TOP 〜初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日
 ■ 5日目



AM6:30 陽が差してきて山々を照らし出す。


肩を寄せ合うバイク達。


お犬様は朝のお散歩。


お犬様はマイペース。
ジッとしてはくれません。



鹿達も朝食中。


こちらは親子連れ?
●幌加温泉の朝

窓の外は大雪の原生林。


若者の朝は遅い。


幌加温泉の朝食は過不足無い
旅館のスタンダードメニュー。


バイクの方向転換をして出発準備。


坂道の凸凹チェック。

日の出前に目が覚めた年寄りは、先ずはカーテンを開け外の様子を確認する。空に雲は無く今日も雨の心配は無さそうである。

朝一で温泉に向かった私は、誰もいない温泉に一人で腰を下ろす。私は温泉が湯口から流れ込む音を聞きながら、ゆっくりと流れる時間を過ごす。

九月のこの時間には、窓から差し込む陽の光が湯殿から立ち昇る湯煙を照らし出し爽やかな朝を演出するのだが、今日は待てど暮らせど陽は差してこなかった。

考えてみると今は十月、季節が進み太陽が昇る時間が遅くなっていたようだ。

温泉から上がった私は外に出てみる。冷たい朝の空気が温泉上がりの熱った体に心地良い。お犬様も朝の散策に出て来て、彼方此方嗅ぎ回っている。

六時半前、ようやく陽が差してきて向かいの山々を照らし始め、その光は次第に下に広がり山全体が輝き始める。

散策して部屋に戻ると若者はまだ夢の中だったが、時間になって我々は一階の部屋に朝食を食べに行く。

ここの朝食は和食の定番メニューで、生卵、のり、鮭、お浸し、梅干、お味噌汁、お新香等で、私は珍しくご飯を御代りしてしまった。生卵が有るとそれだけで一杯食べてしまい、どうしても白飯をもう一杯食べたくなってしまうのだ。

こんな事をしているから、いつも北海道から帰るとヘルスメーターの数字が増えてしまうのである。

朝食を食べ終え部屋に戻ると、外に鹿がいるとV−MAX嬢が教えてくれる。私がカメラを持って外に出て見ると、鹿は四頭いて二頭づつ(それぞれ親子?)に分かれ草を食べていた。

この地域で鹿を見るのは珍しくはないが、十数年前からここを訪れている私だが、この建物の周りで鹿を見たのは初めてだった。

親父さんの話だと、ここの裏で生まれた鹿もいるそうで、最近は毎日のように現れるらしい。この周辺の環境も変わってきていると言う事かもしれません。


●本日のコース

我々の今日の予定は昨晩皆さんと色々検討したのだが、今日のPM7:20苫小牧東港発のフェリーに乗る事は決まっているわけで、それまでをどう過ごすかだった。

例年の北海道の場合、出発前に予定コースを決めているのだが、今年は何も決めていなかった。幌加温泉の周りには多くのスペシャルステージ(SS)が存在し、その全てを周る事は時間的に不可能なのだが、私は出来るだけ多くのSSを周るコースを考えた。

今回もフェリーの時間から逆算して予定を組み立て、乗船時間がPM6:50、鵡川の四季の館(温泉&夕食)に到着がPM5:00、新得でそばの昼食PM2:00〜2:30、然別湖PM1:30、糠平PM1:00まではすんなり決まったのだが、そこまで何処を走るかが問題だった。

もう一度大雪ダム〜三国峠〜糠平間もを走りたいし、せっかく上士幌まで来ているのだからナイタイ高原牧場にも行きたいし、芽登〜置戸間、陸別〜置戸間も走りたい。しかし、この全てを時間内に一筆書きで描くのは難しく、出来るだけ多くの希望を入れて時間内に収まるよう考えたのが下コースである。

幌加温泉(SSグループ)→三国峠→糠平→上士幌→ナイタイ牧場→上士幌
(V−MAX)                 合流           (給油)
                       ↑              ↓
    → → → → → → → → → →              芽登
                                               
狩勝峠←新得(昼食)←鹿追←然別湖←幌加峠←糠平←芽登←陸別←置戸
 
落合→トマム→占冠→日高→穂別→鵡川→苫小牧東港フェリーターミナル

時間的には結構キツキツの予定で昼食の時間も遅くなるのだが、これだけ走れば思い残す所は無い筈だ。後はV−MAXの頑張り次第と言うところかな・・・。


●物価上昇の波
出発の準備を終え私は、帳場に宿代の支払いに行く。一泊二食付で6,500円(税込み)であった。私が十数年前に初めて幌加温泉に泊まった時の宿泊料は5,600円であったと思うが、それがこの数年5,900円になっていた。

ところが今年は一気に6,500円になったようだ。今年になって多くの物価が上昇する中、幌加温泉も値上げせざるを得ない状況になかったようだが、それでも私は6,500円は安過ぎるような気がする。(※翌年は\5,900-だったので、暖房費が入って宿泊料だったようです。)

素晴らしい温泉に浴衣も付いて一泊二食付き6,500円は他では滅多に御目に掛からない(民宿は別にして)料金で、この料金に私は親父さんの信念と言うか信条を感じる。

書くのを忘れていたが、今回幌加温泉のトイレが和式から洋式の腰掛けタイプ(水洗では無い)に新しくなっていた。年配のお客様が多い幌加温泉では、膝に負担が掛からない洋式へ変更は時代の流れの中で必要な事であったものと思われるが、それもお客様を思いやる親父さんの気持が有ればこその事だろう。




親父さんとお約束の写真を撮る。










三国峠のパーキング。
残雪が縁石に残っていた。

写真を左クリックで拡大
●三国峠からナイタイへ

あと何年この写真を撮れるのかな・・・?

出発前の準備で玄関先に出た我々は、バイクの向きを変え、ドラブチェーンにオイルを吹き、最後に初めて玄関先の急坂を下るV−MAXの為に坂道の凸凹をチェックする。

出発の時間になって私は荷物を持って部屋を出る。何だかんだ言っても結局支度が遅く最後に部屋を出るのはいつも私で、忘れ物が無いか確認しするのは私の仕事になる。

バイクに荷物を積み終えた後、親父さんと共に写真を撮る。以前の写真と比べると親父さんも体型が変わっているし、私の頭も大分薄くなっているのが気になるが、出来るだけ長くこの玄関前の写真を撮り続けたものである。

皆さんの注目を集める中、V−MAXが恐る恐るスタートを切って急坂を下って行く。私の期待に反し!?V−MAXは呆気なくなく下のパーキングまで下って行ってしまった。私は余計な心配をしたようである。

幌加温泉から国道273号に出た所で、V−MAXは右折して糠平方面へ、我々SS(スーパ-スポーツバイク)グループは左折して三国峠に向かう。時間も早く車は殆ど走っていなかったが、タイヤを温めたり体を走りモードに切り替える為、私はゆっくりとスピードを上げて行く。

松見大橋を渡り我々は三国峠のパーキングにバイクを停めたのだが、私は歩道の縁石に雪の塊が残っているのを発見し驚いた。それは先日我々が寒い思いをした土曜日に降った雪と思われ、ここが北海道の国道の中で一番高い峠(1,139m)である事を思い知らされた。

今日が土曜日のような天候でなかった事に感謝した私だが、今日の三国峠から見える景色は昨日とまた違った色彩で広がっていた。写真を撮っただけで我々は今来た道を引き返えし、糠平に向かってペースを上げる。

しかし、条件的には昨日より良い筈なのだが、朝が早いせいか体の反応が今一でなかなかペースが上がらない。目から入った情報に体が瞬時に反応するようになるには時間が必要で、それがウォーミングアップ(暖気運転?)と言うものなのだろうが、今日の私は幌加温泉から三国峠まで走っただけでは暖気が足りなかったようだ。

こんな時無理は禁物で、私ははそれなりのスピードで糠平に到着、上士幌のV−MAXとの待ち合わせ場所に向かう。










この景色は北海道ならではのもの。
写真を左クリックで拡大




何見てる?

V−MAX嬢は待ち合わせ場所の国道273号からナイタイ高原牧場へ曲がる角に立っていて無事合流、我々はナイタイ高原牧場に向かう。今日のナイタイ高原牧場は雲一つ無い快晴で、朝の引き締まった空気が心地良かった。


ナイタイ高原牧場到着です。



地球が丸く見えます。



ナイタイのソフトはトップランクの美味しさ。



しんむら牧場のミルク 250円
濃い感じだが以外にアッサリした味!?

緑の牧草地の中をうねるように走る道は山の中腹に在る展望台まで続いており、我々はその景色をゆっくりと楽しみながら上って行く。

展望台のパーキングには観光バスが一台いて、我々が入って行くと入れ替わりに出て行った。今の時間はAM9:30、我々が一番乗りかと思ったが先を越されたようだ。

バイクを停めた我々はレストハウスに向かう。ところがレストハウスに着いて見ると扉が開かなかった。中を覗いても人影は無く開店前のようだった。

これでは観光バスが帰って行ったのもうなずける。私はレストハウスでソフクリームを食べるのを楽しみにして来ていたのだが、これは困った・・・。

しょうがないので景色を眺めたり写真を撮ったりしていたら、一台の車がやって来てレストハウスの横に止った。中から男性(30歳代?)が一人降りて来たので、

私は聞いてみた。

「こちらの方ですか?」

「はい!」

と返事をして彼は中に入っていった。

私は直ぐに店が開くものと中を覗いていたのだが、一向に開く気配がなかった。中では先ほどの彼が動き回っているのが見えたので、私は彼を手招きして何とか扉を開けてもらう。

私は早速ソフトクリームを注文したのだが、ソフトの機械がまだ準備が出来ていないので少し待って欲しいと言われる。

我々はソフトが出来るまで外の景色を眺めながら静かな時間を過ごす。大きな窓からは暖かな陽の光が差し込み、視界の中に人影は無く我々は目の前の素晴らしい景色を独占していた。

そして久ぶりに食べたナイタイのソフト(280円)は美味かった。コーンは新しい形に変わっていたが、味は以前と変わらず濃厚で美味かった。

そして私はある事を思い出す。私は七月の事件以降、カルシウムのサプリメントを毎日飲んでいたのだが、今回の北海道にそのサプリメントを持って来るのを忘れてしまったのだ。

牧場には牛乳は付き物、私はここでカルシウムの摂取を行う事にした。ここには二種類の牛乳があって、一つはよつ葉牛乳(200円)、もう一つはしんむら牧場のミルク(250円)と言うブランド牛乳であった。

牛乳のブランドには疎い私は、しんむら牧場のミルクの名を知らなかったが、この際そのブランド牛乳を飲んでみる事にした。

運ばれて来たそのブランド牛乳は、普通の牛乳よりほのかに黄色味掛かったような色をしており、飲んでみると濃い感じなのだが後味がスッキリしていて美味しかった。

ブランド牛乳にはより多くのカルシウムが含まれている筈?で、これで私の鎖骨はまた少し強度を増したものと思われる。

お店の彼と少しお話したが、ここのレストハウスは以前と経営者が何回か変わっていて今は彼が経営しているらしい。以前来た時、ここのジンギスカンが無くなっていて残念だった事を話すと、焼肉や食事 メニューが復活してしていると言うではないか。

考えてみたら私がナイタイを訪れたのは四年ぶりで、四年の間にここも色々合ったようである。その昔ここで食べたジンギスカンは絶品で、四年前それが食べられなくなった事を知った私は大変残念に思ったのだが、次の機会には是非復活したジンギスカンを食べてみたいものである。

彼と話しているうちに、ここの開店時間がAM10:00である事を知った私は、自分の図々しさに恥ずかしくなってしまった。

開店20分前にも係わらず、嫌な顔一つせず何も言わずに店を開けてくれてた彼には本当に感謝である。店が開くまで20分も待つ時間は我々には無く、もし彼が店を開けてくれなかったら我々はソフトもミルクも味合う事は出来なかった訳で、私が彼にお礼を言ったら彼はただ笑っているだけだった。

こんなところが北海道人の温かさで、もしこれが都会だったら扉は開く事無く我々は立ち去っていた事だろう。

ナイタイで至福の時間を過ごした我々は、ゆっくりと山を下り上士幌のホクレンGSに向かう。




上士幌のホクレンセルフGSで給油。














置戸の定番Seicomart
●SSの連続を堪能す
四年ぶりに訪れたホクレンGSはセルフスタンドになっていた。ここのセルフ方式はお金を先に入れて給油、終了するとお釣りが出て来るタイプで、私は挿入口に五千円札を差し込む・・・?

・・・だつもりだったのだが、私は挿入口ではなく、その上の機械の隙間(1.5mm位)にお札を入れてしまった。これがまた綺麗に入ってしまい取リ出せなくなってしまったのである。

結局、係員に機械を分解してもらってお札を取り出してもらったのだが、その時係員は呆れ顔で私をチラ見していた。何ともお恥ずかしい限りである。

その時は、その隙間がお札の挿入口に見えたんだって、本当に・・・!?

そんな事をしていたら、早々に給油を終えた皆さんは離れた所で私の給油作業が終わるのを待っていた。私は慌ててヘルメットを被り、国道241号を芽登に向かって走り出す。

我々がこれから向かう芽登と置戸を結ぶ道道88号は、長いワインディングロードが楽しめる道なのだが、路肩に屋根を下にした大型トラックが落ちていたりするトラック交通量が多い道なので、周りに充分配慮した走りが要求される道でもある。


道道88号の峠で待ってます・・・。





陸別の街で待ってます・・・。

国道241号から芽登の町に入ると以前給油したENEOSGSが営業しているのを確認、「コケはったんですか?」 パーキング前を通過し長目の直線路を抜けるといよいよSSの核心部に入って行く。

原生林の中を美里別川に沿って走るこの道は、適度なコーナーと直線が入り交じった楽しい道で、GSX−RとZX−10Rは一気に峠のかくれんぼパーキングまで走ってしまった。

本当は
六年前の誰かさんのように、ここで影に隠れV−MAXをやり過ごし後、後ろから追い駆け追い越そうかとも思ったのだが、彼女にも休憩時間を与える為見える所にバイクを止める。

しかし、ここでもまたV−MAXは我々に多くの休み時間を与えずに到着、彼女はヘルメットも取らず直ぐに走り出し、我々は慌ててヘルメットを被りV−MAXを追う。

鹿の子温泉の前で合流した我々は、FUNKY定番置戸のSeicomartで休憩を取る。

置戸は網走・津別方面と上士幌・陸別方面を繋ぐ要の場所で、置戸のSeocomartはFUNKYでは毎年のように利用しているコンビニなのだ。

休憩を取り気持ちをリレッシュした我々は、超高速ステージ置戸⇒陸別間に走り出す。前回走った時は陸別⇒置戸に向けて走ったのだが、今回の置戸⇒陸別方向は、基本的に緩い下りになる為か微妙にブレーキングポイントが違う感じで何か走りが決まらなかった。

陸別でV−MAXを待ち直ぐに足寄方面に走り出す、陸別から先の国道242号は交通量も多くなり道幅の狭く、我々は車の後ろで時間を過ごす。

足寄の手前から清水谷の標示板に従い右折、まずは芽登に向かう。この道には色々思い出が有って私はそれを思い出しながら走っていた。


芽登に出て先ほど営業している事を確認していたENEOSで給油する。本当はもう少し先で給油したいのだが、これから先のコースにGSが有るのは50km以上先で、それまでV−MAXのガソリンが持つか心配だったのだ。

ここで給油した事でGSX−RとZX−10Rは、秋田に帰るまで給油は必要ないと考えられるが、問題はV−MAXである。あの図体でタンクは15リットルしか入らないから、航続距離的には一番厳しく、秋田まで持つかは微妙である。

こんな時、糠平にGSが有ったら問題は無かったのだが、それはもう四年も前に閉店してしまっていて、FUNKYに取って糠平のGSが無くなった事は本当に痛手であった。

しかし、我々には最終ウエポン プクプクポンプ が有るから、何とかなるっしょ・・・。




糠平〜然別湖の折り返し点の
ヘアーピンコーナーで待ってます・・・。
































そば処 新得のそばの館

●糠平⇒然別湖SS

V−MAX到着です。





紅葉は盛りを過ぎていた。



然別湖で少し長い休憩を取る。


給油を終えた我々は、少し戻って清水谷に抜ける道に入る。この道で気を付ける事は時々出くわす蝦夷鹿で、群れを成して道路を横断する事もあるので、1頭見付けたらその後ろを確認する事をお勧めする。

バイクでは蝦夷鹿には勝てませんから!?

清水谷で国道273号に出た我々は、糠平に出て今度は道道85号に入る。糠平⇒然別湖までのSSは北海道の中では珍しく路肩が狭い二車線路で、殆ど直線が無いと言っていいほど曲りくねっている。

私は常にバイクを左右に傾けているこの道が結構好きなのだが、後を走る10Rも好きなようでGSX−RとZX−10Rの二台は、1速ホールドで夢中になって走ってしまった。

幌加峠を上りそして下った我々は、180度コーナーの先でV−MAXを待つ事にした。そんなに待たずにやって来たV−MAX嬢の目は笑っており、彼女もまた初めて走ったこの道を楽しんだようである。

彼女は重いV-MAXに乗ってはいるが、こまいコーナーが連続する道が好きなようで、この道は彼女のお気に入りに入ったようである。

V−MAXと言うバイク、押したり引いたりは重くて大変なのだが、走り出すとハンドリングは以外に軽快で曲りくねった道を走っても結構楽しめるバイクなのだ。

但し、V−MAXでコーナーを走る時気を付ける事があって、コーナーの立ち上がりで回転を上過ぎるとある回転からVブ-ストが効いて急加速する為、コーナーリング中にVブーストが効かないよう低い回転数でコーナーに進入する必要があるのだと言う。

それでもV−MAXの場合中低速のトルクが太く、中低速から立ち上がっても充分楽しめるらしいです。

SSの後半部を楽しんだ我々は然別湖温泉にバイクを停め少し長めの休憩を取る。時間はまだPM1:30前で、予定通りここまで来る事が出来た。

これも殆ど休憩を取らずに走ったV−MAXの頑張りのお蔭で、彼女の集中力には感服する。SS区間(特に初めての道)で単独走行になった場合、自分でペースを作らなければならずそれなりのスピードで走る事は非常に難しいものになる。

彼女の場合それが安定して出来ており、私は安心して待っている事が出来た。それもV−MAXを三万`近く走らせた経験が有っての事で、彼女のバイクに取り組む姿勢には感心してしまう。

然別湖を発った我々は、遅い昼食を食べに
新得のそばの館に向かった。薄暗い原生林の中を抜け白樺峠を越えると一気に視界が開け、十勝平野が目の前に広がり遠くに日高山脈の山々が綺麗に見えている。

山を下り鹿追から国道38号新得に出た我々は狩勝峠方面に右折、左側に見えて来た新得そばの館のパーキングにバイクを停める。いつもは車がで溢れている駐車場に今日は車が10台も停まっていなかった。考えてみたら今日はウイークデイで、席待ちも無く我々は直ぐにテーブルに案内された。


とろろそば

私は以前(四年前)10R氏とここのそばを食べた事が有って、その時食べたそばの味が美味しくて今回ここで昼食を食べる事にしたのだが、今日食べたそばの味は前回と少し違っていたように感じた。

ここのそばは更科系の白いそばで、コシが有ってそばの香りも有る美味しいそばなのだが、今回は少し印象が違っていた。

手打ちそばは工業製品と違って原料や打ち手によって味は微妙に変わるから、いつ行っても同じ味と言う事は無い物なのだが、私の舌には前回の方が合っていたようである。

遅い昼食を取ってエネルギーを補給した我々は、次のSS狩勝峠に向かった。


狩勝峠を堪能

ローソン前の黄色線で減速(ネズミ捕りの常習場所)した私は、左側のパーキングにパンダさんがいない事を確認、狩勝峠の追い越し車線を上り始める。今日の狩勝峠は車も少なく昨年まで行われていた舗装の張替えも終わっており路面は最高のコンディション、我々の走に障害となる物は皆無だった。

車が少なかったのは今日がウイークデイだった事だけでなく、高速道路が清水からトマムまで伸びた事が影響しているかもしれない。国道38号から高速道に車がまわり、狩勝峠の交通量が減る事はFUNKYにとっては好都合なわけで、来年もまた同じ状況であって欲しいと願うばかりである。

フルバンクのコーナーリングからフルスロットルで加速、そしてフルブレーキで減速してまたフルバンク、地面が直ぐそこに見える狩勝峠のコーナーリングはここでなければ体験出来ないもので、我々は狩勝峠を堪能した。

追い越し車線が終わって二車線(中央は黄線)になっても私の前に車は現れず、峠下の覆道までフルで走る事が出来た。こんな事は狩勝峠を何十回と走った私の経験の中でも初めての事で、貴重な体験だった。

「 狩勝峠 最高!! 」

峠でV−MAXを待ち、狩勝峠最後のお楽しみ右の大きく深いコーナーに入って行く。深いバンクを楽しんだ我々は、次の目的地トマムに向かった。

トマムの街の手前に高速の出口が在って、そこから車がドンドン出て来ていた。以前はトマムから占冠に向かう道道136号は、交通量が少なくFUNKYではSSに認定していた楽しい道だったのだが、今日の道道136号は高速から吐き出された車と建設中の高速道の工事車両が行きかい、到底楽しめる状況ではなかった。

来年には高速道が占冠まで延伸(2009年11月予定)するようだから、そうなればまたSSとして機能すると思われるが、我々はそれまで待たなくてはならないようだ。

占冠から赤岩トンネルを通って国道274号に出た我々は、穂別のSeicomartに向かった。




穂別のSeicomartに到着。
















鵡川 四季の館 到着
温泉セットを持って温泉へ。









北海道最後の走り、フェリー乗り場に向かいます。

●北海道との別れ
穂別のSeicomartに着いてみると先客のバイク?が三台いて、その中の一台は大型バイクを改造したトライク(三輪車)だった。車の陰で良く見えていなかった為、私はリヤタイヤとフェンダーの形を見て最初ロータス・スーパーセブンかと思ったのだが、ただの改造トライクだった。

最近国産バイクをトライクに改造したこの手のトライクが全国的には流行っているようなのだが、今までお目に掛かった事が無かった私は間違えてしまった。私はこの後彼らの後ろに着いて走る機会があったが、カマキリが走っているような貧弱な感じで決してかっこいい乗り物には見えなかった。

彼ら(バイク二台 トライク一台 内女性一名XJR400?)は我々より先に出て行ったが、後に彼らから追い越しの仕方を教えてもらう事になるのである。

休憩を終え彼らから少し(5分位?)遅れて穂別を出た我々は、ポレポーレの前を通り過ぎホクレンGSの前を通過して鵡川の四季の館に向かう。平取からの道が交わる所まで来ると前方に例の三台の姿が見えて来る。

一気に追い越そうかと思ったが、その前方にはバスやダンプトラックが走っており、それは無理だった。その内ハミ出し禁止区間になって私は追い越しを諦めたのだが、彼らはそうではなかったようだ。

ダンプ二台に追い越しを掛けるトライクと二台のバイク。先頭はトライク、何とも歯痒い追い越し加速で、対向車線をジリジリと進んで行く。二輪だったらすんなりと追い越しは終了したと思うのだが、対向車とニアミス状態で追い越しは何と完了した。

後ろで見ていた私の方がドキドキしてしまった追い越しだったが、黄線で追い越しを掛ける彼らの勇気に私は感服してしまった。ここで追い越すリスク(対向車とのリスク、お上にお縄になるリスク)と短縮出来る時間を天秤に掛けたら、どちらがお徳かおりこうさんなら分かると思うのだが・・・。


温泉から上がってリラックス。


上はカレー  下はホッキ丼

我々は予定通り五時前に 鵡川 四季の館 に到着する。早速温泉セットを持って温泉へ向かう。券売機で500円の入浴券を購入しフロントに提出、ブーツを脱いで決してスリッパは履かず温泉に向かう。

私はライディングスーツを脱ぎ去り、浴場に行って体を洗って温泉に入る。温泉で温まりながら今回の北海道をゆっくり振り返るこの一連のルーティーンが、私をこれで今回の北海道が終わった事を実感させる。

温泉から上がった我々は、電話で夕食を注文する。いつもは座敷のテーブルの上にレストランのメニューが載っているのだが、今回は壁掛け電話の横にしか置いていなかった。最初それが分からず食事の出前が無くなったのではないかと焦ってしまった私だが、結局注文出来て良かった。

私はここ苫小牧周辺でよく食べられていると言うホッキ貝を使ったホッキ丼を注文、他のメンバーはカレーを注文したようだ。

運ばれて来たホッキ丼の味は、これがホッキ貝と言う特徴が無く普通の玉子丼のようだったが、私のお腹は満たされる。

PM6:30 我々は予定通り鵡川を発ってフェリー乗り場に向かったのだが、私はV−MAXのガソリン残量が気になって彼女に聞いてみた。

彼女の返事は、

「フェリー乗り場までは大丈夫です。」

ガソリンが間に合いそうもなかったらこの先のモタ石油で給油しようと考えていた私だが、彼女の言葉を信じ私は15分先の苫小牧東港フェリー乗り場に向かったのである。




フェリー乗り場に到着。





























今日走ったコースをチェック
●北海道の思い出をお土産に・・・
PM6:45、予定通りフェリー乗り場に到着する。さすがにこの時期フェリーに乗るバイクは少なく、我々を含め十台位(秋田行きは我々三台だけ)しか並んでいなかった。バイクを停める場所も奥のフェリー側に移動していて少し戸惑ってしまったが、バイクを停めた我々はフロントで乗船手続き(予約済み)をした後、二階の売店(北海道土産は結構ここで揃う)でお土産を買ってバイクに戻る。

バイクはトラックや乗用車を積み込んだ後の乗船で昨年とは順番が逆になっていたが、これがスタンダードになるのだろうか。どちらでも良いのだが、出来ればどちらかに固定してもらいたいものである。

いよいよ乗船時間になって私から乗船になったのだが、このフェリーに初めて乗るV−MAXは少し緊張気味で順番を待っていた。私はスロープを上り車両甲板に入った所で係員から一旦停止を命ぜられ、その後左の壁際に停止場所を指示される。

その場所はGSX−Rのハンドル切れ角ではギリギリ向かへそうな場所で、私は立ちゴケしそうになりながらも指示された場所に何とかバイクを止める。すると停止場所を指示した乗務員(甲板員ではなくチョッと偉そうな帽子を被った男)は、もう50cm右側に移動させると言うではなか。

「お前なぁ・・・。バイクは50cm簡単に横にワープ出来ないんだよ。」

「お前さんに此処に止めろと指示されて止めたのに、何で50cmも右に移動させる必要が有るのか説明しろよ。」

とは言わなかったが、私は男の無謀な要求に対し少しお怒りモードになってしまった。

この場所に止めるのは秋田行きの我々三台だけで、スペースは充分空いている訳で私は50cm右に移動させる意味が分からなかった。男はこっちの寄せろと移動場所を指差して何か言っていたが、私は無視してバイクから降りる。

そこに甲板員が来て 「ここで良いですよぉー。」

と言ってバイクを固定する作業に取り掛かる。私は、男が何故50cm右にバイクを移動させたかったのか聞きたかったが、面倒なので止めた。フェリーの乗務員にはバイクの特性を知らない人が多く、ライダーに無謀な要求をしてくる事が多い。

「出来ない事は出来ない」  「無理な事は無理」

ライダーの皆さんは毅然とした態度で臨まないと、無理な指示に従ってバイクを倒しかねませんのでお気を付け下さい。

私に続いて長いスロープを登って無事乗船したV−MAXは、係員の指定通り私の横にバイクを止める事が出来たようだ。

荷物をバイクから降ろし、ヘルメットをアゴ紐で網棚に固定した我々は客室に向かう。今日の秋田行き二等客室は空いており、我々は容易に寝るスペースを確保する事が出来た。


場所を変えて二次会です。

着替えた我々はロビーに向かいテーブルを確保、売店に行って飲み物とツマミを買って来て先ずは無事乗船を祝って乾杯する。

それから今回の北海道を振り返り宴は延々と続いていたのだが、見覚えが有る人物がやって来て、それは中断する事になる。

その人物は二年前も我々の宴を中断した正しくその人で、新日本海フェリーの乗務員であった。彼が言うには、この場所では他のお客様の迷惑になるからと前回同様二階のサロン移って欲しいと言う。

私はこれまで何度となくこの場所で遅くまでいた事があったが、移動を促された事は初めてであった。この場所は客室からは離れており他のお客の迷惑になるとは到底思えなかったが、我々は彼の言葉に従い勝手知ったる二階へ移動する。

この乗務員、二階のサロンに飲んだくれを収容するのが使命と考えているようで、我々以外の飲んだくれも、次々にサロンに送り込んでいた。

三人で二次会をスタートさせた我々だったが、二年前と同様10R氏の姿が見えなくなって、いつの間にか私は彼女と二人で飲んでいた。どちらかと言うとアルコール分解酵素が少ない私は結構出来上がっていたのだが、彼女は私の状態を見て

「そろそろ部屋に戻りますか?」

と切り出す。 何とも冷静な彼女でありました。

残っていたツマミを隣で飲んでいたおじさん達に渡し拍手喝さいを浴びた彼女は、足元がふらつく(二年前も台風の影響で船が揺れ足元がふらついていたが、今回船は揺れていなかったようにと思う?)私を先導して部屋に戻る。

暗い部屋の中で寝る支度をした私は直ぐに眠りに着いたようなのだが、多分彼女は私の鼾で寝付かれなかったのではなかろうか?

私、本人に自覚は無いのですが、アルコールが入ると鼾を掻く傾向にあるようなのです。

「すまん !!」


6日目

FUNKY Librery FUNKY Library Home