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 September 2013  Hokkaido Part 30 Touring
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 変貌する芽登温泉


宿の前は広くなっていて陽も当るが、一歩原生林の中に入ると太陽を見るのは難しいほど深い森に囲まれている。


館主が変わり朝食も変わり、食後にレギュラーコーヒーが出されるようになりました。


2年前の朝食



一度このバイクで北海道を走ってみたかったのだが、バイクを交換する事が出来ず(私のバイクを起こせない)実現出来ていない。

 北海道六日目の朝が明ける。朝日が眩しく今日の天気は良さそうである。AM6:00前に目覚めた私は、先ずは朝風呂に入りに温泉に向かう。昨日の打たせ湯のお陰か疲労感も無く体調は良さそうで、もう2〜3日日程が延びても大丈夫かもしれない・・・!?

 朝風呂に軽く入って体を目覚めさせた私は、いつものように外に出て暫しの散策。芽登温泉は原生林の森に囲まれていて、昨晩宿のスタッフに聞いたフクロウがやって来ると言う場所を探検してみたが、残念ながらフクロウは見付けられませんでしたね。

 朝食はAM7:30頃からのようなので、今日も予め荷物をバイクに積んで出発準備を終えてから朝食を頂く事にする。朝食のメニューも二年前と変わっていて、若い人にも年配の方にも受け入れ易いようなメニューになっていました。

 私は昨晩から今日のコースをどうするかを考えていて、台風の影響で走れなかったスペシャルステージを中心に走る事は決めていたのだが、それをどう繋げてコースにするのが問題だった。

 今日走りたいスペシャルステージとしては、芽登〜置戸間、置戸〜陸別間、大雪ダム〜三国峠〜糠平間、糠平〜然別間、狩勝峠、トマム〜占冠間、桂沢ダム〜夕張間等だが、これを一筆書き(FUNKYでは同じ場所を二度走らないのが基本)で回るとなると結構難しい。

 特に芽登温泉近郊の芽登〜置戸間、置戸〜陸別間、大雪ダム〜三国峠〜糠平間の一筆書きは難しい。



                6日目のコース


 そして私が出来るだけ楽しむ方向で考えたコースが、

芽登温泉⇒置戸⇒陸別⇒置戸⇒大雪ダム⇒三国峠⇒糠平

である。

 このコースのミソは、置戸⇔陸別間を往復するところで、高速ステージの置戸⇔陸別間を往復で楽しむ事が出来るのは美味しいし、道道88号の鹿の子温泉から留辺蘂厚和へ抜ける峠道も楽しめ、大雪ダム〜糠平間のスペシャルステージへも近いので時間的なロスを少なくして然別湖へと繋げる事が出来る事にある。

 
 イナイ・イナイ・バー大作戦

 朝食を終えた我々は宿の前でお約束の写真を撮った後、北海道最終日のスタートを切り砂利道へ走り出す。昨晩と違い明るい砂利道は気分的には楽なのだが、SS系のバイクで3kmの砂利道は結構長く感じられ、なかなか舗装路に出なかった。出羽グリーンロードをOFFロードバイクで走ると長く感じるのと同じ感覚なのでしょうね。

 我々が今日予定している走行距離は500kmを越える予定で、最終日としては多目の距離となっている。通常最終日の走行距離は、フェリーの時間が決まっている為距離を短目に設定するのだが、今回のコース設定はもしもの時にバイパスルートが取れるレイアウトになっていて、フェリーに遅れる心配はいらないと考えている。

 我々は、道道88号に出て左折、置戸を目指す。芽登温泉から鹿の子温泉までの区間は、ワインディングロードが延々続く楽しく走れるスぺシャルステージなのだが、今日はコースの前半部分で工事が行われていて楽しめる状況に無かったのは残念でしたね。しかしそれ以降の道路状況は良好で、充分楽しむ事が出来ました。

 例の峠のパーキンまで先行した私は今回もイナイ・イナイ・バー大作戦を決行、バイクをパーキングの手前の隅に止めてR750が来るのを待った。そしてR750がやって来て、パーキングに私が居ないのを確認?して通り過ぎて行く。

 R750も前の事が有りますから、私のイナイ・イナイ・バー大作戦は織り込み済みで、今回はしっかりパーキング内を確認したようなのですが、私の居た場所はそれなりに走っているライダーからは絶対?に見えない場所(フルフェースヘルメットで振りかえっても真横から後は見えない)で、今回も作戦は成功しました。

 GSX−R750が通り過ぎた後、私はゆっくりとスタート(前回は直ぐに追い着いたので・・・)してGSX−Rを追い掛けたのだが、GSX−R750の姿がなかなか見えて来なかった。焦った私はスロットルを大きく開け本気モードで追い掛けたのだが、追い着くまで結構時間が掛ってしまいました。

 前回イナイ・イナイ・バー大作戦を行ったのは3年前でしたが、この3年の間にR750が速くなっておりまして、私との速度差が少なくなり追い着くのにそれなりの距離が必要だったのです。R750がGSX−Rに乗り始めて今年で5年になります。最近走りのレベルが上がってきていたのは感じておりましたが、今回のイナイ・イナイ・バー大作戦でそれを実感する事になったのです。

 ミラーの中にバイクのライトが見えた時、イナイ・イナイ・バー大作戦に嵌った事を悟ったR750だったが、今回は冷静に自分の走りに集中していた。私はそのまま後に着いて走り、鹿の子温泉に出た所で前に出て置戸を目指す。


 置戸〜陸別間往復


陸別の道の駅に到着



高速ステージで付いた虫の死骸に集まる銀蝿
小豆のような黒い点が蝿


 置戸のセイコーマート前の信号を右折、我々は国道242号を陸別を目指して走り始める。国道242号は工事等で交通規制が行われている事が多く前方には十二分の注意を払う必要が有るのだが、今回は工事区間も無くクリーンな状況で大変走り易かった。

 時々現れる直線でフルスロットルを試みた私だが、やはり高回転でFI表示が出てエンジン回転が伸びず、ストレスが溜まる走行になってしまった。それでもそんなに時間を要せず陸別に到着した我々は、以前入った事が有るホクレンのセルフGSでガソリンを給油した後、陸別の道の駅で休憩を取る事にした。

 これまで何度と無く陸別で休憩を取って来たFUNKYだが、道の駅を利用したのは今回が初めてで、国道から少し入った所に在る陸別の道の駅は、以前の北海道ちほく鉄道ふるさと銀河線(2006年廃線 その前はJR池北線)の駅舎を改装して道の駅としたものでした。

 駅舎の奥にはホームがそのまま残されており、カラフルに塗装された気動車が止まっていたのですが、それはふるさと銀河線りくべつ鉄道(2008年に観光鉄道として開業)の車両で、残された線路を使って夏期の週末やお盆に走らせているようでした。

 廃線になった鉄道を観光事業に再利用する取り組みは、先日通った美幸線の線路を利用したトロッコ王国美深等でも見られるが、最近秋田でも小坂鉄道の線路を使った観光事業が始まったようで、事業として成功する事を願っている。

 休憩を終えた我々は、国道242号を今度は置戸に向かって走り出す。私の乗るGSX−RはFI表示が出るし、この区間で工事が行われていない事は確認済みだから、私は750に前を走ってもらってその走りを見ながら置戸に向かう事にした。

 私がこの区間を人の後ろで走るのが初めて(多分)で、こんなにりラックした状態で走るのも初めてだった。R750は結構必死さを感じさせる後ろ姿で走っていたが、置戸の少し手前の峠まで来て私は我慢?し切れずにR750の前に出てそのまま置戸まで走ってしまいました。

 置戸のセイコーマート信号を左折、先ほど走って来た道を引き返し鹿の子温泉から道道88号に右折して、我々は国道39号を目指す。この道道88号には峠が有って、FUNKYではその峠での武勇伝も残されているのだが、私はこの峠の路面が好きになれず(路面が何故が白っぽい個所が有る)苦手な峠の一つはなってますね。

 私は峠をそれなりに走って国道39号に左折する。


 石北峠


奥に見えるバイクは若者が乗るSR400


三国峠程では無いが標高1000mを越える石北峠 寒い!

 3日前、雨の降る中走った国道39号、今日はドライ路面で車の数も少なく、石北峠への上りも登坂車線のお陰で前を塞がれる事も少なく、思ったより早く石北峠にバイクを停める事が出来た。

 この時期、天気の良い日の朝は結構冷え込む石北峠(標高1、050m)、以前店頭で温かい缶コーヒー買ったら手で持てない程熱く、店員さんが缶をポリ袋に入れて渡してくれた事があった。

 私はそんな気使いが嬉しく記憶に残っていたのだが、今回も温かい缶コーヒーを買いに(この峠に自販機は無い)お店に向かった。しかし、開店直後だったようで温められた缶コーヒーは無く、女性店員さんは直ぐに温められますからとお鍋にお湯を沸かし缶コーヒーを温めてくれた。

 しかし、渡された缶コーヒーは持てない程には熱くは無く、私は素手で温い缶コーヒーを飲みながらその女性店員さんに熱い缶コーヒーをポリ袋に入れて渡してくれた話をしたら、今はそんなサービスは行っていないようでしたね。

 この峠に何故自販機を置いていないのかは聞きそびれたが、店頭売りで人と人との関わり合いが出来、それが旅の思い出になったりするんですよね・・・。因みに、缶コーヒーは100円(税込)で販売しておりました。

 石北峠には、我々の他に荷物をリヤシートに満載したSR400が1台停まっていたのだが、ライダーは若い男性(20歳代前半?)だった。今年の北海道では、昨年より若いライダーを多く見掛けるような気がする。

 昨年までは私も含め熟年ライダーと言えば聞こえは良いかが、年配ライダー(40歳以上?)がライダーの大半をしめていたように思う。昔はバイクは若者の特権のような時代も有ったが、、その若者が年齢を重ね年配になったら、若者がバイクに乗らない世の中になっていた。

 そんな時代が暫く続いていたのだが、最近バイクに興味を持つ若者が少しずつだが増えたように感じるのは私だけ・・・?

 宿でも今年はバイクに来る若者が増えたと言っていたし、私の知り合いの高校生の娘さんは中学生の時からバイクが大好きで、母親が私の所からパンフレットや小冊子を貰って行っていた。

 これはバイクに限った事では無いと思うが、女性の方がバイクに対する思い入れやバイクをとことん楽しもうとする姿勢が強く、女性の方が根性?が座っているように感じケースが多々有る。

 今の若い男性が根性が無いと言っている訳ではないが、破天荒な弾けた突拍子も無い事をするようなアウトロー的な若者(♂)が少なくなっているのは確かだと思うし、そんな若者が乗る乗り物がバイクだった時代も有ったように思う。

 しかし最近はバイクも世の中に少しは認知され始め(自民党オートバイ議連が有るくらいですから・・・)、BSではあるがバイクのテレビ番組も放送される時代になった。バイクのテレビ番組等昔は有り得なかったのだが、バイクも少しは社会に認められてきたと云う事でしょうか。

 しかし、優等生が乗る乗り物がバイクと云うのも何か違うような気がしますし、バイクには車とは違うワイルド?な部分も残していってもらいたいと私は思いますね。


 グーグル ストリートビュー?

 話が脱線してしまったが、話をツーリングに戻そう。休憩を終え石北峠を発った我々は、国道39号を大雪ダムに向かって走り始める。トンネルを抜け道は下りは始めたのだが、我々は奇妙な車に追い着いた。そのシルバーのSUV車は、車体の側面にアルファベット文字が書かれており(真後ろを走っていたので判読不能)、屋根にはカメラの様な機器が載っていた。

 それは最近テレビによく取り上げられている自動運転自動車の屋根に載っているような機器で、車は法定速度で一定のスピードで走っていた。道路中央に黄色線が引かれていた事も有り、我々は大雪ダムで国道273号に左折するまでズーッとその車の後ろに着いて走っていたのだが、今考えてみるとあの車はグーグルストリートビューを撮影する車だったかもしれません。

 インターネットで調べると屋根に載っていた機器は、グーグル ストリートビューを撮影する車の機器に似ているような気がするし、車体に書かれた文字も英語風だったから、もしかしたら我々の姿がグーグル ストリートビューに登場する日が来るかもしれません!?  楽しみです!


 タイシュベツ川橋梁

 大雪ダムを渡って我々は三国峠を目指したのだが、いつもこの紅葉期に行われている交通規制(道道銀泉台泉・町道高原温泉線)が行われておらず、いつもは混雑している道路に車や警官の姿は無かった。今年の紅葉が例年より遅れていてまだ規制が行われていなかったようなのだが、規制を前提に慎重に走っていた私は拍子抜けでしたね。

 今回の大雪ダム〜三国峠間は、工事区間も無く(昨年まで行われていた舗装の張り替え工事が終了)路面も綺麗で走りを楽しむには絶好のコンディションだったのだが、私のGSX−Rの調子は相変わらずでいつものようには楽しめませんでした。我々は峠のパーキングを通り過ぎ、いつもの松見大橋を見下ろす橋の上にバイクを止め、大雪の雄大な景色を楽しむ事にした。


今回の松見大橋は青空と白い雲の下でその美しい姿を見せていたのだが、
残念ながら背景になる木々の紅葉は始まっておらずまだ緑一色でしたね。

 暫しの休憩を取った後、我々は糠平を目指し国道273号を南下して行く。私はR750を前に出しタウシュベツ川橋梁が見える(川の対岸なので小さく見えるらしいが私はまだ見た事は無い)というパーキングまで走ってもらう事にしたのだが、私の考えていたパ-キングは橋が見えるパーキングではなかった事が後に判明する。

 R750は車が沢山停まっているパーキンに近づいた時何故かスピードを落とし始めたのだが、私はその理由が分からなかった。実はそのパーキングがタウシュベツ川橋梁が見えるパーキング(以前R750は橋が見えるパーキングに停まった事があった)だったのだが、私はもっと先のパーキングだと勘違いしていてR750が何故スピードを落としたのか分からなかったのだ。

 私はスピードを落としたR750の前に出たのだが、私に止まる意志が無い事を悟ったR750は再び前に出て緩い下りの直線を加速して行き私もその後を追った。私はR750がスピードダウンしたパーキングがタウシュベツ川橋梁が見えるパーキングだった事を後に知る事になるのだが、何故そのパーキングに車が沢山停まっているのか以前から不思議には思っていた。

 そのパーキングは最近(7〜8年位前?)出来たパーキングで、直線路の入口に造られたこのパーキングの場所は直線に向かう為の大事なアプローチ区間に在って、我々にとっては本当に迷惑なパーキングだったのだが、そのパーキングの成り立ち(最近とみに有名になったタウシュバツ川橋梁見る為に造られた)を知った今、今後は充分に注意して通過したいと思います。


 糠平〜然別湖〜新得


いつもは少し紅葉している然別湖の山々も緑でしたね。



新得のGSで北海道最後の給油



最終日にようやく洗車して汚れを落とす事が出来ました。

 糠平から道道85号に入った我々は、細かなコーナーが続く幌鹿峠を越え然別湖を目指す。最初の幌鹿峠越えは路面も安定せず道もトリッキーなので私が先頭を走ってR750に勉強してもらったのだが、最後の左ヘアーピンカーブを抜けて道が沢沿いの平になった所で先を走ってもらう事にした。

 糠平と然別湖を結ぶこの道道85号がパールスカイラインと名付けられている事を今回このレポートを書いていて初めて知ったのだが、この原生林の中を走る道が何故パールなのかの疑問は残りますね・・・?

 後ろから見るR750の走りは、今回の北海道で大分安定感が増し走りにも少し余裕が出て来たように感じた。この余裕が秋田に帰ってから走りを変えて行く事になるのだが、この時はまだブレークスルーする前の走りでした。

 然別湖に到着した我々は休憩を取ったのだが、時間は正午少し前で昼食の時間になっていた。ここにもホテルのレストランや食堂が有り以前に何回か食事をした事も有ったのだが、やはり観光地の食堂で特筆する物は無く(以前は然別湖で捕れたオショコマの刺身等が食べられたのだが、絶滅危惧種に指定されるほど数が減り今は食べる事は出来ない)、いつも立ち寄る新得の蕎麦を頂く事にする。

 然別湖を出て白樺峠を越え十勝平野の雄大な景色を眺めながら鹿追に下った我々は、給油とバイクの洗車をする為まずホクレンGS隣の洗車場にバイクを入れたものの取り止めて新得へ向かう。

 洗車を取り止めた理由をはっきりと思い出せないが、洗車料金が高かった(水だけの洗車コースが無かった?)から・・・?

 鹿追から新得に向かう道道133号と道道75号を走るのは久しぶり(最近は鹿追から狩勝峠に出る道を使っていた)だったのだが、以前よく走っていた道だけに妙に懐かしかった。

 新得の道道75号と国道38号が交わる所に在るGSで給油と洗車を行う事にしたのだが、このGSの前はこれまで数え切れないほど通っていた。しかし、これまで一度も給油した事が無く洗車機が有るか心配だったが、洗車機も有って我々は無事北海道最後の給油と洗車を終える事が出来た。

 洗車が終えた時点で時間はPM1:00近くなっていて、我々は昼食を取る為国道38号を西に向かい新得の そばレストラン 玄穣 へ向かう。


 
 新蕎麦 満喫!!


新蕎麦(大盛り)の写真を撮ってから頂きます。
そばの香りが強く新蕎麦は美味しいですね。


 玄穣に到着すると建物の周りに広がる広がる蕎麦畑は黄色に色付ていて、収穫の時期を迎えていているようでした。我々が入口に向かうとガラス窓に9月13日から新蕎麦祭りの紙が貼られていて、今日は新蕎麦を食べられそうである。

 私はこれまで結構な回数ここで蕎麦を頂いているのだが、新蕎麦は今回が初めてだったかもしれません。実は今年の6月にもここで蕎麦を頂いていたのだが、その時の蕎麦はあまり良い印象(普通)は無かった。

 そんな事で私は新蕎麦に大して期待はしていなかったのだが、今回食べた新蕎麦は6月に食べた蕎麦とは全くの別物で、とにかく蕎麦の香りが素晴らしかった。

 蕎麦の香りが強いのが新蕎麦の特徴だと思いますが、私がこれまでに食べてきた新蕎麦は本当に新蕎麦だったのだろうかと疑ってしまう程、今回の食べた新蕎麦は香りが良かった。

 新蕎麦に満足して食事を終えた我々だったが、これから先のコースをどうするかの課題が残されていた。我々は今日苫小牧東港からPM7:30発の秋田港経由新潟港行きのフェリーに乗船する事は決まっていて、遅くても6時半には苫小牧東港に到着しなければならなかった。



建物周りは一面の蕎麦畑 収穫の秋を迎えていました。


 年寄りの頑張り次第・・・!?

 これまでの経験から新得から占冠、穂別経由で鵡川(フェリーターミナルまでは15分位)までは2時間半で到着出来る事が分かっていて、これから何処にも寄らずに鵡川に向かえば我々は4時には鵡川に着ける計算になる。我々は穂別のポレポーレで休憩を取らせてもらい、5時頃穂別を発って鵡川でラーメンを食べてフェリー乗り場に行く予定にしていた。

 当初の予定では、ここからトマム、占冠経由で富良野へ向かい、桂沢ダム経由で夕張、穂別と走る予定になっていたのだが、年寄りはこれまでの5日間で走りはもうお腹いっぱいで、このまま富良野に寄らずポレポーレでゆっくり休憩(1時間以上時間が取れる)したいと考えていた。

 そこで私は穂別直行をそれと無くR750に振ってみたのだが、R750は富良野に行く気満々で年寄りの願望は呆気無く却下されるのでした。R750はもう一度桂沢ダム〜夕張間のスペシャルステージを走り、今回の北海道の総仕上げにしたい考えだったようで、富良野行きは絶対に外せなかったようです。

 R750の強い気持ちに押された私は、富良野、桂沢ダム経由で穂別に向かう事を決める。時間的には厳しくはなるが、R750の今回の走りからして行けない時間ではなく、後は年寄りの頑張り次第に掛っておりましたね。

 玄穣を出た我々は、先ずは最初のスペシャルステージ 狩勝峠へ向かう


 狩勝峠〜トマム〜占冠〜金山〜富良野へ

 今日の狩勝峠は交通量が少なく走り易かった。狩勝峠の交通量は道東道が道央道と繋がってからは少なくなり我々には取っては有り難い事なのだが、そう言えば狩勝峠の入口で頻繁に行われていたネズミ取りをめっきり見なくなった。交通量が減ってお客さんが減り店を開けなくなったのかどうかは分からないが、引き続き確認だけはしたいと思います。

 R750に取って今回の狩勝峠は、今までの中では一番端までタイヤを使った走りになったようだ。前半部分で私はその走りを見せてもらったのだが、確かに以前よりはバンク角は増していたようだ。しかし、バンク時のスロットルの盛り上げが無く、のっぺりとしたコーナリングになっていた。

 狩勝峠のようにRの大きい高速コーナーの場合、バイクがバンクしたらどれだけスロットルを開けて行けるかが勝負で、それが出来れば地面が近いコーナーリングを体験出来るようになる。

 峠を越えた所に有る大きな右コーナーを車の隙間を狙って楽しんだ後、我々は落合から道道1117号へ左折する。道道136号に入りトマムIC前を通過しトマムで唯一の信号に停止する。この信号を右折した先がトマムのメインストリート?と言える場所なのだが、以前(20年以上前?)は民宿やラーメン屋さんが有ってそれなりの賑わいをみせていた通りも、今はお店はガソリンスタンド1軒だけのようで寂しい限りである。

 トマムリーゾート入口、JRトマム駅と通過すると道は直線が続く区間に突入、私は思わず右手に力が入ってしまった。道東道を走る車を横目で見た後先方に集中しアッという間に幾寅峠への分岐に到着、道東道の下を潜ってワインディング区間に突入する。

 R750は私を視界内に捕えていようと頑張っていたようなのだが、ワインディング区間に入ってコーナーを一つ二つとクリアーしたら、私の姿は視界から消えていたといいます。私は国道237号に出た所でR750が来るのを待ったのだが、思いの外早くやって来てカメラを取り出す時間も無かった。その時の走りはR750にとっても会心の走りだったようで後で嬉しそうに話してくれたのだが、R750はこの北海道で何かを掴んだのは確かなようである。

 国道237号に出て右折した我々は、金山トンネルを抜け金山を通過、国道38号へ向かう。この金山から国道38号の間がこの地域で最もデンジャラスな区間で、私は静かに静かに走り抜けたのでした。

 我々は国道38号に出て左折、山部から裏道で北の峰へと向かいそこで休憩するつもりでいたのだが、今回は時間も無いのでソフトクリーム(珍しく今回の北海道でまだ1個も食べていない)でも食べて休憩する事を考えていた。北の峰でソフトを食べた事が有るのは、新富良野プリンスホテル敷地内のニングルテラスだったが、わざわざ行くほどの味では無かった。

 私は先ず何店かのお店が在る国道38号から北の峰に入った所の信号交差点(レストラン等のお店が有ったような記憶が有った)に行ってみる事にした。


 富良野でソフト


生クリームソフトROYCE’
のチョコが売りの だうんひる


富良野生ソフトクリーム
味も良かったが、私はその形に感動しました。



DOWNHILL(丘を下る) 自転車やスキーの競技名?
 DUNHILLではないんだよね!?



観光地のお土産屋さんには置いていない
ROYCE’の商品が沢山有りました。

 交差点近くのお店の前にバイクを止めた私だったが、お店は営業しておらず困った私が周りを見渡すと生クリームソフトの看板を発見、我々はその看板のお店にバイクを止める。

 そのお店はROYCE’のチョコレートも取り扱っている 

おみやげ店 DOWNHILL だうんひる (名前が微妙!?)

さんで、店内には入るとテーブル席も有る綺麗なお店だった。

 帰って来てから知ったのだが、このお店の一番の売りは

  生乳       70%以上(乳脂肪分18%以上)
  生クリーム   20%以上
  乳脂肪     8.5%以上
          ※何に対する%なのか不明?

 を使用した 富良野生ソフトクリーム 300円 だそうで、私が探していたドンピシャのお店でした。

 早速 若くて可愛い女性スタッフさんにソフトクリームを注文したのだが、この可愛いおねえさんが只者ではなかった。

 おねえさんから渡されたソフトクリームを見た私は、その形にまず感動!?してしまいました。

 トップの位置がちゃんとセンターに有って、ヒダヒダの形とそのボリューム(大き過ぎず・小さ過ぎず)、私が理想とするソフトクリームの形がそこに有りました。

 量が有って味さえ良ければ、形はどうでも良いと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、私はソフトクリームは形が大事だと思いますよ。

 これまで何十?何百?とソフトクリームを食べて来た私ですが、今回彼女が作ってくれたソフトクリームの形は私の中ではベストでしたね。

 ソフトクリームは1個1個手作りで、その製作者の技が形になって表現された商品です。トップのセンターが横にずれ、斜めになったソフトクリームを渡された時、私は食べる前からそのソフトクリームが不味く感じてしまいます。

 ソフトクリームを作る人は、その形に拘り理想とする形を追い求め日々腕を磨いて欲しいと私は思います。味は普通でもそれなりのボリュームで形が良ければ、美味しく感じるのではないでしょうか。

 私は彼女からソフトクリームを受け取った時、形と技の素晴らしさを褒めてあげたのだが、そんな事を言われた事が無いのか彼女ははにかんだ表情をみせ恐縮しておりましたね。

 そしてその富良野生ソフトクリームの味だが、形と同様一級品でした。私はソフトクリームの美味しさを表現するボキャブラリーを持ち合わせないが、しつこくない甘さでとにかく美味しかった。

 これまで食べて来た私のソフトクリームランキングの中でベスト3に入る美味しさで、これで300円は絶対お得だと思います。

 ソフトクリーム好きの貴方、富良野北の峰に立ち寄った際は、だうんひる  富良野生ソフトクリーム を召し上がってみて下さい。 お勧めです。

 だうんひる ではROYCE’の商品も扱っていて、観光地のお土産屋さんには置いていない商品が沢山ショーケースに並べられていて、私はここでお土産を買う事にした。

 私は美味しそうな季節限定の生チョコを見付け購入しようとしたのだが、生チョコは冷蔵しておく必要が有るそうで、我々の場合クール便を利用するしか持ち帰る手段は有りませんでした。

 今時のクール便はクールで無い場合も有るらしいが、それまでして生チョコをお土産にしたい訳でも無く、私は普通に持ち帰りが出来るチョコレートをお土産にしました。 


 富良野〜三段滝〜桂沢ダム〜夕張〜穂別〜鵡川


富良野から休憩無しで穂別に到着


鵡川のラーメン店 秀月


ここのお勧めは 天塩ラーメン 730円

 3時過ぎ我々は富良野を発って穂別に向かって走り出す。ここから先の道は先日走った道(反対方向だが・・・)でもあり、また先日と違ってドライ路面だった事もあって、私はリラックスして走る事が出来た。

 今回の北海道最後のスペシャルステージ・桂沢ダム〜夕張間をR750に存分に走ってもらう為、私はトンネルから先をR750に先頭で走ってもらう事にした。

 しかし、R750にとって私がピタリと後に着いた走りはプレッシャーが掛るそうで、結構走りづらいらしい。そんな事も影響してか、楽しみにしていた桂沢ダム〜夕張間の走りにR750は納得出来なかったようで、駄目・駄目だっと後で悔んでおりました。

 私にはどこがどう駄目だったのか、さっぱり分かりませんでしたけどね。

 2時間近い一気走りで我々は穂別のポレポーレに到着、北海道最後の休憩を取らせてもらった。夕食の支度で忙しい中お邪魔した我々を温かく迎えてくれてお母さんと娘さん、今年最後のメロンだという美味しい穂別メロン(夕張メロンのルーツらしいです)をご馳走してくれました。

 我々は6月に立ち寄った時にも初物の穂別メロンをご馳走になっていて、我々は穂別メロンの最初と最後を頂く栄誉に浴する事になりました。

 5時過ぎ、「来年またねぇ・・・。」と、ポレポーレの母娘に見送られた我々は、鵡川のラーメン店 秀月 に向かう。

 北海道最終日、陽が傾き夕闇が迫る中走る穂別〜鵡川間。

 私はこの道道74号を走りながらその時の北海道を思い出している事が多い。楽しかった事や大変だった事を思い出しながら走るこの道、路面は悪いし、うねっているし、ある意味北海道の代表的な田舎道なのだが、北海道の走り方を確認出来る道でも有る。

 鵡川の国道235号に出た我々は、橋を渡って最初の信号を右折、パセオの角を左折して2つ目の小路を右折、秀月に到着する。

 我々が到着した時、カウンターだけの狭い店内にお客さんは誰もおらず、我々はゆっくりと天塩ラーメンを頂きました。秀月さんはラーメンだけでなくチャーハンや中華丼やワンタン等のメニューも有りますが、店主が言うように天塩ラーメンがお勧めでしょうね。

 我々はスタンプカード(500円で1個 20個でラーメン1杯が無料)に印を押してもらい(これで3個貯まった)店を出る。スタンプカードに印をもらう意味が有るかは甚だ疑問だが、何個貯められるかチャレンジしたいと思います。


 苫小牧東港フェリーターミナル


月はまだ明るい時間だが、9月ではもう真っ暗です
我々の横をトラックが行き交う。


小さなバイクで広い北海道を移動するのは
大変だからこの方法も良いかもしれません。

私だったら二人で2台積んで行きますけどね・・・。


 すっかり暗くなった6時半前、我々は無事苫小牧東港フェリーターミナルに到着する。帰りの乗船券は購入済みで、特にする事は無い我々は売店でお土産等を物色したりしてバイクの所に戻ったのだが、我々の横をトラックやトレーラーが引切り無しに行ったり来たりしていて、なかなか乗船が始まらなかった。

 以前にも有ったが、台風の影響で載せる車両が大幅に増えた(太平洋航路の荷物が日本海航路に回って来る)影響で、積み下ろしに時間が掛り乗船スケジュールは1時間遅れになっていました。

 乗船は遅れたものの無事船上の人となった我々は、客室のスペースを確保してからお風呂に行って旅の埃を落とした後、ロビーのテーブルで乾杯のプルタブを引き起こす。

 北海道では毎晩乾杯していた我々だが、やはり帰りのフェリーの乾杯は格別で、本当に美味かった。その時に撮った写真には、無事走り終えた安堵感と走り切った達成感が入り混じった良い顔をした私が写っている。
















 台風に翻弄された今回の北海道だったが、予定外のコース変更や長時間走行に対応したR750の頑張りは素晴らしかった。そしてその走りにも変化の兆しが見えていたのは確かで、今後の走りに期待したいと思う。

 私はFUNKY北海道最長の日程を走り切った疲れも有ってか、横になると直ぐに眠に就いたようで、翌朝まで熟睡してしまいました。


 31年目の北海道は有るのか?


足取りも軽く愛車の下へ



背中はは年齢を語る?



お疲れさまでした。
また来年・・・?


 翌朝、フェリーは予定通りに秋田港に入港、AM8:30には店に到着してFUNKY30年目の北海道は無事終了した。

 私は今回の30年目の北海道を一区切りにするつもりで、いつもより日程も1日長くして道北から道東まで周るコースを設定、これまで立ち寄れなかった所にも行く予定にしていたのだが、結局台風18号によってその計画の殆どが達成出来なかった。

 また私と同様お歳を召したGSXーRが本調子で無く、思い切った走りが出来ずストレスを感じたまま帰って来たのも残念だった。

 今回の北海道は、私に取って何とも心残りな結果に終わってしまったのだが、これは神様がいい歳なのだから其の辺にしておけと言っているのか、それとも来年もまた北海道へ行くように言っているのか、今判断に苦慮している状況にある。

 人間、引き際が難しいとよく言われるが、我々の北海道ツーリングの形は特殊と言えば特殊で、それなりのスキルが必要なツーリングになっていて、そのスキルを維持出来なくなった時私は北海道ツーリングから卒業すると決めている。

 今年は何とか走る事が出来たのだが、この歳(来年65歳になる)になると色々の事がある日突然やって来ますので先の事は分かりません。

 体力に関してはトレーニング等によりある程度は維持出来ると思うのだが、バイクを走らせる上で一番重要な視力に関しては何とも言えない。

 私は60歳を過ぎるまでメガネのお世話にならずに過ごして来たのだが、ある日突然パソコンの仕事をしていて頭が痛くなり、自分が老眼(近くが見えない)になった事を知った。

 幸いにも遠くを見る視力はそんなに変わらず今でもバイクを走らせられているのだが、来年もこの状態が維持出来る保証は無い。ある日突然老眼に気付いた時のように、突然遠くが見えなくなる日が来ないとも限らないのである。

 私はバイクを走らせるのにメガネが必要になったら、今のようなツーリングからは卒業しようと考えていて、その日がいつやって来るのかある意味期待?して待っているのだが、それは神様が決めてくれるまで待たなければなりません。

 そして来年の北海道だが、今の段階で言えるのは今年行けなかった所に行きたい気持ちが強いと言う事である。それはこれから降る雪が融け、春になってまたバイクを走らせてみなければ分からない事だが、状況が許せばまた来年北海道に行きたい気持ちになっている。

 お若い方々は来年の事でこんなに頭を悩ます事は無いのでしょうけど、この年齢になりますと一寸先は闇と云いましょうか、予想もしない事が起きてしまいますので本当に大変なんですから・・・。

 しかし来年の春、グリーンロードをコーナリングしている自分の姿を想像しちゃってるする時点で、バイクは幾つになっても止められない・・・!?




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22 November 2013
by
Ryuta
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