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北海道2日目も雨のスタート


麦畑の中に建つ あんぷらぐ



3日目ルート 当別⇒浜猿払 →→








 北海道2日目の朝、私は6時過ぎに目が覚め早速窓の外を見る。空は曇ってはいたが雨は降っておらずホッとしたのだが、外に出てみると辺りには湿った空気が漂っていて油断出来ない状況であった。

 あんぷらぐの周りは麦畑が多く、少し黄色味を帯びた麦畑が遠くまで広がっていて収穫の時期は近そうであった。水稲の田んぼが広がる景色を見なれている私の目には麦畑の広がりは新鮮で、これが北海道なんだなという感じでしたね。

 あんぷらぐの建物の周りには薪が沢山積まれていたが、これが冬期間の暖房に使われる物で1年半位乾燥してから使うらしいです。寒さの厳しい北海道で1階に置かれた薪ストーブ1台だけで全館のを暖房を賄っているというから驚く。

 それはアメリカ製薪ストーブの暖房能力が大きいと云うよりは、このログハウスの断熱性能の高さによるものと思われる。ログハウスは断熱性能が良さそうに感じるが、それだけではなさそうである。

 建物内の熱は窓から多く逃げていくと云われるが、あんぷらぐの窓サッシは厳寒の地フィンランド製の三重ガラスの木製サッシが取り付けられていた。

 この断熱性能が高そうな木製サッシは、金具の仕上げも素晴らしく内窓と外窓の間にブラインドまで付いたオーナーさんご自慢の逸品で、値段も相当高そうなサッシでしたね。

フィンランド製?三重ガラスの木製サッシから見る麦畑。




あんぷらぐの朝食

 昨晩、今日北海道に上陸するメンバーとの待ち合わせ場所を旦那さんと相談したのだが、当別駅近くのセブンイレブンが良いだろうという事になった。

 六時半頃メンバーから連絡が入って、そのセブンイレブンで待ち合わせる事を告げたのだが、メンバーは苫小牧から札幌まで高速を使い札幌から下道(国道275号)で来ると言っていたので、私は10Rの当別到着を9時頃と予想、我々はそれに合わせて出発の準備に入る。

 ここから待ち合わせ場所までは10分も掛らないらしいので、我々は8時50分にあんぷらぐを出発する事にして、朝食は7時半から食べる事にいたしました。


仲睦まじいご夫婦と共に写真に納まる。

 あんぷらぐの朝食は洋食で、朝はいつも食パン1枚の私にはちょうど良かった。パンの焼き加減も良くバランスの取れた朝食で、美味しくいただきました。

 朝食後、荷物のパッキングなどをして出発の準備に入った我々は、8時半にバイクのチェーンにオイルをやりに外に出たのだが、雨がポツポツと降って来ていた。

 新聞の天気予報によると、今日の北海道は旭川付近が雨、道北の宗谷地方も雨から曇りの予報になっていて、今日も雨具を着て出発した方が良さそうである。

 一晩をゆっくりあんぷらぐした我々は、オーナーさんご夫婦と一緒に写真に納まった後8時50分あんぷらぐを出発、旦那さんに教えてもらった道で当別のセブンイレブンに向かった。



国道275号で宗谷岬を目指す

 9時少し前、我々がセブンイレブンに到着して見ると、そこにはZX−10R(以後10R)の姿が有った。私は無事合流出来て一安心だったのだが、聞いてみると8時半にはここに到着していたのだと言う。到着して直ぐ我々に電話を掛けたらしいのだが、呼んではいるが出なかったと言う。

 考えてみるとその時間我々は外でチェーンにオイルを吹いていた時で、携帯の傍に居なかった時間であった。少し不安になった10Rだったが、軽い朝食を取りながら我々が来るのを待っていたらしい。苫小牧から高速に乗った10Rは、高速道で江別東ICまで走りそこから国道337号で当別まで来たらしく、我々の予想時間より30分近く当別に早く到着したようだ。

 そういえば昨晩あんぷらぐの旦那さんから道央道江別東ICから当別に出る国道337号が最近繋がったのて、江別東ICから当別に向かうルートを勧められたのを思い出す。10Rは時間短縮の為そのルートで当別まで来たらしく、苫小牧から当別まで1時間位で来たようだった。こんなに早く着くのなら、あんぷらぐまで来てもらって一緒に朝食を食べても良かったと思ってしまいました。

 苫小牧から1時間位で来られるのなら、夕方苫小牧に上陸(秋田から苫小牧東へのフェリーはPM5:20到着)してあんぷらぐに泊っても夕食には十分間に合うから、道北に向かう時の宿に使えそうである。

 10Rは雨具を着ていなかったので(苫小牧から札幌まで雨は降っていなかった)ここで雨具を着てもらい、3台となった我々は国道275号を北に向かって走り出す。この国道275号は札幌と旭川を結ぶ国道12号とほぼ並行して走っており、国道12号の裏道的存在らしく結構交通量の多い道で、連休中という事も有ってか行楽に出かける車やバイクが沢山走っておりました。

 当別の街を通り過ぎてから気が付いたのだが、今日は田舎のガソリンスタンドの多くが休業する日曜日で、給油場所を考えて走らないとガス欠する危険性が有る事を思いだした。当別のGSは開いていが、今更戻るわけにもいかずこの先のGSが開いている事に期待する事にした。

 我々は昨日小樽で給油しており10Rも北海道上陸前に給油している筈だから、ガソリンを給油しなければならない距離まで(200km走行が給油の目安)にはまだ余裕が有るのだが、これから先の予定でGSが確実に開いてる美深は350km以上先で、途中どこかで給油する必要が有ったのだ。

 今日走る予定の国道275号(札幌〜浜頓別)の殆どは大きな町が無い田舎道で、日曜日開いているGSが少ない事が予想され、特に今までの経験から沼田〜美深間のGSが開いていないのは確実だった。従って、沼田の前に給油しておきたかったのだが、月形、浦臼、十津川と走るがGSは有るが開いていなかった。

 雨竜の町外れでENEOSが開いているのを発見した私は、即ウインカーを揚げENEOSスタンドにバイクを入れる。私は予めにガソリンがそんなに多く入らない事をGSのスタッフさん告げたのだが、案の定私のGSX−Rには5.67Lのガソリンしか入りませんでした。

 結局、ここ雨竜以降美深までGSは一軒も開いていませんでしたから、ここで給油出来て本当に良かったです。我々が給油している横を先ほど道の駅で休憩していたバイク達が長い列(15台位?)となって通過して行く。彼らが何処に向かっているのかは分からないが、出来れば我々と違う道に向かって欲しいと私は願ったのでした。

 あれだけのバイクを追い越す事になった場合の事を考えると気が重くなったのだが、追い着いた場所が以前に有った霧立峠みたいな場所だったら、それはそれで良いとは思ったのですけどんね・・・?

 給油を終えた我々は国道275号を北上、北竜を過ぎ国道233号を横切って沼田に向かったのだが、殆ど止んでいた雨がまた降ってきた。前方に見える空は真っ黒で、その下では雨が強く降っている事が窺える。私は沼田から道道667号で幌新温泉、沼田ダムと走り達布に抜け、小平ダム経由(道道742号)で国道239号霧立峠に出る事も考えていたのだが、この雨では素直に国道275号を行く事にいたしました。

 沼田の街を抜けて我々は国道275号を北上しのだが、以前通った時は工事中だった幌加内峠に新しいトンネルが出来ていて、難無く幌加内の街に到着してしまった。路面がドライだったら楽しそうな道だったのだが、それは次の機会とした私は、道の駅 森と湖の里 ほろかない を目指す。

 雨はそれなりに降っていはいたが、私はリヤタイヤが滑らない程度にスロットルを開け、雨を楽しみながらそれなりに走って行く。

道の駅 ほろかな の上に在る温泉施設
せいわ温泉 ルオント で休憩。

 道の駅 森と湖の里 ほろかない に到着すると先ほど我々の横を通り過ぎて行ったバイクグループが雨宿りをしていた。あまり広くない道の駅は、彼らだけで満杯状態で、私は上に在る 温泉施設 せいわ温泉 ルオント で休憩する事にした。

 私は以前この施設内に在る レストラン 「そばの里」 で日本一の蕎麦(幌加内は蕎麦の生産量が日本一、味では無いです)を食べた事があって、時間も時間だし(AM11:40)ここで昼食を取る事も考えたのだが、FUNKYで道北に来て食べる蕎麦は音威子府の黒い蕎麦と決まっていて?、そこまで我慢する事にいたしました。

 我々が休憩していると下の道の駅に居たバイクの連中が歩いて上がって来た。彼らは日本一の蕎麦を食べに来たようなのだが、我々は彼らと入れ替わりにルオントを出発、音威子府を目指す。

 幌加内から添牛内、朱鞠内、母子里と走る国道275号は結構な高速ステージで、ドライ路面であれば北海道の走りを堪能出来るスチエーションなのだが、今日はそれは到底無理な状況だった。しかし、朱鞠内を過ぎる頃から雨は小ぶりになり、路面に艶が無くなると我々のペースは次第に上がっていき、思ったより早く美深に到着する事になったのでした。

 美深から音威子府までは国道40号と国道275号の供用区間となるのだが、美深から北上すると次第に路面が乾き始め、音威子府に到着(PM1:00)する頃には雲間から青空も見えるようになっていた。我々は音威子府のいつものENEOSで今日2回目の給油を行った後、JR音威子府の駅に黒い蕎麦を食べに向かう。

筋金入りの頑固一徹



JR音威子府駅に到着。
早速蕎麦を食べに駅舎に向かったが・・・?

 JR音威子府駅に到着した我々は、着ていたで雨具を仕舞い込み早速駅舎に向かったのだが、そこで私は思わぬドラマに立ち会う事になるのである。

 音威子府そばは、駅舎の中の売店でお年寄りのご夫婦が販売しているのだが、我々がカウンターに行くと数名のお客さんが蕎麦を注文していた。カウンターの中ではいつものようにご主人が蕎麦を作っていたのだが、いつも一緒に居る奥さんの姿は見えなかった。

 前のお客さんの注文を作り終えたご主人は、我々に注文を聞いて来る。私は玉子そば、K9は天玉そばを注文したのだが、10Rは少し遅れて来ていて一緒に注文しなかった。しかし、その時間のずれがドラマを生む事になるのである。

 私の天ぷら蕎麦を作り終えたご主人は、K9の天玉そばを作り始めたのだが、鍋の中のそば汁が少なくなって柄杓ですくえない状態になってしまった。そこでご主人は鍋を持ち上げそば汁を丼の中に全て注ぎ込んだのだが、見ていたK9の話ではその時そば汁が丼から溢れ出ていたと云う。

 そこに10Rがやって来て天玉そばを注文したのだが、ご主人はそば汁が無いので出来ないと10Rの注文を断った。


何とか音威子府蕎麦に有りついた10R


気持ちだから受け取って・・・!

 何という巡り合わせてしょう。

 ここの黒い蕎麦を楽しみに頑張って走って来たのに、10Rは音威子府蕎麦を食べられない事になってしまったのである。

 それも10Rだけ・・・。

 あまりにも10Rが可哀そうだった私は、我々の汁を使ってもう一つ蕎麦を作ってもらえないかご主人に頼んだのだが、

 「駄目!!」  の一言。

 
 それでは私の蕎麦を大盛りにしてもらえないか頼んだのだが、

 「うちは大盛りはやっていない。」 とつれないご返事。

 ご主人は何を言っても考えの振れない人物と見た10Rは、蕎麦をきっぱりと諦めて外に何か食べる物を探しに出て行ってしまいました。

 残された我々は何とも気まずい状況の中で蕎麦を食べ始めたのだが、そこに大きなヤカンを手にした奥様がやって来た。私はそのヤカンに見覚えが有って、私は直ぐにK910Rを呼びに行くように言う。

 私が以前ここで蕎麦を食べた時、そば汁を駅前の家からヤカンに入れて運んで来たのを見た事が有って、私はヤカンの中身が何であるかを直ぐに理解した。


奇跡の天玉そば 500円

 そしてK910Rを連れ戻して来て、10Rは無事?天玉そばを食べる事が出来たのだが、その後に取った奥さんの行動が素晴らしかった。

 そば汁が無くなって10Rの注文をご主人が断った事を知った(多分こんな事は時々有るんでしょうね?)奥さんは、我々3人にポケットティッシュを差し出して受け取って下さいと頭を下げたのである。

 頑固一徹のご主人と奥さんの見事なフォロー、このお店がこのバランスで成り立っているのを知った我々は、何か温かい気持ちになっておりました。

 それにしても分からないのがご主人の行動で、奥さんがそば汁を取りに行っている事は分かっていた筈なのに、10Rにそば汁が来るまで少し待ってくれるよう何故言ってくれなかったんでしょうね?


今回初めてのドライ路面でのスペシャルステージ


知駒峠からの眺め。
薄雲が掛かって展望が悪かった。


 全員無事音威子府そばを食べ終えた我々は、再び国道275号に走り出す。これから我々はスペシャルステージ知駒峠(シリコマトウゲ)に向かうのだが、天候がハッキリしないのが気になっていた。

 国道275号がドライ路面でも知駒峠に上がると路面が濡れて来る事を何回も経験している私は、山の上の雲の様子が気になったのだ。

 当別から走り始めた国道275号から中頓別手前で別れた我々は、道道765号に入り知駒峠に向かって上り始める。

 幸いにも今日の知駒峠は全線ドライ路面で、我々は快適に走りを進め電波塔下のパーキングにバイクを止める。パーキングから見える景色は、山の上に立つ電波塔も下に見える景色も薄雲に隠れてハッキリ見えていなかった。

 私はここ知駒峠で今回の北海道で初めてスロットルを大きく開ける事が出来たのだが、ウェット走行が長過ぎてドライ路面の感が取り戻せず楽しく走る事が出来なかった。



電波塔は雲に霞む峠のパーキング。

 またドライ路面で、GSX−Rに問題が有る事が分かってきた。北海道に来てサスペンションに問題が生じる事は以前にも有ったが、今回はフロントサスのダンピング不足からフロントが安定せずコーナーの進入がしずらくなっていた。

 特に知駒峠からの下りでフロントが落ち付かない為、バイクの方向を変えるタイミングが遅れてコーナーを楽しく走る事が出来なかった。今のセッティングは以前北海道に来た時に高速域に合わせたもので、イニシャルを多目に掛けたセッティングだった。

、その為、コーナーが大きく回り込む知駒峠のような所では、フロントサスが沈まずバイクの方向が変わりずらいセッティングになっていた。


久しぶりに知駒峠のワインディングを楽しみバイクを止める。

 私はバイクを止める度にフロントサスの伸び側と圧縮側のダンバーをアジャスト、セッティングを詰めていったのだが、最終的には宗谷岬のGSでメガネレンチを借りでイニシャルを抜くとGSX−Rは大分走り易くなった。

 知駒から宗谷丘陵に抜けると空は道北特有の真っ青な空に変わり、我々は眩しい陽の光を受けながら宗谷丘陵特有の景色を楽しみながら緑の大地の中を走り抜けて行く。

 北海道二日目にして初めての晴天の下、我々は北海道を満喫しながら宗谷岬を目指した。

  


お約束の宗谷岬

 沼川から宗谷岬方面に向かう為私は道道1119号に入ったのだが、道道1077号に出る分岐を見落としたようで道道121号に出てしまった。道道1077号に出る道は以前(20世紀)に走った事が有って見落とす筈はなかったのですが、私の予想以上に世の中変わっていたようです。

 道道121号から宗谷岬へショートカットする道を模索して稚内空港に向かう道に入り込んだ私は、稚内カントリークラブの駐車場まで行ってしまい、オーディエンスの注目を浴びながらUターンする失態を演じてしまった。結局無用な詮索はせず国道238号に出るのが一番と悟った私は、素直に国道238号に出て宗谷岬に向かう。



今年も来てしまいました宗谷岬。



 今日の宗谷湾には海霧?の塊が海の上に幾つも浮かんでいて、それが陸の方に流れて来て崖にぶつかっていて、それは私が初めて見る景色で霧の天井の下を通る感じは何とも不思議な感覚でした。

 そして我々は宗谷岬に到着する。私がこの日本最北端の地に立つのはこれまで十数回は有って、今回も特別な感情は湧いてこなかったのだが、ライダー(日本人)が最北の地を目指すのは何故なんでしょう?

 私も昔はその一人だったのだが、人間突端と云うかどん詰まりが好きな生き物なんでしょうか? 北海道には知床半島、納沙布岬、襟裳岬等の岬の観光名所が沢山有って、ライダーは何故か先端を目指して走るんです。


最北のお店(青い建物)の後ろに最北のGSは有る。

 我々は、宗谷岬お約束の三角形の前で写真を撮った後、今日三回目の給油を行う為、日本最北端のガソリンスタンドに向かう。

 私が日本最北端の出光GS(安田石油)でガソリンを入れるのは久しぶり(2001年以来?)だったが、相変わらず日本最北端給油証明書とホタテの稚貝で作った記念品をくれた。

 私がこのGSで最初に給油したのは20年以上前の事だが、その頃からホタテ貝の記念品は配布していたからこの記念品にも長い歴史が有る。

 店の人(社長さん?)の話では当初は日本最北端給油証明書付領収書を発行(私は貰った記憶が有る)していたが、それから日本最北端給油証明書を独立し発行するようになり、その後ホタテ貝に交通安全と書かれた記念品も渡すようになって現在に至っているようである。



私が持っている一番古い1989年のホタテ貝記念品。

 この記念品を作るのが大変な作業だそうで、冬の暇な時期にホタテの稚貝(生きているやつ)を買って?来て、鍋で煮て貝を開かせてから貝を綺麗に洗って穴を明け、リングを通して紐を付ける作業は全て従業員さんの手作業だそうだから恐れ入る。

 作る数が年間何と6千〜7千個だと言うから気が遠くなる数で、店内に置かれていた大きな段ボール箱に入ったホタテ貝は、従業員さんの汗の結晶だったんですね。

 この日本最北端GSでの給油記念品は、安田石油さんとしては手間が掛り過ぎて出来れば止めたいとお考えのよう?でしたが、これを楽しみに給油に来るお客さんが大勢いる現状では、止めるに止められない状況なんだと思います・・・?



道道889号

 
給油を終えた我々は、宗谷岬のパーキング前に戻り登りのキツイヘアーピンカーブ(対向車が有ると道が狭い事もあって結構危険ですのでご注意を・・・)を上って公園に出る。ここから見る宗谷岬は、下で見るより岬っぽくて私は好きなのだが、今日は素通りして道道889号に向かう。

 国道889号に出るには最初のT字路を右折、二つ目のT字路が道道889号ですのでそこを左折して我々は道道1077号に向かう。最初自衛隊のレーダーサイトや風力発電の風車が有って撮影ポイントになっているのだが、今回は写真撮影より走りっを選択した私は、道道1077号まで続くワィンディングロード(15km程?)を一気に走ってしまいました。

 先ほど安田石油で借りたメガネレンチでフロントサスのイニシャルを抜いた事で、足がしなやかなりコーナーを楽しく走れるようになった私は、10Rと共に道道889号を楽しんだ。以前この889号を反対方向に走った事が有ったが、宗谷岬から走った方が走り易く感じた。それはこの方向だと右側が山で左側が谷になる事が多く、コーナーの先の見通しが利く為かもしれません。

 交通量も少なく路面もそこそこで(もう少し路側帯が広いと良いのだが道道の規格ではこんなものでしょ)走りに集中出来るこの道を、私は最北のスペシャルステージに認定したいと思います。

 私と10Rは、道道889号が道道1077号に交わる所にバイクを止め小休止とする。道道889号はこのまま南に伸びる計画だったようだが、その計画は頓挫したようだ。一方、上猿払と稚内とを繋ぐ道道1077号は道道889号との交差点から稚内方向が現在工事中で通行止めになっているが、来年には通れるようになるようだ。

 そうなれば先ほど通った沼川方面と直結され、この地域を走る時のコース選択肢が増えて楽しめそうである。工事は来年の春(5月18日予定)に完成する予定になっているから、来年またこの地を訪れる事が出来れば新しい道を楽しめる事が出来そうです。

※柵の奥が稚内方面。良さそうな道が続く。

久しぶりのさるふつマリン

 小休止を終えた我々は、道道1077号をオホーツク海に向かって走り始める。この道は国道238号の手前に砂利道区間が残っていて、私は砂利道に変わる地点を注視しながら走っていたのだが、以前来た時より大分砂利道区間が短くなっていた。砂利道は残り1km弱位?で、この調子だと全面舗装になるのもそう遠くないものと思われます。


国道238号、浜猿払の信号近くにあるサルフツマリーン

 砂利道を抜け国道238号に出るとオホーツク海は霧に包まれていて、その霧が国道に流れ込み視界が悪くなっていた。こんな時は車の後ろに着いて走るのが一番で、私は車のテールランプに先導されて今宵の宿さるふつマリンが在る浜猿払に到着する。

 さるふつマリンのパーキングにバイクを入れたところで、私は最後尾を走っていたK9がいない事に気が付いた。車の後ろに着いて走っていただけなので、いなくなる理由を私は考えつかなったが、国道に出て宗谷方向を見てもK9はやって来なかった。

 霧の向こうからバイクの音がしたので一瞬安心したのだが、違うバイクだった。もし故障や事故だったら、ライダーが我々に声を掛けてくれるだろうと私はバイクに注目したのだが、バイクは我々の前をそのまま通り過ぎて行く。

 事故等では無い?と私は少し安心したのだが、K9は依然やって来なかった。それから暫くして大型バスの後ろからK9はやって来たのだが、遅れた理由を聞くと霧の中で禁断の扉を開けてしまったのが遅れた原因だった。

 霧でヘルメットのシールドが曇ってしまったK9は、思わずシールドを開けたのだが、今度は中にしていたメガネが曇ってしまい前が見えない状態に陥ってしまったのだという。メガネを掛けたライダーが霧の中でヘルメットのシールドを開ける事はご法度で、以前にも同様の経験をしていたK9だったが、今回その経験が生かされなかったようである。

 霧の中でシールドを開けてしまったK9は、一瞬で視界を奪われ恐怖の時間を過ごした後何とかバイクを路肩に止める事に成功、K9は直ぐにメガネに曇り止めを塗って我々を追い掛けたらしいのだが、霧の中ではスピードを上げられず遅れてしまったようである。

 K9は普段メガネを掛けておらず、メガネを掛けている事を忘れてシールドを開けてしまったようなのだが、メガネを掛けてバイクに乗っている方々は、霧の中を走る時不用意にシールドを開けないよう充分お気を付け下さい。

 荷物を下ろしてさるふつマリンの玄関に行くと親父さんが出て来た。この親父さん、私が電話で予約した時に話した人物で、音威子府そばのご主人ほどではないものの結構な頑固者のようにお見受けした。宿帳を記入した後、我々は二階の部屋に案内されたのだが、部屋は前回(オホーツク海が見える)とは真逆の国道が目の前に見える部屋で、道を隔てた向いにはセイコーマートが見えてた。

 メンバーの話によると宿の傍にコンビニが有る事は良い事だそうで、後にセイコーマートが大活躍する事になるのであった。



沢山の料理が並ぶテーブルの上。
この後も続々と運ばれて来る。

 風呂に入って汗を落とした後我々はセイコーマートへ行ってドリンクを購入、夕食前に乾杯しちゃいました。

 私が電話でこの宿を予約した時、前回泊った時に毛ガニ出たので今回も毛ガニが出るのか聞いたのだが、親父さんは今年は毛ガニの漁が早目に終わってしまったので用意出来ないかもしれないと話していた。

 夕食の支度が出来たと電話が有って、我々は一階の食堂へ下りて行ったのだが、私は夕食に毛ガニが出るのか心配しながら食堂に向かう。食堂に行くとテーブルには毛ガニが並べられていて私は大いに喜んだのだが、毛ガニが載っているのは我々のテーブルだけだった。

 お喋り好きの女将さんの話によると、今年の毛ガニ漁は例年より早く終わった(前年の在庫が沢山有ったので漁協が早目に漁を切り上げたらしい)為毛カニを宿で確保出来なかった(宿で使うにはそれなりの量を確保しなければならない)らしく、今年は夕食で毛ガニは出していないと言う事でした。

 それにも関わらず我々のテーブルに毛ガニが載っていたのは、私が電話で毛ガニの話をしたので親父さんが家族用に買ってあった毛ガニを特別に出してくれた為でした。私は有り難いご配慮に心より感謝した次第ですが、私が毛カニの事を電話で話していなければ毛ガニは食べられなかった訳で、何事も言ってみるもんですね・・・!

 テーブルの上には沢山の料理が並んでいて、私は食べ切れないのではないかと心配していたのだが、女将さんが 「○○食べるでしょ!」 「○○食べるかい?」 と次から次と料理を運んで来るんです。贅沢な悩みなんでしょうけど、年寄りはそんなに食べられませんから往生しました。それでも出された料理は残さず食べるのが私のポリシーですので、全て食べましたけどね・・・。

 しかし、毛ガニだけは部屋に持ち帰ってゆっくり食べる事にいたしました。

 食事の世話をしてくれたお喋りで気さくな女将さん、お客さんと楽しくコミニケーションを取りながら場を盛り上げておりました。音威子府のそば屋さんと同じようなバランスで、さるふつマリンの親父さんと女将さんはこの宿を切り盛りしているようでした。

今年は特別メニューの毛ガニ。

奥中央がカジカ汁。出汁が出ていて美味い!
手前中央は海のパイナップル ホヤ。

海岸に生えているという何とかと云う海菜。
山では無いので海菜でしょ?

 食事を終えた我々は部屋に毛ガニを持ち帰り、飲物を飲みながら毛ガニを食べながら今日の走りと明日の走りの話で夜は更けて行きました。

 特別に用意していただいた毛ガニでしたが、当り(1匹)と外れ(2匹)がございました。当りの毛ガニは大きさも他より少し大きく、蟹ミソが沢山入っていて大変美味かったのですが、小さ目の毛ガニは蟹ミソが少なく食べるところがあまり有りませんでした。毛ガニの足はズワイやタラバと比べると身が少なく、手間の割には満足度は低く毛ガニはやはりミソなのですが、この蟹ミソに当り外れが有る事を今回知りました。

 外目では同じように見える毛ガニでもミソが沢山入った毛ガニとそうでない毛カニが有るようで、市場に出される毛ガニはきちんと選別されて値段もそれなりになっているのだと思いますが、地元で流通する物は値段は安いが当り外れが有ったりするんだと思います?

 私以外のお二人は、時々席を立ってコンビニ袋を手に戻って来ていましたが、10Rは昨晩のフェリーの中で眠れなかったそうで早目に就寝、残された我々も定刻になって就寝となった。

 明日の予定は、浜猿払から芽登温泉までのスペシャルステージ満載のコースで、私は天候が気になってテレビで天気情報を見たのだが、この宿のテレビは地デジ化が終了しており薄型液晶テレビになっていた。

 これまでこの手の宿のテレビは、17インチ位?のブラウン管テレビと相場が決まっていて、私はデジタルテレビ(22インチ位?)の写りの良さに感動?(小さい液晶を見た事が無かった)してしまったのだが、これからはブラウン管テレビを見る事の方が珍しくなるのでしょうね。

 予報によると明日の天気は地域によって晴れたり曇ったりする天気のようだが、雨の確率は全体的に低く私は気を良くして眠るに着くのでした。
by Ryuta

4日目


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