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 May 2014  2nd.Touring
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 眺瞰台は雲の中

 車力のGSを出発した我々は、田圃の中の道をひた走る。ここでは毎年田植えの風景が見られるのだが、今年は田植えの機械やトラックの姿は見られなかった。しかし田圃には水が張られていましたので、時間の問題だと思います。

 我々は十三湖の蜆ラーメンで有名な食堂前を通過、橋を渡って左手にパーキングの在る場所に差し掛かる。するとそのパーキングに多くのバイク(雑多な種類のバイクが20台以上?)が停まっていて、二台のGSX−Rに一斉に視線を送って来ていた。

 国道339号に出て左折した我々は、小泊を抜け 道の駅 こどまり 前を通過し海岸線の美しい景色を楽しみながら竜泊ラインのワインディングロードを駆け抜け、冬季閉鎖の為のゲートを通過して海岸線から山に入って行く。そして沢を跨ぐ橋を渡ると、その先には急坂のヘアーピンカーブが我々を待ち構えていた。

 このヘアーピンカーブの走り方としては、右コーナーはともかく左コーナーのヘアーピンカーブはセンターラインに出来るだけ沿って走る事が鉄則となる。この道は内輪差が大きい大型バスでも走れるようヘアーピンカーブの内側を広く取ってあるのだが、インにクリッピングを取りたがるライダー心理が仇となり、意識しないとバイクは空が見えそうなイン側の急坂を上る事になってしまうのだ。

 そんなヘアーピンカーブが苦手(コーナーのインに直ぐ着きたがる癖・・?)とする人の為、私は走行ラインをレクチャーしながら走ったのだが、ヘアーピンカーブが終わった所でペースを上げ眺瞰台のパーキングを目指す。

 ところが眺瞰台が近づくと(標高が高くなる)次第に視界が悪くなってきた。それは眺瞰台の在る場所にちょうど雲が掛かっていた為なのだが、雨を降らす雲では無かったのは幸いでした。眺瞰台は白い雲の中で竜飛埼も北海道も見えませんでしたが、我々はこれまで何度となく北海道や竜飛埼を見ておりますのでそれほどの落胆は無かったですね。

 しかし、毎年北海道を眺めながら北海道ツーリングへの思いを新たにしていた私は、やはり見たかった。


眺瞰台は雲の中で、今日は竜飛埼も北海道も見えませんでした。



晴れていればこんな景色が・・・・!(2011年撮影)



龍泊ラインもガスで良く見えません。
※晴れていれば・・・


 出会い

 景色を楽しめない状況では長居は無用で、我々は早々に眺瞰台を発って竜飛埼方向に下り始める。すると幾らも走らなうちに視界が開けて来て我々は雲の下に出たようである。この道には竜飛埼が眼下に望めるビューポイントが在るのだが、これまで私は眺瞰台で休んだ直後である為止まった事がなかった。

 今日は眺瞰台が雲の中でたいした写真も撮っていなかった事もあり、今回はそこで竜飛埼の写真を撮る事にする。その場所には車一台がやっと停められるスペースが有って、竜飛埼、津軽海峡、そしてその先に北海道が望めるのだが、今日は残念ながら北海道は霞んでおりました。

 そこから見える景色は、眺瞰台からの眺めと比べ竜飛埼灯台の白い建物が間近に見え、風力発電の風車も大きく見えアクセントになっておりました。


1996年5月竜飛ウインドパークにて撮影
最初は3〜4基だったような記憶が有るが・・・?
今の風車と比較すると明らかにブレードの長さが短いですね。

 竜飛埼の風車は、1992年竜飛ウインドパークとして風力発電の実証施設として設置されたのが始まりで、その後徐々に数が増やされてきたのだが、当時は国内最大規模の集合型風力発電基地だった。

 しかし、今日の風車と比較すると小型で効率が悪く、また今では老朽化も進んで六年前に殆どが撤去されて、今は数基が残っているだけのようである。

 左は1996年に竜飛ウインドパークで私が撮影した写真だが、当時は大きいと驚いた風車も今の風車と比べると明らかに小さいですね。この風車で得られた各種データーが国産の風車開発に生かされ、今日の風力発電が造られたのでしょう。

 風力発電のパイオニアとしての役目を終え今はリタイヤしたと思われる写真の風車だが、私は毎年のようにその近くを通っていたのも拘らず、それ以降その姿を写真におさめなかったのは、今となっては残念です。

 我々が竜飛埼の写真撮影を行っていると突然バイク集団が現れた。次々にコーナーを抜けて行く彼や彼女らは明らかに十三湖のパーキングに停まっていたグループと思われた。一つの集団が通り過ぎた後、少し間が有ってもう一のグループがやって来る。

 雑多なバイク構成の為、速いグループと遅いグループに分かれて走っているようなのだが、我々が停まっている時に遭遇して本当に良かったです。

 追い着いたにしろ追い着かれたにしろ、これだけの台数のバイクと関わるのは面倒な事になるのは明白ですからね・・・。

 全てのバイクが通り過ぎたのを確認した我々は再び走り始めるたのだが、直ぐに彼らに追い着いてしまった。

 彼らは竜飛埼を目指している思われるが、我々はその少し手前竜飛ウインドパークが在る?場所から右折し三厩駅方面に向かう事にしていて、私はそのまま波風を立てずに後ろに着いて走る事にした。その時の私は彼らのナンバープレートを確認するまで気が回らなかったのだが、多くの台数でこの時間にこの場所ですから、青森のグループだったんでしょうか・・・?



※白い灯台が間近に見えていました。



※次々に走り抜けて行くライダー達(後ろのグループも皆さんです。)


 竜飛埼に向かう彼らを見送った我々は県道281号に右折、狭く曲がりくねった道をそれなりに走って三厩駅を目指す。この狭い道はライン取りを練習するには持ってこい道で、ブレーキポイントやクリッピンポイントの取り方を繰り返し練習出来るので結構楽しめます。

 私は後ろを気にせずに道を楽しんだのだが、三厩が近くなったところで白黒カラーの頭に赤い帽子を被った車に追い着いてしまった。この道や今別付近、大平付近ではよく見掛ける車なのだが、私にその車を追い越す度胸は無く、三厩駅まで着いて行きいつものようにそこで休憩を取る事を考えていた。

 しかし三厩駅に着いた白黒カーは私の想定外の行動を取り、駅前広場の左側に車を止めてしまったではないか・・・!?。休憩を予定していた私だったが、彼らの横で休憩出来るほど私の肝っ玉は大きくなく、すごすごと彼らの横を通り抜け先に進む事にいたしまいた。

 私はミラーの中に神経を集中しながら国道280号今別バイパスを走り、県道14号との交差点に建つコンビニを見付け休憩を取る事にした。

 時間は11時半を回ったところで昼食を考えなければならない時間なのだが、我々はここから1時間弱ほどの所に在る金木の芦野公園で昼食予定で、私は缶コーヒーを飲みながら休憩を取っていた。すると先ほどの白黒カーがやって来て、何とコンビに入って来たではないか・・・!?

 こんな時何故かドキドキしてしまうのはライダーの性なのでしょうが、車から降りて来た二人の制服組(若者とベテランコンビ)は我々の方に見てニコッとしてコンビニに入って行った。その笑顔の意味するものが何だったのかは不明だが、暫くしてコンビニから出て来た彼らの手には、弁当が入ったコンビニ袋が握られていた。

 彼らは何処かでコンビニ弁当の昼食を取るようなのだが、その場所が何処なのか私は知りたい・・・。


今別のコンビニで休憩していると・・・⇒ 我々の後を追うように制服組みが弁当を買いに来た。


 コンビニを出た白黒カーが我々がこれから向かう県道14号方向に走って行くのを見て、私は 道の駅 いまべつ で彼らは昼食を取ると予想したのだが、さあどうなんでしょう・・・?

 我々も白黒カーに少し遅れてコンビニを出発、県道14号を大平方面に走り出す。走り出して少ししてGSX−Rのエンジンが突然死んでメーターにCHECKの表示が出た。これは今までに無い症状で、私は直ぐにメインスイッチを切り再び入れるとエンジンが復活、何も無かったように走って行く。

 その後その症状は再発する事は無かったのだが、この症状の原因として考えられるのはそんなに多くは無く、帰ってから探ってみる事にする。

 今回の症状と一万回転から上のパワーダウンが関連するのかは不明だが、私と同様GSX−Rも七万キロを超え(高回転域の使用頻度が高いので普通の人なら十万キロ以上・・・?)老化が進んでおりまして、不具合箇所が次から次と出てきて大変なんです。

 しかし人間と違い機械の良いところはパーツを新品と交換する事が出来る事で、GSX−Rは最近着々と新車に近づいております。

 道の駅 いまべつ の横を通過するがパーキングに白黒カーの姿は無く、私は前方とミラーに注意を払いながら小国峠を越え大平に出て県道12号に右折、やまなみラインに向かう。

 我々の前には2台のバイクが走っていて、前のベテランライダー(400cc?)が後ろの初心者ライダー(250cc?)を先導して走っているように見える。我々は早々に彼らの前に出てやまなみラインに突入。今日のやまなみラインは山菜採りの車も少なく走り易い状況下にあったが、高回転が使えないGSX−Rではやまなみラインを楽しむ事は叶わず、後半はGSX−R750の後ろで過ごしてしました。

 国道339号に出た我々は左折して金木を目指したのだが、左折して直ぐの所から右に入ると米マイロードと名付けられた広域農道が有って、その道は津軽平野の中を真っ直ぐに五所川原まで続いている。しかし、我々は国道沿いの芦野公園に立ち寄る為、国道をそのまま直進する。

 津軽鉄道の終点中里まで来ると右手の視界が開けてきて、白い雪を頂いた岩木山が津軽平野の向こうに凛々しい姿を見せていた。鳥海山も見る方向によって印象が違うが、岩木山もまた見る角度によって印象が違う山だ。

 鯵ヶ沢から見る岩木山、弘前から見る岩木山、岩木山神社から見る岩木山、しかし私は津軽平野から見る岩木山が一番均整がとれていて美しいと思う。津軽平野の田圃に浮かんでいるように見える岩木山、吉幾三の世界ではないが四季で変わる田圃と岩木山が織り成す風景は、誰もが感動を受けるものだと私は思います・・・。

 もう直ぐ芦野公園という所で道路右側に白黒カーを発見、傍に1台の車が止まっており2名の制服組が対応していた。先ほどコンビニで見た彼らと同じ服装・同じ年齢構成で私は彼らかと思ったのだが、よほどの速弁でないとこの場所には居ない筈・・・? (※取り締まり中の若い方は眼鏡を掛けていたが、帰ってから写真を確認したところ、コンビニの若い方は眼鏡を掛けていなかったので別動隊でした。)

 AM12:30前、昨年花見客で溢れていた芦野公園に到着したのだが、今年は桜のさの字も無く閑散としており、津軽鉄道芦野公園駅舎前に我々はバイクを停める。


 芦野公園駅 旧駅舎

 この駅舎は食事も出来るCAFEになっていて、我々はここで激馬かなぎカレーを頂く事にしているのだが、金木地区では馬肉を使った料理で町興しを行っているようで、この駅舎ではカレーが一押しらしいです。

 我々は入口を入ってすぐ右側に有る席に着いたのだが、感じの良いおねえさんが水を持って注文を取りに来る。我々はテーブルの横に置いてあったメニューを確認して迷わず 激馬かなぎカレー 780円 をオーダーしたのだが、中辛と辛口が有るらしくどちらにするか聞いてくる。

 辛口がどれほどのレベルの辛さなのかは分からなかったが、後で出てきたカレーの辛さレベルは、SBやハウスのカレーの箱に書かれている辛さレベルを遵守しているように感じましたので参考にして下さい。

 カレーが出て来るまでの時間、私は駅舎内を見学(JR北海道の川湯温泉駅ほどの規模は無い)してみる。左手壁の裏側がギャラリーになっていて風景写真が飾られていたのだが、テーブルも置かれ食事も出来るようになっていた。窓からはGSX−Rも見えており、私はこちらの方がゆっくり食事が出来そうなのでおねえさんに断ってテーブルを移る事にした。


津軽鉄道 芦野公園駅到着
 旧駅舎と云う事は新駅舎が有る?



駅舎がカフェになっています。
※店内にはまだストーブが置かれていて、親切なおねえさんがバイクで来た我々為にストーブに火を入れてくれました。




金木では馬肉が押しみたいです。



最初入口横に席を取ったのだが、奥にGSX−Rを見ながらゆっくり食事が出来る席が有る事を知り移ってしまいました。



激馬かなぎカレー 780円


 そして 激馬かなぎカレー 辛口 780円 が運ばれて来たのだが、おねえさんの説明によるとカレーにコーヒーフレッシュを掛けて食べるのがここの流儀だそうで、我々は云われるがままにミルクをカレーに掛ける。

 絵的には白いミルクが彩りとなって趣の有るカレーになったが、味的には特にインパクトは有りませんでしたね。そして激馬かなぎカレーを食べた感想だが、辛口とあって食べた後少し遅れて適度な辛さが口の中に広がる美味しいカレーでした。

 一つ残念だったのは、馬肉をコトコトと形が無くなるまでに煮込んだカレーは、ビーフカレーと言われても分からほど馬肉感が無く、もう少し肉を大きくするなどして馬肉感をアピールした方が良いように私は思いました。

 味的には馬肉をほのかに感じられるカレーではありましたが(私、結構馬肉は食べておりますので分かります)、馬肉自体がメジャーでない現状では一般の人があのカレーから馬肉の味を抽出するのは難しいと思われ、形として馬肉を残しておいた方がよりアピール出来ると思ったわけです。

 我々が食後のコーヒーを頂いているとホームに列車が入って来た。私は急いでカメラを手に外に出る。昨年この列車の写真を撮らなかったのが心残りだった私は今回は撮っておこうと思ったのだが、昨年と違い今年は桜では無く葉桜と津軽鉄道の写真となってしまいました。

 私が列車にカメラを向けると車内の観光客からカメラを向けられ、おまけに手まで振られてしまいました。我々は恐縮しながらそれに応えたのですが、これも旅の楽しい一時ではありましたね。


列車の中から手を振られたり、カメラを向けられたりしちゃいました。


 食事を終え、私はおねえさんの所に食事代を支払いに行ったのだが、支払いを終え立ち去ろうとする私におねえさんから一言

 おねえさん 「あのぉ・・ お願いがあるのですが・・・。」

    私   「・・・・・?」

 おねえさん 「ブログに載せたいのでお二人の写真を撮らせてもらえませんか・・・?」

    私   「・・・・・!」

 おねえさん 「お願い出来ませんか・・・?」

    私   「・・・・・!!」

 おねえさん 「・・・・・・」

    私   「うぅ・・・ん 別に怪しい関係?では無いのですが・・・・遠慮させて頂きます。」


 私はこのレポートでも顔を出しておりますが、最近は基本的にメンバーの顔は出さないスタンスでおりますので丁重にお断りさせて頂きました。

 この時、入口横の先ほど我々が席を取ったテーブルにカップルがおりまして、私とおねえさんのやり取りを聞いていたのですが、何故か?二人の顔はニヤニヤしておりましたね・・・!?

 外に出て私はその話を相方にしたのだが、このレポートで world wide に写真を公開していますから、ヘルメットを被った写真ぐらいは撮らせてあげても良かったかな・・・・。

 しかし、おねえさんは白髪頭の年寄りと女性の二人連れに興味を持ちブログのネタになると考えた訳で、誰かも分からないヘルメットを被った二人の写真に何の価値も無かったですね・・・!?




周りの木々からも歴史を感じました・・・。

 
 我々は金木から山越して陸奥湾側に抜け青森市へと向かう為芦野公園を後にしたのだが、その行く手を阻むものが・・・?




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by Ryuta
 May 2014
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