9月21日(火) 4日目  網走⇒根北峠⇒知床峠⇒裏摩周湖⇒阿寒湖⇒野中温泉⇒足寄⇒幌加温泉 泊
   第4日目コース
今朝はいつもより起きるのが遅くなってしまって、6時を回っていた。カーテンを開けて見るとバイクカップルの女性が馬に乗っていた。ここでは前日予約すると翌朝馬に乗る事が出来るのだ。彼女は今日生きた馬と鉄の馬に乗る事になりそうである。

空は雲ってはいたが、直ぐに雨が降ってくる感じではない。今日のメインディッシュは、根北峠と知床峠の二つのスペシャルステージでせめてこの二つの峠はドライ路面で走りたい。午後は釧路湿原から白糠、本別と走って今日の宿幌加温泉に行く予定であるが、雨の具合で予定の変更は有りそうである。



今年は和食の朝食の日。

窓の外には羊が一匹、二匹・・・・。

食休み。

後がカップルのバイク
スティード&VFR800


k氏&ZRX&アニマ

旦那がお見送り。
●今年の朝食は和食の番
アニマの朝食は和食と洋食のパターンが有って、今年は和食パターンに当った。前にも書いた事が有ったが、私はアニマの洋食パターンの朝食が好きで、テーブルに和食パターンがのっているのを見て少なからず落胆してしまった。

勘違いされては困るが和食の朝食が美味しくないと言う事ではなく、これは私の嗜好の問題なのだ。朝にはトーストと新鮮な牛乳とヨーグルトが食べたいのだ。しかし、今年は鮭や納豆や焼き海苔が並んでいる。

アニマが初めてのk氏は、朝食に洋食パターンが有る事など知らないから普通に食事を始めていた。テーブル脇の窓からは、牧場の景色が見えていて何とも爽やかな気持にさせてくれる。

食後テレビで天気情報を再チェック、北見、網走地方を除いて午前中は殆んどの地方で雨マークが並んでいる。今日は雨を覚悟しなけれはならないようだ。私はせめて根北と知床の峠はドライであって欲しいと願わずにはいられなかった。


旦那に見送られてアニマの里を出発
宿代を払いに帳場に行くと、誰もいなかったので厨房に行くと奥様がいた。奥様に清算をお願いして支払いを済ます。奥様は今日は何処までと聞いてくる。

私は「幌加温泉まで」と答える。

この会話、この数年毎年の様に繰り返されている会話で、

奥様は 「また幌加温泉なの・・・。」

とは言わなかったが、アニマの後は幌加温泉へのパターはこの数年崩れていない。

出発の支度をして旦那に挨拶をし外に出る。我々がバイクに荷物を積んでいる様子を旦那が外に出てきて掃除しながら見ている。旦那の見送りを受けた我々は、アニマの里を発ってまずはガソリンスタンドに向かう。

網走市内でガソリンを給油、斜里に向かう。斜里から国道244号に入り根北峠に向かった我々は、越川温泉の前を過ぎハミ禁の黄線が白線に変わったのを合図にアクセル全開でペースを上げる。


今年も根北峠を堪能す
ここから峠までの区間は私の大好物で、私は走る事に集中していて後のk氏の事を考える余裕は無かった。峠までの前半は高速区間、後半はヘアーピンコーナーも有る低中速区間となっていて、私の頭の中には各コーナーががインプットされている。


複合コーナーのトリック
私は前半の高速区間でk氏を大きく引き離していたようでk氏は単独走行になっていた。しかし彼は私に追い着こうとペースを上げ高速区間から低中速区間に移行する所にある緩い左コーナーに入って行った。

k氏は緩い左コーナーのつもりでスピードを落とさず進入して行ったが、行き成り目の前に左ヘアーピンコーナーが現れ慌ててブレーキを掛けるが間に合わず、はらんでしまったようだ。

ブラインドコーナーは探って進入するのが原則である。私はその複合コーナーを手前の左コーナーと奧のヘアーピンコーナーを一つのコーナーとして捕らえアプローチをしている。

もっともこのコーナー(244のマークの所)手前左側には、コーナーの形を書いた標示板が立っているのだが、k氏はそれを見落としてしまったようだ。

低中速区間に入って少し行くと工事が行われていて、警備員が停止を指示している。この様な場合、警備員方々は我々を見て慌てた様子で停止を指示する。そんなに大げさにしなくても余裕で止まれるっチューネン!

峠でk氏と一緒になり、下り始める。これからの区間はパワーが有る者が偉い区間でTZRでは役不足なのだが、幸か不幸かZRXにはスピードリミッターが効いていて二人のバイクに最高速の差は殆んど無く、私はZRXにちぎられる心配はなかった。

もっともZRXのリミッターが効かなくてもカウルが無いも同然のZRX1200Rでは、ライダーが風圧に耐えられない為リミッター付きと出せるスピ−ドに大差ないと考えられる。とにかくリミッターが効く程のスピード域では、ヘルメットが左右に振れてライダーは大変らしい。


TZR 6速を吹け切る
今回私は北海道に来るにあたり、TZRのフロントのスプロケットをスタンダードの14Tから15Tに1枚増やして来ていた。これにより最高速は7%強高くなる計算だったが、根北の高速ステージでは6速を吹け切ってしまっていたので、北海道対応仕様としてはもう少しファイナルを上げる必要がありそうである。

根北峠を下り切り長い直線に出た我々は、羅臼に向かうため古多糠に左折する。

根北峠を走り終えて古多糠で休憩を取る。



羅臼のGSで8L給油。
網走で給油してから1時間40分後であった。



今日の知床峠からは
羅臼岳がくっきりと見えていた。



優しいおじさん、k氏。



絵になるおじさん、k氏。
●今年の知床峠は最高!
古多糠の信号の先に有った自販機の前にバイクを止め休憩を取る。バイクを降りて早速タバコに火を着けたk氏は、初根北峠の感想を語り始める。一ヶ所やばかった事、後半の高速ステージは風圧が凄かった事、それでも段々風圧が少ないポジションを探し出し高速走行にも慣れてきた事などを興奮気味に話す。

初めて根北峠を経験したライダーは、ただただ夢中で走ってしまって周りを見る余裕も無く根北を走り過ぎてしまう。回を重ねる度に根北を楽しむ余裕が出て来るので、是非また来年走りましょう。

古多糠から国道335号に出て羅臼を目指す。海岸線を走るこの道は、海の向うに国後島が見えていて、いつ見てもその近さに驚く。この道ではカーブで水を撒きながら走るトラックがいる。コーナー毎にトラックから水がこぼれ、コーナー部分が濡れている場合があるのだ。

コーナーだけがウエットのこの状況はライダーにとって大変走り辛い状況で、ドライのつもりでコーナーに進入したらそこはウエットだったりしてしまう。その為コーナーが濡れていたら、その先のコーナーも注意が必要でスピードを抑えて進入した方が賢明であろう。

羅臼に到着しGSで給油する。知床峠の反対側ウトロまでガソリンは間に合うとは思ったが、山に入ってしまうと何があるか分からないので早めに給油する。

給油後、いよいよ今日2つ目のスペシャルステージ知床峠に向かう。私は知床峠を走るのは98年以来6年ぶりで楽しみにしていたが、知床峠はいつも車やバスに邪魔されて思うように走れない事が多くそれが心配であった。

熊の湯を過ぎペースを上げる。覆道を過ぎて細かいワインディングになるとハミ禁の黄線が始まりここでバスに捕まるとお手上げ状態になるのだが、今年は我々の前に車が現れないままハミ禁が終了する。

タイミング良く白線になってから車が現れこれをパス、峠を目指す。結局、車やバスにストレスを感じる事無く知床峠まで走り切る事が出来た。私はこれまで知床峠を6〜7回は訪れていると思うが、今年ほどクリーンな知床峠は初めてで、こんなに楽しく知床峠を走れたのもまた初めてであった。知床峠が北海道屈指の峠道である事を確認した今日の知床の走りであった。


羅臼岳が眼前に
知床峠に到着してみると、羅臼岳が眼前に迫って見えていた。此処から見る羅臼岳は見る者を威圧するほどの大迫力で迫ってくる。

しかし峠から羅臼岳山頂が見える事は珍しく、何回もこの地を訪れている私でも山頂を見たのは今回で2回目で、今日の我々は大変幸運だったと言える。知床峠の高さは絶妙で、普段はこの峠付近に雲が掛かっている事が多く、下は晴れていても峠付近まで来ると雲の中に入り周りが見えなくなり、そして少し下ると視界が回復する事が多々ある。


羅臼岳をバックにモデル撮影会?
パーキングにバイクを停め休憩していると10代後半と思われる女性カップルが、我々に 「写真お願いできますか。」 と頼んでくる。

「しょうがないなぁー。それじゃーおじさんが・・・。」と私が一歩踏み出そうとした時、k氏は彼女らの前に立っていた。

「速ャーッ。」 わたくし、k氏のフットワークの良さには感服いたしました。敏捷性には多少自身を持っておりました私でありますが、k氏には勝てませんでした。

「ウゥッ。」 勝ち負けの問題か?

キャピキャピモデルさんの撮影会はポーズを換えながら数分間続き、モデルさんのリクエストに応え甲斐甲斐しくカメラマンを務めるk氏の姿には、年齢を感じさせないものがありました。

モデル撮影会も無事終了し、休憩を終えた我々は峠を発ってウトロに下って行く。羅臼側と違ってウトロ側は直線が多く走っても楽しみは少ないかも?

ウトロから斜里に向かうオホーツク海沿いの道は、道路の改良工事が進み道幅も広く快適に走る。我々の前後にバイクが増えてきて、我々はバイクの後ろに着いてゆっくりと走る。

在りし日の遠夢想野の店内




札弦のレストランメニュー
カツ&ミートソース
ボリューム満点。




カツ丼もボリューム満点。
斜里 遠夢想野は今
斜里からは清里に抜ける事にしていたので、途中に在る昔よく立ち寄った遠夢想野に行ってみることにした。以前寄った時は営業していなかったが、今年はどうだろうか。

民宿じゃがいも亭の中にある
遠夢想野(トムソーヤと読む。)は、じゃがいも亭をやっているご主人の奥様がやっていたと思われるが、昔は天上にドライフラワーの綺麗なお花畑が有り、新鮮な牛乳とジャガイモのセットメニューが有ったりして、FUNKYはよく利用させてもらっていた。

以前寄った時、建物の中に奥様の姿は見えずご主人と友人と思われる方がお酒を飲んでいて、営業はしていないが酒は飲めると言われた事があった。今回も多分営業していないとは思ったが、遠夢想野がどうなっているか見てみたくて立ち寄った次第です。

舗装道路から昔と同じ泥道を進んで行くと、遠夢想野が変わらない姿で建っていた。建物の前で止まり開いていた扉の中を覗いて見ると、中は物置になっている様で色々な物が置かれている。

すると中からご主人が出て来たので営業しているか聞いてみる。ご主人は手をクロスして営業していないと教えてくれる。私はこの状況からして今後とも営業再開は無さそうだとの思いを胸に、遠夢想野を後にした。


●さあ これからどうする
斜里から清里町と走り裏摩周に向かっていたが、清里町を過ぎた辺りから空模様が怪しくなってきた。シールドに水滴がポツリ、ポツリと付きはじめる。時間も昼時だし昼飯を食べながら今後の予定を検討しようと食事処を探して走る。すると札弦でレストランを発見その駐車場にバイクを停める。

温泉に併設されたこのレストランは、昼時とあって仕事人で結構繁盛している。考えてみれば今日は休日ではなく普通の日で、知床峠が空いていたのも当然であったのかもしれない。

k氏はカツ・スパゲッティ、私はカツ丼をオーダーする。出てきたカツは肉厚で肉も柔らかくボリューム満点、N氏に是非食べさせたいとk氏と意見が一致した。

食後、これからの予定の検討に入る。予定ではここから裏摩周を通って弟子屈、標茶、鶴居、釧路湿原と走って白糠へ出て本別に抜ける事にしていた。k氏の持っている携帯電話で雨雲の気象レーダー画像が見られるので見てみると、我々がこれから向かおうとしている南の地域は軒並み雨が降っている事が分かった。本当に便利な時代になったものだ。


寒い時はヤッパ温泉でしょ
路面は濡れている状態で何処をどう走っても楽しくは無い。最短で今晩の宿、幌加温泉に向かう事で意見は一致したが、ただ雨の中を走るのも面白くない。そこで途中にある温泉でゆっくり温まって行こうと言う事になった。

幌加温泉に行く最短コースは、弟子屈、阿寒、足寄と走る国道241号で行くのが近い。ここから最短で弟子屈に行くには野上峠を越えて川湯に出るのが近いのだが、裏摩周、清里峠の道も捨て難いものがある。まずは予定通り裏摩周に行き清里峠を越えて雨の様子を見る事にする。

弟子屈からは阿寒に出て足寄に向かうのだが、この間に温泉がないか探してみる。オンネトーの近くに温泉が有った事を思い出し、地図を見てみると野中温泉の名前が有った。確かこの野中温泉は昔からの温泉でテレビか何かで見た時、温泉の色は白かったような気がする。温泉は野中温泉に決めた。

霧では無く、雲の摩周湖。

オホーツク海側は雨は降っていないが
反対側の空は真っ暗。


裏摩周パーキングで、一番奥のバイクは3型刀。
●まずは裏摩周まで行ってみる
レストランを出ると雨は殆んど降っていなかったが、私は雨具を着る。k氏の場合防水透湿ウエアーの為雨具を着る必要は無かったが、レイングローブをはめる。

裏摩周に向かって走り始めると路面は直ぐにウエットになり、雨もハッキリと落ちてくる。神の子池入口まで来ると路面は完全なウエットで、走りを楽しむところでは無くなってきた。清里峠シェルター手前から裏摩周に登って行く。

いつもならここのワインディングを大いに楽しむのだが、今日はただ登って行くだけで駐車場までの道がこんなに長かったとは知らなかった。展望台下の駐車場には大型バスも無く人影も疎らだった。

何故か、さっきまで降っていた雨は上がって展望台からは摩周湖の湖面が見えていた。湖面の上には無かったが、外輪山には南の方から雲が流れてきているのが見えた。

霧の摩周湖と言うが、k氏は今まで何回か摩周湖を訪れていて晴れた摩周湖しか見た事が無かったと言う。今日は始めて霧の摩周湖を見られると期待?して此処に来た彼だったが、今日も霧の摩周湖は見る事は出来なかった。・・・て言うか、霧の摩周湖では霧しか見えないしょ。


ヤッパ 雨・雨・雨
写真を撮り早々に駐車場に戻ると750刀のV型が我々の隣に停まっていた。彼は養老牛温泉の露天風呂に入って来たそうで、向うの天気を聞いてみる。彼の話によると向うはしっかり雨が降っているようで、先が思いやられる。

駐車場を発って慎重にワインディングロードを下り、シェルターを抜け清里峠を下って行く。此処の下りは結構スピードが乗るのだが下るにつれて次第に雨が強くなって来る。しかし、私はそこそこのスピードで峠を下ってしまったのである。

養老牛から国道243号に出て弟子屈に行き、弟子屈からは阿寒横断道路・国道241号で阿寒湖に向かう。双岳台に登って行くと標高が上がった為か気温が下がってきて、気温標示は10℃前後の数字を示している、寒い。早く温泉に入りたいと先を急ぐが、車が多く追い越しもままならず車の後ろに着いて走る。

国道241号と国道240号の供用区間に出て阿寒湖方向に走り始めて直ぐTZRが予備タンに入る。私は次の給油を足寄に予定していたが、ここで予備タンでは足寄まで持ちそうもなく阿寒湖で給油する事にする。

阿寒湖で給油後、足寄に向かい国道240号と別れ再び国道241号でオンネトーを目指す。オンネトーには以前行った事があり迷う事無く国道241号からオンネトーに左折する。雨は上がってきたが霧が出てきて視界が悪くなってきた。深い森と霧に包まれた野中温泉に、我々はPM2:30に到着した。

オンネトーの手前に在る野中温泉。
良い温泉です。


私はこの内湯の雰囲気が好き。



露天の雰囲気は?
野中温泉お勧めです
原生林の中に建つ野中温泉別館の前にバイクを停めた我々は、玄関先で雨具を脱ぎ中に入る。建物の中は新しくはないが綺麗に掃除されて感じが良い。

野中温泉の敷地内には建物が二つ有って私はどちらも同じ経営だと思っていたら、このレポートを書く為に野中温泉の事を調べていて奧に在った建物がユースホステルであった事を初めて知る。野中温泉は、元々ユースホステルであったらしく、後に国民宿舎野中温泉別館を建てたらしい。

隣の建物の方から温泉のパイプが配管されているのが見えていたので、私は隣の建物は旧館だと考えていたが、旧館ではなく野中温泉の元祖であったようだ。

我々はフロントで入湯料300円を払って浴場に行く。この別館には総アカエゾマツで造られた内風呂とご主人が手造りしたと言う露天風呂がある。最初露天風呂に行ってみたが、手造りだけあって?わざとらしい岩の配置とアスファルトの地面に納得がいかなくて私は好きになれなかった。

それに引き換え木造りの内風呂は私好みの素晴らしいお風呂で、木の温もりを感じる赤蝦夷松で造られたお風呂は、青森ヒバのお風呂とはまた違ったワイルドな感じで、入っていると北海道を感じさせるお風呂だった。

温泉に浸りながら窓の外を見てみると、霧に包まれた幻想的な原生林が見えていて、我々は思い切り北海道に包まれた時間が過ごす。こんな時が北海道に来て良かったと実感する時である。

居心地が良くてここに泊まっても良いと思った私であったが、そうもいかず温泉から出て和室で休憩した後、野中温泉を出発する。国道241号に戻って山を下って行くと足寄近くになって雨も上がって来る。

糠平のGSがやっていたらこんな事は心配しないのだが、明日の事を思うと少しでもガソリンを給油して幌加温泉に着きたいと考えていた私は、足寄で給油するかどうか悩んでいた。阿寒から足寄までではガソリンは幾らのも入らず出来ればもう少し先で給油したいと考えていた私は、昨日通った芽登で小さなGSを見た気がした事を思い出す。まずは芽登まで行ってみる事にする。


このGSは使えそう
国道241号から芽登の街に入り少し走ると、商店の隣に小さなGSを発見する。昨日のおぼろげな私の記憶は正しかったのだ。給油スタンドの前にバイクを止めた我々だったが、スタンドには誰も居なかった。そして誰もやってこなかった。少し待ってはみたが状況は変わらず、k氏は店の奧に人を探しに行く。

私はGSの壁に書かれている名前と隣の商店の看板に書かれている名前が同じ事に気付き、このGSは隣の商店がやっているのだと確信、商店に行ってみる。すると若いアンチャンが軍手をしながら出て来た。

このGSは、普段は人は居なくてお客さんが来たら商店から人がやって来て給油するシステムであるようだ。この形態のGSはFUNKYが良く立ち寄る宮城県花山村にも見られ、田舎では良く見られるGS形態である。

このGSの位置が糠平から芽登に抜ける裏道の近くに在り、糠平GSの代わりとして利用価値が高そうである。

ガソリンが少ししか入らない事を断ってアンチャンに給油をお願いする。給油を終えた我々は裏道を通って糠平に向かい、糠平のいつもの商店でアルコールを調達する。k氏は本来ならばここでM氏の忠告通りタバコを買う筈だったのだが、ここに来る前のセイコマートでタバコを調達済みであった。

買う物を買って、我々は幌加温泉に向かった。

幌加温泉の定位置にバイクを停める。
紅葉は3〜4日前から始まったばかり。
例年より遅い様である。


お犬様は相変わらずのマイペース。



これから温泉に行きまーす。

旅籠夕食の王道の献立。

夕食は2回目の部屋食でした。
幌加温泉 「オイル洩れる人は来なかったの?」
昨日通った道を今日は反対方向に走って幌加温泉に到着する。PM5:15
玄関前の定位置にバイクを停めると親父さんが出て来て挨拶を交わす。親父さんは私とk氏の姿を見て「オイル洩れる人は来なかったの?」と聞いてくる。

オイル洩れる人とはR6に乗るあるFUNKYメンバーの事を差すのだが、私は苦笑しながら 「今年は来ませんでした。」 と親父さんに答える。親父さんはオイルが洩れる人がよっぽど印象に残っていたんだろうね。

2回ここに泊まって、2回ともオイル洩れを修理していれば、印象に残って当然と言えば当然だわな。(そこんところの事情は FUNKY北海道レポートPart18&20 をご覧下さい。)


お犬様にもご挨拶
荷物を降ろしているとおばさんも出て来て一年ぶりの挨拶を交わす。そして取りを勤めるお犬様が帳場から呼ばれて登場する。お犬様は相変わらずのマイペースで、我々にいつもの様に挨拶代わりの愛嬌を売って定位置で用を足して戻って行った。

親父さんに階段を登った右一番奥左側の部屋に案内される。「前回ここに泊まった時、確かオイルが洩れる人が一緒だったな。」等と考えながら私は部屋に入る。初めて幌加温泉を訪れたk氏は、ここの古いが趣の有る雰囲気がお気に召した様である。


幌加温泉ファン ゲット
親父さんに夕食は6時半からにしてもらって、私はk氏に「足の裏には充分気を付ける様に」とだけ言って二人で温泉に行く。私の言った意味が理解出来ないでいたk氏であったが、浴場の扉を開け足を床に下ろした所で私が言った意味を理解する。

ここの床は温泉から析出したカルシウムやカリウムでギザギザになっていて、気を付けないと足を切ってしまいかねない状態になっているのだ。

私は一年ぶりの幌加温泉のお湯をジックリと味わう。ヤッパここの温泉が一番落ち着く。何がどう落ち着くかと聞かれても私は口では説明出来ないが、この温泉に入っているとコレコレここが一番と思ってしまう。

初めて幌加温泉に入ったk氏にもこの温泉の良さをご理解頂いた様で、二つ有る泉質の温泉を代り番こに入っていらっしゃる。私は幌加温泉ファンを一名、ゲットしてしまったようである。この温泉に嵌ると、これが病み付きになるんだ本当に。

ここには打たせ湯も有るのだが、源泉をそのまま使用している為夏場は温度が高く熱くて入っていられない場合が多い。(打たせ湯の下が湯船になっていて、そのお湯が熱くて落ちるお湯の下に居られなくなるんです。)

今年の打たせ湯は、温度の具合が丁度良く問題無く入って居られた。ここの打たせ湯は、高さとお湯の量がが絶妙で心地良い。久しぶりに打たせ湯のお湯を肩や首や腰に当てその刺激を楽しむ。

打たせ湯に入ったk氏曰く「この小さな湯船では、N氏が嵌ったら出られなくなる心配があるな。」私も同感であります。


今年は部屋で夕食
一年ぶりに幌加温泉を堪能した私は、部屋に戻り寝まって休息する。今日の夕食は親父さんが食事を部屋まで運んでくれるそうで、運ばれて来るのを部屋で待つ。いつもは下の部屋に用意された夕食を食べに行くのだが、今日は二人なので部屋まで運んでくれるようだ。部屋食は2回目かな。

時間になって親父さんが食事を運んで来る。配膳は我々が行うセルフサービスなのだが、ここでk氏が知床峠でも見せたフットワークの良さを発揮、手際良く食器をテーブルの上に並べていく。その手際の良さに私はここでもただ見ているだけだった。お手間を掛けます。

ビールの栓を抜きコップを合わせ今日の無事を乾杯する。ここの夕食は特に変わった物は無いのだが、サーモンの刺身など一つ一つの食材が新鮮でそしてしっかり味付けされていて、一年経つとまた食事が楽しみになるから不思議である。私はテーブルの載っていた物を全部平らげ食事を終える。旨かった。

食後、k氏と温泉の話になってこの幌加温泉にはもう一軒宿が有って、数種の泉質と露天風呂が楽しめる事を教える。折角だからその鹿の谷(かのや)に行く事になった。

下の帳場に行って秋田からも持って来たお土産を親父さんに渡し、鹿の谷に行って来る事を伝えると、親父さんは鹿の谷の入湯券を私に2枚渡してくれた。

以前鹿の谷に行った時は、オバさんがここの浴衣を着ていけばそのまま入れますと言われそのまま入って来たが、今はシステムが変わって券が必要になったようである。因みに入湯料は500円である。

泉質が違う温泉が4つ有る。混浴である。



夜の幌加温泉は真っ暗。



玄関先にてご主人さんとZRX。


ごろ寝が似合う幌加温泉の部屋。


これって北海道限定?ですかね。

●鹿の谷の露天は真っ暗
外に出て見ると大分冷え込んでいて、足早に鹿の谷に行き玄関脇に居た人に券を渡し廊下の突き当たりに有る温泉に行く。左側の男と書かれた脱衣所で裸になり浴場に入って行くと、我々の扉の隣に女性の脱衣所の扉があった。その事に驚いたk氏は浴場の中を見回している。

そうなんです。ここ鹿の谷は混浴なんです。我々以外に人は居なかったので、混浴でも何のトキメキも有りませんでしたが、前に来た時は男女のカップルが足早に去って行った事が有りました。

我々は3つ並んだ内湯の浴槽の脇を通って奧の扉を開け、まずは外の露天風呂に行く。扉から露天風呂までは10m位の距離があって飛び石伝いに歩いて行くのだが、足元を照らす照明は地面に置かれた蛍の光程度の青い小さなものしかなく周りが全く見えない。目を凝らしてして見るのだが目が暗闇に慣れていない為飛び石が見えない。

飛び石を外すとそこは細かな砂利で足の裏がたいそう痛い。それでも何とか露天風呂に辿り着き温泉に入る事が出来た。最初は少し熱めと感じた泉温も、入っている間に丁度良い温度だと分かった。

暫くすると目が慣れて周りが少しづつ見えてきて、温泉の横に立つ硫黄泉と書かれた札も見えてくる。前に来た時と変わった所はない様だが、以前来た時は明るい時だったので私に蛍の照明器具を見た記憶は無かった。何故、蛍の光なのか、もっと明るくしないと危険だな等と考えながら温泉に入っていた。

今日の空は曇っていて上空は真っ暗。真っ暗な空を見上げていて、ハッと気が付いた事が有った。これが晴れていれば空一面に星が見える筈。星を見るのに明るい照明が周りに有っては、見える星も見えなくなってしまうのでは。あの蛍の光は星を見る為の照明だったんだ。

前に宿のおばさんから此処の星は本当に綺麗だよと教えられ、見上げた夜空に満天の星が煌いてるのを見た事があった。温泉に浸かりながら見上げる満点の星空、私は是非見てみたいと思ったのだが、今日の我々には叶わぬ夢であった。


それでも沢の音を聞きながら温泉に入って居ると、対岸の山や鹿の谷の灯りが幻想的に見えてくる。次回は是非満天の星空の下でこの露天風呂に入るゾーッ。

露天風呂から出て戻りの飛び石は、目が慣れて蛍の光でも足元がハッキリ見えていた。人間少しでも灯りがあれば結構見える事を学んだが、しかし光がない所では目が慣れても見えないのも確かで、むかし新月の夜山で野宿した事があったがその時は真っ暗で全く何も見えなかった。

内湯に戻って3種類ある温泉に入ってみる。ナトリウム泉、鉄泉、カルシウム泉のお風呂が3つ並んでいて、順番に入ってみたがどこがどう違うかの説明はボキャブラリー不足の私には出来ません。結論、私は幌加温泉のお湯が好き。

温泉を出て、玄関横に有るソファーに座っていた宿の人に挨拶して鹿の谷を出る。鹿の谷前の駐車場には灯りが点いていて車のナンバーを見る事が出来たが、北海道ナンバーに混じって本州ナンバーも見られる。

鹿の谷と違って幌加温泉の前は真っ暗で、建物の窓も我々の部屋を含めて3つだけ灯りが洩れていた。今日の泊り客は少ない様である。玄関前でZRXとk氏の写真を撮る。昨年の私は浴衣姿でR6のオイルキャップをここで作っていたが、今年はここで作業する事もなく部屋に戻る。

部屋に戻って糠平で買って来たアルコールを取り出し改めて乾杯し、今日の走りを振り返る。今日の午前中は幸運にも根北・知床峠とドライ路面でしかも車が少ない状態で走る事が出来て大変楽しかった。

雨の為午後から予定を変更して野中温泉に立ち寄ったが、この野中温泉が良かった。幌加温泉にも鹿の谷にも入り今日は温泉三昧の一日でもあった。今日の予定変更は、雨が降ったにも拘らず全体的に楽しい一日になったと私は考えていて、結果オーライであった。

明日の予定は然別湖、狩勝峠、麓郷、十勝岳温泉等を周る観光主体のコースになっていたが、k氏も私も富良野方面は何回も行っているのでk氏と話し合って予定を変更する事にする。

今は雨は上がっているが、問題は明日の天気だ。予報は雨のマークが並んでいる。晴れていれば三国峠、大雪ダム、石北峠、鹿の子温泉、芽登、糠平の周回コースを走ろうと考えていたが、明日の天気は明日になって見なければ分からない。雨の時の事も考えておかなければなるまいが、明日の事は明日考える事にする。

買って来たアルコールを全部消化したので寝る事にする ウィッ。テーブルを寄せて布団を敷き床に着いたが、アルコールが効いたのが寝付きは早かった。

「ズーッ・・・・・」
幌加温泉   〒080-1402  北海道河東郡上士幌町幌加番外地  TEL 01564−4−2167
                一泊二食付き 5,900円(消費税込み)

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