FUNKY Librery FUNKY Library Home




2007年 8月26日(日)

FUNKY 5th.ツーリング


秋の気配を感じ始めた秋田・青森を駆け抜けた547kmでした。




   
Report by Ryuta







   

▼ コース

秋田⇒広域農道⇒五城目⇒国道285号⇒上小阿仁⇒阿仁前田⇒太平湖⇒大葛⇒花輪

⇒大湯⇒小坂⇒十和田樹海ライン⇒発荷峠⇒中滝⇒国道104号⇒田代平⇒国道454号

⇒新郷⇒十和田市⇒田代平⇒国道394号⇒谷地温泉⇒国道103号⇒酸ヶ湯温泉(入浴)

⇒城ヶ倉⇒国道394号⇒黒石温泉⇒国道102号⇒国道454号⇒大鰐⇒国道7号

⇒碇ヶ関⇒国道282号⇒坂梨峠⇒小坂⇒大湯⇒花輪⇒国道282号⇒国道341号

⇒八幡平アスピーデライン入口⇒玉川温泉⇒宝仙湖⇒田沢湖⇒国道46号⇒角館⇒国道46号

⇒荒川⇒岩見三内⇒宝川⇒モト ワークス ヒラタ  走行距離 547km

 

店の前に立つ電柱、電線も取り外されて撤去されるのを待つばかりとなった。電線地中化工事が始まってもう五年近く?なるが、ようやく完了の時を迎えてようである。



















道の駅 上小阿仁で休憩していると、 パラパラと雨粒が・・・。



























































後ろの森吉山は雲の中。






























小坂町のGSで給油。



事務所で休憩、樹海ラインに備える。
▼真夏を過ぎて秋の気配・・・
前回の4th.ツーリングから八週間のサマーブレイクをへて2007 FUNKY 5th.ツーリングが行われた。秋田の今年の夏は暑くなるのが遅れ、いつもなら七月末に暑くなり竿灯の頃には夜は涼しくなるのだが、今年はお盆近くになって暑くなった。

それでも30℃を越える日は一週間も続かず、最近は朝晩涼しい風が吹き夜は秋の虫の声が煩いくらいである。朝の天気予報では午後からの降水確率は50%を越えると言っているが、今はまだ雨は落ちてきていない。

しかし、空は曇り空で所々に黒い雲も見えており、雨が降るのは避けられない感じである。少し寝坊してしまった私が店に到着すると、いつもようにU氏が店の前に隼と共に立っていた。

今日の参加台数は5台だが、途中から1台合流する予定なのでここに来るのはあと2台である。GSX−Rを出し着替えていると、M氏がR1に乗ってやって来る。そして出発時間の10分前にB氏がFZR400RR−SPの甲高いエキゾーストノートを響かせてやって来た。

全員揃ったところで6時前秋田市を出発、我々は待ち合わせ場所の金足のローソンに向かう。今日午前の予定は、阿仁の太平湖から鹿角に抜け、大湯、小坂と走って十和田樹海ラインを楽しんだ後、青森県新郷村から八甲田に出て酸ヶ湯温泉で昼食と温泉を楽しむ予定となっている。

金足のローソンで待ち合わせているのは、6月の3rd.ツーリング以来約3ヶ月ぶりに参加のD氏で、彼は我々がローソンに到着するのをデジカメを構えて待っていた。五台揃った我々は、広域農道を使って国道285号を目指す。

早朝の割りに広域農道を走しる車は多かったが、我々はそれなりに快適に走り国道285号に出る。五城目と上小阿仁の境に在る峠は霧が掛かっている事が多く、今日の天候では路面が濡れていないか心配されたが、大丈夫だった。


▼FUNKY人気!?

我々は上小阿仁の道の駅で最初の休憩を取った。道の駅では朝市が開かれていて、早朝にも関わらずお客さんもチラホラと見える。そんな中、休憩していた我々にオバサン連中が声を掛けてくる。

オバサン連中 「どこから来たの?」

我々 「秋田市からです。」

オバサン連中 「秋田市から・・・?」

彼女らが我々を見てどのように思ったのか知る由もないが、FUNKYのオバサン連中への人気度は相変わらずのようで、よく声を掛けられる。しかし、何故か30歳以下の女性からは声を掛けられる事は無いのはどうしたわけだ?


くまげらエコーライン

休憩してしいる我々の横をシルバーのXJR1200?(ハーフカウル付き)が1台、くまげらエコーライン方向へ走って行く。上小阿仁の道の駅から国道105号阿仁前田を通り、森吉山荘までの区間(くまげらエコーライン)はD氏がホームコースとする道で、私はD氏に先頭をお願いする事にした。

私から先頭に指名されたD氏は一応遠慮する素振りを見せたが、頭の中ではくまげらエコーラーンをシュミレーションしているようだった。そして、私がトイレから戻って来たとことで出発となった。ヘルメットをかぶりグローブを着けているとポツポツと雨粒が落ちてくる。しかし、雨具を着るほどの雨でもなくそのまま出発となった。

XJRが走り過ぎてから少し経って(5分後位?)、我々もくまげらエコーラインに走り出す。実はここから阿仁前田までの高速区間は私が先頭で行こうかなと考えていたのだが、私がトイレに行っている間にD氏がここから先頭で行く事に話がまとまっていたようで、D氏を先頭に皆さん直ぐに臨戦体制?に入る。

その状況を見て私はB氏の前のポジションに入る事にしたのだが、皆さん気合が入っているようで最初から結構な加速で走り出した。我々はD氏を先頭にM氏、U氏、私、B氏の順番で、穂が出た緑の田んぼの中を一列になって走って行く。

集落を過ぎ、道が山の中に入って行くと先頭D氏のペースが一気に上がる。それに遅れまいとM氏、U氏はD氏をピッタリとマークしコーナーに次々と飛び込んで行く。一瞬スロットルを開けるのが遅れた私は、前の三台から少し遅れてしまった。

高速ステージで一瞬の遅れは致命的で、一度空いた間隔は取り戻す事は難しく私は彼らと一定の間隔を保ったまま峠に差し掛かった。峠を少し下った所で先ほどのXJRの姿が見えた。XJRの彼は左側に寄って走っており、その横を前の三台は追い抜いて行く。

この時間にこの場所を走っているXJRの彼は、只の通りすがりのライダーの筈はなくここを走りに来ていた筈なのだが、そんな素振りも見せず彼は淡々と走っている。我々は彼の走りを邪魔するつもりは毛頭無かったのだが、急激に近づいて来るヘッドライトを見て彼はスピードを落とし左側に寄って我々に道を空けてくれたようである。

走っていて前の車が左側に寄って道を空けてくれ事が時々有るのだが、ハミ禁車線では大変ありがたいその行為も、追い越し可能な場所で寄られると何か気持ちがスッキリしない。

我々は常に前にいる車を追い越している訳でなく、車に着いて走る時もある。前の車に追越を強制される形での追い越しは何かスッキリしないのだが、特にスッキリしないのが黄線区間が終わってからウインカーを揚げられるケースで、ここでウインカーを揚げるなら黄線区間で揚げてくれと言いたくなってしまう。

黄線区間が終わってからならこちらの判断で追い越し出来る訳で、余計なお世話って感じのウインカーなのだが、それでも私は頭を下げて追い越させていただきますけど・・・。

国道105号を横断し建設中の森吉山ダムサイトを越え、ダムの底に沈む小又川の橋を渡って対岸の森吉スキー場入口過ぎると、くまげらエコーラインの第二ステージが始まりD氏の独壇場となった。

このコースを知り尽すD氏の走りに無駄は無く、後を追うM氏もU氏もD氏を捕らえる事は出来なかった。それでも二人は一定の間隔でD氏を追っていたのだが私はここでも前の三人から少し遅れてしまった。

この第二ステージはバンピーな路面やブラインドコーナーが多く道を走り慣れたD氏が速いのは分かるが、その後に続くM氏やU氏の走りに私は感心してしまった。

特に隼に乗るU氏は、今までなら私同様遅れてしまう事が多かったのだが、今回は前の二人に遅れる事無くしっかり着いて走っていた。これは先月のプチ北海道の成果が発揮されたものと考えられ、GSX−RやR1のSS系バイクを追い回す?隼の姿を見て、私は感無量であった。

そんな楽しい時間も瞬く間に終わってしまい、我々は森吉山荘前に到着する。森吉山ダムから森吉山荘までの時間は、今回が最も短かったのではなかろうか。しかし、時間は短くなってはいるが安全度は増しているいるところが素晴らしいところで、皆さん危なげない走りでくまげらエコーラインを楽しんでのでありました。


太平湖グリーンハウス

太平湖クリーンハウス前
空は明るくなりつつある。
我々は狭い曲がりくねったくまげらエコーラインを登って、太平湖クリーンハウス前にバイクを停める。時間がまだ七時半前とあって我々以外誰もいなかったが、後になって車が一台入って来た。

このパーキングの下に在る太平湖からは小又峡・三階の滝に向かう遊覧船が出ており、紅葉の季節には大勢の観光客で賑わうのだが、それにはもう1ヶ月半程待たなければならない。(私はその頃にまたここを訪れる予定にしている。)


▼FUNKY最強のセット

休憩を取りながら皆さんここまでの走りを検証する。D氏のGSX−Rは今回からタイヤを私と同じミシュランの組み合わせに変更してきていたのだが、彼は今まで履いていたタイヤと今回のタイヤの違いに驚くと共にフロントタイヤの大切さを痛感したようである。

今日皆さんが履くタイヤのセット(FZRを除く)は同一で、前後共ミシュランの組み合わせとなっている。このセットは現在FUNKYの中で最強と言われるセットなのだが、グリップ性能、ハンドリング、耐摩耗性のバランスが良く、特にフロントタイヤは減ってもハンドリングか大きく変わらないところが優れている。

FUNKYの使用方法で、フロント4000km、リヤ3500km位(GSX−R1000の場合)は使用出来るようだが、人によって減リ方は変わるのであくまでも参考値と考えてもらいたい。耐摩耗性を無視すればもっとグリップの良いタイヤはあると思うが、経済性とグリップ性能のバランスが取れたのがこのミシュランのセットなのである。

「それはどんなセットなんだって?」

「FUNKYレポートを続けて読んでいる方は分かりますよね!?」

「アレッ 分かんないのかぁ・・・?」


▼十和田樹海ライン

休憩を終えた我々は小坂のGSを目指して走り出す。太平湖沿いの狭い曲がりくねった道を走り砂子沢峠を抜け大葛を通って金山黒沢トンネルを抜けて花輪に出た我々は、大湯環状列石の横を通り、小坂町に出る。

小坂の街で給油する予定なのだが、以前よく立ち寄っていた街の入口在る出光のGSが最近閉まっている事が多のが残念だ。そこのスタッフの方々とは顔見知りになっていた為出来ればそこで給油したかったのだが、やはり今回も開いておらず街中のGSに向かう。


このGSの主は就寝中!
どこが目なのか分かります?
※マウスポインタを画像に置くと拡大画像が見られます。
以前にも給油した十和田樹海ラインに右折した所に在るENEOSは、開いていた。GSも久しぶりに行くと無くなっている事が時々あって、行って見るまで結構ドキドキする。

給油を終え事務所で休憩させていただいたのだが、壁際の棚の番下でGSの主が熟睡中だった。我々が入って行っても起きる気配を見せない主の寝顔を見た私は、主の目の場所を見出せなかった。

寝ているのだから目は当然閉じられていたのだが、シワが沢山有ってどこが目の位置なのか分からなかったのだ。その後確認された目の位置は、私が予想した位置とは掛け離れた所にあって、寝ていても愛嬌たっぷりのご主人様であった。

ここ小坂から発荷峠に至る十和田樹海ラインは、低中速コーナーと高速ステージを上手く組み合わせた楽しいSSなのだが、今回は久しぶりに登り方向で走る事になる。

今年の2nd.ツーリングではここを下り方向で走っていたが、このSSを下り方向で走るのと登り方向で走るのでは走り方が大きく異なる。下り方向では直線からのブレーキングでどうしても制動距離が伸びてしまうから、ブレーキを掛けるタイニングを計るのが難しくここの下りを苦手とするライダーは多い。しかし、そのタイミングさえ掴めれば結構楽しく走れる訳で、私はここの下りを嫌いではない。

登りは反対にブレーキが良く効くから、精神的には安心感があり走り易いかもしれない。しかし、突き詰めれば登りも下りもやる事は同じで、得意不得意はライダーの気持ちによるところが大きいと思われる。

私がシェルターの所(高速区間)まで先頭で行きその先はM氏に任せる事を申し合わせ、我々は十和田樹海ラインに走り出す。新しく完成した登り始めの大きなコーナーで深いバンク角を楽しみ、七滝を過ぎると私はペースを上げる。


▼フルブレーキング

低速コーナーが続く登り始めの部分で、私はGSX−Rの思わぬ動きに驚かされる。右コーナーを立ち上がり橋を渡って上り坂を加速し、左コーナーに進入する所でそれは起きた。

左コーナー手前でフルブレーキを掛けられたGSX−Rは、フロントを大きく沈み込ませ減速して行ったのだが、リヤタイヤが左右に揺れだした。これはリヤタイヤが浮いてタイヤが地面から離れたために起きた現象と思われるが、今までGSX−Rでこの現象が顕著に起きた経験が無かった私は少なからず驚いてしまった。

リヤが揺れたからといってコントロールを失った訳ではなく、私はそのまま左コーナーに進入しコーナーを立ち上がったのだが、この思わぬ出来事で私のモチベーションは一気に落ちてしまった。

予定より少し早かったが、私は左にウインカーを出して後ろに下がる事にする。何故リヤが揺れたのか? 私には思い当たる節が有った。それは今回のツーリングの前に、GSX−Rのリヤブレーキパッドを以前より効きの良い物に交換していた事だ。

その為以前と同じ様にブレーキを掛けてもリヤホィールがロックし易く、リヤが揺れてしまったと考えられる。私はそれ以降リヤブレーキペダルの事が気になってフルブレーキを掛けられなくなって、先行する三台に着いて行くのがやっとだった。

先行する三台の走りは、後ろから見ていて見事だった。M氏を先頭にD氏、U氏と綺麗にコーナーを抜けて行く。U氏はこの十和田樹海ラインでの走行で、初めて隼のリヤタイヤを浮かしてしまったと興奮気味に話していた。U氏にとってそれはそれは楽しい、今日の十和田樹海ラインであったようだ。


▼初めての国道454号

十和田樹海ラインを楽しんだ我々は十和田湖には向かわず大湯方面に左折、中滝から国道104号に入り、田代平(秋田県)を通って国道454号に出る。この国道104号と国道454号の間を結ぶ道は短いが結構楽しい道で、私は最後尾に下がりB氏の後ろから着いて行く事にした。

今年からFUNKYで走り始めたB氏は今回で五回目のFUNKYツーリングなのだが、1st.ツーリングの時と比べると比較にならない位速くなっていた。直線の短いワインディングでは前の三台に遅れないで走っており、この四ヶ月の間の彼の上達ぶりに私は驚いてしまった。

しかし、速くなったとはいえまだまだこれから先に上らなくてはならない階段が続いているわけで、今後その階段をどのようにして上って行くか大変楽しみである。

国道454号は青森県の鯵ヶ沢と八戸を結ぶ国道なのだそうだが、我々がいつも利用するのは十和田湖の宇樽部から田代平までで、私が八戸方向に向かうのはもう15年位前の事になる。それも途中から田子に出たので、新郷村まで走るのは今回が初めの事であった。

前回走った時は狭い道の印象があった国道454号だが、道路改修が行われたようでそれなりの道幅(対向2車線)が有って走り易かった。しかし、SSとなる程の道でもなく我々は車の後ろに着いて走り 道の駅 しんごう にバイクを停める。


青森県 新郷村の 道の駅 しんごう


「間木ノ平グリーンパーク」に併設された道の駅「しんごう」  白樺林の中に在り環境は抜群なのだが、こんな山に中に人が集まるのか・・・?































































大中台牧場の中に在るパーキング。


青森 県道40号 沿いのパーキング。
後ろに見える山は八甲田の山々。
道の駅 しんごう
道の駅 しんごう は白樺林の中に建つこじんまりとした道の駅で、間木ノ平グリーンパーク(第三セクター?)に併設される道の駅だった。

間木ノ平グリーンパークはオートキャンプ場やゴーカート場、テニスコート等があるレクレーション施設のようだが、こんな山の中に人が集まるのか?マークだった。

規模は違うが北海道のトマムリゾートを私は思い出してしまった。トマムも周りに何も無い山の中にポツンと建っていて、夏場は閑散(冬はスキー場)としていて不良債権化していたが、ここも日曜日だと言うのにレジャー客の姿は少な行く末が心配される。

ツーリストとしては、こんな山の中に在る道の駅は休憩場所として貴重で、大変助かりますけど・・・。


安物買いの・・・

※マウスポインタを画像に置くと拡大画像が見られます。
バイクを停めた私は、リヤブレーキの効き方を調整する為、ブレーキペダルの高さを調整する事にした。

ぺダルの高さは10−12mmのスパナで調整出来たのだが、ストップランプスイッチの調整の為にフートレストのブラケットを外す必要があった。

ブラケットを止めているヘキサゴンボルトを弛ます為、私は持っていた六角レンチを取り出し回そうとしたのだが、「バギッ・・」という音と共に何かが飛んだ。

このレンチ ホーマックで買った安物で、ツーリング先で何か有った時に使おうと持っていた物だが、いとも簡単に壊れてしまった。

軸を留めているビスの頭が掛かった力に耐え切れずに飛んでしまったのだが、分解して見てその構造というか使われている部材を見て私は驚いてしまった。

当然生産国は中国と思われ、これは工具というか道具の体を為しておらず形だけは道具の様に見える、典型的な中国製品であった。

仕事で使う工具ならこんな物を買う事はないのだが、ツーリング先で有ったら便利かもしれないと思って買った物だったが、やはり安いのには訳が有ったのだ。今話題の中国製品だが、買う方も物を見る目を養わなければいけない事を勉強した出来事だった。

私が帰ってから使えるように修理したのは言うまでもないが、今度使用する時は強度に合った使い方をしなければなるまい。


▼広域農道

休憩を終えた我々は国道454号を八戸方向に走り始める。二の倉ダムを過ぎ右に広域農道の橋が見えて来る。この橋を渡って直ぐに左に曲がった道が、八戸に向かう裏道となっているようである。

国道454号を新郷村役場が在る所まで走り、十和田市方向の表示のある青看板に従って左折する。少し走ると八戸ナンバーのバイク三台に追い着いた。私はこの辺を走るのが初めてで珍しく地図をコピーして持って来ていたのだが、道先案内人(地元ライダー)が現れた事でその後ろに着いて走る事にした。

八戸ナンバーの三台は、大型バイクに乗る男性二人が中にトッリカー?に乗る女性を挟んで静かに走っており、我々もその後ろに着いて走って行く。すると彼らは左手に見えて来た広域農道に入って行った。

「ラッキー!」  左に入る道を探していた私は、地元ライダーが左折したこの道が私が探していた道と確信、彼らの後に続く。彼らがどこに向かっているかは分からないが、私は暫く彼らの後に着いて行く事にした。

彼らが右に現われた広域農道に右折したのを見て、私もそれをに従う。彼らはどこまでも着いて来る(簡単に追い越せるのに・・・)SS系のバイクを不気味に思ったのだろう、大きな橋に差し掛かった所で左にウインカーを上げて止まってしまった。

道先案内人を失った私は彼らに頭を下げシブシブ?前に出たのだが、この大きな橋は私が予定していた橋に間違いなく、私はそのまま広域農道を進む事にする。道の周りに広がる風景は、秋田で言ったら出羽丘陵のような所で農場や田んぼが点在しており、私は景色と言い道路と言い出羽グリーンロード(農水省が出羽丘陵に建設した広域農道)を走っている気分であった。

その道が集落の中の同じ様な道幅の変形十字路に出てしまった。一瞬迷った私は、十字路を直進した所でバイクを止める。この集落に入る前に平○の文字が見えた事から、私はこの集落を平山と判断する。

予定では平山の集落の中で左折する事にしていたので、私はUターンして十字路を右折する。そのまま進んで行くと、また同じ様な道幅の道路と交わる十字路に出た。私は少し迷ったが、方向的には左の道が予定の道と判断、左折し進む。

するとまた十字路に出たのだが、そこには十和田湖方面直進の案内看板が出ていた。我々が進んでいる方向が、間違いではなかった事が証明された瞬間であった。その看板を見た私は、今までの緊張感から開放され少しペースを上げたのだが、農道だけあって路上に土が落ちていたりして楽しめるような状況ではなかった。

対向車線から大型バイクの集団(ツアーラー系)が走って来て、この道が地元ライダーの定番コースになっている事がうかがえる。ここの広域農道も秋田の出羽グリーンロードのような使われ方をしているようである。

広域農道は、国道と違って走る時に注意しなければいけない事が有る。農道を走る地元の車(軽トラック等)は、自分の庭を走っている気分だから周りを見ないで走っている事が多く、ウインカーを上げないで右折したり急に道路に飛び出して来たりする。道路上に土等が落ちている事も多く農道ならではの注意も必要であろう。特に脇道には要注意である。


▼高原で休憩!?

無事国道102号に出た我々は右折して 道の駅 奥入瀬 まで走り、道の駅前の信号を左折し熊ノ沢川沿いを八甲田田代平に向かう。この道を地図で見た時、私は楽しめる道ではないかと思ったのだが、道幅も狭く交通量もそこそこ有って楽しんで走る道ではなかった。

我々は国道394号に出る少し手前に在ったパーキングにバイクを停め、休憩を取る事にする。後ろには八甲田の山々が見えており、周りは牧場になっている景色の良い場所だった。

本当は 道の駅 奥入瀬 で休憩を取りつもりでいたのだが、気温が上がってあまりにも暑かった為、私は少しでも涼しい標高の高い田代平付近で休憩する事にしたのだ。

しかし、ここ大中台牧場の中に在るパーキングは、結構暑かった。この辺の標高は700m程度しかなく、下界とそれ程気温が変わらなかったのだ。下界で30℃位の気温がある場合、高原の爽やかな空気を望むなら八幡平の上のように標高1000m以上なければいけないようである。


▼国道394号

休憩後、国道394号に交わる十字路に出た我々は、右折して国道394号を七戸方向に向かう。今までこの道をバイク走った事の無い私は、FUNKYでこの道が使えるかどうか確認する為この道に向かったのだった。

その為、適当なところでUターンして戻る予定にしていたのだが、そのUターン場所が見つからないままズルズルと走ってしまった。道が下り始めて暫く走った後、ようやく道路右側にUターン出来そうな空き地を発見、ヨチヨチとUターンして今来た道を引き返す。

状況の分かっている道でもあり、私はペースを上げてみる。幸い車も少なくそれなりのペースで走る事が出来たのだが、道幅も狭く(一応二車線)目いっぱいと言うわけには行かなかった。それでも私も含め後ろもそこそこ楽しんだ道だったが、SSとして今後使われる事は無いと思われる。


▼MBX125F

先程の交差点を過ぎ谷地温泉までのSS区間が始まる。私は四番手に下がって前を追う。ここのSSは春の2nd.ツーリングでも走っており、前の三台は一気にペースを上げて走って行く。右の奥の深いコーナーに差し掛かった時、ほのかに2ストオイルの匂いがしてくる。

すると目の前を珍しいバイクが走っていた。左車線を左に行ったり中央線に寄ったりして走るそのバイクは、HONDAのMBX125Fだった。今から20年以上も前のバイクは、白煙を吐きながら周りの状況を気にせず自由奔放に走っていた。

左車線を使い切って走るMBX125Fを私はコーナー中には追い越す事は出来ず、結局直線に向いてから追い越す事になった。頑張るのは良いけど、ほどほどにしないとコケチャうよ・・・。

2nd.ツーリングの時もバイクが止まっていた場所に今日もバイクが二台止まっていて、我々の方に視線を送ってくる。やはり、この場所は走り屋さんのホームコースになっているようである。我々はそのホームコースをアッと言う間に走り抜け、谷地温泉に出た後国道103号を右折して傘松峠を越え酸ヶ湯温泉に向かった。




ざるそば大盛り 900円
このそばが問題だった。
※マウスポインタを画像に置くと拡大画像が見られます。































のれんの下にいる人が千人風呂を仕切るおじさん。


温泉から上がってゆっくりご休憩。
結局酸ヶ湯温泉には1時間半滞留する。









バイクに戻って見ると、車に囲まれていた。
▼酸ヶ湯 伝統の定番! 「 そば 」

酸ヶ湯温泉に併設された食堂で昼食。
正午前、我々は酸ヶ湯温泉に到着する。昼時とあってここで昼食を取る事にする。

酸ヶ湯温泉の横には食堂が在って、我々はそこで
     「酸ヶ湯伝統の定番!」
と云われる由緒正しい 「そば」 をいただく事にした。

FUNKYと言えば 「そば」 、「そば」 と言えばFUNKYと云われるほど?数多くのそばを食べてきたFUNKYが、伝統の定番! と自ら呼ぶそのそばを、食べないで帰るわけにはいかないのだ。

D氏を除く四人が ざるそば大盛り 900円(普通盛り700円)、D氏は津軽金木産山の芋と温泉たまごが入った やまかけそば大盛り 950円(普通盛り750円) を注文する。

「伝統の定番!」 とは如何なる そば なのか期待の高まる中、ざるそば大盛り がおばさんの手で運ばれて来た。

更科風の白く細いそばは、大盛り200円増しの割には量が少ないように思われたが、問題は味なわけで早速いただく事にする。

箸で摘んでそばつゆを付け口元に持ってきたが、そばの香りはしなかった。そして食べてみたのだが、食感といい、味といい、それは そば とは思えない麺だった。これが 「伝統の定番!」 の味・・・!? 私はある意味、感動してしまった。

目を閉じてこの 「伝統の定番!」 そば を食べて、これを そば と言い当てる人が何人いるだろうか。それ程に 酸ヶ湯そば は、独自の食感と味を醸し出していたのであります。人にはそれぞれ好みがあり他人の評価は分からないが、私がここでまた食事する機会があったとするならば、多分ご飯物を注文すると思います。


▼酸ヶ湯温泉


さすがに地元です。
棟方志功の書。



酸ヶ湯温泉入口
味はともかくカロリー補給?を終えた我々は、酸ヶ湯温泉に向かう。入口に置かれていた発券機で入浴券(600円)を購入し玄関に行く。

館内に入るには靴を脱ぐ必要があって脱いだ靴はレジ袋に入れて各自持ち歩くシステムになっていた。

我々も脱いだブーツを用意されていたレジ袋に入れようとしたのだが、袋が小さくてレジ袋には片足しか入らなかった。結局我々は、二つのレジ袋をぶら下げて館内を歩く事になったのである。

千人風呂の前いるオジサンに入浴券を渡して脱衣所へ。私が千人風呂の入るのは何年ぶりだろう。五年位は来ていなかったような気がする。

この千人風呂に千人入れるかどうかは知らないが、私は木造の大きな千人風呂の雰囲気と白いお湯の温泉が好きで、マイ温泉ランキングの中でも酸ヶ湯温泉は上位にランキングされている。

今日の千人風呂は、外の駐車場に沢山停まっている車の割には空いていて、我々は大きな湯船の中でゆったりとした時間を過ごしマッタリする。

温泉から上がった我々は、テレビの前に並べられた椅子で休憩する。テレビの横の壁に<舞神>と書かれた書が目に入った。その味の有る字体が気になって下に書かれていた札を見ると棟方志功の書だった。

コピーではなく本物?がさり気なく壁に掛かっているところが、さすが地元青森だと感心してしまった。


▼高級ポカリ

私の買った高級ポカリ 200ml 120円
300mlが130円  500ml 150円 
も売ってました。
水分補給の為私はポカリスエットを自販機で購入したのだが、200ml入りの小さなペットボトルしか見付けられなかった私は、珍しさもあってそれを購入する。

するとB氏が300ml缶のポカリを持って現れる。値段を聞くと130円だったと言う。10円高で五割増しの量とは・・・。私は高級なポカリを買ってしまったようである。

すると今度は500ml入りのペットボトルを持ってM氏が登場する。この場合30円高で2.5倍の容量となり、私はメーカーの価格設定システムに疑問を感じてしまった。

私は高級ポカリをチビチビと味わったのでありました。

休憩を追えバイクの所に戻って見ると、我々のバイクの後ろに車がびっしりと並んでいた。出られない事はなかったから良かったが、黄色線で囲ったスペースに駐車していけないと思いそこを避けて駐車したのに、それが仇になって囲まれてしまったようだ。

こんな事ならわざわざ足場の悪い奥に停めずに、黄色のスペースに駐車すれば良かった。黄色で囲まれたスペース意味不明です。

我々は酸ヶ湯温泉に1時間半近く滞留した後、国道7号に在る道の駅 碇ヶ関 を目指して走り出す。


















道の駅 碇ヶ関 名物マルメロソフト 250円


美味しくマルメロソフトをいただく。


これから給油してから坂梨峠に向かいます。
国道454号
城ヶ倉温泉前の信号を左折して国道103号から国道394号に入る。城ヶ倉渓谷に架かる長い大きな城ヶ倉大橋(上路式アーチ橋としては日本一の長さ360m)を渡り黒石温泉郷を目指す。紅葉の時期は大勢の観光客で溢れ大変気を使う城ヶ倉大橋の上も、今の時期は人影も疎らで走り易かった。

いつも橋の上を通り過ぎるだけで橋の下の景観(水面から122m)を私は見た事はないが、とにかく橋から見える下界の景色は大迫力らしい。

国道102号に出て左折、道の駅 虹の湖 の前を通り過ぎる頃には空が暗くなって今にも雨が落ちてきそうな空模様になってきた。今朝も走った?(新郷村への道)国道454号に右折し、大鰐に向かう。この山越えの狭く曲がりくねった道はとても国道とは思えない道なのだが、私はそれなりに楽しんだ後国道7号に出で 道の駅 碇ヶ関 に向かう。。


道の駅 碇ヶ関


D氏がチャレンジした白糖ソフト 250円。
ザラザラしたサーベット風のソフ?。
道の駅 碇ヶ関 にバイクを停めた我々は、ここでのお約束 マルメロソフト を食べに向かう。

我々はマルメロソフトを注文したのだが、チャレンジャーD氏(天邪鬼とも言う。)は白桃ソフトクリームの名前を見つけ注文する。

そしてそのお味はと言うと、D氏の話によると桃の味かしっかり有って美味しいと言っていたが、ザラザラした食感でソフトと言うよりはシャーベットと言う感じであるらしい。

我々は定番の美味しいマルメロソフトを美味しくいただきました。ふと気が付くと、いつもはいの一番でソフト売り場に並ぶM氏の姿が見えなかった。

我々がソフトを食べ終わる頃、冴えない顔をしてM氏がやって来る。昼に食べた 酸ヶ湯伝統の定番!そば のせいではないと思うが、何だかお腹の調子がよろしくなく遅れて登場したようだ。

具合が悪く食べるかどうか悩んだM氏、結局マルメロソフトは食べるようでナメナメしながら 「やっぱりマルメロソフトは美味い!」 と全部食べてしまった。

ソフトクリームを食べ少し体を冷やした我々がエアコンの効いた建物から出ると、外の気温は30℃近くになっているようで暑かった。県境方向を見ると黒い雲が山を覆っており雨が心配されたが、先ずはガソリンスタンドに向かう。


▼きっちり15リットル

我々は、この先に在る小さなGSに向かったのだが、このGSいつも安売りの看板が出ていて前から気になっていたGSだったが、今まで一度も入った事がないGSだった。

秋田までの距離を考えると出来ればもう少し先で私は給油したかったのだが、小坂で給油してから200km近く走っており、FZR400RR−SPのタンクが空になり掛けている筈で給油する事にしたのだ。

FZR400RR−SPはタンク容量(15L)が小さい上、ビックバイクに着いて走る為高回転(12000〜15000rpm)を多用する事から燃費が悪く、200km毎(出来れば180km毎)に給油が必要となるのである。、

スタンドに入ってみると、給油場所は二箇所だけでそこに車が二台入っており満杯状態だった。このスタンドはご夫婦で切り盛りしているようでお二人は忙しく動き回っていたのだが、我々の姿を見た奥様が嫌な顔をしたのを私は見逃さなかった。

忙しいのに小口の給油で大変申し訳なかったが、私から順番に給油をお願いする。その間にも次から次に車が入って来て大忙しに、そしてお二人はパニック状態に・・・。するとお助けウーマンの若い女性スタッフが登場、お二人はホッと一息つく。

後からB氏から聞いた話によると、スタンドに入ったところでFZRのエンジンがプツンと止まったそうで、GS到着と同時にきっちりタンク内のガソリンを使い切ったようである。私はそこまできっちりFZRの燃費を計算していた訳ではなかったが、もう少しGSが先に在ったらB氏はFZRを押す事になっていた訳で ギリギリセーフって感じ!? 本当にヤバかった。

FZRのタンクにきっちり15リットルのガソリンが入った後、、B氏はエンジンを始動しようとセルボタンを押したが、エンジンはなかなか掛からなかったと言う。

ここでガス欠でキャブレター内のガソリンまで使い切った場合のエンジンの掛け方をお教えしよう。これはあくまでもキャブレター車の場合で、インジェクション車は直ぐ掛かりますのでお間違いなく。

4サイクル車に多い電磁ポンプを使ってエンジンに燃料を送っているバイク場合
メーカーでも違うが、転倒などでバイクが倒れエンジンが止まった場合にキャブレターに燃料を送らないようにする為のシステムがバイクには設けられており、ガス欠でエンジンが止まった場合も燃料が送られないようになっている。

ガソリンを入れた後、メインスイッチを入れても電磁ポンプは作動せずセルを回して初めて電磁ポンプが動き出すようになっている。その為、空になったキャブレターがガソリンで満たされるまでセルモーターを回し続けないとエンジンは始動しないのである。

ヤマハの場合は裏技が有って、メインスイッチを入れると5秒間は電磁ポンプが作動すようになっているから、スイッチを入れても直ぐにセルを回さず5秒間電磁ポンプがガソリンを送るのを待つ事をお勧めする。しかし5秒間ではキャブは満杯にはならないから、キルスイッチをON⇒OFF⇒ONにするとまた5秒間電磁ポンプが作動する。

電磁ポンプが作動している時作動音がカチカチしているが、キルスイッチをON⇒OFF⇒ONしてもカチカチしなくなったらキャブレターが満杯になった証で、ここでセルを回すとエンジンは一発で始動するのである。

負圧コック仕様のバイクの場合
ON か REV のレバー位置でガス欠した場合、エンジンが回らないとガソリンはタンクから流れていかないから、ガソリンを給油してセルを回してもエンジンは直ぐには掛からない。(回し続ければ掛かる。)

この場合はコックを PRI の位置にするとエンジンを回さなくてもガソリンはキャブに流れるから、コックをPRIに切り替え暫く待ってセルを回すとエンジンは直ぐに始動する。

この場合、気を付けなければならないのはエンジン始動後コックをONに切り替える事で、そうしないと次にガス欠でエンジンが止まった場合、予備タンクを使用出来ずタンクの内のガソリンを全て使い切ってしまう事になる。

給油後、我々は次のSS、坂梨峠に向かった。


▼坂梨峠

国道7号の碇ヶ関関所跡から国道282号に入ると坂梨峠SSが始まる。そして古遠部温泉入口を過ぎた辺りからこのSSのメインディッシュとなる。狭く鋭角的なコーナーが続く峠道を、私は1速ホールドで先頭で登って行く。立ち上がりで時々フロントを浮かせながら、フルブレーキとスロットルのワイドオープンを繰り返す。

峠を越え秋田県に入って路面が濡れてきた所で私はペースを落としミラーを覗いた。私の後ろにD氏、U氏、M氏、B氏の順で走り出した坂梨峠だったが、ミラーに映っていたのはD氏ではなくM氏の姿だった。

私の後ろではM氏による追い上げ劇が行われていたようで、それは結構アグレッシブなものだったらしい。隼の後ろでスタートしたM氏は隼の前に出ようとR1をプッシュしたのだが、隼に道を譲る気配は全く無く立ち上がり加速に大差がない事もあって、R1はなかなか前に出られなかった。

隼の前に出る機会を虎視眈々と窺っていたR1は、S字コーナーを直線的に抜けられる場所に差し掛かった時、一瞬早くスロットルを開けて隼の前に出る事に成功する。あの坂梨峠の登りで、R1がU氏のライドする隼の前に出られる場所はあそこしかなかったと後にM氏は語っている。

隼の前に出たR1は、D氏のGSX−Rを追い掛け始める。R1が背後に迫って来たのを感じたD氏は、左に寄ってR1に道を譲ったと言う。以前から坂梨峠を苦手としていたD氏だったが、以前とはバイクも走りも変わっていたにも関わらずM氏に道を譲った理由は不明である。

秋田県に入ると小雨模様のウエット路面で走りを制限された今回の坂梨峠だったが、私としては今まで苦手としていた坂梨峠を結構楽しむ事が出来たのでありました。

国道282号が東北自動車道坂梨トンネル秋田県側口の場所に出ると坂梨峠SSは終了し、我々は隊形を整え小坂へ向かう。小坂に近づくに連れ路面が乾いてきて空も明るくなってきた。我々は今朝も通った道で小坂から大湯ストーンサークルに抜け、今朝とは違う道で花輪に向かう。

花輪で再び国道282号に出た後、我々は国道341号に入り八幡平に向かう。以前に通った時工事中で砂利道になっていた道路が完成していて、綺麗な広い道になっていた。改修された道は、コーナーのRが大きくなって走り易くはなったのだが、コーナーリングの楽しみが少なくなってしまったのが少し残念だったが・・・。

我々はトロコ温泉近くのお店の前にバイクを停め休憩を取る事にしたのだが、そこで私はマイGSX-Rに重大な発見してしまうのである。




アスピーデライン入口近くのコンビニで休憩。


八幡平では雨が心配されたが、日が差していた。
▼知らぬが仏!?
休憩する為最初手前のお店の前にバイクを止めたのだが、その奥にコンビニが在る事を知った私は、バイクをコンビにの前に移動する。今まで幾度となくこの場所を通過していた私だったが、ここにコンビニが在った事を今まで知らなかった。いつも道路反対側のお店のに気を取られていてこちら側を見ていなかったのだが原因だと思うが、自分でも不思議なくらい記憶に無い。


思わぬ発見に注目!
※マウスポインタを画像に置くと拡大画像が見られます。
坂梨峠の走りを皆さんで振り返りながら休憩を取っている時、私は何となくマイGSX−Rを見ていた。

するとフロントブレーキ・キャリパーが
「何か変・・・?」

ブレーキパッドを留めているパッドピンの後ろ側が 「無い!?」

ツーリング前の点検では付いていた筈(確信は無いが無かったら気付いていた筈)で、走行中に抜け落ちたらしい。

どこで落ちたか分からないが、落ちた後も普通にブレーキを掛けていた訳で、私は全く気付かなかった。気付かないという事は、落ちてもブレーキには影響が無かったと言う事なのかもしれないが、知らぬが仏とはよく言ったものでピンが無い事を知ってゾッとした私であった。

もっともパッドは2本のピンで取り付けられており片方が無くてもパッドが脱落する事は無く、ブレーキングに大きく影響する事はないと考えられるのだが、気持ちの良いものではなかった。

パッドを交換したのは5000km位前の事で、その時のピンの締め付けトルクが足りなかったのが原因と考えられるが、締まっていなかったのならもっと早く脱落しても良いようにも思うし、原因は分らない。

原因はともかく、弛んでもピンが脱落しないような構造になっているべきなのではなかろうか。ニッシン製キャリパーのこのタイプのピンは外側にメクラ蓋がねじ込まれているし、住友電工製の場合は抜け止めピンが嵌っていて脱落防止策が施されている。

GSX−RのTOKICO製キャリパーにはそのような脱落防止策は取られておらず、今回のような事が起きてしまったのだ。TOKICOには何らかの脱落防止策を望むところだが、このタイプのキャリパーが装着されているバイクに乗っているライダーには、時々パッドピンの増し締めを行う事をお勧めする。

最もしっかり締め付けられていれば問題は無いのでしょうが・・・。

パッドピンの脱落を発見してしまった私だが予備のパッドピンを持っている筈も無く、パッドピン無しの状態で秋田市に向かう事になった。当然、他のパッドピンを点検したのだが、弛んでいる物は無く問題は無かった。1本だけ閉め忘れたとも考えられなくもないが、この手の締付けはいつも二度三度と確認しているから、何とも不思議なパッドピン脱落事件だった。


▼国道341号SSのトラップ

休憩を終えた我々は、八幡平アスピーデライン入口から始まるSSに向かって走り出す。そこから鎧畑ダムまで続く国道341号のSSは、低速、中速、高速とあらゆるスピードレンジの走行が楽しめるステージで、私の中では結構好きなステージの一つである。

いつもは先頭で走るこのSSも、今回はパッドピンの事もあり後ろのポジションで走る事を選択した私は、三番手のポジションに下がる。先頭をM氏、二番手D氏、三番手私、四番手U氏、五番手B氏の順番で、大場谷地に向かって登って行く。

先頭を走るM氏はいつものペースで先頭を引っ張り、D氏がそれをピッタリマークし私はその後を少し間隔を空けて着いて行く。

そしてそれは急激に登る右コーナーで起きた。先頭を走るM氏は少し長い直線でスピードの乗ったR1にフルブレーキを掛けコーナーに進入して行く。その後のD氏もブレーキを掛け減速するが、二人の減速の仕方に違いが見えた。

D氏のGSX−Rは綺麗に減速して右コーナーにアプローチして行ったのだが、M氏のR1はD氏が方向を変えてもまだ真っ直ぐに進行していたのだ。

M氏が進む道を間違えたと気が付いた時、もう引き返せない所まで彼は進んでしまっていて、そのまま進行するしかなったのである。普通ならそのまま道路外に出てしまうのだろうが、M氏は何事も無かったように道路に戻って来た。

そしてM氏が戻って来たそこには、M氏を待つD氏の姿が・・・。

何故こんな事が起きてしまったのか?

道路状況説明すると、このコーナーは曲がりのキツイ旧道を改修しRの大きな道に造り直されていたのだが、旧道もそのまま残されていたのである。

これはあくまでも私の想像だが、遠目から見た時M氏の目に旧道が本道のように見えてしまったのでなかろうか。

ハイスピードで走る場合先行動作が非常に大切で、情報を先行して収集しながらバイクの操作をプログラムし実行していくのだが、直線の先に旧道が見え彼は旧道へのアプローチプログラムを作ってしまった。

その為、コーナーに近づきそれが間違いだと気付いた時にはもうそれを変更出来ない所まで来てしまっていた為、そのまま旧道を走って戻って来たと言う事だろう。

つまりM氏は旧道を本道に見せる国道341号のトラップに引っ掛かってしまったのである。今回の場合は旧道が本道に繋がっていたから良かったが、私は以前その先が農道になっている所を本道と思ってしまた事があって、その時はフルブレーキの末に立ちゴケしてしまった。

そんな事が有っても先頭に返り咲いたM氏は玉川温泉まで先頭で引っ張り、新玉川温泉入口でバイクを止める。遅れていたB氏を待ったのだが、なかなかやって来なかった。私が引返す決断をしようとしたその時、B氏がやって来た。中途半端に飛ばす車に引っ掛かってしまったのが遅れた理由のようだったが、少しぐらい遅れても無事で着てくれればそれで良い。

我々は国道341号の第二ステージ、宝仙湖沿いの道に向かう。


▼宝仙湖沿いを楽しむ!?

新鳩の湯の前を過ぎて一気にペースが上がり、高速ステージが始まった。

ここはいつも私が先頭を走っているのだが、今回は三番手。前を走るM氏とD氏の後のポジションで前を追ったのだが、先頭で走るのと前に人を置いて走るのとでは勝手が違い二人との間がどうしても空いてしまった。

それとパッドピンの事が頭のどこかに引っ掛かっているのかブレーキを掛け始めるのが早く、コーナー毎に離されたのを直線で挽回する展開が続く。

この走行が許されたのは先頭のペースが上がらないからで、二番手のD氏は先頭の後ろで右に行ったり左に行ったしている。私は先頭の気持ちが分らないでもなかった。私と反対に先頭の彼はここをいつも私に後ろで走っていた訳で、先頭で走る事に戸惑っている可能性があった。

それでも我々は宝仙湖沿いのワインディングを充分に堪能し鎧畑ダムに出る。玉川ダム、鎧畑ダム間の道路改修工事が完了したようで、綺麗な路面を快適に走る事が出来た。この区間には多くのトンネルが有って、この時期(真夏)トンネル内が涼しいのは良いのだが、路面が濡れている事が多くよく滑るので要注意である。

トンネル内の舗装はコンクリート舗装の場合が多いのだが、このコンクリート舗装が濡れるとよく滑るのだ。真夏のトンネルに進入する時は、充分にスピードを落とし慎重に進入する事をお勧めする。緩くカーブしているトンネルは特に注意が必要だ。

鎧畑トンネルを過ぎると車の行列が出来ていて、我々は車の流れに乗って走り国道46号に出る。国道46号の角館バイパスが途中まで完成したようなのだが、結局角館の街中に戻されるとの事で、我々はバイパスには入らず旧道を使って秋田に向かう。

今の時間は六時少し前、安藤醸造元北浦本店はまだ開いており立ち寄ってしょうゆソフトでも食べようかと思ったのだが、ソフトは買えても直ぐに店舗は閉まってしまい駐車場も閉鎖されると思われ、私はいつものドライブインにバイクを停める事にした。



角館のドライブインで最後の休憩。
一番手前のGSX−Rも、このドライブインで主役を務めた事がある。



ドライブイン内部。ここはいつも我々の貸切状態です。このテーブルの変わってないなぁ。


















お約束の写真は今日の主役?の前で・・・。


ご苦労様でした。
▼24時間営業ドライブイン
このドライブイン、FUNKY発足当時(1979年)から存在しており建物自体も変わっておらず、少なくても28年間はここに建っている事になる。道の駅全盛の昨今、このドライブイン(この呼称も既に死語)が存在していること自体不思議なのだが、FUNKYの歴史の中に幾度となく登場するこのドライブインでは多くのドラマが作られてきたのである。

そして今回も・・・。

この時間になると昼にそば?を食べただけの皆さんはお腹が空いてきていたのだが、特にM氏の胃袋は固形物を要求していた。M氏は自販機にセットされていた Kit Kat を発見 BREAK TIMES を取ろうとしたのだが、出て来た Kit Kat を手に取ったM氏に悪い予感が・・・。

Kit Kat の袋を開けて見ると、それは Kit Kat とは到底思えない姿をしており、M氏の顔が一瞬強張る。連日30℃を越えるこの夏を乗り越えてきたと思われる Kit Kat の表面は、ドロドロに溶けてケロイド状になっていたのだ。

それでも食べ物を大切にするM氏は、、フニャフニゃの Kit Kat をしっかり完食する。当然それで満足する筈もなく、今度はアイスクリームの自販機の前に立つ。M氏のこの選択は賢明だった。チョコレートは熱に弱いが、常に0℃以下に保たれるアイスクリームに外れは無いからだ。

アイスクリームを包んでいた紙のアイスまでも完食したM氏は、ようやく満足した表情を見せる。このドライブインでは数多くの外れクジを引いてきたM氏だが、今回もまた引いちゃいました。

レポートネタの提供、いつもありがとうございます。


▼夜間の走行順

日が落ちて暗くなり始めた頃、我々はドライブインを発って秋田市に向かう。暗くなってくると不安を抱くメンバーがいた。それはFZR400RR−SPに乗るB氏で、FZRのヘッドライト(プロジェクタータイプ)暗くて前が良く見えないらしいのだ。

その話を前から聞いていた私は、走行順を入れ替え最後尾にM氏のR1を配しその前をB氏のFZRを走らせる事にした。’02 R1 のヘッドライトは、H4バルブ(60/55W)を2個使用しており、普通のバイク二台分の明るさを持っているのだ。

’02 以前のR1もH4バルブを2個使用しているが、’02 R1の明るさには敵わないから、’02 R1のヘッドライトは特に優秀であるようだ。私の知る限り、’02 R1 と同等の明るさを持つヘッドライトは、初期型の SUZUKI GSXR750 のヘッドライトで、これもH4バルブを2個使用していた。

バイクで隊列を組んで走る時、ヘッドライトの明るいバイクを後方に配すると前を走るバイクが走り易くなり、夜間走行の安全にもつががる。以前、転倒してヘッドライトが壊れ帰りが夜になってしまった事があったが、その時はそのバイクをヘッドライトの明るいバイクで挟んで帰って来た事もあったのである。

皆さんも夜間複数のバイクで走る時、ヘッドライトの明るさを考慮したバイク配置で走られる事をお勧めする。


▼547kmを無事走破


PM7:00 無事帰還。
国道46号から広域農道に入った我々は、車の流れに乗って走り PM7:00 無事秋田市に帰って来た。

天候の具合もあって予定を少し変更し走行距離が少な目(予定は600km)になってしまった今回のツーリングだったが、雨具を着る事も無く殆どのSSはドライ路面で走る事が出来て、充分楽しんだツーリングだった。

皆さんも戻ってからのミーティングでは、反省点も有りつつ充分楽しめたツーリングだったと話していた。長いサマーブレークが終わり、これからバイクシ-ズン後半を迎えるのだが、秋田の秋は短く11月初旬までの二ヶ月間を充分楽しみたいものである。

差し当たりのイベントは FUNKY 24j回目の北海道ツーリング が目前に迫っており、まずはその準備をしなければなるまい。

FUNKY Librery FUNKY Library Home