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国道398号 湯浜峠
2010 7th.ツーリングコース







コース

秋田⇒出羽グリーンロード゙⇒南外⇒羽後町⇒

横堀⇒高松⇒木地山⇒小安⇒湯浜峠⇒

花山⇒国見峠⇒鬼首⇒R108秋の宮⇒


湯ノ又温泉
 入浴
院内 昼食

松の木トンネル⇒笹子⇒立石峠⇒東由利⇒

三ツ森山⇒出羽グリーンロード⇒岩見三内⇒


モト ワークス ヒラタ
 
走行距離 420km


天候に翻弄された開催日

 例年11月初めに開催される FUNKY 7th.ツーリング だが、今年は曜日の並びの関係で10月31日(日)を開催日に予定、予備日を11/311/7としていた。この時期になると気温は10℃を下回る事も珍しくなく、雨のツーリングは辛い為予備日を設けていたのだが、10/31前日の降水確率予報は50%以上で、私は開催日を11/3に順延する事を決める。

 ところがである、10/31は曇ってはいたが雨は降らず(秋田市での話だが・・・)充分走りを楽しめるコンディションだった。こんな事も有ると私は11/3に期待したのだが、11/3の前に雪は降るし当日は荒れた天候で、結局開催は11/7になってしまったのである。時期的に11/7以降の開催は難しく(気温的に辛い)、私は当日晴れる事を願ったのであった。

 開催日を11/7にした事で問題が一つ有って、それは予定していた国道342号須川への道が11/4で冬季閉鎖に入ってしまった事で、楽しみにしていた須川への上りが走れなくなってしまったのである。また10月に二年ぶりに復旧(2008年6月の岩手・宮城内陸地震で不通になっていた)した国道398号を走る事を楽しみにしていたのだが、国道398号へのアプローチを国道342号から国道398号の小安側からへ変更を余儀されたのである。


微妙な天候

 そして11/7がやって来た。昨晩降っていた雨は上がっていたが、路面は乾き切っておらずハーフウエット状態だった。空には薄っすら青空も見えているところも有って雨は大丈夫そうなのだが、秋田市の今日の降水確率は50%を越えており、この先が心配ではある。

 しかし、今日向かう予定にしている宮城県は晴れの予報が出ており、秋田県の県南内陸部も降水確率は低く私はそこに期待して秋田市を出発する。今回の参加車は、GSX−R750K9、FZR400RR−SPそして私のGSX−R1000K5の3台で、この3台で2010シーズン最後のツーリングに出掛ける事になったのである。

 AM7:30過ぎに秋田市を出発した我々は、いつものように広域農道で大張野に出て国道13号から出羽グリーンロードに入り国道105号佐藤酒店を目指す。道路に設置された気温表示は10℃近くを示しており路面温度も低く路面も生乾き状態な為、私はスロットルの開閉に気を使いながら滑らかな走りを心掛けて出羽グリーンロードを走って行く。

道路は生乾き状態で天候は回復傾向にあるが、雨が降る予報が出ていた。

グリーンロードを楽しむ

 国道13号から国道105号までの出羽グリーンロードは,、FUNKYのホームコースと言っても良いと思うが、私がツーリングで最も多く走った道で有る事は疑う余地は無い。様々なスチエーションを持つこの区間のグリーンロードは、注意を払うべき個所が多々有ってどこでも楽しめる訳では無いが、状況を見て楽しめる区間も結構有る。

 我々の走りはスピードを求めるものではないが、結果的にスピードが高くなってしまう事はある。従ってスピードを抑えて走る所とそうでない所の区別をハッキリと付ける事が重要で、走り慣れた道だからこそより慎重な走りが必要とされるのである。

 さすがにこの時期の朝は寒く、寒さ対策でゴアテックスフィルム入りのグローブをしていた私の指先も感覚が無くなってくる。出羽クリーンロードを楽しんだ我々は、国道105号に出て及位の佐藤酒店の前にバイクを止める。

 佐藤酒店向かいの民家の木々は赤や黄色に色付いてはいたが、例年より色付きが今一で今年の紅葉は遅れているようである。私はいつものようにホット缶コーヒーを買って指先を暖めたのだが、SPはカウルの窓から顔を出しているGSX−R750のフレームに手を添えて、指先の感覚を取り戻していた。

 以前マフラーのサイレンサーで手を温めていたメンバーがいたが、走行直後のサイレンサーは熱過ぎて素手で触るのは難しかった。しかし、エンジンを吊っているフレームは、適度な温かさで手を温める熱源として適しているようである。

 佐藤酒店の前には消防車の格納小屋が在って、11月の第一日曜日には毎年冬に備え消防団の皆さんが消防車を小屋から出して点検している姿が見られるのだが、今年もまた消防団の皆さんが何やらやっておりました。この後、西馬音内や小安でも消防団の車両が隊列を組んで走っているのが見られ、今日は消防団の決起大会?の日でもあるようです。

 先ほどから雨がポツポツ落ちてきていて、我々は指先を暖めた後雨具を着て佐藤酒店を出発、三ッ森山を経て 道の駅 東由利 を目指す。

南外に到着するとポツポツと雨が落ちて来て雨具を着る事。    気温は8℃で寒く、フレームで手を温める。    11月第一日曜日は消防団の日?

予定を変更して小安へ

 国道105号から再び出羽グリーンロードに入った我々は、例の直線を走った後大森に出て三ッ森山に向かったのだが、三ッ森山の上り口に到着してみると雨は上がっていたがまだ路面は濡れていた。三ッ森山に上るかどうか迷った私だが、路面が濡れた三ッ森山を走っても楽しくはなく今回は三ッ森山道の駅東由利をパスして直接西馬音内に向かう事にする。

 国道107号を横断し五輪坂自然公園を通過した我々は、西馬音内を通過し県道311号で国道13号に出てた後、県道51号に入って高松経由で木地山に向かう。西馬音内に出た頃から青空が見え始めた天気は、国道13号に出た辺りからは路面もドライに変わって、絶好のツーリング日和になってきた。

 木地山に近づくに従い山々の紅葉が綺麗になってきて、木地山高原から小安に下る道から見える山々は、紅葉に彩られ山全体が赤や黄や緑に染まっていた。私は思わず止まって写真を撮ろうと考えたのだが、優柔不断な私は結局その景色を目に焼き付けただけで通過してしまいました。

 国道398号に出た我々は、休憩を取る為小安峡の降り口に在るパーキングにバイクを止める。紅葉はこの小安温泉付近も盛りのようで、我々は錦繍に彩られた山々に囲まれながら休憩を取り、二年五カ月ぶりに走る国道398号の峠越えに備える。

小安峡パーキング到着    この辺の紅葉が盛りでした。



小安でも消防団の行進が・・・。                ここまで来ると綺麗な青空が広がっていた。         楓が鮮やかな黄色に色付いていて綺麗でした。



国道398号と須川からの県道282号が交わる交差点。    この付近の紅葉は終わりを迎えていた。  今回私はこのトンネルと橋を初めて通った。


二年5カ月ぶりの国道398号

 休憩を終えた我々は、先月復旧したばかりの国道398号を宮城県花山に向かって走り出す。小安温泉と花山を繋ぐ国道398号は二年前の岩手・宮城内陸地震以来先月まで不通になっていて、FUNKYがこの道を走るのは2年5ヶ月ぶりだった。

 小安から大湯温泉を通過した先で以前は狭く曲がりくねった旧道を走っていた国道398号は、綺麗なアールを描きながらトンネルを抜け橋を渡って県道262号との交差点に繋がっており、我々はスムーズに県境に導かれて行く。以前立ち寄った事の有る栗駒神水も健在だったし、道路は以前と変わった所は無く県境を越え宮城に入る。

 2008年6月1日 FUNKYは3rd.ツーリングで須川から国道398号に入り県境を越えて花山に抜けていたのだが、その2週間後の6月14日栗駒山付近を震源とする岩手・宮城内陸地震が発生する。以前から道路法面からの落石が絶えず改修工事が常態化していた湯浜峠付近の国道398号、地震で崩壊し犠牲者も出たと聞く。もし2週間前に岩手・宮城内陸地震が起きていれば我々は無事では済まなかったと思われ、私の人生も違ったものになっていたのかもしれません。

小安から花山までの国道398号は、一部1.5車線の狭い部分もあるが多種多様のコーナーが連続するワインディングロードで結構楽しめる道なのだが、秋田と宮城を結ぶ観光道路とあって紅葉の時期は車の後ろを走る事が多くなる。しかし今回は県境付近の紅葉が終わりに近かった事もあってか、結構楽しく走る事が出来た。

 県境を越え少し走った先に在る湯浜温泉入口の駐車場には結構車が停まっていて、この地域にも観光客が戻って来ているようである。以前から在った覆道は健在でそこを抜けると新しい道が出来ていた。それは尾根を巻いていた道が崩壊した為、尾根を切り開いてショートカットした道のようで、コーナーが緩くなり走り易くなっておりました。

 我々は2年5カ月ぶりの走りを楽しんだ後、湯浜峠駐車場にバイクを止める。


一見変わらない景色のようだったが・・・

 前回FUNKYがこのパーキングにバイクを止めたのは2008年6月1日(日)の事で、その2週間後の岩手・宮城内陸地震でFUNKYの定番コースとなっていた栗駒山周辺の道路は壊滅的なダメージを受け、地震以降FUNKYはこの地域に立ち入る事が出来ない時期が暫く続いた。

 地震から1年経った昨年、秋田県東成瀬と岩手県胆沢を結ぶ国道397号が開通しFUNKYも一度通っている。今年になって須川と一関を結ぶ国道342号が開通、FUNKYは4th.ツーリングで通行し、そして先月国道398号が復旧した事で、栗駒山周辺の主要国道は全て通れるようになったのである。

湯浜峠から見る景色は二年前と変わっていないように見えたが、正面に見える東栗駒山の山肌に大規模な崩壊痕が見えていて、そこから発生した土石流が駒の湯温泉を押し流したのだという。

 長い間生きている私は大きな地震を何回か経験していて、地震のそれなりの対応の仕方を心得ているつもりだが、バイクのライディング中に地震に遭遇した事はまだ無い。車だったらハンドルが取られる事は有っても転覆する事は無いだろうと思うが、バイクの場合はどうなるのだろう?

 道路にヒビが入ったり陥没した場合は別として、道路が波打って揺れている場合バイクは転倒するのだろうか? それとも悪路を走っているように車体が上下に揺れるだけで転倒しないで走り続けられるのだろうか? 意外に転倒しないで走れるような気もしてますが・・・?

 充分に休憩を取った我々は、湯浜峠から花山に向かって下って行く。ここからの下りは道が狭くトリッキーなコーナーも有って注意して下る必要があるのだが、下りの直線から左に直角に曲がるコーナー手前の路面に土が散りばめられている場面に遭遇した。

 このままブレーキングすればフロントが滑って転倒する事も考えられ、私は土の落ちていない対向車線に入ってブレーキを掛け直角コーナーをクリアーする。当然、対向車線に車がいなかったから出来た事なのだが、対向車線に車がいた場合はきわどい状況だった。私は後続が心配になってミラーの中を確認したのだが、後続のメンバーは各自適切に対応が出来たようで、しっかりミラーに映り込んでおりました。

 狭い道が終了し、我々は温湯温泉に到着する。国道の橋からは老舗旅館として有名な佐藤旅館が見えていたが、遠くから見た感じでは地震の影響は無かったように見える。しかし、佐藤旅館に向かう入口には進入禁止の看板が立っていて、まだ営業はしていないようである。私も一度泊まった事が有る佐藤旅館は、昭和初期に建てられた古い建物が残っている趣の有る旅館なのだが、あの古い建物が地震に耐えられたとは考えられず再開出来るのか心配ではある。

温湯温泉から花山の道の駅までの間も道路が寸断したと聞いていたが、道路は綺麗に修復されておりどこが崩れたのかも分からないまま我々は花山に到着、給油をする為いつものENEOS花山SSにバイクを入れる。

2年5ヶ月ぶりに見る湯浜峠からの景色。 正面に見える東栗駒山の山肌に大崩落の痕が見え、そこから発生した土石流が駒の湯温泉を押し流した。



2年5ヶ月ぶりの再会

 我々が給油機の前にバイクを止めると、いつも給油してくれるお母さんが出て来てFZRの注油を始める。K9SPはこの花山SSを訪れるのは初めてで、お母さんは彼らの顔を知らなかったのだが、FZRを給油する様子を写真に納めていた私の方をチラチラ見ている。

そして私の給油の番になったのだが、お母さんは私が毎年(今回は2年ぶりだが)のように給油に訪れていた人物だと分かったようで、給油口にノズルを差し込みながら

 「テレビに出てましたよね?」 と言ってくる。

 お母さんは岩手・宮城内陸地震が有った1ヵ月後に放送された NHK BS 

 「気ままに寄り道バイク旅 東北編」 を見ていたようで、その中に私の姿を見つけたお母さんは
 「この人うちのお客さんだぁ・・・」 と言ったらしい。

 私が地震の被害はなかったか聞いたら、
 「私のところの被害は大した事はなかった。」 と言っておりましたが、大変だった事は想像出来る。

 久しぶりの再開に会話は弾んだのだが、次々にお客さんが訪れお母さんとゆっくりお話は出来なかった。しかし、お母さんの元気な姿を見る事が出来て安心しました。

 給油を終えた我々は、花山SSを発って近くの こぼれびの森 森林科学館 に向かう。


ここも2年5ヶ月ぶりの ENEOS 花山SS いつものお母さんは相変わらず元気で、私の顔を見て 「アッツ!」 と言って 「テレビに映ってましたよね!?」 と言う。

久しぶりに走る道

 SSを出た我々は花山湖に架かる座主橋を渡って直ぐ右折、狭い山道を走って森林科学館を目指す。この道は1.5車線も無い狭い山道で、脇道が沢山有って迷い易いが、森林科学館への看板が出ているのでそれに従って走れば迷う事は無いと思う。

 木々が道に覆いかぶさっている所に差し掛かった時、道路一面に落葉が敷き詰められていた。我々はその落葉の上を走り抜けたのだが、私のバックミラーには赤や黄色の落葉が舞っている姿が映し出され、それはそれは綺麗でした。後ろを走っていたメンバーも、前を走るバイクの車輪から舞い上がる落葉の舞を楽しんだようです。

こんな事も晩秋ツーリングの楽しみの一つでは有る。しかし、ドライ路面の落葉は前輪で落葉を舞い上げるから後輪が落葉を踏む事は少ないのだが、濡れた路面の落葉は道にへばり付いていて上に乗るとよく滑りますので、スロットル操作には充分お気を付け下さい。

 こぼれびの森 森林科学館 に到着した我々は、トイレ休憩を取る。この森林科学館の前には、紅葉すると鮮やかな赤と黄色に色付く楓の木が有って、今回私は綺麗に紅葉した楓を期待して森林科学館に来ていたのだが、今年は紅葉は遅れているのかまだ紅葉しておらずチョッとガッカリでした。

 暫しの休憩を終えた我々は県道249号を国見峠に向かう。私がこの県道249号を走るのは5年ぶりで(他のメンバーは初めて)、国見峠から国道108号鬼首に出るまでの道を大好きな事も有って、今回この道を走る事を大変楽しみにしていた。

 林道のような狭い道を抜けて国見峠に出た我々は、国道13号に向かって走り始める。国見峠から川沿いを走るようになるまでの下りは路面状態が安定しない為慎重に走った私は、道が川沿いを走るワィンディングロードに変わると走りを楽しむ。

 この道は川沿いに広がる平らな田んぼ(平田)の中を走る為見通しが利くコーナーが多く、探る事無く思い切ったコーナーリングが可能で、上手くコーナーリング出来た時の爽快感が大きく、走っていてとても気持ち良い道なのである。15km以上続くワインディングロードだが、夢中になって走っていたらアッという間に国道13号に出てしまいました。

 走りの余韻を感じながら国道108号鬼首トンネルを抜け秋田県に戻った我々は、今日の温泉 湯の又温泉 に向かう。

森林科学館 紅葉は例年より遅れ気味?         2004年の11月7日は綺麗に紅葉していた楓は・・・。            権謀249号 国見峠で小休止。

久しぶりの湯の又温泉

 湯の又温泉の入口は、国道108号を宮城県側から行くと秋の宮山荘少し手前の右手に在って、入口が国道に斜めに交差している為、宮城県側からはUターンして入るような形になる。UターンといえばK9、私はK9がこの入口を切り返し無しで入れるか大変興味が有ったのだが、K9は路肩からギリギリ10cmを残して見事にUターンをやってのけたのであった。K9北海道から帰って大分Uターン修行を積んだようである。

 我々は一応舗装はされているが狭く荒れた道を走って、湯の又大滝前のスペースにバイクを止める。本当は湯の又温泉の前にバイクを止められるのだが、温泉の手前にSSバイクで行くにはリスクが大き過ぎる急なヘアーピンカーブが有って、私はいつも手前のこのスペースにバイクを停める事にしている。

 初めてこの地を訪れたSPK9の為に、私は湯の又大滝を観光する事にした。湯の又大滝周辺の紅葉は盛りで、紅葉の中から流れ落ちる大きな滝は水量も多く迫力物でしたね。滝の観光を終えた我々は、湯の又温泉への道を下って行ったのだが、例のヘアーピンカーブに一台の車が止まって?おりました。

秋田県 湯沢市秋ノ宮 湯の又大滝前のスペースに到着 紅葉が盛りでした。  湯の又温泉はここから少し下った湯の又大滝の上流に在ります。
 止まっている車を良く見ると右後輪が脱輪しており運転手さんは我々に車を押してくれと言うのだが、後から押すにも後は崖で足場が無く押すのは難しい状況だった。車は四輪駆動車だったが、一輪が完全に浮いている為エンジンを吹かしても脱輪している車輪が空転するだけで、少し押した位では動く気配は無かった。

 こうなればJAFに連絡してレッカー車を呼ぶしかないと、運転手さんは我々と共に電話を借りに(携帯は当然圏外)温泉に向かう。温泉に行くとお母さんが出て来て、運転手さんは事情を説明し電話を拝借したいと申し出たのだが、こんな事は珍しくないようでご主人が出て来て状況を見に外に出て行った。我々の出番はこれで終了、入浴料500円を払った我々は、窓の外に湯の又大滝に流れ込むナメ沢を見ながら温泉に向かう。

湯の又温泉手前のヘアーピンカーブで車が脱輪。     湯の又大滝の直ぐ上に在る湯の又の湯。  窓の外はナメの沢が流れていて、その水が滝から流れ落ちる。
 ここ湯の又の湯は以前は熱いのが特徴?(源泉掛け流し)だったが、熱過ぎるとクレームが多かった為(確かに熱かったが、私はその熱いお湯を棒で掻き混ぜて入るのが好きだった。)水を加えて温度を下げる仕掛けが設けられた。お母さんに今日の水の加え具合を聞いてみたら、今日は殆ど水を加えていないと言う。

 温泉の温度は季節によって変わるから、夏とは違い今の季節なら水を入れなくても大丈夫な温度なのだろうと理解したのだが、我々が浴場に行くと宮城県から来たというおじさんが普通に奥の湯船に入っていた。湯船に入ってみるとこれが結構温度が高かく、SPは足を少し入れただけで入るのを諦め手前の温度の低い湯船に行ってしまった。

 私は以前ここでこれよりもっと熱いお湯に入った事があったのですんなり入れたのだが、人間歳と共に熱を感じるセンサーが鈍ってくるらしく、私や私より少し年上?の宮城のおじさんは熱さを感じないだけだったかもしれません。

 熱目の温泉ですっかり体が温まった私は、温泉から上がった時は結構汗だくで汗が引くのに時間を要したのだが、「これで外に出たらもう一汗掻く事になったりして・・・!?」 等と冗談を言っておりました。

 温泉から上がった我々は水分を補給しに玄関に向かったのだが、そこには我々が温泉から上がって来るのを手薬煉いて待つ人達がいた。脱輪した車を見た温泉のご主人は、人力を結集すれば引き上げられると判断したようで、我々が温泉から上がって来るのを待っていたのです。

 我々は水分補給もそこそこに車を引き上げに向かったのだが、私の冗談が現実になって我々はもう一汗掻く事になってしまったのである。車の所に行くと、ご主人とお母さんが車に結んだロープを手に持って我々を待ち構えていて、ご主人とお母さんがロープで前から車を引っ張り、我々が車体を押して引き上げる作戦のようである。

 私はどこを持って押したら良いか悩んだのだが、言われて気付いたのだのがこの車の後部ドアはスライドドアで、後部ドアを開けばそこには力を掛けられる支柱が有り踏ん張る足場も問題無い事が分かった。これに気付いていれば 「さっき通り掛かった時でも上げられたかも?」 と私は思ってしまったのだが、それはそれとして我々チームと温泉チームの合力で、車はフロントタイヤを鳴らしながら意外と簡単に脱出に成功する。

 急なヘアーピンカーブをインカットして曲がり切れず、バックして切り返そうとして右後輪を脱輪してしまった運転手さんは、

 「ありがとうございました。」 と我々にお礼を言ってくれたのだが、それだけでした!?

 それにしても見え難い左後輪では無く、良く見える右後輪を落とすとは・・・?

私はこの廊下の雰囲気が好き!!

久しぶりに味わう 塩ョッペ味

 一仕事終えお腹を空かした我々は、昼食を予定している岩魚料理が食べられると云う秋の宮岩魚養殖組合に向かう。FUNKYが秋の宮岩魚養殖組合を訪れるのは今回が初めてで、場所は一応インターネットで確認はしていたものの少し不安が有った。

 湯の又温泉から国道108号に戻った我々は、秋の宮温泉を通過し国道108号が役内川を跨ぐ橋を渡った所から左に折れ、薄久内川沿いの県道73号に入る。曲がり角には 岩魚 営業中 の看板が見えていて、私は左側に在る筈の秋の宮岩魚養殖組合を探してゆっくりと走る。

 ところがである。左側にそれらしき建物が現れないまま集落を通過、道が狭くなっても見付けられなかった。遂に薄暗い杉林に入るに至り、私は引き返す事を決断して今来た道を引き返しながらお店を探す。右手に在るであろう秋の宮岩魚養殖組合を見付けられないまま国道108号の少し手前まで来た時、私は道路右下の薄久内川を渡った対岸にそれらしき建物を発見する。

 しかし、そこに向かう道の入口は既に通り過ぎていて、そこに行くにはまたUターンして引き返さなければならなかった。私は考える。先ほど一回Uターンしているし、またここでUターンするもの大変だし、ここで昼食を取らなくても良いのではないかと・・・。

 私は今回秋の宮岩魚養殖組合の場所は確認したので、秋の宮岩魚養殖組合を訪れるのは来年にして、短時間で食事を終えられる処で昼食を取る事を決める。この先の在る食事処は、国道13号に在る 道の駅 おがち か 院内に在る国道沿いの食堂なのだが、道の駅は混でいそうなので今回は早く食事が出来そうな院内の食堂で昼食を取る事にした。

 国道13号に出た我々は、左折して院内駅裏に在る萩の屋のパーキングにバイクを停める。店内に入り、壁に書かれているお勧めメニューを見ると地獄ラーメンが名物らしいのだが、今は地獄を味わいたい気分では無く注文するメンバーは誰もいなかったが、SP地獄ラーメンに大分未練が有ったようである。

 私は普通にカツ丼を注文したのだが、出た来たカツ丼が塩ョッペがった。私は古い人間だから昔の秋田の味付けがこんな風に塩辛い物だった事を知っているはが、今の時代にこんなに塩ョッペ味付けがまだ残っていた事に驚いてしまった。30〜40年前?の秋田県は脳卒中の発生率が全国一?で、それを克服すべく塩分の多い食事を変える県民運動?が行われたりして、今では塩ョッペ味の食物屋は絶滅(関東圏よりはまだ少し塩辛いが?)したと思っていたのだが、残っていましたね。

 私にとってそれは70年前田沢湖で絶滅した国鱒(クニマス)がさかなクンによって富士五湖の西湖で発見されたのと同じくらいの驚きでした。昔懐かしい味でお腹を満たした私は、これからの予定を考える。予定では、国道108号の松の木トンネルを抜け笹子から法体の滝を経由して由利原・仁賀保高原を走る事にしていたのだが、携帯の雨雲レーダー画面を見ると鳥海山の西側に掛かった雨雲が東に移動しており、これから由利原に向かうには勇気がいる状況だった。

 雄勝はまだ青空も見えている状態なのだが、これから西に向かうに従い雨が降って来る事は避けられず、私は西方向を避けて秋田市に帰るルートを探した。そこで私が考えたルートは、まず定番の国道108号松の木トンネル前後区間を走って笹子に出た後、立石峠を越えて羽後町に出て東由利の道の駅に向かうルートだった。

 しかし、このルートには一つ問題が有った。私には数週間前立石峠が通行止めになっていた記憶が有って、今日通れるか確信は無かったのだ。しかし、通行止の場合は別ルートを考えれば良い訳で、我々は先ずは松ノ木トンネルに向かって走り出す。

温泉から上がってこれから昼食です。   結局、国道13号院内の食堂で昼食。 私はカツ丼を食べたのだが、味付けは典型的な秋田の田舎の味で塩ョッペがった。

今年最後の走りを楽しむ

 国道108号に入った我々は、院内銀山跡入口を過ぎてペースを上げる。路面は完璧なドライ、車も少なく我々は今年最後の松の木トンネルSSを楽しんだのでした。私は松の木トンネルを抜けると路面が濡れている事を心配していたのだが、笹子側の路面も完全ドライで道の駅の手前まで一気に走ってしまいました。

 予定ではここから笹子峠を越えて法体の滝に向かう事にしていたのだが、残念ではあるが今回は諦めて立石峠に向かう。国道108号から県道57号に曲がる入口には何の表示も出ておらず、心配してた通行止は行われていないようである。

立石峠は1.5車線の狭い峠道なのだが、今回通ってみると道幅を広げる改良工事が行われていた。立石峠の改良工事はまだ始まったばかりで全線が2車線化されるのは暫く先になりそうだが、工事が完了するまでは片側交互通行や通行止が行われる事になりそうである。

 県道57号から県道34号に入った我々は、道の駅 東由利 を目指したのだが、県道32号を走る頃になると空からポツポツと雨が落ちて来る。雨は次第に強くなってきたのだが、道の駅は直ぐそこで我々はそのまま走り続け東由利の道の駅にバイクを止める。

 皮肉な事に道の駅に到着すると雨は小降りになったのだが、我々は休憩後雨具を着て道の駅を出発、三ッ森山に向かう。今朝予定していた三ツ森山は雨の為パスしていた私だが、雨が降っていると思われる西方面を避け三ツ森山を越えて東に向かうルートを選択したのであった。

 濡れた路面に気を付けながら三ツ森山を越えた我々は、今朝走った出羽グリーンリードに出て秋田市を目指す。雨は殆ど上がっていたが、路面は濡れておりそれなりに走った我々は国道105号に出ていつものJASSで給油を行う。私のGSX−Rは秋田まで充分燃料が持ったのだが、FZRは持つかどうか微妙でGSX−R750よ共に給油を行ったのである。

 給油を終え、ガス欠の心配から解放された我々は、陽が傾き始めたグリーンロードを急いだ。出来ればグリーンロードの最終ステージを明るい状態で走りたかったからだが、路面はまだ濡れており慎重に走りを進めた我々は、県立運動公園に曲がる交差点を過ぎ今シーズン最後のグリーンロード最終ステージを走り始める。

 路面はハーフウエット状態で走る場所を選べばスロットルを開けられる状況で、走っていた車も大型トラックが1台(この道を大型トラックが走っているのは珍しい)ただけで、私は今シーズン最後の走りをジックリ楽しみました。

 国道13号に出た所で私とSPは、バイクを止めてK9が来るのを待つ。私は先ほど追い越したトラックがK9より先に来ると考えていたのだが、坂の頂点から現れたのはGSX−R750 K9のヘッドライトだった。我々がトラックを追い越したのは結構13号線に近い位置で、私はK9がトラックの前に出るのは難しいと読んでいたのだが、読みは見事に外れK9はトラックをブッチしてやって来たのでした。

 私はK9の実力を甘く見ていたようである。K9は今シーズンのFUNKYツーリング全てに参加、数多くの経験を積んで今シーズン格段の進歩を遂げていたようだ。K9はFUNKYで走り始めてこれで丸二年が過ぎたが、まだまだ学ぶ事は沢山有るし走りのレベルをもっと上げていく事も必要だと思う。しかし、K9のバイクを楽しむ姿勢には感服するものが有り、来シーズンのステップアップを期待したいと思う。

 一方のSPは、FUNKYに参加して4シーズンが過ぎた。FUNKYで4シーズンを過ごせば基本的な走り方や乗り方を理解したとは思うが、これで自動車学校を卒業して一般路上に出られるようになったと理解してもらいた。これまでに学んだ事を基に更に経験を積み、走りの質を高めながら安全にバイクを楽しむ事を追求して行って欲しいと思う。

 午後四時半過ぎ、陽も落ちてすっかり暗くなった秋田市に我々は無事帰還する。今日のツーリングは雨に翻弄され予定通りには走れなかったが、2年5ヶ月ぶりの再会や走りを楽しむ事が出来て本当に楽しい時間を過ごす事が出来た。

これで色々有った FUNKY 2010年シーズン のツーリングは全て終了した。来シーズン事を言うと鬼に笑われそうだが、最近私は2011年シーズンの事を考えている。 2011年、私はバイクに乗っていられるのだろうか? 自分自身としては乗っていたいとは思っているのだが、この歳になると先の事は分かりませんから・・・!?

雄勝は晴れているが、鳥海山方面は雨が降っているようです。   東由利の手前から雨が降り始め、道の駅で雨具を着る。   午後四時半過ぎ無事に秋田に帰還。









2010 ⇒ 2011シーズンへ

 2010年シーズン、FUNKYツーリングだけで私は7,800km弱の距離を走った。この距離が一般的に見て多いのか少ないのかは分からないが、FUNKY31年の歴史の中で最も多くの距離を走ったシーズンだったように思う。この7,800kmの中には沢山の思い出が詰まっていて、それはこのレポートの中でも紹介してきたが、2010シーズンは私がツーリングの楽しさを再認識したシーズンでもあった。

 ツーリングの楽しみ方は人それぞれで沢山の楽しみ方があると思うが、私が2010年シーズン特に感じたのはツーリング先で出会った人達との思い出だった。ツーリング先で見る美しい景色、美味しい食べ物、楽しい道等、ツーりングの楽しみは色々だが、私は2010年シーズン、ツーリング先で出会った人、お世話になった人、馴染みの宿の人達との触れ合い等で楽しい思い出を沢山持つ事が出来た。

 バイクでツーリング(旅・トリップ)をすると、普通の旅では起きない出来事や出会いが多々有る。そんな出会いを演出してくれるのがバイクな訳で、車や列車では味わえない思い出をバイクは与えてくれるのである。


 そして 2011年シーズンもまた、私はツーリングへ出掛けたいと考えているのだが、最近心配事が一つ有ってこれまでのようにバイクを楽しめるかか少し不安になっている。その心配事とは視力で、勉強嫌い・本嫌いが幸いしてか二年前までメガネのお世話にならずに済んでいた私だが、仕事やこのレポート書きでパソコンに向かう機会が多くなった為か近くが見え辛くなって、二年ほど前から老眼用メガネを使用するようになっていた。

 しかし近くは見えなくても遠くは以前と変わらず見えていて、バイクをライディングする上では全く問題が無かったのだが、最近遠くが以前より見え難くなったと感じる事が多くなった。この歳になると日々細胞が死滅している訳で、視力が落ちても不思議では無いのだが、視力の低下がバイクのライディングに影響するかどうかが気になるのだ。

それは2011年シーズンが始まって実際にバイクを走らせて見ないと分からない事なのだが、視力はバイクを走らせる上で安全に係わる重要なファクターで、来シーズン最低限の視力が確保されている事を願っている今日この頃であります。


14 JANUARY 2011

by Ryuta



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