2012 FUNKY 北海道 Part 29 初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日














FUNKY 29年目の北海道
 今年の北海道はある事情から例年の敬老の日の連休を外し、一週早い日程で行われる事になった。この時期の北海道は、移動性高気圧と寒冷前線が交互に通過し、高気圧に覆われる3日〜4日晴れて前線が通過する1日雨が降る秋のパターンになっている筈なのだが、今年の9月は8月のように暑い日が続く夏パターンがまだ続いていた。

 秋パターンでいくと、我々の道内日程4日間の内1日は雨に降られても3日はドライ路面で走れる勘定になるのだが、今年は9月になっても太平洋高気圧の勢力が強く秋雨前線が北海道近辺をウロチョロしている状態が続いていた。

 それでも北海道日程1週間前の週間天気予報に雨マークは無く、私は今年の北海道は全てドライ路面で走ると大いに喜んでいた。しかし、結果的にはFUNKY北海道史上最悪ドライ路面が最も少ないトリップとなってしまうのである。そのへんのお話は追々お話するとして、北海道へ出発する日の秋田の朝は快晴で夜が明ける。

 秋田港発 am7:00 の苫小牧東港行きのフェリーに乗る為、私はいつも5時前に起きて出発の支度をするのだが、今回は一つのミッションを行う為1時間早い4時前に起きて支度に取り掛かる。ミッションとは、昨年も行った秋田から緑のバイクを新千歳空港まで運ぶミッションで、昨年寝坊して焦った経験から今年は4時前に起きて余裕を持ってそのミッションに取り掛る。

 家を5時に出た私は、荷台に緑のバイクを載せたアクティトラックを秋田港に走らせる。緑のバイクを秋田港にデポするのは昨晩でも良いのだが、夜のフェリーターミナルに人はおらず悪戯される可能性も考えられ、私は慌ただしくはなるが朝にバイクをデポする事にしている。

 無事緑のバイクをフェリー乗り場にデポした私が予定通りam5:30にお店に到着すると、今回の北海道もう1台の参加バイク GSX−R750 白 の姿が既に其処に有った。私は急いでGSX−R1000 K5 黒/黄 を工場から出してライディングウエアーに着替え、予定通りam5:40お店を出発し再び秋田港フェリー乗り場へと向う。

 秋田港へはam6:00前に到着、今年はフェリーの予約を行っていなかったが、昨年バイクだけ載せる手続きも経験済みで、乗船手続きは余裕を持って終える事が出来た。今回何故フェリーの予約をしていなかったというと、今年から新日本海フェリーの予約方法が変わり、予約して直ぐに決済しないと予約がキャンセルされるシステムに変わった為(予約しなくてもガラ空きなので予約しなかった)であった。

 変わったと云えば今年になって新日本海フェリーの料金期間が変わった。新日本海フェリーではA・B・Cと期間によってフェリー料金が違っている(Aが1番高く B⇒C と安くなる)のだが、今回その期間が変更され9月がC期間から料金が高いB期間になってしまった。

 我々が9月に北海道ツーリングを行ってきたのは天候や道内の混雑具合も有るが、9月はフェリー代が安いと云うのもその理由の一つで、C期間からB期間になった事でフェリー料金は15%以上高くなり、基本運賃も少々値上がった事も有り、フェリー代(往復)は昨年より4000円近く高くなってしまいました。

 4千円は1泊分の宿賃に近い大きな金額で、ツーリングを6月や10月のC期間に移し日程を1日延ばす事も私は考えてしまいましたね。

秋田の天候は晴れ


先ほどデポした緑のバイクの点検を
係員から受け、乗船位置に移動する。

今年も秋田から乗るバイクは我々だけでした。
バイクだけ載せる場合は、止める位置が違う。
 乗船手続き終了後、私はフロントの女性(ヤングな秋田美人!)からフェリーに載せる緑のバイクの点検を行うのでバイクの所で待つように言われたのだが、それは昨年まで無かった事であった。トラックでバイク輸送をする時に行う点検と同じものだったが、この一年の間に輸送中の傷等でトラブルでも有ったんでしょうね?

 am6:35 車に先だって我々の乗船が始まる。私は先ず自分のGSXで乗船、スロープを降りて次に緑のバイクを乗船させる。今日は新潟から乗って来たバイクも少なく(5〜6台?)秋田から乗るバイク用スペースは広々としていて、フェリー乗船時何かと事件が起きてしまう白いバイクも、何事もなくバイクを指定位置に止めていましたね。

フェリーでのトリップ
 荷物をバイクから降ろし、ヘルメットやグローブは網棚に載せた我々は、荷物を持ってツーリストA客室(以前の2等客室)に行ってスペースを確保、先ずは着替えてフェリーの中で過ごす10時間20分に備える。

 この数年、我々にはこのフェーリー内で過ごすルーティーンが構築されており、我々はそのタイムテーブルに従って時間を過ごす事になる。

フェリー内タイムテーブル
am 7:00 秋田港出港
am 9:00 BINGO大会
am10:00 ビデオ映画観賞
pm 1:00 お昼寝タイム
pm 4:00 下船準備
pm 5:20 苫小牧東港下船

見送りはフェリー会社のスタッフだけで少し寂しい!?


セリオンタワーとは暫しのお別れです!



上の楕円は空調ダクトの結露の受けるビニールシート
下の楕円はそのドレンパイプ

 我々はフェリーの船尾に回ってフェリーが秋田港を離れる景色を眺めていたのだが、周りでは赤トンボが飛び回り秋の虫の音(鈴虫?)が聞こえていた。私は最初何の疑問も無く時を過ごしていたのだが、フェリーが岸壁を離れ秋田港から出た辺りから頭の中に疑問が・・・?

 この飛び回っているトンボはこのまま北海道まで行ってしまうのか・・・?

 フェリーはもう何キロも陸地から離れていたが、トンボはこの長い距離を飛んで陸地に戻れるのか・・・?

 その疑問の答えを私は見付けられなかったが、津軽海峡を通過する頃再び外に出てみるとトンボの姿は無く、どこかでトンボは下船したとみるのが妥当・・・かな?

 それよりも鈴虫の音が私は気になった。トンボと違って長い距離を飛ぶ能力を持たないと考えられる鈴虫、フェリー内に生息していると考えるのが妥当だが、船内には草も木も無く何処で食事?しているのだろうか大いなる疑問であった。

 その疑問の答えになるかどうかは分からないが、鈴虫の音は空調用ダクトの結露を集めるカバーの方から聞こえているような気がする。水が有れば苔等が有っても不思議では無く、カバー内やドレンが落ちるカーペットに鈴虫が生息可能なのではないのか・・・?

 私はカバー内を覗いて鈴虫を探す事はしなかったが、青い海に描かれる白い航跡を眺めながら聞く鈴虫の音は、何とも不思議な感じでしたね!?

 am8:30頃BINGO大会の開催が艦内にアナウンスされ、、我々は9時少し前今年も3千円の金券を獲得する為BINGO会場のカフェラウンジへと乗り込んだ。ところがである! カフェラウンジに行ってみると、パソコンを弄っていて青年が一人いるだけで、他には誰もいなかった。

豪華ランチ獲得を目指して
 BINGO大会の参加する皆さんは、これから集まって来るのだろうと9時になるのを待っていた私だが、9時になっても来たのは私と同年代?のご夫婦が一組だけだった。BINGO大会を仕切る女性スタッフが会場に姿を現したが、BINGO参加者は我々二人とご夫婦二人、そしてパソコン青年の合計五人だけで、女性スタッフは戸惑いの表情を浮かべる。



この二人が豪華賞品総取りのご夫婦

 連休前でも無い金曜日では乗船している人も限られるのだろうが、それでも乗船客は100人位はいた筈なのにBINGO大会参加者は五人だけ・・・!?

 私は思わず心の中で <万歳三唱> をしてしまいました。

 これで金券三千円を獲得する確率は 2/5 となり、豪華なランチが グゥグゥーッ と近づいてきたのだが、こんな事は結構有るのだろう女性スタッフがBINGO大会をジャンケン大会にすると言いだした。

 商品は五人分以上有る訳で、五人でBINGO大会を行うよりジャンケン大会の方が手間が掛らず手っ取り早く賞品を分配でき訳で、女性スタッフの気持ちも分からない訳ではないが、私は嫌な予感が・・・!?

 私、抽選会とかBINGO大会での当選実績は結構有るのだが、ジャンケン大会で何か獲得した事は過去に一度も無く、私の中に不安が・・・。

 そして五人によるジャンケン大会が始まった。AKB48のジャンケン大会で勝ち抜いた彼女は、パーを出し続けて勝ち残ったと何かで読んだ事があって、AKB48のジャンケン大会関連のテレビ番組でもパーで勝つ確率が一番高い(統計を取った結果)と言っていた事を(この情報を相手が知っているかどうかで結果は変わるが・・・)、その時の私はすっかり忘れておりました。

 パーで勝ち残る確率が高いという事は皆さんグーパーを出す確率が高く、チョキは滅多に出さないという事なのだろうが、私は何も考えずチョキグーばっかり出しておりましたら、老夫婦二人と相棒の三人にグーで負け、パソコン青年との最下位決定戦で私はチョキで負け、いち早く私の最下位が決定してしまいました。

 結果的にAKB48の彼女がしたようにパーを出し続ければ勝ち残った可能性が高く、私としては非常に残念な結果に終わってしまったのだが、まだ豪華ランチの可能性が消えた訳ではなく、私は相棒の健闘に大いに期待したのだったが・・・。

 しかし、1回戦に勝ち残った相棒も老夫婦に敢え無く敗退、今年も豪華ランチは遠退いたかと思われたのだが、最後まで勝ち残り一番に賞品を選択する権利を得た老夫婦の旦那さんは、賞品内容を良く理解しておらずどれを選ぶか迷っていた。


今回の戦利品

 賞品は、三千円の金券1本、チーズケーキの引換券1本、これは昨年と変わっていなかったが、昨年まで出されていた新日本海フェリーの絵葉書や携帯ストラップはストックが切れたのか、今年はソフトドリンク引換券とソフトクリーム引換券に変わっていた。

 私だったら迷わず三千円の金券を選択するのだが、迷っている旦那さんに女性スタッフが金券の内容を説明してしまい、旦那さんは当然金券を選択するのでありました。

 これで今年こそ豪華ランチと云う我々の野望は潰え去った訳だが、最終的には ソフトドリンク引換券2枚 と ソフトクリーム引換券2枚 をゲット、今年も新日本海フェリーさんには大変お世話になりました。
 ジェンケン大会が早く終わってしまったので次のビデオ映画観賞会までに少し間が空いてしまったのだが、時間になって我々は三階のビデオシアターへと向う。今回の映画は、『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』 という映画で、イギリスのコメディ番組『Mr.ビーン』で知られるローワン・アトキンソン主演のアクションコメディ映画だった。

 ローワン・アトキンソンが007でお馴染のイギリス諜報部員に扮して予想を裏切らない失敗を繰り返す「天災的スパイ」を演じる映画で、私は笑いを堪えるのに大変でした。


ビーフカレー 700円
※カルビ丼  800円?
 2時間の映画はアッという間に終了、時間は昼食の時間になっていた。フェリーは津軽海峡に入り、目の前に竜飛埼の白い灯台が見えている。我々は次のルーティーンのランチをいただく為、再びカフェラウンジに戻る。

 昨年はBINGO大会で獲得した金券で ランチバイキング 1,200円 をレストランでいただいたのだが、今年は質素?に私は ビーフカレー、相棒は カルビ丼?になりました。

 私は一度でいいからグリルで 豪華なランチ 2,500円 をいただきたいと考えているのですが、それは来年のBINGO大会に期待したいと思います。

 食後、ジャンケン大会で獲得したソフトドリンク券で ホットコーヒー(200円) をいただいた後、売店に行ってこれもまた獲得したソフトクリーム券でソフトクリーム(300円)?でデザートをいただきました。


ソフトクリームと言うよりはソフトアイスクリーム 300円
※デザート後はこれを飲んでお昼寝タイム


 昼食の後、寝酒の発泡酒?を飲んだ私は、客室に戻りお昼寝タイムとなる。私はアイマスクと耳栓をして横になったのだが、昼寝の習慣が無い私はなかなか寝付かれませんでした。

 しかし、何度が意識が戻りながらも起きたら時間は4時を回っており、何とか早起きした寝不足分は取り戻して、爽やかに目が覚める事が出来たのでした。


苫小牧沖を航行中
※樽前山がその特異山の形を見せていた。
 下船まではまだ1時間以上有って、私は船内をブラブラしながら外に出てみる事にした。

 フェリーは地球岬を通過、登別から苫小牧沖に差し掛かろうとしていました。

 天気は快晴、オロフレ山からホロホロ山、樽前山へと続く北海道の山々が綺麗に見えている。

 この山々には走れる道が幾つか有って、有名な所ではオロフレ峠、旧大滝村の国道453号から白老に抜ける道道86号、苫小牧の国道36号から樽前山の横を走って支笏湖に出る道道141号等で、私は最近行けてないが結構楽しめる道である。


皆さん下船準備中

 フェリーは時間通りに苫小牧東港に入港、今日は車も少なく下船にはそんなに時間が掛らずに下船出来そうである。何しろ我々はこれから新千歳空港まで往復しなければならない訳で、出来るだけ早く下船して明るい内に千歳空港に着きたい訳です。

 車の下船が終わり、私は一番でスロープを下り北海道に降り立ったのだが、既にこのフェリーに乗るバイク(乗船までまだ2時間も有るのに・・・)が並んでいてスロープを降りる私に注目している。

 実はお店のお客さんがこのフェリーに乗る事になっていて、私はそのバイクの中にお客さんのバイクを探していたのだが、その中から男性が飛び出して来るのが見えた。

 私が黄色のバイクを止めるとお客さんがやって来て挨拶を交わすが、私は直ぐに緑のバイクを取りにフェリーに戻る。後部の出入口からフェリーに入り階段を登って二階のフロアーに戻った私は、緑のバイクに跨り再びスロープを下って黄色バイクの所に戻る。

 新千歳空港に向かう準備をした後お客さんに再び戻って来る事を告げた我々は、緑のバイクと白いバイクの二台で慌ただしく新千歳空港に向かうのでした。

トム・クルーズ!?
 この緑のバイクを新千歳空港にデポするミッションも今回で三回目、道順も駐車場所も駐車方法も織り込み済みで、無事に緑のバイクを新千歳空港のパーキングにデポした我々は PM6:09 新千歳空港を発って黄色のバイクが待つ苫小牧東港へと引き返す。

 空港を出た私は白いバイクを加速させていたのだが、折しも道と並行して走る滑走路から白い(JAL?)ジェット旅客機が Takeoff 中だった。 その ボーイング767? は急角度で上昇し我々を追い抜いて行ったのだが、その時の私は 767 が F−14 トムキャット に見え、自分が GPZ900R に乗る トム・クルーズ で頭の中では トップガン(1987年日本公開のトム・クルーズ主演映画) のテーマがガンガン鳴り響いておりました・・・!?

 フルスロットルのジェットタービン音を聞きながら横眼で F−14? を見ながら走った数秒間、私は 完全に トム・クルーズ になりきっていましたね・・・!?

お客さんと写真を撮ってお別れ。
北海道ツーリングが終わった人と
これからは始まる人の2ショット。



 F−14? が夕闇せまる空に光を点滅させながら消えて行った後、私は苫小牧東部地区工業団地の広大な原野の中を貫く真っすぐな道を、ヘッドライトライトの光を感じ始めながら走る。

 国道235号に出る頃にはすっかり陽が落ちて暗くなり、上空には新千歳空港に着陸する飛行機の明かりが多数見受けられた。緑のバイクのライダーが乗る飛行機もそろそろ着陸態勢に入る時刻で、私は上空で光が点滅する度に空を見上げておりましたね。

 六時半過ぎフェリーターミナルに戻るとお客さんが再び登場、旅の話を聞いたり写真を撮ったりして時間を過ごす。我々はお客さんに見送られ、今宵の宿 穂別の民宿 ポレポーレへと向った。

 苫小牧東港のフェリーターミナルから穂別までは40km弱、陽が落ちて真っ暗な夜道を走るのは大変気を使うのだが、私の黄色いバイクにはHID(55W)の明るいライトが装着してあって快調に穂別に向うのであった。
China製 HID
 この 55W HID は、35W HID と比較すると格段に明るく大変お勧めなのだが、HIDにも格安のChina製から高価な日本製まで多種多様なHIDが販売されている。今回私は、価格のお安い(日本製は高過ぎる)China製の物を取り付けたのだが、China製HIDが出始めた頃は製品の信頼性が低く直ぐに故障する物が多かったように聞く。

 しかし、最近のChina製は大分信頼性が増したようで保証付の物が出ていて、私はその保証付き(バーナー3年、バラスト1年保証)の物を購入した。今のところ故障はしていないが、使用期間がまだ3カ月で信頼性に関してはまだ何とも言えません。


GSX-R1000 K5 下向きのHID取付用カバー

 China製HIDの多くは車用に製作されている為、バラストが大きく装着場所に制約が有ったり、バーナーの取付配線がバイク専用設計になっていない為そのまま取付かない事が多い。

 私はバイク用薄型バラストを選びサイドカウル内側のスペースにバラストを取り付けたが、バーナーの取り付けには苦労した。

 GSX−R1000 K5 の下向きはH7のハロゲン球を使用していて、H7ソケットの外側に防水のカバーが付いている。そのカバーの内側からH7に配線が出ていて、カバーの外側にはH11用?のソケット付いており、そこからハーネス配線に接続する形を取っている。

 ハーネスとライトケースのカバーを加工して配線(これが結構大変で製作に半日掛りました)すればHIDは点灯するのだが、長距離ツーリング中の故障に対応する為、標準ハロゲン球H7と交換出来るよう配線を製作、私はノーマルカバーとH7ハロゲン球をテールカウルの中に忍ばせております。

 HIDで気を付けなければいけない事がもう一つ有って、それはバーナーのケルビン数(光の色)である。HIDを取り付ける理由には、ライトを明るくしたいとか青い光にしたいとかあると思うが、明るさを求めるならがケルビン数は4000K付近の物を選ぶべきだろう。

 4000K付近のバーナーは白色で一番ハロゲン球(淡黄色)に近い光を発するが、車検が通る限界の6000K付近のバーナーは相手からは青白く良く見えるが、光が路面に吸収されライダーからは明るさを感じない傾向がある。

 6000Kを大きく超えるバーナーは車検を通らない(年式により違うが現在光源色は白色と規定されている)からここでは省くが、下向きだけを6000KのHIDに交換した場合上向きライト(ハロゲン色)と光の色が違い過ぎる為、車検が通らない可能性が高い。上向きも同じHIDの6000Kに交換するか、下向きをハロゲン球に戻して車検を受けないと、車検が通らない可能性が有りますのでお気を付け下さい。

 そんな事や白いバイクの頑張りも有って、今回は思っていたより早く穂別到着する事が出来た。白いバイクがこの道を走るのも四年目で毎年タイムを短縮してきていたが、今回は最初の年の半分の時間で到着してしまったかもしれません。

 
ポレポーレの宴
 ポレポーレ前にバイクを停めた我々は、荷物を下ろして玄関に向かう。 「こんばんわ・・・」 と声を掛けたがお母さんは出で来ず、思わぬ人が出て来た。それは本来なら出て来る筈の無いお姉ちゃんで私は驚いたのだが、中には妹さんの姿や見た事の無いイケメン青年の姿が見えた。

 お姉ちゃんは昨年結婚して穂別にはいない筈の人だったのだが、今日は里帰り中だったらしく先ほど見えたイケメンはお姉ちゃんの旦那さんだったようである。お姉ちゃんの案内で部屋に落ち着いた我々は、先ずシャワーを浴びてスッキリする。

 チラッと覗いた食堂のテーブルには平らな鍋が載ったガスコンロが置かれていて、私は悪い?予感が・・・。

 我々は食事の前にお向かいの商店に飲み物を買い出しに行ったのだが、北海道の節電運動は徹底してるのか店内の蛍光灯の半分が消えており私は最初閉店しているのかと思ってしまった。しかし、入口の戸は開いてお店は営業しておりました。店内には誰もいなかったが、ウロチョロしていたら奥からお母さんが出て来て無事飲物を調達する事が出来たのでした。


夕食は豪快にジンギスカン

お母さんを見ていつも思い浮かべるのが
宮崎アニメの魔女の宅急便に出てくる
パン屋の元気なおかあさん
体形(失礼!)もキャラクターもそっくり!?

 相棒は後から到着する緑の人の為にビールと焼酎を購入していたが、私はそこまで気が回りませんでしたね。ポレポーレに戻って 夕食  宴 が始まったのだが、私の予感が当って夕食は ジンギスカン でした。

 何故私が悪い予感がしたかと言うお話は、明日いたします。ポレポーレのジンギスカンは、大きな器に生の羊肉が山の様に盛られ、それはそれは美味しそうなジンギスカンでした。

 最初お母さんがジンギスカンを作ってくれて宴は始まったのだが、北海道で初めて食べる家庭?のジンギスカンは、お店で食べるジンギスカンとは一味違ってワイルドに美味かったです。

 緑の人からは新千歳空港に到着したとのメールが有り、そろそろ到着する時刻になって外でそれらしき音がしたと相棒が外に見に行ったのだが、トラックの音だったようで戻って来た。そんな事がもう一回有って、三回目に今度は間違いないと相棒が出迎えに行く。

 そして緑のバイクはポレポーレに到着したのだが、それは私に取って悪夢の始まりだったのでした。

 緑の人は着替えて早速ビールで乾杯! ジンギスカンを食べながら空港から穂別に来る間に起こった出来事を話し始める。

お先真っ暗!!

緑の人は穂別に到着したのだが・・・。




目が笑っていないのは何故?

 緑の人が話すそのお話は、私を地獄?に突き落とす様な話であった。

 彼は新千歳空港を発って鵡川経由で穂別に緑のバイク走らせていたのだが、鵡川過ぎ上向きのヘッドライトを点灯させて暫く走ると下向きのHIDライトが点滅するようになったという。

 実はHIDの点滅を前回のツーリングで彼は体験していて、このまま走れば前回同様セルモーターが回らなくなる事を察し、上向きのライトを使わずにここまで走って来たようだ。

 前回のツーリングと違い今回は夜、ライトを点灯しないと走れないから、穂別までライトが消えずに走れたのは本当に幸運だった。

 その話を聞いた私は緑のバイクの現状を知る為、鍵を借りてバイクの下へ向う。

 私はキーをONにして緑のバイクのセルボタンを押したのだが・・・!?

 「カチッ」 と音がするだけで何事も起こらなかった。

 緑のバイクはセルモーターが回らずエンジンは掛らなかった。私はバッテリーの電気が落ちているのを確認したが、ウンカーやホーンは作動しておりバッテリーが完全に上がった状態で無い事も確認した。

 この状況は2週間前に行われたFUNKYツーリングで起き状況と同じで、前回のツーリング後に行った私の修理が不十分で有った事が判明したのだった。

 2週間前のツーリング中で起こった事はこうだ。ツーリング途中にセルモーターが回らなくなった緑のバイクは、押し掛けでエンジンを掛け何とか秋田まで帰って来たのだが、次の日に点検するとバッテリーに導通が無くバッテリーが完全に駄目になっていた。

 その状況からバッテリー上がりの原因はバッテリーに有ると考えた私は、バッテリーを交換して様子をみる事にした。2〜3日おきにセルモーターを回して様子をみたが、セルモーターは元気に回ってエンジンは一発で始動、問題は解決したと私は判断したのだったが・・・。

 私が犯した大きなミスは、エンジンを掛た状態でバッテリー電圧を測らなかった事で、電圧を測っていればこのような状況は予見出来た可能性が有り自分の未熟さに本当に腹が立った。

 これは言い訳だが、バッテリーに導通が有って電圧が落ちているだけだったらバッテリーを交換した後、私はエンジンを掛け充電電圧を確認しボルテージ・レギュレーターやジェネレーターコイルを疑ったと思うのだが、今回はバッテリーに導通が無かった事から原因はバッテリーだけと決めつけてしまっていましたね。

 何れにしてもこの状況を招いたのは私の責任であり、緑のライダーの北海道ツーリングを此処で終わらせる訳にはいかなかった。問題は明日の朝バッテリーが生きているかどうかが問題で、前回の様に次の日バッテリーが死んでいれば状況は非常に厳しくなる。

 状況は理解したが、考えられる原因はボルテージ・レギュレターの故障か発電コイルに有る(バッテリーは新品)と考えられ、これは故障部品を交換するしかない状況で、私が此処でどうこう出来るものではなかった。

 明日の朝、バッテリーが燃料ポンプを動かしてエンジンに燃料を吹きプラグに火を飛ばすだけの電気を保持していれば、押し掛けでエンジンを掛けバイク店まで行く事が可能性になり、そうなれば何とかなりそうな気がする。

 バッテリーの状態を確認するのは明日の朝まで待たなければならないが、もし明日の朝押し掛けでエンジンが掛かようであれば、部品を入手する為にバイク店に行く事を考えなければならない。ZX−10Rのパーツを持っている可能性が高いのは大都会札幌とその近郊のバイク店で、カワサキの販売店だけでも10店以上有るから、私はもしバッテリーに電気が残っていたらお母さんが鵡川から2時間だという札幌に向う事を決める。
 
ポレポーレの宴 U
 そうと決まれば緑のバイクに関してする事は無く、我々はジンギスカンを突っつきながら北海道最初の夜を楽しむ事にした。そこにお父さんが登場、最初我々を毎年の様に訪れる秋田のバイク乗りだとは認識していなかったようだったが、視線が合って我々が誰なのかを知って一気に表情が和むお父さんでした。


熊肉(ヒグマ)の煮込み
※鮭の珍味(部位は?

 そうこうしている内に、「珍しい物が有るが食べるかい?」 とお父さんが冷蔵庫から出して来たのが熊肉の煮込みだった。北海道だから羆(ヒギマ)肉の煮込みなのだろうが、これが結構旨かった。

 臭みも無く、以前に食べたトド肉や鯨肉に似た味でこれがイケる味でした。お父さんが羆肉を出したのを知ったお母さんは、対抗?して鮭?の珍味を出して来た。これもまた酒の肴には最高に旨かったですね。

 北海道の珍味をいただきながら歓談する我々の横で、もう一つのグループが酒宴の真っ最中で、彼らは北海道の土木会社の社員さんらしく、現場監督?(40歳代?)さんとその部下二人(20歳代?)の三人で仕事がらみのお話の真っ最中でした。

 若者二人はそれぞれ違うタイプで、一人はお酒もそんなに飲まず物静かな感じの青年だったが、もう一人はお酒も飲めて結構上司に食い下がるタイプの青年であり、上司と良い雰囲気で意見を戦わせておりました。

 この良い雰囲気は監督さんのお人柄に因るところが大きいと思われ、我々は出来上った青年が部屋に戻った後監督さんと少々お話する時間を持つ事が出来た。この監督さんは結構なキャリアの持ち主で、北海道内だけでなく本州にも仕事に行った経験をお持ちで、北海道は勿論本州の地理にも詳しい方でした。

 会社ではダム工事も行っており、最近のダム方式のお話で結構盛り上がってしまいました。秋田の森吉山ダムや岩手の胆沢ダム等(どちらもFUNKYのツーリングコース) 「最近はロックヒルダムが多いですね。」 と我々が言うと、監督さんは自ら手掛けた当別ダムの例を挙げ、最近は台形CSG方式のダムが注目されていると教えてくれる。

 この台形CSG方式のダムとは、簡単に言うと建設場所の岩石や土砂にコンクリートを混ぜてダムを築くダムだそうで、コスト面で多くのメリットを持つダム方式らしいです。

 FUNKYとダムとは結構関わりが有って、ダム建設に伴う新しい道がスペシャルステージとなっている事が多く、今建設中の夕張シューパロダムの話をしたら、ダム建設に伴う国道452号の付け替え道路が完成した事を教えてくれる。

 もう岩石を運ぶダンプトラックの後ろを走らなくても良いと私は喜んだのだが、本来ならば明日走る予定にしていたその道も予定を変更して札幌に向かう為、最終日の富良野から桂沢ダム経由で夕張へ出る時まで待たなければならなかったが、新しい道を走るのが今から楽しみである。

 そんなこんな話をしていたら時間は既に11時を回っていて、我々はツーリング、監督は明日も仕事が有る為就寝する事にいたしました。

 監督さんと共にテーブルの上を片付けた後、電気を消して部屋に戻った私は歯を磨いて寝る支度に入ったのが、部屋では一足先に部屋に戻っていた緑の人が、寝息を立てて眠っておりました。想像するに明日の事を考えるとなかなか寝付かれなかったものと推察するが、その寝息を聞いて私は少しホッとするのでした。

 私も明日の事を考えてなかなか寝付かれなかったのだが、何時しか眠りに着いてそして激動の北海道2日目の朝を向えるのである・・・。
2日目
by Ryuta

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