり抜け前に出る。

おば様やお年寄りの行動パターンは千差万別で読めない事が多く、しっかり見極めてから行動しないと痛い目に合う場合がある。 「触らぬ神に祟りなし。」 とはよく言ったものである。


▼伊藤温泉でリラックス

バイクを奥のパーキングに停め我々が宿のフロントに入浴料を払いに行くと・・・、居ました先ほどのおば様方が・・・。出来ればお会いしたくなった方々が入浴券を発券機で購入しておられました。

我々はその様子を少し離れた所から見ていたのですが、このおば様方お仲間で温泉巡りをされているようで、各人の手にはしっかり温泉セットのが握られていて楽しそうに券を購入しておられました。

坂道で我々にバックを迫ったオバサン軍団。
彼女らも露天風呂へ。混浴でなくて良かった。

伊藤温泉には内湯と露天風呂があるのだが、その事を旅館の人から聞かされた彼女らはさんざん迷った挙句露天風呂に入る事を決め、今我々の前を歩いている。

ここの女性用露天風呂は、男性用と違いお風呂に入りながら風不死岳を見る事は出来ず、男性に比べ景色を楽しむという点から言ったら冷遇されている状態にある。それを知っている私は、楽しそうに歩いている彼女らが少し可愛そうになってしまった。

最近の温泉では女性客を優遇する傾向にあって、八幡平の藤七温泉では岩手山が綺麗に見える方の露天風呂を女性用にしているくらいで、ここ伊藤温泉はそういう意味では世の中の流れに逆らった珍しい温泉になるのかもしれない。

今日の支笏湖は台風の影響なのか波が高くうねりも出ていて、まるで海を見ているようでだった。時折水しぶきが我々の所まで飛んで来ていたが、それでも昨年と違い青空も出て対岸の山々も綺麗に見えていたから、美しい景色を眺望しながら温泉を楽しむ事が出来たのでありました。


▼今の若い者は・・・  < 爺の独り言 >

我々のこれからの予定では、フェリー乗り場のある苫小牧東港に六時まで着けば良いのだが、時間はまだ三時半にもなっておらず時間が大幅に余ってしまった。温泉から上がった我々は長椅子に座って色々な話をして時間を潰す事になった。

そんな中、お父さん一人と子供三人?(女1名、男2名)の家族連れが入って来た。女の子の年齢は10才位?(自信は無い)と思われ、さすがに素っ裸で入るのは恥ずかしかったのだろう、体にタオルを巻いて入っていた。

私はその姿を見て 「これってどうなのかな?」 と言う疑問を持ってしまった。彼女は男性から見られる事が嫌でタオルを巻いていたわけで、つまり彼女自身は女性を意識して男性露天風呂の入っていた事になる。子供が素っ裸で走り回っている姿は微笑ましいものだが、子供がタオルを巻いて入っている姿は、私には異様に見えた。

その子の父親は女の子を一人家族から離して女性用露天風呂に入らせるのが可愛そうでこのような方法を取ったものと思うが、私が親だったら女の子は一人で女性用露天風呂に入らせていただろう。

家族に取ってはその方が楽しいかもしれないが、男性用露天風呂の中でタオルを巻いた彼女の存在は完全に浮いて(彼女自身も周りを気にしてキョロキョロしていた。)おり、男性用露天風呂の雰囲気を壊していた。

それともう一つ、気になる事があった。若い男性が一人入って来て、温泉に入りながら隣の女性用露天風呂と壁を隔てて大きな声で話をしているのだ。多分彼女が隣に入っていて、その彼女と会話していたのだと思うが、静かに温泉に入ろうとしている人に取っては大変迷惑な会話だった。

そんなに話したいのなら、さっきの女の子のように、体にタオルを巻いて男性用露天風呂に入れば良いのにと思ったくらいである。

こう考えてみると、温泉は混浴風呂と女性専用風呂との二本立てにする方が良いように思えてくる。そうすれば今回のような問題は少なくなるように思うのですが、どうでしょうか。


▼時間を調整してフェリーターミナルへ


この時の私は、新潟中越沖地震のニュースに見入っていた。
裸で長話をしてしまいすっかり体が冷えてしまった我々は、服を着て旅館のロービーに行きそこで時間を調整する。そこにはテレビが置かれていて、先ほど焼肉屋の前で聞かされた地震のニュースをやっていた。

テレビでは横倒しになった電車や倒壊した家屋が写し出されており、今回の地震の大きさが窺える。秋田への影響は無かったようなので安心したが、被災した方々は大変そうである。

五時少し前、我々は伊藤温泉を発って苫小牧東港にあるフェリーターミナルに向かう。ここから千歳に出た我々は、国道36号に入り苫小牧方面に向かう。新千歳空港から苫小牧方面に向かう道が国号36号にぶつかる交差点を左折し、勇払平野の中を走る道に入り国道235号を目指す。

この勇払の原野を走る道の周りに建物等は殆ど無く、ただただ真っ直ぐな道が続いており走っても楽しくもなく景色も変化しないから、我々はジッと車の後ろに着いて走っていた。

昨年もそうだったが、国道235号に近づくに従い気温が下がって寒くなって来た。その時の私は前回のツーリングで汗を発散して涼しくなると言うインナーを着ていたのだが、風がレザージャケットの中を通るとインナーの効果が絶大で震えるほど寒くなってきた。

止まって首にバンダナでも巻けば問題なかったのだが、私事で止まるのも相棒に申し訳なく、私は左手で襟元を絞りジャケットの中に風が入らないようにして走っていた。北海道の気候は余市の暑さと言い、苫小牧の寒さと言い、半日走るだけで大きく変わる事が多いから、走るルートに合わせて服装をこまめに換える事が必要のようである。


苫小牧東港のフェリー乗場に6時過ぎに到着。


SUZUKI君も満足気の表情?























































夕食バイキング金1600円也
1600円を安くしろとは言わないが、内容を良くしてしてもらいたい。


ロボットが注いでくれた生ビール500円。
このレストランで美味しいのはコレ!?








場所を変えて第二ラウンド。

▼すみません。 ○○さんですよねぇ・・・? 
六時過ぎ、我々は無事フェリーターミナルに到着する。台風の影響でフェリーが出ないかもしれないと宿のオーナーさんに聞かされていた私は、岸壁に止まっているフェリーを見つけてホッとする。

ターミナルのバイクレーンには既に多くのバイクが止まっており、我々はその列の後ろにバイクを止める。今回、フェリーの予約はしていたが乗船券は購入していなかった為、、乗船手続きをしにフロントに行く。

フロントで6時10分からバイクは乗船と言われたが、私はお土産を買いに二階の売店に向かう。簡単にお土産を変えると考えていた私だったが、行ってみるとレジの前に長蛇の列が出来ていて思いのほか時間が掛かってしまった。

バイクの所に戻って見ると先ほどまで前に並んでいたバイクの姿は無く、我々のバイクだけがポツンと取り残されていた。バイクの所で待っていた相棒によると準備が整い次第乗船しても良いとの事で、私は急いでバックの容量を増やしお土産をバックの中に押し込むと乗船口へと向かう。

無事乗船した我々は、荷物を持って客室へ行くと今日の秋田行き二等客室はロビー手前になっていた。秋田行きがロビーの奥になる事もあるが、手前の方がエンジンの振動が少なく寝やすいようである。客室内はまだ人が疎らで我々は寝る場所を確保し着替えて夕食を食べにレストランに行くと、開店時間は7時で開店まで少し時間が有った。

我々は窓際にある椅子に座って開店を待つ事にしたのだが、そこで私は思わぬ方から声を掛けられる。

「すみません。 ○○さんですよねぇ・・・?」

そこには先ほどまで隣に座っていた若者(男性)が立っていた。

見知らぬ若者から行き成り声を掛けられて私は、彼の顔をジーッと見るが見覚えの無い顔だった。

「はい、○○ですけど・・・。」 と答えたものの・・・「誰?」

彼の話によると、彼は秋田市に住むライダーで私のツーリングレポートの愛読者だと言うではないか。彼は我々のバイクをフェリーターミナルで見掛け、我々がこのフェリーに乗っている事は知っていたようなのだが、隣の席に座った我々を見て驚いたらしい。

彼は私に声を掛けるかどうかで悩んだらしいのだが、勇気を出して声を掛けくれたのだと言う。彼は私がこのプチ北海道に出る前に何とか書き終えたFUNKY 4th.ツーリングレポートを、釧路のホテルで読んだと教えてくれた。私はFUNKYレポートにそれほどのファンがいるとは思ってもいなかったから、驚いたと同時に嬉かった。

彼らは道内三泊で北海道を回って来たそうで、秋田港を我々がいつも利用するフェリーで出発、その日は我々がいつも泊まっている穂別のポレポーレに泊まったのだと言う。ポレポーレのお母さんとも話してきたそうで、私が書いていた通りの楽しいお母さんだったと話してくれた。

私のレポートがポレポーレのお役に立っている事を知って大変嬉しかったし、今度ポレポーレを訪れた時彼の話でお母さんと飲む酒が進みそうである。

私のレポートがこんな形で読者に影響を与えている事を知り、私は本当に驚いた。私の書くFUNKYレポートは、ツーリング中に起きた出来事や体験を通じ私の感じた事やバイクに対する考え方等を書いているものだが、こんな年寄りライダーの戯言など気にとめる人は少ない思っていたら、結構見て参考にしている若い人もいる事を知り嬉しかった。

最近はブログのような形で筆者と同じ様な考えを持つ仲間?がコメントをやり取りする形が多いようだが、私のレポートの場合読者からの反応を知る機会は少なく(時々BBSにご意見を頂く事はあるが)、レポートが世間にどのように受け止められているかを知る機会は殆ど無い。

だから今回、彼に声を掛けられた事が嬉しかったのだが、だからと言って私のレポートが世間にどう受け止められているかには興味は無い。読んでくれた人がその中から何かを感じ、バイクを楽しむ時にこのレポートが何らかのお役に立てたとしたら、それだけで私は満足なのである。

話し掛けてくれた彼とは色々お話させていただいたが、今度会った時は一緒にバイクを走らせる機会が持てたらと思った私だった。彼には可愛いパートナー(相棒)がいて、あまりお邪魔しても何なので、我々はレストランが営業を始めたのを見て夕食を食べにレストラン向かった。


▼ロボットビール?で乾杯!

レストランに入るとテーブルの上にレジが置かれていて、その傍に女性が立っていた。

「バイキングになりますので、御一人様1600円になります。」 ・・・・?

私、忘れておりました。 以前にフェリーの夕食がバイキングになった事は聞いておりましたが、すっかり忘れておりました。

夕食に1600円支払うのは良いのですが、その内容に問題がある事は予想出来た事であり、私は一瞬 「失敗したぁ 」 と思ってしまった。

しかし、今さら引き返す事も出来ず、私は1600円を支払いトレーに料理を取ってテーブルに向かう。

夕食の前にお約束の乾杯をする為、ビールを買いに行く。
(当然ビール代は1600円の中に入っていない。)

ビール売り場には人がおらず、ジョッキが入った冷蔵庫の横にお金の投入口が付いた箱が置かれていた。その箱には説明書きが張られていて、ここに冷蔵庫の中からジョッキ取り出して置き、投入口に500円玉か1000円札を入れろと書いてあった。

私はその指示に従い500円玉を投入する。すると、どうでしょう。傾いたジョッキにビールが注がれていくではないか。そしてある程度注ぎ終えるとジョッキは垂直に立てられ泡が作られていく。その見事な技に私は見とれてしまいました。

私は生まれて初めてビールサーバーロボットの見事な技を見たわけだが、このビールが旨かった。今回のプチ北海道の無事終了?を祝って乾杯したロボット生ビールは、このレストランの全てのメニュー中で一番旨いと思わせる味だった。このロボットを是非自販機ルームの中に設置してもらいたいものである。


▼ニッカ 余市 10 years を飲みながら


余市工場で買って来たシングルモルトウイスキー10年物をいただく。美味しい!
20年物はもっと美味い?
レストランで九時頃まで粘った我々は、場所を窓際の席に移し第二ラウンドを始める。ここで余市で買って来た シングルモルト ウヰスキー 余市10年 物をいただく事にする。

このウヰスキー、さすがに深い味わいが有って美味かった。美味しいウヰスキーを飲みながら二人の会話は弾む。相棒はこのツーリングでライディングスタイルの改造を行って来たが、今日までにその改造を終える事が出来たようで彼の走りは秋田を発つ時とは別物になっていた。

一番大きく変わったのは深くバンクした時のアクセルワークで、バンク中後輪にパワーを掛けられるようになった事でバイクが曲がるようになり、鋭く方向転換が出来るようになった事が走りに切れが出て来た要因だと思う。

ライディングスタイルの改造が上手くいった事もあり、相棒は今回のプチ北海道に大満足だったようだ。相棒はFUNKYで走り始めて4シーズン目を迎えていて、今回彼は大きな階段を一段昇ったようである。


時間になって客室に戻ってみると皆さんご就寝になられていて、我々も早々に眠りに就く。

PM 11:20 17-7-2007 フェリー 就寝




朝まで熟睡中!











もう直ぐ下船。


話し掛けてくれた若者カップル。





北海道帰りのタイヤをチェック。


無事帰還記念写真


北海道帰りの後ろ姿。
▼無事j帰還

下船準備完了。
朝六時半過ぎ、私は目が覚めた。相棒はまだ気持ち良さそうに寝ている。昨晩は気が付かなったが、客室内にはアメリカンバイク(服装とバックで判断)に乗るライダーがいるようで、ヘルメットが置かれていた。

客室内の乗客も次々に起き始め、ライダー達(男性2名、女性1名)も会話を始める、彼らは昨晩我々のいない客室で他の乗客と会話を楽しんだようで、親しそうに話している。そのライダー達を見ていた私の目が、ある物に止まった。

彼らは下船準備の為靴下を履いていたのだが、その靴下が五本指靴下だったのである。それも女性が一人、男性一人の二人もいたのである。私は五本指靴下を履く女性を初めて見しまった。その女性ライダーは履き慣れた様子で指一本一本に靴下を嵌め込み靴下を馴染ませている。

最近はカラフルな五本指靴下も出ているから女性が履いていても不思議ではないが、私は何故か感動してしまった。FUNKYの中では主流になっている五本指靴下だが、他のライダーが履いているのを見るのは初めてで、少なからずも驚いてしまった。


私が五本指靴下を履く理由は、ステップにつま先をのせた時足の指でステップを掴み易い(実際に掴む事はできないが、微妙な感覚を感じ易い。)からなのだが、水虫になり難いという理由で履いている人もいるらしい。

何れにしましても若い女性(二十歳代前半?)が履く五本指靴下を見た私は、これからのトレンドは五本指靴下である事を確信した次第であります。西洋のソックスと日本の足袋文化との融合?で生まれた五本指靴下が、これから日本に定着していく事は間違いないだろう?

靴を脱いで座敷に上がった時、五本指靴下の事を聞かれなくなる時代は、もう直ぐそこに来ている?

今回、フェリーの下船の仕方が変わっていた。以前運転者は四輪も二輪も同時に車両甲板に降りるのを許可されたが、今回は四輪車両が全部下船した後に二輪ライダーに許可が出された。我々が車両甲板に降りて行くと、車両甲板に車の姿は無くガランとしていた。

以前も四輪を全部降した後二輪を降したから順番は変わらないのだが、多分四輪を降ろす時二輪のライダーがウロチョロして邪魔で分離したものと思われる。

昨日話しかけてくれた彼も相棒と共に下船準備をしているのが見える。また会えるかどうかは分からないが、楽しいバイクライフをおくってもらいたいものである。



▼充実した1000km





北海道帰りのリヤタイヤ。終了です!
2500kmと少々の寿命でした。

AM8:00 我々は秋田港に降り立ち、八時半前にはスタート地点に無事戻って来た。

今回の全走行距離は 1002.8km と昨年より200kmほど距離も増え、楽しい充実した1000kmツーリングだった。


今回のツーリングは二台で走ったのだが、二台間のスピード差は無く一体となった走りが本当に楽しかった。美味しい物も食べられたし、新しい道も良かったし、何よりも天候にも恵まれ思う存分走る事が出来た大満足のツーリングだった。

このレポートを書きながら、来年のコースを考えてしまっている私である。


来年も行くつもりなのか?

お前は・・・。




我々が休んでいると今回仕事で参加出来なかったA氏がやって来た。彼は早速隼のタイヤをチェックする。彼はその減ったリヤタイヤを見て、相棒の北海道での走りを想像していたようだが、その時の彼はまだ相棒のレベルアップした走りを知らない。

次回のツーリングで、相棒の走りの全貌が明らかになった時の皆さんの顔が私は楽しみである。


AM 8:20 17-7-2007 帰還



2007 FUNKY
Petit Hokkaido







Report by Ryuta



※一部U氏(相棒)の写真を使用させていただきました。