コース

秋田⇒井川⇒八朗潟外周道路⇒能代⇒八森⇒鯵ヶ沢⇒車力⇒小泊⇒竜泊ライン⇒竜飛埼⇒

今別⇒大台⇒やまなみライン⇒蟹田 かにた川 (昼食)⇒国道280号 奥内⇒金木⇒木造⇒

森田⇒鯵ヶ沢高原⇒百沢⇒アップルロード⇒国道7号 大鰐⇒碇ヶ関⇒
矢立温泉 赤湯入浴 ⇒

大館⇒比内⇒米内沢⇒上小阿仁⇒五城目⇒広域農道⇒
モト ワークス ヒラタ 走行距離 569km





空は今にも泣き出しそう。


日本海には厚い雨雲がレーダーに映っていて
我々は雨具を着て青森に向かう。











能代でドライ路面になって喜んだのもつかぬ間
八森はウエット路面になっていた。




北の空は比較的明かるいが、
西の空は暗い。


FUNKY 2nd.ツーリングフランスGP ルマンサーキットの関係?
FUNKYの2nd.ツーリングは毎年5月中旬に行われているのだが、それと同時期に世界選手権フランスGPがルマンサーキットで開催されている。フランスGPは毎年天候に翻弄される事が多く、今年のルマンも雨がレースに大きな影響を与えたようである。

そして FUNKY 2nd.ツーリング もまた雨に祟られる事が多く、この8年間で雨具を着なかったのはたったの2回だけ、5月のこの時期北半球北緯40度〜50度を走る北東北とルマンのライダー達は、雨の影響を受ける事が多いようである。

昨日までの数日間暑いくらいの好天が続いていた秋田も、ツーリング当日の降水確率はAM6:00以降90%となっていた。とはいえ、ツーリング当日AM5:00前に起きた私が外を見ると、空はどんよりと曇ってはいたが雨はまだ落ちていなかった。

しかし、店に向かう軽トラのフロントガラスにはポッツン・ポッツンと雨粒が当たっていたが、まだ路面を濡らす程の勢いは無く私はこのままの状態が少しでも長く続く事を願ったのであった。

店に向かう途中ホテルで1人をピックアップした私は、2人で店に向かう。店に着いた私はツーリングの参加人数を確認する為パソコンを立ち上げBBSを確認すると今日の参加者は遠方から参加の1名を含め4名となっていた。

しかし、出発直前になって今日は田植えで参加出来ないと言っていた1名が到着する。今日のツーリングに参加する為田植えを昨日までに終了させて来たようで、結構気合入ってます。

パソコンで雨雲レーダー画像を確認すると雨雲の本体は男鹿半島に接近中で、ジリジリと東に移動中であった。、今はギリギリ降っていない状況であって、雨が降り出すのは時間の問題と思われ、我々は雨具を着て秋田を出発する事にする。

雨はまだ雨具を着るほどの降りではなかったのだが、途中で止まって着るのも面倒だし時間も取るので、こん時は雨具を着て出発する事にしている。

予定通り6時に秋田市を発った我々は、八郎潟の外周道路を使って能代市を目指す。途中路面は黒くなり始めたが、黒光りする事はなく能代まで来ると路面は乾いて来た。これで雨雲から逃げ切ったとその時の私は思ったのだが、いつもの休憩ポイントの八森まで来るとまた路面は濡れていた。


ここ八森で雨具を脱ぐ事が多い2nd.ツーリング
だが、今回は雨具を着たままで鯵ヶ沢に向かう。


ミシュラン Power One

2nd.ツーリングではここ八森で雨具を脱ぐ事も多いのだが、北の空は南より少し明るいものの、私は雨具を脱ぐ決断をする事は出来なかった。

休憩後、我々はJR五能線と平行して日本海沿いをはしる国道101号を北上する。

今日の日本海は雨雲を映して灰色の海が広がっていて、晴れている日は磯が続く美しい景色を見ながら走るのだが、今日は濡れた路面に集中て走る。



Power One のウエット性能!?
今回私の乗るGSX−Rは、ミシュランから新しく発売されたタイヤ Power One を履いていて、その溝パターからして濡れた路面のグリップ性能が心配されていた。

昨年来、濡れた路面でのタイヤのグリップ性能に関しては人一倍関心が有る私だが、今日この Power One で濡れた路面を走る事になるのは確実で、Power One のウエット性能が如何なるものなのか楽しみでも有るが、左肩が気になるのは何故?

Power One のドライ性能は、先日450km程走った私の印象ではハンドリングも自然だしグリップ感も有って結構印象が良かったのだが、問題は耐久性で450km走って約1.0mm減っていたから新品の溝の深さ(5.0mm)からして溝が無くなるまで使っても単純計算で2500kmは持たない計算になる。

今回は190/50ハイトのタイヤを履いたが、同じハイトの Pilot Power 2CT は3000km(55ハイトは+500km位)は持っていたから、Power One の場合ツーリング1回分走行距離が短くなる計算なのだが、この1回分が」結構大きいんだよね・・・。

耐久性には空気圧も関係して来るから、これからは空気圧を変えながら減り具合をチェックして行きたいと考えているが、この Power One 見た目からも今までのタイヤとチョッと違う新しさを感じるタイヤである。












新たしくなった由利商店ではなく、
いかやの由利



生干しイカ 1枚250円 この皿は1.5枚分


旦那も店に合わせてリニューアル?
以前とは違って小洒落た感じになってました。



●思わず通り過ぎてしまいました!?
鯵ヶ沢のバイパスの手前の信号を右折して旧道に入った私は、由利商店の姿を探して左側を見て進む・・・・!?

「アレッ・・・!?」

私はイカやさんが並ぶ家並みの外れまで来てしまいました。

バイクを止めた私の私の頭の中は、一瞬真っ白になっていました。

「由利商店 が消えた・・・!?」


Before

昨年訪れた時の 
由利商店


After

今年の三月にリニューアルして
いかやの由利 
になりました
私が慌ててバイクをUターンし戻ってみ見ると、見覚えの有るイカを干す棚が見えて来た。その屋根の掛かった棚は確かに由利商店の物だったが、その横に建つ建物は由利商店ではなかった。

私はいつものイカ干し棚の前にバイクを止め建物の正面に回ってみる。すると建物の中にいつものオネエサンとその旦那さんの姿が見え、ここが由利商店である事が分かった。

その茶色の建物に書かれていた文字を見ると、いかの由利 と書かれてあった。

「これが由利商店!?」

何という変わり様であろうか?

私が分からずに通り過ぎてしまったのも無理は無かった。前の建物を三十年以上も見て来た私の頭の中は、以前のお店が完全に刷り込まれていて、由利商店を見付けられなかった私は此処が鯵ヶ沢ではないのかとさえ思ってしまったのである。

雨具を脱いだ私はお店の中に入り、ご夫婦に挨拶し店の変わり様に行き過ぎてしまった事を伝えたのだが、私と同様にお店の常連さんが店が変わった事に気付かず行き過ぎてしまった事が有ったようである。

オネエサンにイカを注文。今日は五名なのでイカの注文を三枚にするか四枚にするか迷ったが、このイカは食べ過ぎると後に大変な事になる可能性があるので、今日は三枚のオーダーとした。

今日イカを焼いてくれたのは旦那さんで、私は旦那さんがイカを焼く姿を初めて見た。旦那さんは手馴れた様子で片手にドライヤーを持ってイカを焼いていて、出て来たイカもいつもの美味しいイカだった。

イカを食べながら携帯サイトで雨雲の様子を確認すると雨雲の本体は鯵ヶ沢の手間の海上まで迫っており、我々は美味しい生干しイカで小腹を満たした後、早々に車力のGSに向かったのであった。

それにしても時代の流れを感じた由利商店のリニューアルであった。店内は小上がりの畳スペースが無くなりテーブルとイスになっていたし、ブラウン管テレビは液晶の大型薄型テレビになっていた。

しかし、考えてみたら30年?以上大きく変わっていなかった方が珍しかったのかもしれませんね!?




車力のGS で給油 秋田市から200km少々!!

●ドライ路面を求めて先を急ぐ
我々が鯵ヶ沢を出る時、空からは雨粒がポツポツと落ち始めていた。


いつもの休憩を取るのだが、
今回は雨から逃げる為給油後即出発!

ドライ路面で竜泊ラインやまなみラインを走りたいという希望を叶える為に我々に残された時間は多くはなく、我々は先を急く。いつも立ち寄る車力GSで給油した後もいつもは休憩をとるのだが、今日は休憩無しで我々は雨具を脱ぎ勝負グローブで竜飛に向かった。

車力付近はまだ雨が降っておらず我々は雨雲を振り切った格好だったが、直ぐに追い着かれる事は明らかであった。それでも小泊から始まるスペシャルステージに到着した時まだ路面はドライ路面で、我々は竜泊ラインを大いに楽しむ事が出来たのである。

人にはトラウマと言うか苦手と言うものが有って、小泊から 道の駅 こどまり 間に在る峠を苦手とするFZR氏は、峠の曲りくねった下りになるとペースが一気に落ちて、新人さん(GSX−R750)に着かれてしまったようである。

FZR氏が此処を始めて走った三年前、トリッキーなコーナーに嵌められて対向車線に一瞬はらんだ事が有って、その事がトラウマになってこの峠を苦手にしていたのだが、昨年はその雪辱を果たし苦手を克服した筈だったのだが・・・。

しかし、新人さんが低速の細かなコーナーを好む事もあってか、FZRはしっかりGSX−R750に着かれてしまったようである。苦手や好きなスチエーションは各自持っているものだが、苦手なスチエーションを無くすには走り込みしかないと私は思う。

苦手なスチエーションを速くするには時間が掛かるから、苦手はそれなりに安全に走り得意なスチエーションを伸ばして楽しんだ方が私は良いと思います。


眺瞰台は休憩なしで、やまなみラインに向かう。



ミシュラン Power Oneはグリップは良いが
耐久性が課題か?  拡 大




竜泊ライン
道の向こうには薄っすらと北海道が見ている。









●竜泊ラインを堪能!!
道の駅 こどまり を過ぎると道は磯の海岸線に沿ってワイディングを繰り返す。私は多種多様のコーナーが混在するこの道が昔から結構好きで、楽しく走りを進める。

道が冬季閉鎖のゲートを過ぎるとヘアーピンカーブが連続する道に変わり、一気に標高を上げる。私が時々覗くミラーには、もう一台の GSX−R1000 K5(ブルー) がピッタリ張り付いているのが写っており、私は彼のプレッシャーを感じながら眺瞰台を目指す。

後の彼は、ここの急激に高度を上げるヘヤーピンカーブの走り方を先輩ライダーから盗んだそうで、そのテクニックを駆使して私をピタリとマークしていたようだ。確かに以前その先輩が私の後ろを走った時も今回同様お尻を突付かれた記憶があるから、そのテクニックはしっかり伝承されたようである。

私も含めここのヘアーピンカーブを苦手とするメンバーがそのテクニックを彼に聞いたのだが、彼は僅かなヒントしか教えてくれなかった。彼もまたその先輩からヒントしか教えてもらえなかったようで、教えてもらうのではなく自分の目で見て盗めという事なんでしょう。

たしかにバイクの乗り方・走らせ方というものは、人から教わるものではなく人の走りを見て自分で実践しながら習得していくものだと私も思うから、彼はケチ?なのではなく我々の事を思ってヒントしか教えてくれなかった・・・のかな?

それよりも何よりも、安全にバイクを楽しむテクニックがFUNKYの中で伝承されている事を知り、私はとても嬉しかった。バイクの走らせ方を覚え、そして道路状況や周りの状況の判断の仕方を習得するには一朝一夕にはいかない。

それは私の歳になっても同じ事で学ぶべき事は山ほど有って、それはバイクに乗っている限り続く事になるのである。

お尻に圧力を感じながら竜泊ラインを楽しんだ私は、眺瞰台のパーキングにバイクを停める。私のGSX−Rに履かされた Power One のリヤタイヤは、消しゴムのカスが付いた様になっていてて、Pilot Power 2ctとは少し違った表情をしていた。

それは Power Race とも少し違った表情で、Power One はこれまでとは違ったコンパウンドを採用しているようである。


新人さんが最後に到着。

GSX−R1000の3台から少し遅れてFZR400RR−SPが到着、流石に新人さんのGSX−R750は直ぐにはやって来なかった。少しして下からGSX−R750のエキゾーストサウンドが近付いて来て、新人さんは最終コーナーを元気良く?立ち上がって来た。

しかし、新人さんに休憩する時間は無かった。それは空からポツポツと雨粒が落ちて来ていたからで、我々は直ぐにやまなみラインに向かわなければならなかったからである。

我々は路面がシットリとなり始めた竜泊ラインを慎重に下り、まずはJR津軽線の終点三厩駅に向かう。我々はいつもの様に竜飛崎の手前に在る風車の所から右折して三厩に向かう。

狭いが交通量の無い曲がりくねった道を前に私は少し熱くなってしまったようで、後ろ事も考えず少し楽しんでしまった結果、直ぐに三厩駅前に到着してしまった。全員揃って国道280号に出た我々は、今別で
県道14号に左折し大平に向かう。


蟹田の かにた川 に到着。
例年より50分位早く到着。






店内ではストーブが焚かれていたが、
私は暑くて止めちゃいました。



















































店から出ると外はしっかり雨が降っていました。
 

●やまなみラインを楽しむ!?
小国峠を越えると大平はもう直ぐそこである。路面の状況は微妙な状態で、ウエットと言える状態ではないがドライでも無い中途半端な状況であった。大平からやまなみラインに入っても同じ様な状況で、私はこの状況の中をどんなペースで走れば良いのか考えてしまった。

数年前、濡れた路面でテールを大きく振ってしまった最初のトンネルに私は慎重に進入したのだが、トンネル内はまだドライ状態で普通に走れて拍子抜けだった。トンネルを抜けた先から次のトンネルまでの間がやまなみラインの核心部で結構な高速コーナーが連続する。

大好きな高速コーナーを目の前にしながらも湿った路面にスロットル操作を慎重にせざるをえなかった私だったが、走っている内に意外やリヤタイヤがグリップする事が分かってきて、次第にスロットルはワイドになっていく。

そうは言ってもドライ路面ではないわけで、スロットルはユックリと操作しリヤタイヤに急激な力が掛からないように注意する。二つ目のトンネルを抜け少し下ると道は狭くなり、我々はその先でUターンして大平に引き返す。

帰り道は路面状況も停まっている車の状況(山菜取りの車が止まっている)も掴めていたので、少しペースを上げて走ってみる。ぺースを上げた事で Power One のリヤタイヤが滑り始めるのではないかと心配したが、そんな素振りも見せず Power One はコーナーを立ち上がって行く。

その時私の後方でドラマが起きていたようなのだが、私はその事を全く知らなかった。私がそれを知る事となったのは最後のトンネルを抜けミラーに目をやった時だった。

本来なら二番手を走っている筈のGSX−R1000 K5(ブルー)の姿はそこに無く、映っていたのはGSX−R1000 K8(ブルー)の姿だった。

「何故!?」 

FUNKYでは先頭を追い抜く事は禁止されているが、二番手以降は追越自由でK5ブルーは途中でK8ブルーと入れ替わっていたようである。しかし、前方の路面に集中していた私はその訳を知る由も無かった。

かにた川で昼食を取りながら聞いた話では、K5ブルーが私に着いて行こうとしてスロットルを開けた時、リヤタイヤ(ミシュラン Power Race E)がウニュウニュと滑り出しスロットルを開ける事が出来なかったらしい。

それを見たK8ブルーは,K5ブルーの前に出て私を追い掛けたのだが、その時のK8ブルーのリヤタイヤ(ミシュラン Pilot Power 2ct)は、滑っているのは感じたが緩やかな滑り方でスロットルを戻す状況にはならなかったと言う。。

結果、雨の降り始めの路面で一番グリップの良いタイヤは Power One と言う事になり、溝の少ないパターンからは想像出来ない結果となってしまった。Power One のコンパウンドは少し濡れた路面でも使えそうな気がします。

ハーフウエット路面でPower Oneは結構グリップする事が判明したのだが、午後からのフルウエット走行でもPower Oneはそのウエット性能を遺憾なく発揮?する事になるのである。

やまなみラインを曲がりなりにも楽しんだ我々は、昼食を食べに蟹田に在る季節限定レストラン? かにた川 に向かった。



しろうおの踊りで踊る?

今日は蟹としろうお祭り最終日でした。

季節限定レストランかにた川は陸奥湾に注ぐ蟹田川の堤防に面した所に建っている。

かにた川で出されるしろうおは、目の前の蟹田川に遡上して来たのを捕らえたものなのだが、しろうお漁は既に終わったようで川岸に設けられるしろうおを捕るは取り払われていた。

今回のツーリングの昼食は、当初十三湖で蜆関係の昼食を考えていた。それは かにた川の営業は昨年は5月11日で終了しており、今回のツーリングが昨年より6日も遅かった事から今回かにた川の営業は終了しているものと考えていたからだ。

しかし、 2nd.ツーリングのかにた川は近年お約束となっており、今回かにた川未体験の新人さんが参加する事もあって、私はツーリングの数日前一応かにた川に電話を掛けてみた。

するとどうでしょう。電話が繋がってかにた川は営業していた。いつまで営業しているか聞くと我々のツーリング当日まで営業していると言うではないか。私は予定を変更しかにた川で昼食にする事にしたのである。

そしてしろうお漁は終わっていたが、かにた川は営業していた。例年かにた川に到着すると店内はお客で混雑していて暫く待たされるのだが常なのだが、今日は休憩時間を削って雨雲から逃げて来た結果かにた川到着がAM11:15と早かったせいか店内はガラガラで、我々は直ぐにテーブルに着く事が出来た。

ここかにた川で食べなければならない物は、しろうおの踊りカニ汁でそれ以外は他でも同じ様な物を食べる事が出来る。我々はしろうおの踊り 600円しろうおそば 500円を注文する。

しろうおそばしろうおの天ぷら普通のそばに載せた物で、これ自体は特筆する物ではないがしろうおの踊りだけではお腹は膨れず、カロリーを補給の為オーダーした物である。

先ずはしろうおの踊りが蓋の付いた器に入って運ばれて来る。新人さんを除いた他のメンバーはしろうおの踊りは経験済みで、ここに来たらお約束の踊りを食べる位の気持で踊りをオーダーしていたが、新人さんは始めての経験にテンションは上がっていたようだ。


器の中ではしろうおがうごめいている。
拡 大


数匹で見ると可愛いしろうおも、数が纏まって
動いていると結構グロテスクに感じるかも?


新人さんは期待をもって踊りの入った器の蓋を取った・・・。

新人さんは蓋を上げて中を覗き込んだ瞬間、奇声を上げて直ぐ蓋を閉めてしまった。

器の中ではしろうおの集団(今年はしろうおの数が例年より多かった様に感じた)がいつもの様にうごめいていたのだが、それは新人さんが想像していた姿とは大きく違っていたようである。

新人さんは私の以前のレポートを見てしろうおの姿形は知っていた筈なのだが、想像していたより大きさが大きかったようだ。

新人さんはしろうおの大きさをしらす程度の大きさと思い込んでいたようで、その意外な大きさからくるグロテスクさに驚いてしまったようである。

以前にもそのグロテスクさにしろうおの踊りを避け続けていた先輩がいたが、意を決して一度だけ食し事があった。しかし、それ以降食する事はなかったのである。

この手の物は食わず嫌いではないが、姿形や先入観で敬遠する人がいる。私の場合、一般に食されている物は一応チャレンジしてみる事にしている。

私は幼い頃、田んぼにバッタを採りに行き、それを佃煮にして食べた経験があって、そんな経験からか食わず嫌いは少ない方ではある。


そして器に蓋をした新人さんは、しろうおの入った器を前に暫く考え込んでしまった。しかしその数分後、意を決した(偉い!!)チャレンジャーは器の蓋を取って鶉の卵とネギと醤油を溶いた物をその中に注ぎ込む。一層激しく動き回るしろうおを箸で摘んで口に運んだチャレンジャーは、口の中でしろうおの動きを感じ眉間にシワが・・・。

以前にも書いた事があったと思うが、しろうお自体に味は無くしろうおは食べても美味しくも不味くも無い食べ物?である。しろうおの踊りはを噛んだ時の独特な歯応えと口の中で踊る動きを楽しむ物だと私は思っている。

新人さんもその事は理解したようなのだが、器の中のしろうお全てを食べ切る事は諦め、他のメンバーにパスしてしまいました。

かにた川で味でお勧めなのはカニ汁で、陸奥湾で獲れるトゲグリガニというカニが半分?入った味噌汁は、カニの出汁が出ていて大変美味である。新人さんには次回カニ汁をお勧めしようと思います。

例年かにた川の店内ではトゲグリガニが売られたいるのだが、今日は並べられておらずトゲグリガニの漁も終了していたようだ。しかし、カニ汁はメニューに有ったから食べる事は出来たようである。

我々がかにた川に到着した時雨はポツポツという感じだったが、食事を追えて外に出て見ると本格的な雨になっていた。我々は再び雨具を引っ張り出し、完全装備でかにた川を後にしたのであった。




金木町の斜陽舘
我々は今回外から見るだけの観光?




雨の中を岩木山を目指して走り出す。


●雨の観光地巡り?


雨はいよいよ本降りになってきました。
蟹田から国道280号で青森市方面に向かった我々は、奥内から県道2号に入って金木町を目指す。この道を走るのは本当に久しぶりで、それは10年以上前の事だったと記憶するが、津軽半島の背骨の山を越える峠道は以前来た時より走り易くなってなっていた?

昔走った時は反対方向だったし今日は雨が降っているしで、以前走った時と印象が多少違う感じだったが、峠付近の道幅が広くなっているようで雨でも結構走り易く助かった。

晴れていれば結構楽しめそうなワインディングで、今度はドライ路面で走ってみたいと思った峠道だったが、晴れていればここを通らず八甲田に向かうのが常だからそれは難しいかもしれない。

金木町には明治生まれの昭和を代表する文豪 太宰治 が生まれた家が有り、今は太宰治記念館 「斜陽館」として公開され、国の重要文化財に指定されている。我々は斜陽館を見学する予定は無かったが、その前に在る観光物産館で休憩する為斜陽舘に向かった。

以前、斜陽舘向かいの銀行の駐車場にバイクを止め、斜陽館の中で昼食を食べた事があった。その時の斜陽館は個人経営の 旅館「斜陽舘」 として営業していて、食事をしながら館内を見学も出来たのだが、現在は町が建物を買い取り太宰治記念館となってしまい、斜陽館を見学しながら気軽にお茶(休憩や食事)する事は出来ず、斜陽舘の敷居が高くなってしまったのが少々残念である。

雨は土砂降りというわけではないが、結構な降りになってきて止みそうも無い雰囲気である。休憩を終えた我々の次なる目標は、国道7号の青森と秋田の県境に在る矢立温泉である。

矢立温泉に向かうには国道7号を使って行くのが一番簡単で近いのだが、国道の車の列に嵌って走るのは疲れるし楽しくも無いから、岩木山の麓を通りアップルロードを使って大鰐に向かう事にした。


吸い寄せられる様に到着した五能線 木造駅
亀ヶ岡石器時代遺跡から出土した土偶?
を貼り付けた駅舎は、結構異様である。


●思い違いで観光!?
そこで私は金木町から木造町に出て国道101号の 道の駅 もりた から岩木山のスキー場に出る事にしていたのだが、思わぬ事から予定外の観光?をする事になってしまった。

金木町から新垣温泉前を通過して木造舘岡に向かっていた時、木造への道路標示が私の目に留まった。私の頭の中で木造といえば亀ヶ岡石器時代遺跡で、私は木造の文字を見てその方向に走れば亀ヶ岡石器時代遺跡に行ける思ってしまった。

ところが皆さんもご存知?のように木造という地名は、五所川原から西と国道101号から北の広い地域を示す地名で、一般に木造といえばJR五能線の木造駅を示すようなのである。

私は道路標示の道が亀ヶ岡石器時代遺跡に向かう近道であると勘違いし、行き過ぎてしまった交差点にUターンし道路標示が示す木造に向かって走り出す。ところがその道はJR五能線木造駅に向かう道で、亀ヶ岡石器時代遺跡とは全く違う方向である事が次第に分かって来た。

津軽平野で道に迷った時ランドマークとなるのは岩木山で、岩木山を見れば自分の位置や進む方向を掴み易いのだが、今日の岩木山は雲の中でその姿を見る事が出来ず私は少し不安になってしまった。

しかし最終的には国道101号に出る事が出来れば良いわけで、私は五所川原だけには近づかない様に南下する。道路標示に出て来る地名の内、私が知っている地名は五所川原以外では木造駅の文字だけで、私はこの際木造駅まで行ってその先の事を考える事にした。


駅の向こうを国道101号が走っている。

木造駅に到着してみると、そこには亀ヶ岡石器時代遺跡から出土した土偶の姿があった。一瞬ここは亀ヶ岡石器時代遺跡ではないかと思った?私だが、バイクを止めた目の前には線路が走っていてここが鉄道の駅である事が分かった。

ここが五能線の駅であるならば近くを国道101号が走っている筈で、私は客待ちをしているタクシーの運転手さんに国道101号への出方を聞く。運転手さんは車の窓を開け国道への行き方を津軽弁で教えてくれた。

亀ヶ岡石器時代遺跡には行けなかったが、そこから出土した土偶?の写真を撮った我々(タクシーの運転手さんは我々がわざわざ駅舎の写真を撮りに来たと思った事でしょう。)は、休憩も取らず木造駅を後にする。

運転手さんの言った通りに国道に出た我々は、国道101号を西に向かい 道の駅 もりた に向かった。


秋田県と青森県の境に在る矢立峠から秋田県
に少し入って所に在る矢立温泉。 別名 赤湯


このお爺さん、優しい人で我々に色々
気を使ってくれた。




●アップルロードで矢立温泉へ
道の駅 もりた の角の信号を左折した我々は、岩木山の麓を一周する道に出る。標高が上がったのか薄っすらと霧が掛かっていて、慎重に走りを進める。百沢に近づくと道の両側は林檎の木だらけで、ちょうど白い林檎の花が咲き乱れていた。

百沢から大鰐まで続くアップルロードの間中、道の両側は林檎の花で埋め尽くされており、晴れていれば岩木山をバックにした林檎の花の写真を撮りたかったのだが、残念ながら岩木山は雲に隠れていて見えなかった。

大鰐で国道7号に出た私には心配な事が有った。車力で給油してから我々は今まで220km以上走っていて、ガソリンが心配になっていたのだ。特に心配なのはFZR400RR−SPで、高回転を使用した走りでは200kmも持たない事もあって信号に止まる度に私はFZRに視線を送る。

FZRの彼も今までの経験からガソリンの事は認識しているようで、信号に停まった時エンジンを止めてアイドルストップのecoモードに入っていた。大鰐のGSで給油を考えていたら道路左側のGSが閉店していて給油が出来ず心配したのだが、道の駅 碇ヶ関 近くの JAGS で給油した時、FZRのタンクには1リットルのガソリンが残っていてまだ余裕が有った。

ここまで雨の中の走行が殆どで、高回転を使用した時間が少なく燃費が良かった(17km/L以上)
ようで、心配は御無用であったようだ。給油後本当は隣の 道の駅 碇ヶ関 でマルメロソフトでも食べて休憩したかったのだが、矢立温泉はすぐそこで我々に道の駅で休憩する時間的余裕は無く、マルメロソフトは次の機会にお預けとなってしまったのである。



リベンジ 矢立温泉

雨降りは、雨具を脱いだり着たりするのが大変です。
矢立温泉は昨年の5th.ツーリングの時訪れていたのだが、ボイラーが故障中で入る事が出来ず今回そのリベンジで訪れる事にした温泉である。我々は急坂を下って玄関前のパーキングにバイクを停める。

玄関横の帳場でおじいさんに入浴料400円を支払い、我々は浴場に向かう。脱衣場でライディングウエアーを脱いで浴場に入ると床は幌加温泉のように温泉からの析出物で凸凹になっていて足の裏が痛い。

凸凹度は幌加温泉程ではないが此の辺では一番の凸凹度(古遠部温泉より上)で、温泉の色は鉄分が多いようで赤く濁っていて(故に別名 赤湯)不老不死温泉に似ている。温泉から上がって体を拭いた白いタオルが薄茶色になっていた事からもこの温泉成分が濃い事が分かったし、浴場の床に張ってある木の板もまるで化石のようになっていて驚いてしまった。

また、この温泉を飲んだ新人さんの感想は 「物凄く苦かった。」 と言っていたから、古遠部温泉同様に金属イオンがタップリ入った温泉のようである。

温泉で体(特に首)を充分温めた私は、帳場の向かいに在る休憩室でアイスクリームとポカリで体のクールダウンを行う。我々が休憩していると、先ほどのオジイサンがやって来て耳寄りな情報を教えてくれた。

矢立温泉では入浴料400円を払うと大広間を一晩無料で使わせてくれるそうで、私は最初耳を疑って聞き直してしまった。寝具は無いが寝袋等を持参しれば下手なライダーハウスより利用価値はありそうである。

但し、入浴は一回限りだから二回入る人は¥400×2回で800円、3回入れば1200円となりますのでご了承下さい。

夏のツーリングシーズン野宿やテントを張って泊まるより、400円払って温泉に入り広々とした大広間で寝られるとしたらこれ程安上がりで快適な事はないだろう。この夏、北東北を訪れる予定のライダーは、頭の隅に入れておいても損の無いマル秘情報でした。

優しいオジイサンに見送られた我々は、まだ雨の降る国道7号を大館に向かって走り出す。

上小阿仁の道の駅で休憩するも、
雨は勢いを増し止みそうもない。



雨は降っているが表情は明るいメンバー達。



















解散になっても雨は上がりませんでした。


●本降りの雨の中無事帰還
大館のバイパスから比内に出た我々は、走り慣れた国道285号に入り上小阿仁の道の駅を目指す。路面に溜まった水溜りの中を通過しても、私の Power One は唐突に空転する事も無く普通に走る事が出来た。

当然スロットル操作はスムーズに行っていたが、Power One のウエット性能は通常レベルでは充分に使えるものだと私は思います。急加速、急減速は試していないので、何とも言えないが、以前私が痛目にあったBSのBT−016と同程度のレベルではないかと思います。

休憩の為我々は上小阿仁の道の駅にバイクを停める。休憩している間に雨は一層強くなり、屋根からは滝のように雨が流れ降ちバイク達も雨のシャワーで洗車状態であった。

目の前に停まっていた黒い三菱チャレンジョーに乗っていた年配の男性(75歳位?)が、休憩している我々に話しかけて来る。我々のバイクを見て

 「何cc?」 とお決まりのフレーズで話は始まり、400ccと750ccと1000ccと答えると

 「1000cc」 で彼は先ず驚く。 そして

 「俺も昔は メグロ に乗って走ったもんだ。」 と話は続き

 「昔の道路はみんな砂利道だった。」 と昔を思い出すように雨空を見上げる。

彼からしたらナナハンでもビックなバイクなのに1000ccと聞いて驚いたのだが、1000ccもナナハンも大きさが変わらずどれがナナハンでどれが1000ccなのか判別出来ない様子だった。

昔、メグロや陸王(陸王に乗っていた年代は80歳代?)に乗っていた人達は結構な富裕層(バイクに乗る事は今でいたらでベンツに乗っているようもの?)なわけで、この酔っ払ったオジサンは昔結構良い所のお坊ちゃまだったのかもしれない。

我々ともっとお話していたい様子のオジサンだったが、他の同乗者に促されてチャレンジャーの後部場席に納まって出て行った。我々もいつまでも休んでいる訳にもいかず、内装が少し濡れたヘルメットを再び被り、土砂降りの雨の中に走り出したのであった。


雨の中、国道285号、広域農道と走って秋田市に帰って来ると、雨は小降りになっていた。今日のツーリングは予定通りに雨には降られたが、予定通り何とかドライステージも走る事が出来た。

一日中雨というのは勘弁してもらいたいが、今日は100km位?はドライ路面を走る事が出来て良かった。北海道へ行った時等、どうしても雨の中を走らなければならない時もあり、雨の中を走る練習は日頃から必要ではあるのだが、出来ればこんな練習はしたくはない。

今日の走行距離は569kmと八甲田を回る当初の予定よりは少なくなったが、八割がたウエット路面の走行はいつもより疲労の度合いが大きかったようで、家に帰った私はいつしかソファーで眠ってしまい、目が覚めたら午前二時過ぎだった。

次回の3rd.ツーリングは岩手方面に行く予定にしているが、出来れば一日中ドライ路面でお願いしたいものである。


                            おわり


                                          by Ryuta
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