FUNKY Librery FUNKY Library Home




2007年11月 4日(日)

FUNKY 7h.ツーリング


晩秋の秋田を走り抜け、今シーズン最後の走りを心に刻み込む!




   
Report by Ryuta







   


▼ コース

秋田⇒大張野⇒出羽グリーンロード⇒南外⇒

出羽グリーンロード⇒三ツ森山⇒東由利 老方⇒

羽後町⇒十文字⇒岩井川旅の駅⇒国道397号県境⇒

岩井川⇒須川⇒小安⇒皆瀬
昼食(かえで庵)

木地山⇒横堀⇒院内⇒
松ノ木トンネル⇒笹子⇒

法体の滝⇒
猿倉⇒花立⇒南由利原⇒東由利原⇒

西由利原⇒四角井戸溜池⇒仁賀保高原⇒

四角井戸溜池⇒コロニー入口⇒国道7号西目⇒

仁賀保インター⇒自動車専用道⇒岩城インター⇒

44峠⇒出羽グリーンロード⇒岩見三内⇒野田⇒

貝の沢温泉(入浴)モト ワークス ヒラタ

                
 走行距離 475km


 


昨日の雨は上がり天気は良いのだが、まだ路面は乾き切っていない。











南外の佐藤商店前で休憩。


昨年は最終ツーリングでは3℃と寒かっが、
今年はこの時期としては暖かい9℃もあった。



路面は次第に乾いて来る。






道の駅 東由利で休憩。天気は快晴、路面もドライとなる。



今日はFUNKYには珍しく青いバイクが半数を占める。
▼2007 ラストツーリング
11月4日(日)2007シーズン最後のFUNKYツーリングが行われた。11月3日から雨の為1日順延され4日は、天候も回復し空には青空が広がっていた。路面は昨晩の雨でまだ濡れてはいたが、ドライ路面になるのは時間の問題と思われる。

今日の参加メンバーは6名、最後のツーリングと有って皆さんスケジュールをやり繰りして参加してきたのだが、残念な事に今日に順延された事で1名参加出来なくなってしまった。参加出来なかった彼は3日が晴れるよう願っていたのだが、無情の雨にそれは叶わぬ夢となってしまったのである。

今日の出発時間は七時半といつもより1時間半も遅いのだが、日の出の遅いこの時期太陽の高さは夏場と変わらない感じで太陽はまだ低い位置にある。出発時間には全員集合し、我々は予定通り秋田市を出発する。

路面が濡れている為慎重に走り始めた我々は、時間がいつもより遅い為か車が多い宝川から協和荒川に抜ける広域農道に入る。岩見三内から大張野、国道13号と走り出羽グリーンロードに入った私は、ハーフウエット路面の中慎重にペースを上げて南外の佐藤商店を目指す。

今日のグリーンロードは昨晩雨が降ったせいか気温が高く朝霧の発生は無かったが、我々が走り抜けている脇の田んぼからは水蒸気が白い煙となって立ち昇っており、それが朝の日の光に照らし出されユラユラと揺れている風景が見られた。それは何とも長閑な晩秋の風景だったのだが、そんな中我々は濡れた路面に気を使いながら走っていた。

濡れた路面を走るには経験がものを言うようで私の後ろには少しスペースが出来ていて、皆さんウエット走行に苦労していたようである。いつもより時間を要して到着した佐藤商店で我々は休憩を取る。


▼南外 及位の民家
の秋



直線から三ッ森山へ

我々が休憩している間にも路面は乾いてきて、休憩を終えて走り出す頃には殆どドライ路面に変わっていた。ゆっくり休憩を取った我々は、例の直線から三ッ森山を越え東由利老方の道の駅を目指す。

前回6th.ツーリングで走った直線でスッキリ出来なかった私は、今年最後の直線に期待を持って望んだのだが、今回は車も入らず気分良く走る事が出来た。スピードとしては大した事は無かったが、邪魔が入らなかった事でスッキリした走りが出来たのである。

何キロ出たとか何キロ出した事が有るとか話す人がいるが、バイクの楽しさは数値に有るのでは無くその時の走りの質に有る訳で、今回私はストレス無く走れた事で前回の不満を払拭し今年最後の直線を楽しんだのでありました。


▼三ッ森山越え

グリーンロードをから三ッ森山林道(舗装路)に入る。この道はいつも後方で走る私だが、今日は今年最後でもあり、フロントブレーキも一応ジャダー対策をして来た事も有って先頭で頑張ってみる事にした。

私がジャダー対策としてGSX−Rに施したのはブレーキパッドをノーマルパッドに換える事で、これでブレーキを強く掛けた時は普通に効くようになった。しかし、軽くブレーキを引き摺ってコーナーに進入する時はジャダーが発生しており、微妙なブレーキを使えない所は変わりなかった。

つまりブレーキを強く掛けた時だけ普通に使用出来ても、そこまでの過渡特性は使えないONかOFFのデジタルブレーキになっているのだ。それでも以前のようにフルブレーキが掛けられない状況は解消されたから、コーナーの大分手前からブレーキを掛け始める事はしなくても良くなった。

私は1速ホールドで三ッ森山を登って行く。今日の三ッ森山は夏場と違って道路脇の草木の葉が少なく走り易くなっていて、私はそれなりのペースで三ッ森山を無事越える事が出来たのだが、私の後ろではドラマが発生していたようである。

三ッ森山を越え道が下りになった所で路面に段差が出来ている所があるのだが、その段差に乗ってしまったあるメンバーがステップから足が離れるほど大きく飛ばされたようなのである。

ここを走り慣れた前を走るライダーは、事前にその段差を避け対向車線にラインを換えていたらしいのだが、段差の有る事を知らなかった後のライダーは前のバイクがラインを換えたのに疑問を持ちながらもそのまま行ってしまい、車体が大きくバウンドしてしまったらしい。

皆さんも正面に鳥海山が見え右コーナーをクリアーした先の路面には充分お気をつけ下さいませ。飛ばされたと言ってもステダンも付いている事だしその後どうこうなった訳でもなく、全員無事三ッ森山を越えて東由利の道の駅にバイクを停め休憩となる。


▼羽後町西馬音内へ

休憩を終えた我々は老方を発って西馬音内に向かう。老方から西馬音内に向かうのには色々なルートが考えられるが、今回は新しいルートにトライしてみる事にした。最初は八塩山に向かうようにして走り出した我々は、田代に出て左折する。七曲峠に向かう道を右に見ながら直進し、少し走って右に見えて来る橋(西馬音内への看板が立った橋)に右折する。

私は広域農道(多分)と思われるこの道を走るのは初めてで、以前からこの道の存在は知ってはいたが今まで走る機会が無かった。そしてこの初めて走った道は結構使える道だった。道幅はそんなに広くはないが、急なカーブも無く脇道も少ない走り易い道で、そこそこ楽しめる事が分った。

すんなりと五輪坂の近くに出た我々は、右折して直ぐ先の信号を左折十文字に向かった。横手盆地に出た我々は、両側に広がる稲刈りが終わった田んぼの中を暖かい日の光を浴びながら爽快に走り、国道13号を横切って増田に向かう。

増田のりんご園ではフジの収穫が盛んに行われていて、たわわに実った林檎を1個1個大事そうに枝から摘み取っている姿が見られた。今年は台風の被害も無かったようだから林檎は豊作のようで、もう直ぐ店頭に大きなフジが並ぶようになる事だろう。




東成瀬 岩井川 旅の駅 




















岩井川 出光GS。
後ろの山は栗駒ジュネススキー場。



店内も綺麗です。
岩井川⇒県境⇒岩井川GS

山里の紅葉もそろそろ終わりのようである。

岩井川の旅の駅トイレ横にバイクを停めた我々は、暫しの休憩を取る。これからの我々の予定では、国道397号で岩手との県境のトンネルまで行き、そこで引き返して来る事にしていた。

本当ならトンネルを抜け、つぶ沼まで行って引き返して来る方が走り応えは有るのだが、9月の豪雨でトンネル〜つぶ沼間に不通区間が有るとの情報で、今回はトンネルまで行って帰って来る事にしたのだ。

我々は、ある事情からトンネルまでの往復走行に参加せず直接GSに向かう1台を除き、5台で県境トンネルに向かって走り出す。国道342号から国道397号に入る時我々の前を1台の車が走っていて、その車が我々同様国道397号に入って行った?アレッ・・・。

9月のツーリング時、国道397号入口に有った通行止看板も無くなっており、もしかしたら通行止は解除されたのか? 通行止が解除されていたといても今更予定は変えられず、私は県境のトンネルに向かってペースを上げる。

国道397号のトンネルまでの道は以前から路面に段差が出来たり全体的に路面状況が悪くなっていた(この道が出来てからもう30年近くなる)のだが、今回走って見ると段差も綺麗に改修されて大分走り易くなっていた。全体的には舗装が古いから路面状況には充分注意が必要な事には変わりないが、特に気を付けなくてはいけない箇所は無くなった。

車も少なく快適に走りを楽しんだ我々はトンネルに到着してUターン、今来た道を下って行く。この道は登りより下りの方が難しく、それは下りでスピードが乗った状態からヘアーピンカーブに進入する状況が多々有って、ブレーキを掛けるタイミングとスピードのコントロールが難しいからだ。


佐々由商店 GS

このGSはお店も併設。
県境までの往復を楽しんだ我々は、給油の為メンバーが待つGSに向かった。我々が岩井川で給油する時は今までJA-SSでで行っていたのだが、今日はJA-SSがお休みだった為バイパスの少し増田寄りに在る 出光 佐々由商店 GS で給油する事にした。

このGSは、ここのバイパスが出来た時に新設されたGSだったが、我々はいつも以前から利用していたJA-SSで給油していて、今まで一度も給油した事が無かった。

入って見ると設備が新しく綺麗で、隣にお店が併設されている事も有って便利だし、給油スタッフに若いお嬢さんもいたりして結構感じの良いGSだった。

ここで暫く休憩を取った我々は、今度は国道342号を須川に向かって走り出す。

岩井川から国道342号を須川に向かって走って行くと、彼方此方の集落で消防団が出てポンプやホースの設備点検を行っていた。南外の佐藤商店前の消防小屋でもそうだったが、例年冬に向かうこの時期全県的に消防団の設備点検が行われていて、我々の最終ツーリングとかち合う場合が多い。

都会と違って田舎に常時人が居る消防署は無く、集落毎に結団された消防団が火事の初期消火作業を担っているのだが、最近は消防団に入る人が居なくて困っていると聞く。田舎では住民の高年齢化が進み、消防団に入る若い人(40〜60歳代)?が少なくなっている為で、もう十数年もしたらこのような風景も見られなくなるのかもしれない?




かえで庵の周りはまだ紅葉が残っていた。




ここで40分近く待ってしまったのが、後に響く事になる。



▼今年最後の須川の登り
今日の須川の登りはいつも行われていた道路工事も無く(国道342号は11月5日から冬季閉鎖に入る)又走っている車も少なく我々は快調に標高を上げて行く。コーナーが続く場所の手前で、数台の車に追い着いてしまった私は一瞬悩んでしまった。

そのコーナー手前には私が追い越した後入るスペースは有ったが、後続車が入れるスペースは残されていなかった。ここで追い越さなければ暫く追い越す事が出来ず、私だけでも前に出なければ後もまた追い越すのに時間が掛かってしまう事から、私は車を追い越す事を決断、車の前に出る。

そこから私の一人旅が始まった。後続は暫く車を追い越す事が出来ずに、私との間が空いてしまったのだ。単独で快調に走っていた(前回の6th.ツーリングの時は走りがバラバラだった)私だったが、栗駒仙人水近くまで来ると唐松(カラマツ落葉針葉樹)から落ちた茶色の葉が道路中央と両脇に溜まっていて、走行ラインが限定され走り辛くなって来る。

最終ツーリングのこの時期になると唐松も落葉して路上に落ちるのだが、広葉樹と違って唐松の尖った葉は風に飛ばされる事が少なくどうしても路上に残ってしまうのだ。広葉樹の葉が濡れた路面に敷き詰められているのは最悪だが、唐松の葉が路上に落ちているのも気になるもので、どうしてもペースが落ちでしまう。

この時期になっても栗駒仙水を汲んでいる人達が居て栗駒仙水人気は相変わらずのようだが、水を汲めるのは今日が最後になってしまう筈でその割には車が少なかったように思う。水汲みも来年の春まで冬眠は入る事になる。

須川に出た我々は栗駒道路を小安に向かって下って行くが、車に追い着いてしまいその後で時間を過ごす事になる。今日は天気も良く前方に虎毛山や高松岳が綺麗に見えていたが、もう山々の木々からは色が消え失せモノクロの世界が広がっていた。

9月のツーリング時砂利道になっていた栗駒道路と国道398号が交わる箇所が、綺麗に舗装が終わっていた。右手の橋の上はまだ完成していなかったが、橋の先のトンネルは黒い口を開けていたから、この道もようやく来年には完成するものと思われる。

国道398号に入った我々が1車線程しかない狭い道を下って行くと、宮城県側から来た車が加わった為か所々で車が渋滞していた。栗駒山周辺は紅葉の時期慢性的に渋滞する事が多く、私は紅葉の時期を外してツーリングを計画しているのだが、地球温暖化の為か最近紅葉時期が遅れて来ていて、渋滞に捕まる事が多くなった。

小安温泉に到着するとそこはまた大渋滞だった。我々の方向はそれ程ではなかったが、反対方向の車線では駐車場に入る車で長蛇の列が出来ていた。小安峡の大墳湯見物も良いのだが 「行きは良い良い帰りはこわい。」 で見物した後道路まで登って来る階段の事を考えると、私は気軽に行くとは言えないな。 まして夏場は、普通行かないでしょ・・・。

小安峡の渋滞を抜けた我々は、皆瀬の羽場橋を渡った所に在る かえで庵 のパーキングにバイクを停める。


▼かえで庵


ここはいつも混んでおり、時間に余裕を持ってお出掛け下さい。待つ価値は有ると思います。


1名、皆瀬牛に挑戦。
良い匂いを上げていた。

ざる大盛 1040円(税込み)

ここ かえで庵 はいつも混んでいるお蕎麦屋さんで、今日も入口には多くの人達が順番を待っていた。ここの順番待ちは整理券番号で管理するシステムで、レジ近くのカゴの中から私は数字が書かれた紙をゲットする。

私の取った番号は31番、今呼ばれている番号は19番で、我々の番までまだは結構時間が掛かりそうな状況であった。我々は外の東屋で待つ事にしたのだが、結局テーブルに着いたのは40分以上経ってからだった。この待ち時間が後の我々のスケジュールに大きな影響を与える事になるのである。

私はおそば屋さんで頼む定番 ざる大盛 をオーダー、皆さんもそれぞれ好みの物をオーダーする。その中で一人牛肉付きの蕎麦をオーダーしたメンバーがいた。そして牛肉をオーダーするかどうかで悩みに悩んだメンバーもいたのだが、結局彼はオーダーはしなかった。

悲喜交々?のメニューオーダーだったが、私の横では美味しそうな音と匂いが立ち込めておりまして、私のお腹は グゥーグゥー 鳴っておりました。私は以前お肉を食べた事があって今回は遠慮したのだが、他人が食べているのを見ると食べたくなるだよなぁーこれが・・・。

考えてみればみなせ牛ステーキとおそばのセットは1,680円だったから、ざる大盛に640円プラスするだけでお肉が食べられたのだから食べておけば良かったかな?


そして久しぶりに食べた かえで庵の蕎麦 は美味かった。コシ、香り、汁、量共に充分満足出来るレベルで、長く待たされるのは致し方ない事なのかもしれない。

我々は入口で待っている人が沢山いる事から、食べ終えると早々に店を出る。
































法体の滝パーキングで休憩














































これからGSに向かったのだが・・・。
松ノ木トンネルから法体の滝へ
予定より食事に時間を使ってしまった我々は、皆瀬から小安方向に少し戻って木地山に向かう。国道398号から木地山に上る道は、新しく改修されて高速から中速コーナーへと続く楽しい道で、我々は走りを楽しんだ。しかし、この道の残念な所はその楽しい時間が短い事で、もう少し先まで道路改修が進む事を願うばかりである。

木地山に出た我々は、右折して高松に向かう。三途川渓谷に架かる三途川橋には紅葉を楽しむ観光客が沢山いて賑わっていたが、紅葉は終盤を迎えており彩りは今一だったように思う。

高松から裏道を通って横堀の国道13号に出た我々は、国道を南下して院内から国道108号に入り松ノ木トンネルに向かう。院内銀山跡入口を過ぎた時我々の前には1台の車が走っていて、道が広くなってところで我々はその車に追い越しを掛けた。するとその車のドライバーが急にブレーキを掛けて減速した言う。

その為まだ車の後にいた後続の2台は、急制動を強いられたようだ。その後最後尾のライダーがドライバーに頭を下げて車の前に出たらしのだが、我々の追越が車のドライバーを少なからずも驚かしてしまったようだ。

この件に関し私は大いに反省しなければならない点が有ったように思う。広い道に出た時、私は車のドライバーさんの事を全く気に掛けずに追い越しを掛けていた。私は車のドライバーさんに対する配慮が足りなかった事を深く反省しなければなるまい。

そんな事が有った事など全く知らなかった私は、先頭をフルスロットルで走っていた。トンネルに入ってスロットルを戻した私は、トンネルを抜けるのを待って再びスロットルを開ける。高速から中速コーナーへと道は変化し、私は笹子の信号前で後続が揃うのを待った。

到着した後続の順番は走り出した時とは大分変わっていて、私の後ろでは様々なドラマが展開されていたようである。全員が揃ったところで笹子の信号を左折、丁岳方面に進み天神で笹子峠に右折して法体の滝を目指す。まだ二時半を回った時間にも関わらず、陽の光は傾き路上に大きな影を伸ばす中、我々は法体の滝に急いだ。


法体の滝から由利原高原・仁賀保高原へ


法体の滝付近の紅葉は殆ど終わっていたが、観光客は結構多かった。

法体の滝に到着するとそこには結構観光客がいてパーキングには車も多く停まっていたが、周りの山々の木々は葉を落とし紅葉はもう終わった状態だった。しかし、法体の滝は昨日の雨もあってか水量豊富で、勢いよく水飛沫を揚げていた。

我々は皆瀬からここ法体の滝まで約1時間掛けて到着する。時間は2時40分、秋田市には暗くなる5時前までには帰りたいと考えていた私だが、このままでは少し難しい状況になって来た。

10分程休憩を取った我々は、法体の滝を発って仁賀保の見はらし台に向かって走り出す。先頭を走る私は、法体の滝から奥山牧場手前までの道が以前から苦手で、ここを走る時はM氏に先頭をお願いしていたのだが、今日はそうも行かない事情が有って私が頑張って見る事にした。

今日は気温がいつもより高かった(それでも11〜12℃?)せいか、体が硬くならずにリラックスした走りが出来て何とか後ろの邪魔にならないで走り切る事が出来た。私はホッとした気持ちで、広々とした奥山牧場の中をゆっくりと下って行く。

フォレスタ鳥海の前を通過した我々は猿倉と矢島花立に出る交差点を左折、花立に向かう。ここから花立までは間には片側相互通行の区間が有ると聞かされていた私は、ブラインドコーナーの先を探りながら走ったのだが、結局片側通行の箇所は修復されたようで無かった。


▼究極の選択?

花立から南由利原のサイクリングターミナルに出た我々は、東由利原方面に右折する事になるのだが、この時の私は曲がるか真直ぐ行くかで悩んでいた。私の予定では出羽グリーンロードの最終ステージを明るい内(五時まで)に走りたいと考えていて、その為には仁賀保の見はらし台を三時に出たいと考えていた。

昼食のかえで庵で時間を使ってしまった我々は、予定から30分以上押していて東由利原を回って仁賀保高原に行くと、グリーンロード最終ステージで暗くなってしまう事は明らかだった。東由利原も走りたいしグリーンロードも外せないと考える私は、グリーンロードを取るか東由利原を取るのかの二者択一を迫られたのである。

結局私は、先のご馳走より目の前のご馳走を食べてしまったのだが、どっちが良かったのかは今でも分らない。しかし、先の楽しみの為に今を我慢すると言うのは私の性分に合わない事だけは確かで、<今楽しめる事は今楽しむ> が私の信条でもある。

我々は、ゆり高原ふれあい牧場を過ぎた先に有る十字路を左折、西由利原に向かう。私はここで最後尾に下がって後ろから着いて行く事にする。今日の私は朝からズーッと先頭で走っていて気を抜く所が無かったから、ここから先は先頭を皆さんにい願いして少しリラックスして走る事にしたのだ。

青いGSX−Rが先頭を引っ張り、それを皆で追い掛けて行く展開でそれは始まった。前のグループでは赤いR1にようやくスイッチが入ったようで、青いGSX−Rの後ろにピタリと着いて走っているのが直線の先に時々見えている。

私の前をFZR400RR−SPが走っていて彼は前のバイクにしっかり着いて走っている。今年の1st.ツーリングからFUNKYで走り始めた彼だが、後ろから見ているとこの1シーズンで彼の走りが大きく進歩したのがよく分かった。まだまだ学ぶべき事は沢山あるが、走る毎に走りのレベルが上がっており、今から来シーズンの走りが楽しみである。

西由利原に上るヘアーピンコーナーが連続する道を楽しんだ我々は、長い直線を走って四角井戸溜池に出た後、左折して仁賀保高原に向かう。

仁賀保高原への上りは途中に車が入り前と後ろの二つのグループに分かれて上って行く。前のグループは高原の上で待っていて、そこで私が先頭になって今度は仁賀保に向かって下って行く。

この先に複数個所片側通行の所が有ると聞いていた私はその場所を探りながら下って行ったのだが、結局片側通行の箇所は1箇所のみであった。ここでも修復が進んでいたようで、私はその場所を頭に叩き込んで帰りの走りに備える。


秋の太陽は既に大きく傾いている。

我々が見はらし台のパーキングにバイクを止めた時、時間は既に三時半を回っており私の予定から30分以上遅れていた。この後コロニー入口まで走りその後GSに向かう事を打ち合わせた我々は、直ぐに今来た道を引き返す。

ここでも私は最後尾で着いて行ったのだが、前の三台は暫くすると私の視界から消えて行ってしまった。深いバンク角を楽しみながら仁賀保高原に掛け登った我々は、そのまま矢島側に下って行く。

我々三台の先頭を走る隼は、車が入った時の追い越しのタイミング等状況判断が適切で安心して見ている事が出来た。

隼の彼は来年の春秋田を離れる事から今日が一応FUNKY最後のツーリングとなる。FUNKYで走った4年間で彼は多くの事を経験し、多くの事を学びそしてバイクを安全に楽しむ術を少しは身に付ける事が出来たのではなかろうか。FUNKYで過ごした4年間が、彼のこれからのバイクライフに少しでも役立ってくれればと私は願っている。


▼久しぶりのアクシデント

仁賀保高原を下った所で前のグループが待っていると思ったらその姿は無く、打つ合わせのコロニー入口まで行ったようである。そこで私が先頭に立ち三台でコロニー入口に向かい、四角井戸溜池を過ぎて私はペースを上げた。

ここからは暫く緩い下り坂が続くのだが、コーナーを一つ二つクリアーしたところで最後尾のFZRの姿が見えなくなった。少しペースを落としてミラーに注目すると再びFZRの姿が見え私はまたペースを上げのだが、次のコーナーを抜けミラーを覗くと隼の後にFZRの姿は見えて来なかった。

先ほどから私のGSX−Rのメーターパネルではガソリンがリザーブに入った事を知らせる黄色いコーションランプが点滅しており、ガソリンを入れてから200km近く走っている事もあり、FZRが来ない原因はガス欠に違いなかった。

こうなった場合の常套手段は灯油のぷくぷくポンプを確保する事で、私はこの坂を下った鰍沢に人家が在った事を思い出し、鰍沢に急いだ。人家手前の畑に人影が有ってそれはこの先にある家の人と思われたが、先ずは家に行って見る。

玄関は開いており声を掛けたが応答は無かった。しかし、玄関横には灯油のポリタンが置かれており、その上にぷくぷくポンプが2個も載っていた。ポンプは見付けたが無断で借用するわけにも行かず、私は先ほどの畑に戻って事情を説明しポンプの借用を申し出る。

最初ヘルメットを被った人間が急に現れポンプを貸してくれと言われた御婦人は怪訝な顔をされていたが、事情を分かってくれて快くポンプを貸して頂く事が出来た。バイクの所に戻ると坂の上から無音のバイクが走って来る。


▼幸運なガス欠事件!?

ガス欠で完全にエンジンが止まったFZRだったが、止まったのは坂の途中でライダーは地面を蹴って坂を下って来たのだと言う。これでポンプを持って引き返す手間が省け、早速GSX−RとFZRを並べてGSX−RのタンクからFZRのタンクへの給油が開始された。

これは差し詰め日本の自衛艦からアメリカ軍の軍艦に燃料を給油している状態で、GSX-RからFZRの給油口までホースが伸ばされ燃料がFZRのタンクの中に注ぎ込まれていく。インド洋上の自衛艦と違うところは、GSX−RのタンクにFZRに給油出来る燃料が充分無い事で、給油し過ぎるとGSに着く前に今度はGSX−Rがガス欠する事になってしまうところだ。

私の目分量でGSX−Rから1.5リットルのガソリンをFZRに給油し我々は再び走り始めたのだが、GSX-Rのタンクの中には1リットル程度(あくまでも上から覗いた感じ)のガソリンしか残っておらず、全開走行など出来る筈もなく省エネ走行を強いられる。

いつもは短く感じるコロニーまでの道も、今日は長く感じて走っていると土砂崩れの箇所が有って片側通行になっていた。我々はどうと言う事はなかったが、前のグループは結構大変だったのではなかろうか。しかし先頭は赤いR1が走っていた筈で、彼は先日ここを走っていたからこの状況は分かっていると思われ問題無いか。

コロニー入口に前の三台が待っていて我々の方を注視していたが、私がタンクを指差すと彼らは事情を察知したようで直ぐに我々と一緒に走り出す。普通これだけ後続が来なければ戻って来るのだが、彼らがそのまま待っていたと言う事はガス欠で遅れた事を推測していたと思われる。

幾多のガス欠事件を経験しているFUNKYだが、今回はタイミングよく近くに人家が有ってタイムロスを最小限に抑える事が出来たのは幸運だった。北海道大雪山中から十和田樹海ラインまで、FUNKY(2つとも私だが!?)が経験したガス欠事件は数え上げたら枚挙に暇が無い。

幾ら気を付けていても起きてしまう?のがガス欠事件なのだが、航続距離が違うバイクが混じっている場合給油のタイミングが難しく、GSの場所を頭に中に入れて給油タイミングを考えないとガス欠事件は起ってしまうのだ。

今回の場合国道107号のGSで給油を予定していて、そこまでガソリンは持つと私は考えていた。決してFZRの事を忘れていたわけではないが、燃費が悪い区間が結構長く続き読みを間違えてしまったのだ。

各ライダーが自分のタンク内を読んで走るのが基本なのだが、気を付けていても思い違いは有るもんなんです。


▼自動車道で秋田市へ

全車揃ったところでまたガス欠するリスク避け、私は予定の国道107号のGSには向かわず一番近いGSを探す為西目の国道7号に出る。国道に出た所で右に行くか左に行くか悩んだ末、GSの在る事が分っている右に私は曲がったのだが、チラッと見た左の道の先にENEOSの看板が見えた。

私は仁賀保の自動車専用道入口に近い左に見えたENEOSに向かう為Uターンを試みる。たまたま対向車線に車が無く何とかUターンに成功、ガソリンスタンドに滑り込み各車給油する。

私のGSX−R(18リットルタンク)には17.79リットルのガソリンが入りガス欠寸前だったが、FZR(15リットルタンク)には13.8リットル?しか入らずまだ余裕だった。以前北海道でもあったが、補給を受けた方より補給した方がヤバイ事はよくある事で、タンクの中身を目分量で半分づつにするのはは難しく、どうしても多目に給油してしまうようである。

給油を終えた我々は仁賀保に向かったのだが、時間は既に四時を回っており日没まではもう30分もなく、グリーンロードに入る頃には暗くなる事は確実になってしまった。それでも新しく出来た自動車専用道を使えば仁賀保から岩城ICまでは30分も有れば行ってしまうから、以前ほどの時間は掛からないだろう。

我々は仁賀保から自動車専用道に入って今年最後の温泉、秋田市太平に在る 貝の沢温泉 を目指した。


▼初めての自動車専用道

日本海東北自動車道が仁賀保まで延伸されたのは今年の9月で、秋田国体に合わせて完成させたのは明らかだった。国体とは直接関係なかった私だが、秋田市に九月に完成した秋田中央道路同様国体に合わせて完成した新しい道路は結構使えるものが多く、所要時間が大幅に短縮され便利にはなった。

新しく完成した仁賀保〜岩城ICの間は無料開放されており、我々も今回初めて利用したのだが、こんな立派な道路(片側1車線ではあるが)が無料で利用できるとは我々が支払っている自動車関連の税金(ガソリン税、重量税等の特定財源)のおかげなのだろうか。

こんな道路が造られるのなら高いガソリン税を払うのも少しは納得できるが、使い切れないからといって一般財源化されるのは納得が出来ないなぁ・・・等と考えていたら、片側二車線区間になり我々は追い越し車線に移り車列の前に出る。

こんな時、追い越し車線に出て来る軽自動車は何を考えているのか意図が分らない。何キロも無い追い越し車線でジリジリと追い越しを掛ける軽自動車、お前に普通車を追い越すパワーも加速力も無いでしょう。

後ろに車が追い着いても走行車線に戻らず追い越し車線を走り続ける軽自動車ドライバーは、多分こんな道を走った事のないおじさんやおばさん達が多いとは思うが、自動車専用道では軽自動車は追い越し禁止に法律を変えてもらいたいと思います。


▼グリーンロードは闇の中

まだ明るい内に岩城ICを出た我々は、県道44号雄和岩城線に入り雄和に向かう。すると我々の前を古いニッサンスカイライン(私はその型式はは分からないが、秋田ナンバーではなく秋ナンバーだった)が走っており、我々が後に着くと彼はスピードを上げて逃げ始めた?

?マークを付けたのはスピードが少しだけ上がった事は確かだが、逃げたにしては遅いコーナーリングスピードで、ワイドタイヤを履いたわりには見掛け倒しのスカイラインだった。私一人だったらとうに追い越していたのだが、後もいる事だし私はスカイラインの後にピタリと張り付いてプレッシャーを掛けるだけにした。

44峠の登りに差し掛かった時、スカイラインの前には二台ほどの車が走っていたが、上りの直線に出た所で私は追い越しを掛ける。このまま金魚に糞で44峠を越えるのが嫌だったのだが、後続全部が前に出られるスペースは無く私と二番手青いGSX−Rだけが車の前に出る事に成功する。

薄暗くなった44峠を二台のGSX−Rはそれなりに走り、アサノセメント前で後続を待った。後続は峠越えの間に車の前に出られたようで、ライトの光を連ねてやって来た。全車揃ったところで先のT字路を右折し農業試験場前を通過、中川橋を渡って出羽グリーンロードに出る。

県立運動公園へ別れる交差点を過ぎた時、グリーンロードは真っ暗な闇に包まれていた。集落を過ぎた所で私は後ろに下がり、先頭を変わってもらう。明るければ頑張ってみようかとも思っていた私だが、鳥目の年寄りに先頭を走るモチベーションは無かった。

私が下がって先頭になってしまった二番手もこの暗闇で大分戸惑ったようなのだが、後からは赤いR1がピタリと着いて来ていて、彼はそれなりに頑張りざるを得なかったようである。

暗闇の中に綺麗に並んだ彼らのテールランプの列は、考えられないスピードで小さな赤い点になって闇の中に消えて行った。彼らが言うには暗闇を走る時の一番の敵は対向車のヘッドライトだそうで、それはライトの灯りで目が眩み路面が見え難くく、すれ違った直後は視力が戻らずスロットルが開けられないからだと言う。

彼らのようなスピードで暗闇を走る事など、鳥目の人間には想像も出来ません。

国道13号に出ると道路は行楽帰りの車で渋滞していたが、そこはバイクの特権を生かし国道を500m程走って大張野方面に右折、貝の沢温泉に向かう。岩見三内の街中を抜け太平野田に出ると、道路に設置されている温度計が6℃を示していた。

先程から手の指先が痺れてきていたのも当然で、朝よりも気温が下がっていたようだ。日も暮れ澄んだ空には星が出ており、地上の熱が空に逃げていく放射冷却で気温が下がってきていたようで、こうなると早く温泉で暖まりたくなった私は貝の沢温泉に急ぐ。




太平 貝の沢温泉 入浴料420円


外は真っ暗でした。
貝の沢温泉

温泉から上がってご休憩。


これから店に向かいます。

五時半前、暗い貝の沢温泉前の駐車場にバイクを止めた我々は、温泉セットを持って玄関に向かい今日初めてブーツを脱いだ。そして帳場で一人420円を支払い、早速温泉に向かう。

ライダースーツを脱ぎ、いつもより多目に着たアンダーウエアーを脱ぎ捨てて早速温泉に体を沈める。冷えた体には最初熱く感じた温泉も次第に馴染んできて、心から体を温めてくれて、思わず 「 極楽 極楽 」 と口走りそうになってしまう。

皆と会話を楽しみながらじっくりと温泉を堪能する。ここ貝の沢温泉のお湯は、透明ではあるが湯の花も浮いていて(湯口の布の袋で濾している)湯冷めのしない結構温まる温泉なのだ。

温泉でツーリングの疲れを取った我々は、ソファーでゆっくり休憩を取る。小腹が空いて甘い物が欲しくなっていた私は、他のメンバーが買って来た柚餅子を見て自分も食べたくなってしまった。

そこで私も柚餅子を買って食べて見ると、この角館で作られた柚餅子は甘さがちょうど良く美味しかった。久しぶりに食べた柚餅子の味は子供頃はよく食べた?かも知れない懐かしい味で、私の疲れを癒してくれたのでありました。

貝の沢温泉で1時間以上の時間を過ごした我々は、ここから15分程先に在る店に向かって走り出す。さっきは冷たく感じた外の空気も、体に温泉の温もりが残っていて寒さを感じずに走る事が出来た。温泉効果絶大です。




この隼が走るのは今回が最後になった?
▼2007シーズン終了

最後に帰って行ったのはこの人でした。
七時前、店に無事到着 2007シーズン最後のツーリングは終了した。出発時間がいつもより1時間半も遅かったにもかかわらず475km走行と前回のツーリングと同距離を走ったツーリングとなった。

晩秋の秋田を満喫した今回のツーリングは、天候にも恵まれ楽しく走る事が出来た。昼食に時間が掛かったり、途中のアクシデントで時間を取ったりして帰りが予定より遅くはなったが、全体的には充分楽しめたツーリングだった。

ジーズン最後のツーリングとあって、皆さん今年のツーリングを思い出したりしてお話が尽きず、1時間以上経っての解散となった。最後は来年秋田を離れる隼の前で写真を撮ったのだが、この隼が来シーズン居なくなる事を思うと、私の心の中には万感の思いが去来していた。

2007シーズンのFUNKYツーリングはこれで全て終了した。イベントとしてはまだ忘年会が残っているが、2007シーズンを無事に終える事が出来て私は今ホッとしているところだ。



綺麗な鳥海山をバックにブナの森で休憩した1st.ツーリングから始まった2007シーズンは、竜飛崎から北海道を見た2nd.、ブラックマークを何本も残して駆け上った袖山高原の3rd.、山形肘折温泉で蕎麦を食べ山形県側と秋田県側両方の鳥海山を堪能した4th.、十和田樹海ライン・八甲田酸ヶ湯温泉・坂梨峠を回って八幡平・玉川ダムを走った5th.、栗駒山周辺を走ってブラックマークを付けまくった6th.、そして今回の最終ツーリングと二回の北海道ツーリング、多くの楽しい思い出を作る事が出来た2007年シーズンだったが、無事故で無事終える事が出来た。

一台の転倒車も一人の怪我人も無く、其の筋のお世話にもならずにこのシーズンを終了する事が出来た事が何よりも嬉しく、そして誇れる事だと私は思っている。

2008シーズンがどんなシーズンになるのかはまだ想像も出来ないが、路面に残るブラックマークの長さが今年より長くなる事だけは想像出来る。

今、窓の外は雪が降っているが、この雪が解けた2008シーズンがどんなシーズンになるのか今から楽しみではある。


※長い間、私の拙い文章にお付き合い頂き有難うございました。来シーズンもまたレポートを書くつもりではおりますが、その時になってみないと分かりません。

それではまた・・・。


                   おわり


                                21/11/2007

                                  Ryuta


FUNKY Librery FUNKY Library Home