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 September 2013  Hokkaido Part 30 Touring
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 逃避行

 北海道4日目の朝が明ける。空からは雨がシトシトと落ちていて、テレビを点けるとニュースで台風18号が愛知県豊橋付近に上陸しそうとの報道をしていた。

 今北海道で降っている雨も台風の外側の雲と繋がっており、これから台風はスピードを上げ今日の夕方には北海道の太平洋沖に達すると云っている。

 我々は今日の夕方その太平洋に面した落石に泊まる予定にしていて、これでは台風と落石で落ち合う事になってしまうではないか・・・。

 雨だけならまだしも台風となると暴風雨ですから、ライダーの最大の敵 強風 と戦わなければなりません。

 私にそんな根性は無く、落石の宿にキャンセル出来るかどうか電話を掛けてみる事にした。その宿は以前に一度泊った事が有る宿でオーナーさんの顔を知ってはいるが親しい程の付き合いは無く、私はキャンセル料も覚悟していたのだが、オーナーさんからキャンセルをOK(キャンセル料の話は出なかった)して頂き本当に感謝・感謝・感謝でした。

 これで我々と台風18号のニアミスは回避されたのだが、次なる問題は今日をどうするかだった。道内の今日の天候を確認すると傘マークの無いのは北だけで、それも音威子府付近まで北上する必要があった。そうなるとドライ路面を走りたい我々に選択肢は一つしか無く、私はオホーツク海沿いを北上する事を決断する。

 しかし問題は今宵の宿で、今日は連休最終日で宿は空いていると思われるのだが、雨の状況をみなければ宿も決められず、昼まで待って予約するか最悪飛び込みで探す事にする。こんな事ならばっかすに連泊(空いていればの話だが・・・多分大丈夫)して、道北を走り回っていれば良かったと私は思ってしまった。そうすれば昨日も今日も雨の中を走る事は無かったかもしれない・・・何とも憎い台風18号ではある。


アニマの里の朝食 今日は洋食のパンパターン
和食のご飯パターンも有り?

 北に向かう事を決めた我々は、AM7:30朝食を頂く為食堂に向かう。アニマの里の朝食は、洋食、和食の2パターン有る筈のだが、今日も洋食パターンであった。

 今日が偶々洋食パターンなのか、洋食パターンだけになったのか、私が洋食パターンが好きな事を旦那が知っていて洋食パターにしてくれているのかは分からないが、ここのところ洋食パターンが続いております。

雨具は乾いていましたがグローブは湿ったまま・・・。
玉ねぎやカヌーに囲まれて出発準備中。


今回はハウスの中で記念写真










 自家製野菜中心の朝食を美味しく頂いた我々は出発準備に取り掛かったのだが、雨の日の仕度はモチベーションが上がらず、荷物をまとめて外に出たのはいつもの様?に私が一番最後だった。

 雨の時バイクが屋根の掛かった所に有るのは大変有り難く、我々は玉ねぎに囲まれ何艘ものカヌーが宙に浮く中、荷物をバイクに載せ雨具を着込んで出発準備をする。

 出発前にアニマの里の看板前で写真を撮るのがFUNKYのお約束なのだが、雨の中わざわざ看板の前に行くのが億劫だった私は、今回そのお約束を破ってハウスの中で記念写真を済ませてしまいました。

 私、何事にも 億劫 な歳頃になっておりまして、本当に歳は取りたくないですね・・・。

 雨がシトシト降る中、我々はAM8:30過ぎ網走を出発、国道238号を雨の降っていないであろう北を目指して走り始める。



 
 国道238号

  私のレポートの中に登場する最近の国道238号はその殆どが雨のレポートになっているのだが、それには理由が有る。FUNKYが北海道を走り始めた1980年代から1990年代まで、オホーツク海に沿って走る国道238号はFUNKYの中では花形ルートで、解放感に溢れ北海道を感じさせるその道は、日本最北端の地を訪ねた後知床方面に向かう時の定番ルートとなっていた。

 しかし、興部から滝上に抜けるルートから始まり愛別から歌登に抜けるルート等、内陸部の道が整備(舗装)されに連れ国道238号は次第に使われなくなっていった。使われなくなった理由の一つに道そのものに慣れ感動が薄れてしまった事も有るのだが、最も大きな理由は内陸ルートの方が走って楽しかったからだった。

 しかし、雨が降った時は立場が逆転、内陸ルートはコーナーや起伏が多くウエット路面では危険性が高まるだけでなく何より走って楽しくなく、雨天時は平坦で道幅も広くより安全に移動できる国道238号を使用する事が多くなったのである。

 網走を発った我々は網走湖を左手に見て走り、その後能取湖を右手に見て走る。能取湖ではこの時期サンゴ草が湖畔を赤く染めているのだが、今年は色付くのが少し遅いようで今回もサンゴ草が良く見えるパーキングを素通り(最近このパターンが多い)してしまいました。

 能取湖を過ぎると右手に一瞬オホーツク海が見えるのだが、国道238号はすぐにまた内陸に入り浜佐呂間を過ぎると今度は海と見間違うような広いサロマ湖が右手に見えて来る。今日のサロマ湖もまた墨絵の世界で、私がサロマ湖に持つイメージは 雨 ですかね・・・!?


道の駅 紋別 到着 2時間近く走ったが雨は上がらな



隣にいた地元の人に興部まで行けば雨は上がる?と聞いたら、枝幸まで行けば上がると云われて
ガックリ・・・!


 湧別を過ぎ、我々は雨の中を紋別に向かって走る。私が国道238号を網走から紋別方向に走るのは久しぶり(6年ぶり3回目)だったが、浜佐呂間から先の国道238号を北上するのは今回が初めてだったかもしれません。

 雨の中を2時間近く休まずに走り続けた我々は、100km近く走って紋別の道の駅にバイクを止める。紋別の道の駅は国道238号から少し海側に入った所に在って、私はこれまで一度も利用した事が無かった。

 流氷見物の拠点として有名なこの 道の駅 オホーツク紋別 だが、流氷の欠片も無い(敷地内に在る流氷センターでは本物の流氷に触れるらしいが・・・)今の時期、停まっている車も少なく閑散としておりました。

 我々はトイレを使わせてもらいながら雨の情報を収集したのだが、雨雲の端はまだまだ北に有るようでした。

 地元に人に

 「この雨は興部(30km位先)まで行けば上がりますかね?」

 と私が聞くと

 「枝幸まで行けば上がるんでないかい!?」

 と 何ともつれないお言葉・・・。

 「枝幸(100km先)まで走らないと駄目か・・」
 私、正直落ち込みました。

 気を取り直し再び湿ったヘルメットを被った私は、再び国道238号を北上し始めたのだが、走り慣れていた筈(逆方向だが・・・)の道でまたやらかしてしまいました。

 
 またやっちいました

 紋別の街を過ぎた所で国道238号は国道273号(滝上方面)と交わるのだが、その交差点は国道238号が右折、国道273号は直進となっていた。

 何も考えずそこの交差点を直進した私がいつものようにミラーで後続を確認すると、最後尾のR750の姿が見えなかった。そこで私は道路左側にバイクを止めたのだが、後に着いていた10Rが寄って来て

 「国道238号は交差点を右折ですけど・・・?」 と教えてくれる。

 その時の私の頭の中では、国道238号は道なりに走って行けば良い事になっておりまして、剣淵の時と同様に私の記憶の中にあの大きな青い道路標示板は残っておりませんでした。10Rも国道238号は右折だと分かっていたのですが、私が走行途中に予定を変更するとはよく有る事で、そのまま私に着いて来ていたようです。

 一方R750は、私が直進したのを間違ったと判断し交差点を右折した所で待つ選択をしたのだが、お二人の判断のどちらが正解だったかとなると難しい問題だ。私が予定を変更して直進していた場合、それを知らせる為誰かがR750の所に行きまた戻って来くる事になるから、そうなると結構面倒な事になってしまう。

 私が考えるに、今回R750が直進した私を間違ったと判断し右折した最大の要因は、間違いに気付き交差点まで戻る時に行うUターンに有ったと読んだのだが・・・真相はR750のみぞ知るであります。

 雨が降り続く中、北上を続けた我々は興部に到着したのだが、前方の空にまだ明るさは見えず地元の方々の予想は当っておりました。地元の方々の云う通り枝幸までとなりますとまだ1時間は掛りそうでしたが、私はもう少しの我慢と前方の雲を睨みながら走り続けたのでした。

 雄武まで来ると雨が小降りになり、路面が照からなくなって来た。雄武の先に例のパーキング(下川〜歌登間)に出る道道49号が有って、私はその道に左折した所でバイクを止める。私は内陸部のワィンディングロードを早く走りたいと考えていたのだが、前方の山々はまだ黒い雲の下に有り路面はまだウエットと思われ、私は道道49号を諦め国道238号に戻って再び北上する。

 音標まで来ると前方に黒い雲と明るい雲の境目が見て来て、我々はようやく雨雲から抜け出せる所までやって来た。雨もシールドにポツポツと着く程度になり路面も半乾きの状態になってくる。私はこの辺から内陸に入っても大丈夫(ドライ路面)と判断、音標の街を過ぎた所で左に見えて来た立派な2車線の道に左折する。

 道には青看板(地名は忘れてしまった)が出ていて、その道が道道120号に繋がっていると私は判断したのだが、農場が有る場所(そこで飛び出して来た猫ちゃんを危うく轢くところだった、私のこれまでの経験からすると牧場近くの猫ちゃんは危険)を過ぎると道は次第に狭くなり周りの景色が寂しくなって来た。

 そこでバイクを止め地図で道を確認したのだが、その時の私は地図を読み間違い行き止まりの道に入ったと判断してしまった。しかし、今地図で確認すると、その道は天の川トンネル手前の道道120号に出る道道880号で間違いではなかったのである。

 停まっている我々の横を1台の車が走り抜けて行くのを見ていながら、私はそこから引き返す判断をしてしまったのだが、このレポートを書いていてその判断が間違いではなかった事を知ったのである。道道880号を検索しているとYouTubeの動画が出てきて、見てみたらそれは行き成り砂利道から始まっていた。

 調べてみると我々が引き返した地点の数キロ先から道道880号は砂利道になっていて、それは道道120号まで続いていたようである。考えてみると天の川トンネルの手前右手に舗装路の入口の記憶に無く、引き返して大正解だったようです。

 しかし、怪我の功名と云うますか私の勘違いで引き返す事にはなりましたが、砂利道になったら当然引き返していた訳ですから、我々が節約出来たガソリンは少量でした。それよりも私の行き当りばったり的な先導で道道880号に入らなければ、少なくても1リットルのガソリンを無駄に使う事は無かったですね。

 国道238号に戻った我々は再び北上、乙忠部から道道1023号に左折して道道120号に出て右折、少し走って歌登温泉にバイクを止める。


 宿探し




歌登温泉 民宿旅館 「朝倉温泉」
冷泉だが成分が濃い温泉らしい



うたのぼりグリーンパークホテル

 時間は既に12時半を回っており、私はここで今宵の宿を決めてから知駒方面に走りに行ってまた戻って来る事をイメージしていた。

 歌登温泉には2軒の宿が有って、私は以前から気になっていた民宿旅館 「朝倉温泉」 の玄関前に立つ。

 最初呼んでもなかなか人が出て来なかったのだが、暫くして中年男性が出て来て私は今晩泊めてもらえないか訊ねると、男性は・・・

「チョッと待って・・・」 と云って外に出て行く。

 私もその後に着いて行ったのだが、建物の裏に居た女性(奥さん?)に今日泊められるかどうか聞いている。

 そして貰った返答は 『 満室で 駄目ぇー 』

 「うちは駄目だがあっちのホテルに行ってみたら?」

と言われたのだが、大きなホテルでなくて温泉の源泉が湧くと云うお宅に泊まりたかったのです・・・残念です。

 歌登温泉は源泉(冷泉)がこの朝倉温泉で、ホテルはここから源泉を引き沸かして循環しているらしいのだが、私は沸かし湯だが循環をしていないここの温泉に入りたかったのです。

 こうなったら歌登温泉でなくても良く、他の宿情報を集めたのだが、音威子府近くの咲来に在るライダーハウス(食事も出る)が良いらしいとの情報が有り、電話を掛けてみる事にした。

 FUNKY史上初のライハ宿泊に私は大いに期待したのだが、幾ら掛けても電話は繋がらず、結局下のうたのぼりグリーンパークホテルを当ってみる事にした。

 このホテルは十数年前に一度立ち寄り湯をした事が有って、建物内部の状況は把握済みで綺麗なのは分かっていた。フロントに行ってみると二人の男性スタッフ(中年)がいて、今晩泊まれるか?を聞いたのだが・・・。

 ヘルメットの被ったままで話す私も失礼だったと思うが、対応が横柄と云うか泊めてやっても良い的な感じで、私は泊まる気が失せてホテルを出てしまった。秋田の第三セクター施設でも経験が有るが、どうしてあの手の施設に勤める中年男性は横柄なのだろうか・・? この後に訪れたポンピラ温泉(公営施設)の若いスタッフ(男女共に)は対応が大変丁寧で好印象だったのとは対照的で、何とも残念でしたね・・・。

 歌登温泉に泊まらなければならない理由は無く、咲来のライダーハウスにまた電話を掛けてみる事にした我々は、歌登温泉を後にして歌登の街へと向かう。


 月曜日は食事処がお休み


歌登で給油 給油レシートを落としてしまった
何リットル入ったかが分からず燃費が計算出来ず



中頓別のセイコーマートでコンビニランチ

 歌登の街に入った我々は、給油と食堂情報を得る為2007年に立ち寄って洗車した事の有る、出光のGSにバイクを止める。

 北海道の田舎の街は、ウイークデイの日中人影を見る事は殆ど無いのだが、歌登の街もまた閑散としておりました。GSのスタッフさんも一人で営業されておりましたが、時間もPM1:00になろうとしておりましたので、私はスタッフさんに歌登の食事処を聞いてみた。

 するとこの辺の食堂は月曜日が休みだそうで、今日は何処も営業していないだろうとの情報が・・・!? 困った我々だったが、出来ればコンビニ昼食は避けたく、次の街で食事処を探す事にして中頓別へ向かう。

 歌登〜中頓別間は30km近く有り、間に峠も有るワインディングロードが続くのだが、道幅が狭く慎重に走りを楽しんだ我々はPM1:30前中頓別に到着する。

 早速、食事処を探したがそれらしい所が見付からず、私はセイコーマートのパーキングにバイクを止める。そのセイコーマートの隣が食堂になっていて覗いて見たのだが、そこも月曜日が休業日となっておりました。

 結論 『 北海道の食事処は月曜日が休業日 』 

 これが今回学んだ北海道の常識でした。以前鵡川のラーメン店を月曜日に訪れた時も休業日でしたから、食事処が月曜休業日なのは全道的なのかもしれません。

 私は日曜日がGSの休業日である事を歌登りで学んだが、今回月曜日が食事処の休業日で有る事を学んでしまいました。

 北海道では  『 困った時のセイコーマート! 』

 我々は各自セイコーマートで食料を購入し、昼食といたしました。


 
 知駒峠を越えて豊富温泉へ


知駒峠パーキング到着

 昼食を取った後、我々は国道275号から今回の北海道2回目の道道785号へと右折する。ハーフウエットだった前回と違い今回は完全なドライ路面だった。

 これまでの半日間ウエット路面を走らされてきた我々は、鬱憤を晴らすかのようにエンジンに思いっ切りフレッシュエアーを吸い込ませ、大きく回り込んだコーナーへ飛び込んで行く。

 午前中のストレスを知駒峠の上りにぶつけた我々は、放送アンテナ下のパーキングにバイクを止める。パーキングからは周りの山々が見えてはいたが、やはりスッキリとした景色は望めず半分霞が掛かっていた。

 ここから50kmも南に行けば雨が降っていると思われ、我々が今ドライ路面を走れているのは、200km近く雨の中を走って来たご褒美、皆さんの顔には笑みがこぼれておりましたね。


豊富温泉 ふれあいセンター 入浴料 大人500円



食堂も有り食事も可能ですが、宿泊は出来ません。

 知駒峠の下りを楽しんだ我々は、道道785号から道道84号に入って豊富温泉に向かう。私が豊富温泉に泊まったのはもう25年も前(1988年)の事で、それ以降何度も前を通過していたが、温泉に入るのはそれ以来の事だった。

 我々は温泉施設 ふれあいセンター のパーキングにバイクを止め、早速温泉に向かう。豊富温泉は大正末期に石油開発の為に掘られた試掘井戸から出た温泉で、源泉の温度は40度以上あるらしいが、温泉施設では30℃位になる為加温してようである。

 豊富温泉の特徴としては石油の試掘で出てきただけに油臭が少しする事や表面に油の膜が見えたりしているが、近年はアトピー性皮膚炎等皮膚疾患に効能が有ると云われ、全国から湯治客が集まっているらしいです。

 我々が立ち寄ったふれあいセンターには湯治用浴場も有って、湯治客に対応(濾過しない源泉を使用?)しているらしいのですが、我々は一般用の浴場に入りました。

 我々が入った一般用の浴場でも温泉成分の濃さは充分に分かりましたし、黄褐色の塩泉系のお湯からはナトリウム系の析出物が出ていて、温泉の流れいる所を凸凹にしていましたね。

 私は秋田と青森の県境に在る矢立温泉赤湯と似た温泉に感じたのですがどうなんでしょうか?

 25年前に泊まった宿は温泉民宿で、その時に入った温泉は温度が低く(加温不足?)豊富温泉に今回とは違う印象を持っていたのですが、今回の豊富温泉のお湯は私の中では高評価の温泉になりました。

 私はこの豊富温泉に今晩宿泊する事も考えたのだが、ここから明日宿泊する予定の芽登温泉までは距離が有り(直行するのであれば全く問題は無いが寄り道する距離が少なくなる)今日の内に出来るだけ南下しておきたかった。

 温泉から上がった我々は再び咲来のライダーハウスに電話を掛けたのだが、応答は無くライダーハウスは諦め他の宿を探す事にする。宿が決まっていれば来た道を引き返し、知駒をもう一度走る事も考えていた私だが、この時間(PM3:00前)になっては宿探しを優先する事にした。

 ここから南の国道40号沿いに在る温泉となると、天塩温泉や美深温泉が有名なのだが、いずれもメンバーが行った事が有るそうで今回はパス、そうなると選択肢が限られて来る。その時、私の頭の中には以前に一度泊まった事の有る温泉が浮かんでいた。

 それは音威子府の手前に在る中川温泉で、以前に泊まった時の記憶は無色透明の温泉だった事ぐらいしか無いのだが、町営の施設で安かったような気がする。中川までなら豊富から1時間半位で行ける筈で、先ずそこに行ってみて駄目ならその先を南下しながら宿を探す方法も有りかなと・・・。

 私は中川温泉に向かう事を決め、豊富温泉を出て先ほど来た道を少し戻って道道121号に右折、幌延に向かう。この道を走るのも久しぶりだったが、沿線には以前無かった新しい施設が出来ていた。その一つはトナカイ観光牧場で幌延にトナカイの牧場が出来た事は知っていたが、この道沿いに出来たとは知らなかった。

 もう一つは幌延深地層研究センターで、この施設が幌延に在る事も知っていたが、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発として地層科学研究や地層処分研究開発を行なう為、地下に坑道を掘り進みながら地上からの調査研究で立てた予測を確認し、調査手法や解析評価手法の妥当性を検討している(HPから抜粋)というこの施設が、この道沿いだったとは・・・。

 最近小泉元総理の原発全廃問題で注目を集める高レベル放射性廃棄物の処分問題だが、私は人類がパンドラの箱を開けてしまったのでは無い事を祈るばかりである。

 我々にそれらの施設を見学(トナカイ観光牧場は無料、深地層研究センターは事前申し込みが必要)する時間は無くそのまま通過したのだが、我々の前を札幌行きの定期高速バス?が走っていたりして、この道道121号の交通量は結構多かったですね。

 我々は幌延から国道40号に出て南下、中川を目指す。


 今宵の宿は 中川 ポンピラアクアリングス



これは翌朝の写真だが、ポンピラアクアリングス
は立派な温泉宿泊施設でした。




20年前に泊まったぽんぴら温泉



中川の街のスーパーで夕食の買い出し



綺麗な夕焼けが明日の晴天を約束?


 PM4:00過ぎ我々は中川に到着、私は天塩川に架かる大きな橋(中川橋)を渡って中川の街に入ったのだが、とにかく私が中川温泉に来たのは20年も前の事で場所の記憶は殆ど無く、頼りは有るであろう中川温泉の看板だけだった。

 街に入って直ぐ、直進⇒中川温泉だったかポンピラ温泉だったか忘れたが温泉の看板を発見、私はその看板に従って直進する。街並みが途切れ、左に橋(誉大橋には微かな記憶が有った)が見えて来たが、温泉の看板は現れなかった。

 私のおぼろげな記憶では中川温泉入口には大きな看板が有ったのだが、幾ら走っても看板は現れなかった。何しろ20年も前の事ですから変わっていて当然なのですが、宗谷本線の踏切に出てこれは違うと気付いてしまいました。

 踏切を渡った所に工事関係者の男性が立っていて 私はこれ幸いと男性に温泉の場所を聞いたのだが、男性が言うには温泉は街外れの踏切を渡った先に在ると言う。

 『 在ったか?踏切 』

 私はここまでズーッと左側(線路側)を見て走って来たのだが、看板も無かったしそれらしき建物も無かったよなぁ・・・・?

 男性にお礼を言ってバイクをUターンさせた我々は、ゆっくりと右側を注視して温泉を探したのだが、何も見付けられずにまた街中に戻ってしまった。

 しかし、1ヵ所気になる場所が有るには有った。踏切が有って崖の上に老人ホーム的な施設が建っていたが、温泉施設では無さそうでそのまま通り過ぎていた。

 こうなれば地元の人に聞くのが一番と地元民を探したのだが、北海道の田舎街で人を見付けるのは至難の技で、辺りに人影は見当たらなかった。しかし暫くして向いの歩道を歩いて来る若い女性を発見、R750がすかさず走って聞きに行く。

 戻って来たR750の話によると、やはり先ほど見た老人ホーム的な施設の所の踏切を渡った先にポンピラ温泉は在るらしく、我々は再びバイクをUターンさせて引き返し、看板も何も無かったが怪しい踏切を渡る。

 そして踏切を渡った先にホテルぽい立派な建物を発見、我々はそのパーキングにバイクを止める。この建物が中川 ポンピラ温泉 なのか私は自信が無かったなかったが、宿泊出来るか聞きに建物に行ってみる。

 建物には意味不明のポンピラアクアリングスと書かれており、ポンピラの名は入ってはいるが宿泊出来るのかどう分からないまま、私は中に入ってフロントカウンターに行く。

 そこの若いスタッフに宿泊出来るか聞いてみると、宿泊は可能で今晩の部屋も用意出来ると云う。宿泊料はこれからだと夕食は用意出来ないが、1泊朝食付で5,940円(だったと思う)だと云う。

 夕食は付かないがレストランで食事は出来るらしく、時間も時間だし我々はここに宿泊すると事を決める。部屋を準備するのに少々時間が掛ると云うので、我々はその時間を利用して買い出しに行く事にした。

 バイクに乗って街に戻った我々は、先ほど見付けていたスーパーで飲み物と夕食を購入する事にした。レストランの食事でも良かったが、レストランの食事代を考えるとスーパーで食料と飲物を購入した方がお安く上がる事は明らかで、我々はスーパーで惣材やらご飯物を購入し、部屋で夕食と宴をする事にいたしました。

 スーパーから宿に戻ると部屋の準備が出来ていて、我々は部屋に案内されたのだがその部屋の立派な事、ドアーはオートロックだし10Rに言われてキーホルダーを壁の穴に差し込むと電気が点いた。

 新しいホテルでは普通に有るシステムだそうで、最近新しいホテルに泊まった事が無い私は驚いてしまいました。タオルは勿論バスタオルから歯ブラシ石鹸等のアメニティ、浴衣も朝食も付いてこの料金とは、さすが町営(第三セクター?)である。

 考えてみると、私が泊まった20年前の建物は老朽化が進んでいて、その建物の前で新しい建物の建設工事が行われていたのを思い出した。その時建設中だったのがこの建物だったのかもしれませんね。

 我々はまず大浴場に行って温泉を満喫、温泉は私の記憶通り無色透明で結構濃い温泉で良く温まる温泉でした。温泉から上がった我々は、缶ビールのプルタブ開け宴を開始するのでした。

 テレビでは台風18号の被害状況が流されていて、LIVEで釧路の様子も映し出されていた。釧路は暴風雨状態で横殴りの雨が降っていたのだが、もしかしたらあの状態の中に我々がいたと思うと、予定を変更し今ここに居る事が本当に幸せでした。


 目標 知床 羅臼岳

 しかしながら、我々の問題は台風18号ではなく明日の予定をどうするかだった。10Rは仕事の関係で明日フェリーに乗らなければならず、他の二人は芽登温泉まで行く事は決まっていたのだが、そのコースは全くの白紙の状態だった。私としては今日走れなかった知床や根北峠、久しぶりに行く予定だった野付半島、初めて行く予定だった神の子池、行きたい所は沢山有ったのだが、それらを全部回る事は物理的に不可能だった。

 明日の天候は台風一過の好天で全道的に晴れる予報が出ており、何処に行ってもドライ路面で楽しめる状況は我々にとっては有り難かった。私としては2日目に残念な思いをした下川からのサンルダム付け替え道路(道道60号)をドライで走りたいとの思いが強くそこは外せなかったが、最終目的地を何処にするか皆さんに意見を出してもらった。

 10Rはフェリーに遅れる訳にはいかないので余裕を持ったスケジュールとし、一昨日走れなかった三国峠を入れ狩勝峠、トマム〜占冠間のスペシャルステージを走破するコースで決まったのだが、問題は我々が何処まで行くかだった。R750はこれまで知床峠を2回訪れているのだが、2回とも羅臼岳の山頂は雲に覆われ見る事が出来ないでいた。

 『 明日だったら台風一過の晴天の下 羅臼岳の迫力ある山容を確実に見られるぞ・・・。 』

みたいな話になってきて、

 「 この際だから、知床峠まで行ってみれば・・・。 」 等と関わりの無い10Rが無責任?な事を言い出す。

 確かに私も知床には行ってみたいとは思いましたが、行くだけでは駄目で芽登温泉まで戻って来なくてはならず、ざっと見ても750kmは有りそうなコースだし、途中に市街地(北見や美幌)が入っているし、同行メンバーがR750だし、私は正直気が進まなかった。

 しかし、話はどんどん 「知床峠で羅臼岳を見る」 方向に進んで行き、いつの間にか知床峠行きは決定事項になっておりました。

 最近のFUNKY北海道で長い距離を走ったのは、2007年の網走から知駒経由で幌加温泉まで行った1日700km+だったが、ここから知床まで行って芽登温泉までとなると確実にその記録を越える事になる。

 それでも昨年秋田⇔喜多方間往復で700km越えを経験済みでスタミナと根性には定評が有るR750ですから、頑張り次第では行けるかもしれないと私は考えていた。宿への到着が遅れると迷惑を掛けるので宿到着をPM7:00に設定、遅れそうな場合は知床をパスする事も視野に入れ、どうしたら最短時間(最短距離では無く)で知床まで行けるかを考えらがら私は床に就いたのでした。

 そしてR750にとって最も長い1日が明けるのである・・・。



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by Ryuta
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