HOME / FUNKY Library
 April 2013  1st.Touring
1 2
 七曲峠の遅い春

 国道107号から県道32号に入った我々は、羽後町七曲峠を目指す。このコースが私のお気に入りな事はこれまでも何回となく書いて来たが、爽やかな日差しを浴びながらの走しりは本当に気持ちが良かったです。七曲峠のシェルターを抜けた我々は、いつもの様に肘曲のコーナーにバイクを止める。


残念ながら肘曲の桜は咲いていませんでした。

     ZOOM+

 今年の七曲峠は昨年とほぼ同じ状況で、バッケ(フキノトウ)は出ていたがカタクリの花はまだ、桜が咲くまではまだ一週間以上は掛かりそうでしたね。


カーブミラーに映る七曲峠のシェルター 今まさに顔を出したバッケ(ふきのとう)

    ZOOM+

 久しく(2009年以来)肘曲の桜の花を見ていないなぁ・・・。 エルニーニョ現象が顕著だった1980年代後半から1990年代の初めは満開の桜を毎年楽しめたもの(毎年4月29日頃)だが、近年はラニーニャ現象が多いせいなのかは知りませんが蕾ばっかりです。


眼下に広がるのは横手盆地(西馬音内)                       ZOOM+


 久しぶりの松屋

 桜を見られずふきのとうでお茶を濁した我々は、九十九折れの峠を下って西馬音内の街に入って行く。今日の昼食はお蕎麦なのだが、久しぶりに松屋さんで頂く事にいたしました。西馬音内に有る数有るお蕎麦屋さんの中で、松屋さんのお蕎麦は王道とも言える間違いないお蕎麦で、何年かに一回は食べたくなります。

 いつもの様にJA横の脇道にバイクを止めた我々が松屋さんに行くと、いつもは順番待ちのお客さんが沢山いて席が空くのを通路の椅子で待つのですが、今日は時間が早かった為か(11時を少し回ったところ)直ぐに席に着く事が出来ました。

 席を確保した所で私は通路の奥に在るトイレに向かったのですが、通路横の部屋で蕎麦を作っていたのが見えました。松屋さんは年期の入った製麺機で麺を作っていて、手打ちでなければ蕎麦では無い様なこの世の中で機械で麺を作っているのに私は少し驚いたのですが、機械だろうが手打ちだろうが美味しければ良い訳で、世の中の流れに左右されない松屋さんの姿勢に好感を持ちましたね。
 
松屋の駐車場は玄関横の1台分しか有りませんので
ご注意ください。
冷天ぷらそば大盛 800円
    ZOOM+


 私は 私の定番 冷たい天ぷらそば大盛 800円 を注文したのですが、この天ぷらそば大盛は量も充分有って(手打ちを謳うところには大盛と云いながら普通盛り以下の物が時々有る)蕎麦を充分に味わいたい人にはお勧めです。私は昨年体重を10%程落とした事も有り最近昼食は小食に努めているのだが、久しぶりの大盛で久しぶりの満腹感を味わってしまいました。

 食事を終え席を立つと、次々にお客さんを入って来ていた。時間は11時半を回ったところで、これからがお店が込み合う時間であるようだ。店を出てバイクの所に戻った時、メンバーがバイクの横でSUZUKIのキーを拾ったのだが、何故かそれは私のGSX−Rのキーだった。

 バイクを降りると私はいつもジャケットの内ポケットにキーを入れるようにしているのだが・・・何故地面に私のキーが落ちていたいたのか不思議であった? ジャケットの内ポケットを確認すると、私がポケットだと思っていたスリットはジャケットの内側に取り付けた防寒インナーのスリットで、それはジャケットの内ポケットにアクセスする為のスリットだった。

 即ち私がポケットだと思ってキーを入れたところは、ポケットでも何でも無くて防寒インナーとジャケットの隙間で底は無く、キーはジャケットとインナーの間をすり抜けそのまま地面に落ちてしまっていたようです。私が内ポケットからキーを取り出す前にメンバーがキーを発見してくれたので騒ぎにはならなかったが、内ポケットにキーが無い事に気付いたのが先だったら、彼方此方探し回って2008年の登別温泉の再現になるところでした。

 こんな事になってしまったのは、私が今年ジャケットを変更しまだその構造を良く理解していなかったのが原因なのだが、キーを拾ってくれたメンバーには本当に感謝感謝であります。

 無事に西馬音内を出発出来た私は県道311号を通って国道13号上関に出た後、国道を南下し国道108号の松の木トンネルを目指す。


 笹子から由利原へ走りを楽しむ

 我々が横堀に在る 道の駅 おかち の前を通った時、道の駅の前にバイクが4〜5台止まっているのが見えた。この道の駅は、秋田県南部では人気の道の駅でいつも多くのバイクが休憩しているのだが、今日も沢山のバイクが見受けられました。

 道の駅を過ぎてふとミラーを覗くと、我々の後ろに先ほどのバイクが着いて走っていた。バイクの種類は多彩だったが、スポーツ系のリッターバイクが中心で、我々は彼らを引き連れて走っている状況になっていた。私はこのまま国道108号の松の木トンネルになだれ込む事を心配?したのだが、彼らは国道108号を鬼首方面に左折して行ってしまいました…残念!?

 我々は院内から国道108号に入り院内銀山跡入口を通過した後、スロットルをワイドオープンにして松の木トンネルへと駆け上がって行く。トンネルに入ってスロットルを弛めるとそこはまだ冬の空気が支配する世界で、温度表示が有った訳ではないのであくまでも私の想像ですが、トンネル内の気温は5℃前後に感じました。

 真夏にトンネルに入ってヒンヤリするのは大変気持ちが良いものだが、今回のヒンヤリには驚かされました。早くトンネルを抜けようとスピードを上げれば寒さが増す為、私はそのままのスピードを維持し白く小さな点に向かって我慢の走行を続けのでした。

 トンネル内は夏涼しく冬は暖かいと思っていたのですが、春は寒く感じる事を私は今回初めて知りました。この時期に何回もこのトンネルを抜けている私だが、今回の様な経験は初めてて私の知らない松ノ木トンネルを今回知る事になったのでした。

 冬から春の日差しが眩しい空間に飛び出した我々は、再びスロットルをオープンにして走りを楽しみ 道の駅 鳥海郷  向いに在るいつもの JA SS にバイクを入れ給油&休憩を行う。毎年このGSを利用させてもらっている我々だが、対応してくれた男性スタッフは我々を認知しており、店内にコーヒーが有るから休んで行って下さいと勧めてくれる。


JA 笹子 GS
我々が行った時はいつものオジサンが一人で忙しそうに
働いておりました。


 店内に行ってみると昨年は無かったウォーターサーバーが設置されており、そのサーバーはお湯も出るようになっていた。サーバーの横には紙コップが置かれ温かいコーヒーが飲めるようになっていて、昨年までは120円の缶コーヒーを飲んでいた我々は、有り難く無料コーヒーを飲んで休憩させて頂きました。

 ゆっくりと休憩を取った我々は笹子を発って矢島花立を目指したのだが、定番ルートの猿倉から花立に抜ける道が昨年の暮れから地滑りで通行止になったままとの情報が有り、今回は国道108号を矢島まで行き矢島から花立に上がるルートにしました。

 国道108号からは時折鳥海山が見えるのだが、午前中の青空をバックにした綺麗な鳥海山ではなく灰色の雲をバックにした暗い鳥海山に変わっていた。我々は今回も鳥海山5合目の祓川まで行く予定にしていて、雪の回廊を抜け綺麗な鳥海山を眺めながら早春の息吹を感じたいと考えていた私だが、この調子では綺麗な鳥海山は期待薄で、午前中に鮮やかな鳥海山を眺めていた事もあり、今回は祓川行きはパスする事にいたしました。

 私が矢島から花立に上がる県道32号を走るのは久しぶり(10年以上ぶり?)でした。道は以前と殆ど変っておらず見覚えが有る景色が次々に飛び込んできて懐かしく走ってしまいましたが、昔走った道を久しぶりに走るのは色々な思い出が蘇ってきて結構楽しいものです。

 矢島スキー場手前でいつもの道に出ると、やはり猿倉方面には柵がされ通行止になっていました。我々は花立で由利原方面に右折、南由利原のサイクリングターミナルを目指す。さすがに花立や由利原高原は観光地、走っている車も多く車の後ろに着きながら走った我々は、南由利原サイクリングターミナルの前にバイクを停める。



南由利原サイクリングターミナルのレストランは営業していましたが、意外にも止まっている車やバイクが少なかったですね。


 サイクリングターミナルの駐車場に車は少なく、バイクも我々の後に1台入って来ただけでしたが、昨年の11月中旬にお散歩に来た時冬期休業になっていたレストランは営業しておりました。

 休憩している我々にオジサンが話し掛けてきて、ここに来る前オジサンは土田牧場に寄って来たようで土田牧場が新しく綺麗になっていたと教えてくれた。そこで私は駐車場が舗装されたか訊ねたのだが、駐車場は砕石のまま変わっていなかったようです。

 車の人は思わないのかもしれませんが、砕石の駐車場はバイクに取って嫌なもので、押したり引いたりに疲れるし、サイドスタンドが安定しないし、ブーツは埃だらけになるし、とにかく気を使うんです。土田牧場さん、建物のリニューアルの後は駐車場の舗装をお願いします。

 休憩を終えた我々は、土田牧場の在る仁賀保高原へと向かう。


 思わぬ出会い

 冬師の十字路を直進し我々は仁賀保高原を上り始めたのだが、半分ほど上った所で前方からブルーのYZF−R6が下って来るのが見えた。

 < アレェー・・・!! >

 私はそのR6に見覚えが有った。R6のライダーも私達を見て驚いた素振りをみせていたが、直ぐに止まれる筈もなくお互いにそのまますれ違って行くのであった。あのR6のライダーは間違いなくお店のお客さんで、機会を作って一緒に走ろうと約束していたライダーさんだった。

 私は止まってR6が戻って来るのを少し待ったのだが、結局予定通り見はらし台まで行く事を決断、我々が見はらし台で休憩している間にR6が引き返して来る事を期待しての決断でした。仁賀保高原から道路状況を確かめながら見はらし台に下った我々は、休憩を取りながらR6がやって来るのを待った。

 しかし、バイクの音は聞こえてきませんでした。遠くからバイクの音が聞こえたような気もしたのですが、音は下の仁賀保の街の方からの聞こえたような・・・?

 結局私は、R6がよく休憩すると云う南由利原サイクリングターミナルに戻る事にしたのだが、我々が走り出して仁賀保高原を半分ほど上った所で再び前方からR6が・・・。

 何と云う間の悪さ・・・。

 見はらし台でもう数分待っていれば合流出来たのに・・・。

 先ほど聞こえたバイクの音は、山々にバイクの音が反響し下の方からの様に聞こえたのかも・・・?

 色々な事を考えてしまった私だが、今回もまたお互いを確認してすれ違って離れていくのでした。

 仁賀保高原に上がった所で私は道路脇にバイクを止めR6が引き換えして来るのを待ってはみたのですが、バイクの音は聞こえてきませんでした。我々はこれから大内のかすみ温泉に向かうのですが、R6がサイクリングターミナルに居ない事は分かったので、サイクリングターミナルには立寄らず冬師からコロニー入口に出てかすみ温泉に向かう事になるのだが・・・。

 しかし、R6と二度もすれ違ったのも何かの縁、このまま会わずに行くのも何なので私は今一度見はらし台に下る事を選択する。もしR6が見はらし台に居なかったとしても、仁賀保高原のワインディングをもう一往復楽しめるわけで、それはそれで楽しから我々はバイクを方向転換して見はらし台へと下って行く。


見はらし台到着(一回目)   めでたく我々と合流を果たしたR6さんは、私のバイク
  を写真に収めていた。


 そして見はらし台に到着してみると、そこに我々を見つめるR6の姿が有って引き返したのは大正解でした。三度目にして合流を果たし我々は大いに喜びあったのですが、R6はこれから秋田市に帰ると言うので我々と一緒に帰ろうと誘ってみる。

 我々はかすみ温泉・南外(出羽グリーンロード)経由で帰る為時間は掛かるが(R6は沿岸道を使って直帰予定)時間は大丈夫との事で、R6は我々と秋田市まで同行する事になったのでした。


 初めての経験?

 R6と同行するに当り、R6の走りを確認する為私が最後尾に下がり、GSX−R750が先頭、二番手R6、三番手私の順番で仁賀保高原を上がって行く。先頭に立ったR750はR6を頑張りの走りを見せ、先頭と二番手の間は次第に開いて行くのでありました。

 その様子を最後尾から楽しく拝見していた私だが、R6の走りは状況判断も良く安定した走りで、R6で3万キロ以上走った実績は伊達では無く、しっかり状況を判断して走れるライダーで有る事が良く分かった。

 四角井戸溜池からコロニー入口間は私が先頭でフリーに走らせてもらったが、コロニー入口にバイクを止めると少ししてR750がやって来て、そして少し間が有ってR6がやって来る。R750はここで後続を待つという行為をした訳だが、それはFUNKYツーリング5シーズン目にして今回が初めての経験だったかもしれません。

 FUNKYでは分岐点やある区間でメンバーがバラケタ場合止まって後続を待つのだが、R750はこれまでの4年間で止まって後続を待った経験は無く(多分?)、短い時間では有りましたが5シーズン目にして初めて後続を待つ気持ちを味わったのでした。

 コロニー入口から沿岸道の下を2回潜り由利鉄道の下で信号待ちをした後、国道108号を横断し国道107号に出た所のローソンにバイクを停めた我々は、休憩を取ると共に今後の予定を考える事にいたしました。


 久方ぶりのかすみ温泉

 かすみ温泉へは国道107号東由利経由で考えていた私だが、時間的に東由利を回ると秋田市への帰還が遅くなりそうな為、今回は沿岸道大内IC経由国道105号で向かう事にいたしました。かすみ温泉カスミ桜で有名なのだが、以前訪れた2009年はカスミ桜は咲いていませんでした。

 今回こそはカスミ桜を見たいと思っていた私だが、2009年の七曲峠の桜が3分咲きだった時、カスミ桜はまだ蕾だった事から今年もカスミ桜が蕾である可能性は高いのかな・・・?

 国道105号葛岡のトンネル手前を右折(かすみ温泉の看板有り)、道なりに暫く進むと左側にかすみ温泉の建物が見えて来る。我々は玄関前を通し過ぎ奥の駐車場にバイクを停めたのだが、駐車場の目の前に有るカスミ桜は私の予想通り咲いておりませんでしたね。

 このカスミ桜は北向き斜面に立っているのだが、向いの日当たりの良い南向き斜面に有る山桜は既にピンクの花を咲かせていたから、残雪と同じく北向き斜面の春は遅いようであります。




     ZOOM+

     ZOOM+


 私は4年ぶりのかすみ温泉を楽しんだのだが、湯船から窓越しに蕾のカスミ桜が見えていた。花が咲いていれば花見をしながらの温泉と云う最高のスチエーションだったのですが残念です。かすみ温泉は冷泉で沸かし湯なのですが、PH9.5と結構なアルカリ性の温泉で、入っているとお肌がスベスベになる感じで美肌効能が大きのではないかと思われます。



かすみ温泉の駐車場前にカスミ桜が在る。

かすみ温泉は冷泉だがPH9.5のアルカリ性の温泉で、入っているとお肌がスベスベになる美肌温泉です。


 今シーズン最初のツーリングを走り切る

 温泉で体を温めた我々は、かすみ温泉を発って国道105号を大曲方面に右折、南外へと向かう。矢立峠のトンネルを抜けて大内から南外に入った我々は、出羽グリーンロードに左折して一気に秋田市を目指す。走り慣れたグリーンロードに入って私はペースを上げ、一人走りを堪能してしまいました。

 国道13号から大張野を経由して広域農道に出るルートで、私は再び最後尾から皆さんの走りを見させてもらったのですが、R750はR6に追い着かれまいと一生懸命走っていましたね。

 PM5:30過ぎ、我々は無事秋田市に帰還する。2台で出発して3台で帰って来た今回のツーリングは、大方予定通りに終了する事が出来た。天候にも恵まれ(本荘付近で一瞬パラッと来た時は焦ったが・・・)美しい景色も見られたし、美味しい蕎麦を食べ温泉も良かったし、何よりも走りを楽しむ事が出来たのが良かった。

 今日FUNKYの2013年シーズンが始まった訳だが、自分としては今日一日走ってみて今シーズンも走れそうな感触を得られたのは本当に良かった。この歳になると長いOFFシーズンを経て新しいシーズンが始まった時、走りがどうなっているか(視覚やスピード感等を含め)確認するまでは結構不安なものなのである。

 今年のFUNKYツーリングは、発足35周年と云う事も有ってこれまでとは少し違ったルーティーンで例年より内容の濃いスケジュールを組んでいるのだが、私は最終ツーリングまで無事に完走出来る事を切に願うものであります。

 

走行距離 354kmと祓川を省略したので30km?程短目になりました。


 END


前へ
1
2
次へ
2ページ中2ページ目を表示
by Ryuta
Thursday 16 MAY 2013
           HOMEFUNKY LibraryRyuta’s Museum東北情報北海道情報秋田の林道秋田ヤブ山紀行Mail         TOP

Copyright(C) HIRATA  MOTOR CO., LTD.All rights reserved.