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 May 2014  3nd.Touring
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 TOURING DATE

■ 天候:曇り 時々雨&晴れ
■ 出発:AM6:05
■ 帰還:PM6:55

■ 総走行距離:564km

 TOURING COURSE



秋田⇒広域農道⇒協和⇒角館⇒仙岩トンネル⇒雫石⇒網張⇒小岩井⇒滝沢⇒外山ダム⇒岩洞湖⇒

岩泉⇒鳥越⇒田野畑⇒北山崎⇒普代⇒
野田 ソフト久慈 昼食 ビストロくんのこ⇒山形⇒平庭高原⇒

⇒葛巻⇒沼宮内⇒松尾⇒八幡平樹海ライン⇒大深温泉 入浴⇒八幡平アスピーデライン⇒国道341号⇒

玉川ダム⇒田沢⇒角館⇒協和⇒広域農道⇒モト ワークス ヒラタ  走行距離 564km



 今回も雨具を着込んで秋田市を出発



路面は半乾き状態
今回の参加台数は久しぶりの4台

 AM5時前に起床した私が窓の外の様子を確認すると、雨は降ってはいなかったが夜中に降ったようで、路面が半乾き状態だった。

 急いで着替えて軽く朝食を取った私はCARRYに乗って店に急ぐ。CARRYのフロントガラスにはワイパーを動かすほどではないが細かな水滴が付着している。

 店に到着して雨雲レーダーで雨の様子を確認すると、南の方から雨雲が近づいているのを確認、前回に引き続き今回も雨具を着て秋田を出発する事にしたのだが、これから向かう東の空は雲が切れ明るい所も見えている。

 今回の3rd.ツーリングは、例年のごとく岩手県三陸海岸の景勝地北山崎を目指すのだが、現在太平洋沿岸に沿って前線を伴なった低気圧が北上中で、岩手県の降水確率は軒並み50%を超えていた。

 しかし、奥羽山脈の陰になっている秋田県側は比較的降水確率は低く、岩手県は沿岸部と内陸部で天候が違う事はよく有る事で、一日雨でない事を祈って私は秋田市を出発する。

 今回の参加台数は4台、最近2台で走る事が多かったが久しぶりの大人数?に私は少し緊張しております。昨年の暮れからバイクに乗り始めたZZR250のライダーはいわば初心者なのだが、ロードバイク(自転車の方)を長く乗っていた経験を持ち、先日一緒に走った時の印象では安定感の有るライディングをしていた。スタミナには自信が有るとの事で、今回FUNKYツーリングに参加する事になった。

 もう一人は、以前FUNKYツーリングに参加していたリターンライダーで、FUNKYツーリン参加は9年ぶり、バイクに乗るのも9年ぶり、しかもリッターバイク(FZS1000)に乗るのが初めての状態で、相当リハビリが必要と思われる。

 そんな4台で秋田を出発した我々は広域農道で協和を目指したのだが、今日の広域農道は車が多くしかも複数台連なって走っていて、我々は殆の時間車の後ろで過ごしてしまった。私はこの広域農道でGSX−Rの状況(1万回転以上でのエンジン不調)を確認したかった(前回のツーリング後一応修理はした)のだが、その機会に恵まれず網張高原まで持ち越しとなった。

 国道46号に入り角館付近まで来ると天候は日が差す程になってきた。私はこのままの状態が続く事を願ったのだが、今日の天候はそんなに甘くはなく仙岩峠を上り始めると次第に霧雨が降ってくる。私は仙岩トンネルを抜けた岩手県側が晴れている事を願ったのだが、トンネルを抜けた先の天候は秋田県側と変わらず霧雨だった。

 しかし仙岩峠を下って標高が下がると雨は上がり空は次第に明るくなってくる。


 
 ヤッター

道の駅 雫石
空が明るくなって来た


 我々は、道の駅 雫石 で休憩としたのだが、私はそこで雨具を脱ぐ事にした。この先、雨が降っていない確信は無かったが、これから網張の高速ステージが控えており、雨具を着ての走行はバタつきやシートの滑りが気になって走りに集中出来ず、出来るだけ雨具無しで走りたいのだ。

 休憩とトイレタイムを取った我々は、雫石の道の駅を出発し国道46号から雫石スキー場への道に入り、玄武温泉へと向かう。路面状況は所々にウエットパッチは残っていたが殆ど乾いており、岩手高原スキー場に向かう道でエンジンの1万回転以上をテストするのに何の問題も無かった。

 そして私はGSX−Rのスロットルを大きく開けてみると・・・

 GSX−Rのタコメーターの針は一万回転を超えても回転が落ち込む事なくグングン上昇、勢い良くレッドゾーンに飛び込もうとしている。私はすかさずギヤを上げて更に加速、針は再び一万回転を超えレッドゾーンへ・・・。

 私は思わず叫んでしまいました。

 「 ヤッターッ!! 」

 この回転が綺麗にレッドゾーンまで上がっていく感触は本当に久しぶりだった。

 昨年9月、北海道の宗谷丘陵を走っている時に突然発症した1万回転を超えると起きるギヤダウン時のエンジンストールとパワーダウン現象。

 それは9カ月間私を悩まし続けた故障が解消された瞬間でした。




 この故障原因を探り出すのは困難を極めました。1万回転以上でないと症状が出ないというのが厄介で、低い回転数では何も問題が無いのです。

 幸いな事に会社にはダイノマシン(後輪出力測定機)が有りましたから、パワーダウンが起きるかどうかの確認はパワーカーブから確認は出来た(最初は実際に1万回転以上で走行して確認していた)のですが、1万回転以上で起きる原因の探求はエンジン停止状態での検査では難しく困りました。

 エンジンが不調になってFIシステムのエラー表示がされる場合(時々)が有るのだが、それはイグニッションコイルを示すものだったり、スロットルボディのステップモーター異常を示すものだったりした。

 私は最初ECMに電源を供給をしているパーツを疑い、キルスイッチの抵抗値の確認やサイドスタンドスイッチの交換(規定値から微妙に外れていた)を行ったりしたのだが症状は改善せず、回転数因子に関係すると思われるセンサー等も交換(規定値から外れている物)したが直らなかった。

 そうこうしている内(ダイノマシン載せて高回転でエンジンを回していたら)ジェネレーター(発電機)とレギュレーターレクチファイヤーがパンク、ジェネレーターは七万キロも走っているので壊れても不思議では無かった?が、痛い出費となった。

 皆さんは Dr.House というアメリカのドラマをご存じだろうか?

 このドラマは、天才医師 House とそのチームが患者の症状から病名を探り出し治療を行っていくドラマなのだが、症状を引き起こしている原因を特定出来ない為、行う治療が上手くいかず失敗を繰り返す。しかし、最後には House の閃きで原因(病名)を特定、患者が救われるという段取りになっている。

 この症状から病名(原因)を推測して治療を行っていく方法はバイクの修理と共通するものが有り、特に今回のGSX−Rの故障に関しては、症状から予想して行った修理(部品交換等)が尽く外れ、まるで Dr.House のドラマを見ているようだった。

 House は患者の生活環境を知る為自宅の部屋や旅行先を調べたりするのだが、それはバイクの修理にも共通するもので、私は故障受付の時に故障した状況(走っていたか止まっていたか等)や環境(気象状況や標高等)をオーナーさんに出来るだけ詳しく聞くようにしている。結構その中に原因究明のヒントが有ったりするんですね。

 ドラマでは45分経過すると 天才 Dr.House がヒョンな事から原因を閃き めでたしめでたし となるのだが、凡人の私は今回その閃きが来るまで9ヶ月も掛かってしまった。

 私の場合対象がバイクでしたので良かったのですが、これが生き物(人間を含む)だったら患者は死んでいましたね・・・!?

 今回の患者?(GSX−R)には9ヶ月間(実質的に要した時間は24時間以上?)の月日と、検査(ダイノマシンでのパワー測定等)や処置(部品交換)費用が掛かっているのだが、患者が私のGSX−Rで本当に良かったです。普通9ヶ月間(冬季の5ヶ月間も含むが)も修理に時間が掛かったらお客さんは怒って他に行ってしまいますよね・・・!?

 掛かった時間も問題だったが、掛かった費用も大きな問題となっただろう。お医者さんは患者さんの状態をMRIや病理検査で調べながら原因を探って行くのだが、その為の検査や処置費用等は最終的に患者さんに全て請求される。

 しかしバイク修理の場合、点検費用や確認の為に交換した部品代等を全て請求出来るかとなると、難しいかもしれない。お店としては掛かった費用(原因を考える時間も含めた時間的費用や原因では無かったが交換した部品代等)全てを請求したいところなのだが、掛かった時間の計算もは難しいし、原因では無かった部品(確認の為に交換した部品)代等も有り悩ましい問題だ。

 今回のケースは、請求先が私(自腹)ですから問題は無いのですが、これがお客様のバイクだった場合どこまでの費用を請求したらよいのでしょう。最終的にはお客様に内容を良く説明しご納得頂いて請求金額を決める事になると思うのだが、掛かった時間を考えると殆どがボランテア作業になってしまうでしょうね。

 メーカーが定める整備時間というのが有って、大まかな整備の整備時間と部品交換時間が決められているのだが、それには故障原因の探求費用や点検・検査費用は入っておらず、交換した部品交換時間だけで工賃を決められてしまうと、修理屋さんは儲かるどころか赤字の場合も有りうる。

 修理に要した時間は修理を行ったメカニックのスキル(引出しの多さ・ノウハウと言っても良い)によって、故障原因に辿り着くまでの時間が違って来る。過去の経験から時間を要さずに原因を突き止めた場合も、あちこち探って時間が掛かって修理した場合も基本的には同じ修理代を請求する事になります。

 メーカーのサービスマニュアルにはエンジンが掛からない場合の故障診断フローチャートが載っている場合が有るが、それで全ての故障が解消される訳では無いし、あらゆる故障症状のフローチャアートが載っている訳でも無い。今回のような1万回転以上でのパワーダウン項目は、当然無いのである。

 サービスマニュアルを揃えればバイク屋として一応の修理が出来て営業出来る現実(整備資格等も有るがサービスマニュアルを揃える事を義務化しているメーカーも有る)も有るが、サービスマニュアル情報はバイクの免許のような物で、一応公道は走れるが実際の走行テクニックは実践で習得していくしかないのである。

 今回の件をメーカーに一応問い合わせてみたが、何も情報を持っていなかった。メーカーが持っている情報は、クレームやリコール情報、売上数の多い部品情報等が主で、実際に修理を行って得た情報は少なく、経年使用によって起きた故障情報等は少ない。

 メーカーも各地にサービス部門を持ち自ら修理作業を行っていた時代も有ったが、今は修理作業を販売店に丸投げし販売店で修理を完結させているメーカーが殆どである。その為修理情報の多くは、現場(販売店)に眠る事になるのである。

 私は今回のGSX−Rの件で、高い授業料を払いながらも引出しを一つ増やし自身のスキルアップに成功したのだが、故障原因をこの場で発表する事は差し控えたいと思う。メーカーの人間からも原因が判明したら是非教えて欲しいと言われたのだが、タダでは絶対に教えませんから・・・・。

 しかし、今回の電気系の故障はそう頻繁に発生するとは思えず、皆さんは知らなくても no problem だと思いますよ。

 修理屋の生甲斐は何かと聞かれたら、やはり今回のような未知の故障原因を探り出し、それが直った時の達成感なのかもしれません。

 それは複雑なゲームのゴールに辿り着いた時の感覚や、ツーリングで初めての道を無事に走り切った時の達成感にも共通するものかもしれません。

 そして修理が終わりバイクをお客様に渡した時の 「 ありがとう 」 の一言が修理屋のモチベーションとなるのです。


 親切な公務員さん

 エンジンのスムーズな回転上昇を噛みしめながら私は網張高原に駆け上り、今度は小岩井農場方向へ一気に下る。深い中速右コーナーに入る直前に車に追い着いてしまい、路面が舗装し直されて綺麗になった右コーナーを楽しめなかったのは残念だったが、9ヶ月ぶりに快調なエンジンに私は上機嫌になっていた。

 最後尾を走るZZR250が思っていたより早く来て、我々は止まる事なく滝沢分れに出る県道278号に左折する。我々は国道282号のT字路に出て右折しようとしたのだが、右折する車線を自衛隊の車両が何台も連なって走っていて、当分右折は難しいと思われた。

 この近くの国道282号沿いには陸上自衛隊の岩手駐屯地が有って、今日は休日にも関わらずお仕事にお出掛けするところとお見受けしたが、何台目かのトラックの運転手さんが御親切にも我々遊び人に道を譲って下さいました。我々に道を譲ってくれた隊員さんは、きっとバイクに乗るライダーさんだったと私は思いますね。

  ありがとぅ !!

 国道282号に入った我々は、直ぐの信号を左折して県道16号に入り国道455号を目指す。国道455号に出るには一時停止のT字路を一度右折する必要が有るが、それ以外は道なり走れば出られます。

 国道455号に左折した我々は、外山ダムに向かって曲がりくねった狭い2車線を駆け上って行く。今日は珍しく走り屋さんのバイクは勿論ツーリング中のバイクにも出会わなかったが、車はそこそこ走っていて我々はそれなりに走って岩洞湖レストハウス前にバイクを停める。

 しかし、このパーキングにもバイクの姿は1台も無かった。こんな事は初めてで、私は昨年の6th.ツーリングで知った岩洞湖レストハウスのブログを見てみたのだが、ブログによるとやっぱりその日はバイクの少ない日曜日だったらしいです。

 我々の写真は載っていませんでしたが、午後に訪れたバイクの写真は載っていましたので、ブログを書いているおねえさんは我々に気付かなかったのかもしれません・・・?



岩洞湖レストハウス前
珍しく走り屋さんの定位置にバイクの姿は1台も無かった




まだツーリングは始まったばかりだが、鉢参加の彼はカルチャーショック?


初めて経験する走りに、タイヤの減りが心配です



 天候に一喜一憂

 十分に休憩を取った我々は、小川のいつものGSへ向かって走り始めたのだが、早坂トンネルが近づくと次第に路面が濡れてきて霧雨が降ってきた。これは標高が上がった為と考えられたが、トンネルの先がどうなっているか問題で標高が下がった 道の駅 三田貝分校 で雨が降っていたら雨具を着る決断をしなければなるまい。

 外気との温度差で結露した路面にタイヤを滑らせながら我々は早坂トンネルを通過、川沿いのワインディングロードを走って行く。幸いにも霧雨はトンネルを抜けると直ぐに上がりドライ路面でワインディングを楽しんだ我々は、小川のいつものミナカワ石油さんにバイクを入れ今日1回目の給油を行う。

 私の燃費はここまで高回転域をキープした走りが出来なかった事も有り19km/L台と好燃費だったが、ZZR250ccは私の上を行く(当然か!?)25km/L近い燃費だった。しかし、2回目の給油ではその差が殆ど無くなる事になるのだが、その理由は後ほど・・・。

 給油を終えた我々は事務所でのコーヒーを勧められ、お言葉に甘えて休憩させてもらった。所長に雨の状況を聞いてみると、昨晩から降っていた雨が少し前に上がったところらしい。

 その話を聞いて私は天候は回復傾向に有ると判断し雨具を着ないでGSを出発、三陸海岸の景勝地北山崎に向かったのだが、その判断が間違いだった事を走りだして10分もしないで知る事になる。



小川のミナカワ石油さんで給油



コーヒーを頂きながらゆっくりと休憩させてもらう

写真の相打ち



この写真をよく見るとこれから向かう東の山に雲が掛かっていますね





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by Ryuta
June 2014
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