2010 FUNKY IN 北海道 Part.27 初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日



アニマの里の朝 天気は良さそうである。


雨は降らなかったが、私のバッグベース
は露でグショグショに濡れておりました。



昨日着た雨具をしまいます。


出発時よりは明らかに腹が出ているなぁ・・・。

● リベンジ

北海道は窓に露が着く季節になっていました。



左のスクーターが羽幌から走って来たおじさんのスクーター。

北海道四日目の朝が明ける。いつものように六時前に目が覚めた私はカーテンを開け外を見るが、窓には露が付いていて外が見えず手で露を拭く。さすが北海道である、秋田では窓に露が着くのはもう少し先なのだが、北海道の季節は先を行っておりました。

いつものように外に出てみると、空には青空が見えており天気は良さそうである。しかし、網走が晴れていても峠を越えた屈斜路湖方面が晴れているとは限らない事をFUNKYは過去から学んでおり、私は素直には喜べなかった。

牧場の柵の向こうでは羊や馬達が朝食の草を食んでおり、そこにはいつものアニマの里の風景が広がっていた。我々のバイクの横には昨晩お話した羽幌 吉里吉里 から来たおじさんのスクーターが止まっており、その両側にはプリウスインサイトのハイブリットカーが停まっていた。

玄関先から見る下の駐車スペースの景色は十年前と何ら変わっていないのだが、そこに停まっている車やバイクの種類はすっかり変わっていた。(我々のレーサーレプリカタイプ?は変わっていないが・・・)

10年前ビッグスクーターで北海道を回っている人は殆ど見なかったし、ハイブリットカーの姿を見る事も稀だった。今日パーキングに停まっていた車は二台共ハイブリットカーでしたしバイクはビッグスクーターで、私は時代fが確実に移っている事を実感した次第です。

部屋に戻った私は起きていたK9と共にバイクの所に戻り、ドライブチェーンにオイルを吹く。通常チェーンへのオイルを吹きは、バイクの後輪を浮かす人、後輪を回す人、そしてチェーンにオイルを吹く人のトリオで行うのだが、今回はコンビで行う為いつもと違うパターンでオイル吹く。

一人が後輪を持ち上げ、一人が後輪を回すのは同じだが、オイルを吹く人がいない為最初にオイルを吹いてから後輪を持ち上げタイヤを回し、チエーンにオイルを吹いたらまた後輪を持ち上げタイヤを回す、それをチェーンが一周するまで繰り返すのだ。

1日で500km程走る我々の場合、1日走るとチェーンやスプロケットのオイル分が飛んでしまう為オイル吹きは必須となる。ましてや雨中走行の後はチェーンのオイル分はカラカラに飛んで錆も出やすいから、我々はツーリング中1日1回チェーンオイルを吹くようにしているのだ。

私はK9に昨日楽しめなかった根北峠や清里峠を今日リベンジする事を話し、八時前に宿を出発出来るように準備するよう言う。当初の予定では道北の知駒峠まで行く事にしていたのだが、距離が700km以上(高速道を一部利用するが・・・)有る為現状では時間的に厳しいと思われ、今回は見送る事にした。ストレスなく知駒峠まで行ける日を待ちたいと思います。

K9はこれまでに出発準備のルーティーンを確立した模様で、出発時間に合わせた準備作業が出来るようになっている。一方、私はと云うと何かと遅れがちで私の為に出発が遅れる事が度々起こっている。

その原因の多くは忘れ物をする為で、人間年齢と共に物忘れが多くなるのは致し方無い事だとは思うが、とにかく自分でも呆れるほど忘れますね。

七時前に食堂に行った我々は、朝食を頂く。今日の朝食は私の好きなパン食だったが、此処の朝食には和食パターンも存在する。私はコーヒーをお変わりをしながら、出発前のゆったりとした時を過ごしたのでありました。

仕度を終えた我々は、旦那の見送りを受けた後アニマの里の看板前でお約束の写真を撮って、予定通り八時少し前に網走を発って斜里に向かう。


K9に見せたかった景色。


今日の開陽台は雨は降っていない。


夏にはテントが並ぶ場所。



























● 根北峠を堪能
網走の街を出ると左手の海の向こうに知床半島が見えてくる。今日の知床の山々は雲に隠れ半島の先は霞んで見えていたが、空には所々青空も見えており雨は降っていないようである。

網走から西方向に向かっていた国道244号は、斜里で南東方向に進路を変え標津 に向かうのだが、その途中に根北峠が在る。根北峠は25年前FUNKYが北海道で最初に指定したスペシャルステージで、FUNKYにとっては北海道ツーリングの原点とも云える峠である。

そのレイアウトは25年前と全く変わっておらず、低速コーナーから中・高・超高速コーナー、アップダウンの直線からフラット直線まで北海道ならではの道が約30km続く。右手に見える越川温泉を過ぎ黄色の中央線が白色の破線に変わった所で、私はスロットルをワイドオープンにする。

今日の根北峠のコンディションは、雨が上がって間もないようで所々にウエットパッチが残っている状態だった。その為走行ラインが制限されたりスロットルを開けられない所が有ったりして思う存分走れる状況には無かったが、私は昨日の鬱憤を充分晴らす走りが出来たのでありました。


K9開陽台入口を行き過ぎて苦手なUターンをするK9。

国道244号から開陽台に向かう道道975号に入った所にバイクを止めた私は、後から来るK9の写真を撮る為カメラを取り出し国道に出る。

K9を待つ間、昨年K9が来るまで暫く時間が有った事を思い出した私は、先ほどから我慢していた物を開放しようと藪の中に入っていたのだが、途中でGSX−Rの音が聞こえて来てしまった。

私は慌ててファスナーを上げカメラを構えようとしたのだが、GSX−Rは結構なスピードで近付いて来ていた。

この道道975号入口手前には開陽台への標識が出ているし昨日もここを曲がっていたので、私はK9がここの手前でスピードを落として来るものと考えていたのだが、K9は私がカメラを構える前に通過して行ってしまった。

それでも私の姿を見付けたK9は、ブレーキを掛け暫く先でUターンして戻って来る。

1年前は大きい方でも大丈夫なくらい遅れて来たのに、1年の間に小さい方でもゆっくりさせない程にK9は走りのレベルを上げておりました。 

「御見逸れしました!」



● 開陽台
開陽台に近づにつれ路面が濡れてきたが、雨は落ちてはこなかった。

開陽台の手前には

 「開陽台と云えばこの直線」

と云われる有名な直線が在って、坂の上から見るその直線の景色は観光ガイドにも載る北海道を代表する景色になっている。私はその景色をK9に見せる為(昨日は通っただけ)バイクを坂の上に止めて観光しようと考えていたのだが、何故か坂の途中で工事が行われていた。

工事で遮られていては直線も台無しで、私はそのまま開陽台に向かう。


後ろには黒い雲も見える。


開陽台に50ccチャンバーの音をが響き渡らせた張本人。



西の空には黒い雲も見え、摩周湖方面の山は雲の中。

(後ろに見える山が摩周湖方面の山々。)
今日の開陽台は路面は濡れていたが、昨日と違って周りの景色は見えているし薄日も差していた。

私は展望台に上がるのが初めてのK9と共にFUNKY思い出の階段(こん畜生階段)を上って行く。展望台から見る景色は、幾度となく見ている景色で私には新鮮味は無かったが、K9はそれなりに見入っておりました。

観光地は最初に訪れた時はそれなりに感動するものなのだが、二度三度となると感動は薄れていく。しかし、景色は天候や時刻によって印象を変えるもので、その時その時で新たな感動を与えてくれる時も有るのだが、今回は何も感動する事は有りませんでしたね。

展望台で景色を見ていると、遠くから2サイクルチャンバーの音が聞こえて来て、それが次第に大きくなって辺りに響き渡っていた。展望台から降りて行くと、1台のバイクが我々のGSX−Rの横に止まったのが見えた。

バイクはチャンバー付きの50cc?、荷物は積んでおらず、ライダーはジーンズにブルゾンという軽い格好で地元のライダーのように見える。

50ccのチャンバー音など都会ではそれ程気にならないのだが、開陽台に響き渡るエキゾーストノートは、少し違和感が有りましたね!?

我々はこれから昨日と同じく裏摩周に行く予定なのだが、開陽台から見る摩周湖方面の山々は昨日と同様雲に隠れて見えていなかった。

雲に隠れていると云う事は摩周湖は昨日と同じ状況と思われ、行くべきかどうか私は悩んでしまったが、その判断は養老牛温泉入口近くまで先送りにする事にした。

開陽台を発って道道150号に右折する所まで来て私はミラーでK9の姿を確認したのだが、ミラーの中にK9の姿は無かった。私はバイクを左側に寄せてK9が来るのを待ったのだが、やって来なかった。

開陽台からここまで問題になりそうな個所は無く私にはK9が来ない理由が思いつかったが、思いもよらない事が起こるのが世の中で、待っている時間に耐えられなくなった私はバイクをUターンさせて引き返す。

すると直ぐにK9がやって来た。遅れた理由はヘルメットの顎紐を締めるのを忘れたのだそうで、止まって締めていたのだと言う。顎紐の締め忘れは私も時々やるミスで私は安堵したのだが、最近後ろが来ないと ドキッ とするんです私。

私は養老牛温泉入口まで来たが、摩周湖方向の空は黒い雲に覆われたままで状況は変わっていなかった。裏摩周行きを諦める事にした私は、分岐の信号交差点を清里峠方面に右折せずに直進、国道243号に出て弟子屈から屈斜路湖に向かう事にした。


キタキツネと一緒に・・・。




















● 津別峠で・・・
昨日も通った国道243号を弟子屈に向かって行くと雨粒がポツポツと落ちて来た。今日は雨の心配はしなくて良いと思っていた私にはチョッとショックだったが、やはりと思う気持ちも有った。しかし、幸いにも屈斜路湖まで来ると青空も見えてくる。

我々はこれから屈斜路湖から津別峠を越え津別に出るのだが、津別峠の展望台に立ち寄って屈斜路湖の観光をしたいと考えていた。しかし、湖畔から見上げる屈斜路湖の外輪山には雲が掛かっており、展望台の在る山の頂上部分は見えていなかった。

湖畔から津別峠までの道は、秋田市の仁別国民の森に行く道のように1.5車線の狭い道で、しかも十和田湖から発荷峠に登る道のように急激に上る為ヘアーピンカーブが連続する。我々はその忙しい道をゆっくりと上って行くと、雲の中に入ったのか見通しが悪くなってくる。

しかし、津別峠まで来ると青空が見えてきて、我々は雲の上に出たようである。


津別峠のパーキングに到着。木彫り人形のお土産屋さん。


駐車場の周りは原生林が広がっている。

我々は津別峠から左に折れ、展望台に向かう道の入る。ここから先展望台までは一本道で危ない所も無く、私は私のペースで走って終点の駐車場にGSX−Rを停める。

私は駐車場の前でお土産を売っているオジサンと話しながらK9の到着を待ったのだが、またしてもK9が来なかった。ここまでは道なりに走れば到着する筈だが、私は色々な可能性を考えてみる。

そういえば展望台への坂道を上り始めて直ぐの所に急な右コーナーが在ったのだが、そこに左に下って行く小道(舗装路)が有った事を思い出した。センターラインが無く一瞬どっちに行くか迷う所で、もしかしたら・・・?

私はお土産売りのオジサンの視線を感じながらバイクを引き出し、今来た道を引き返す。展望台の下に砂利の駐車スペースが在るのだが、そこにK9の姿を発見した私はホッと胸を撫で下ろす。

話によると、やはりK9は私が考えた左への小道で迷ったらしいのだが、正解の道をそのまま走って来たようだ。しかし、幾ら走っても(そのコーナーから駐車場まで2km近くある)私の姿が見えなかった為、不安になって停まって私が来るのを待っていたらしい。

山での遭難と同じで、前と逸れた場合は下手に動き回るよりそこに留まって救助?を待つ(K9の場合Uターンをしたくなかっただけ?)のが良策で、K9の的確な判断でありました。

K9共に再びパーキングに戻った私は展望台に向かったのだが、そこには思わぬ物が我々を出迎えてくれたのである。


人馴れしたキタキツネが餌を待っている?


ブロックタイルにキタキツネは似合わない!?

津別峠の石碑の有る広場に行くと、観光客がある物に向かって盛んにカメラのシャッターを切っているの場面に出くわす。

何とそのカメラの先ではキタキツネがしっかりポーズを取っているではないか・・・。何とも人馴れしたキタキツネで、人間と或一定の距離を保ちながら広場の中を行ったり来たりしていて、まるでモデルのように立ったり伏せたりしてポーズを取っている。

幸いにもキタキツネに餌をやっている観光客はいなかったが、キタキツネはここに来れば何がしかの食べ物が得られる事を知って来ているものと考えられる。

キタキツネとのツーショット写真を撮った我々は、広場から展望台の一番上に移動する。そこからは屈斜路湖が綺麗に見える筈だったのだが、我々は雲の上にいるようで見えるのは白い空間だけであった。

裏摩周に引き続き屈斜路湖も見えない状況でK9には気の毒な事になってしまったが、湖は逃げませんからまた次の機会に期待しましょう。

津別峠の展望台を後にした我々は、狭く曲がりくねった道を津別に向かって下って行く。私は結構こんな道が好きで楽しく走ってしまったのだが、津別の街と津別町森の健康館 ホテル フォレスター を結ぶ二車線もまた大好きな道で、私は大いに走りを楽しんだのでありました。

一方、K9も下りの狭い道はそれなりに走れたようで、結構楽しんだと言っていた。K9が津別峠を越えたのは今回が初めてで、初めての道で楽しめるようになったのは良い事だ。我々は北海道の大地を楽しく走る為に来ているわけで、楽しく走った思い出を一つでも多く持ち帰る事が出来れば幸せなのである。





津別のホクレンGSで給油、此処もセルフになってました。












置戸のSeicomaert 1回目


● 陸別〜置戸間
津別の街に到着した我々は、街外れのいつものホクレンに給油しに行ったのだが、ここもまたセルフの綺麗なGSになっていた。いつものように、これから向かう陸別〜置戸間に備え事務所の中で休憩させてもらったのだが、事務所の中には結構な人が居てセルフになっても働いている人の数は以前と変わっていないようでしたね。

我々は以前に秋田に行った事が有ると言うスタッフさんと男鹿半島の話をしたりして休憩を取った後、津別を発って国道240号を阿寒湖方面に南下、陸別に向かう。本岐で道道51号に入った我々は交通量の少ない道を快適に走る。

すると前方からビックバイクの集団(7〜8台?)が結構なスピードで走って来た。

「対向車から見たら我々もこんな感じなのかな・・・?」 と

私は彼らが通り過ぎるのを見ていたのだが、我々は今回二台だけなのでこれ程の威圧感は無いかな・・・?

陸別に到着した我々は、国道242号に入って置戸を目指す。この区間は超高速区間で、私は私の走りで置戸に向かう。今日この区間を走っている車の数は少なかったが、道路脇で電線の工事が行われている個所が有り片側交互通行になっていた。

高速ステージでは減速に距離が必要となるので、工事看板が出たら確実に減速しブラインドコーナーへの進入は慎重に行いたいものである。


此処まで来ると雨の心配は無くなった。

アドレナリン出まくりの走りを終えた我々は、置戸のいつものSeicomartにバイクを止め休憩とする。

時間は正午を少し回ったところで昼食の時間なのだが、この辺に食事が出来そうな処が無さそうなので、少し距離は有るが以前立ち寄った事が有る丸瀬布の道の駅まで行く事にする。

水分を補給し放出した我々は、置戸から留辺蘂に出て遠軽に向かう。昨年我々はこの道を逆方向に走っていたのだが、同じ道でも走る方向が逆だと景色が違って見え注意を払う個所も違ってくるので、初めて走る道のように感じてしまいました。







道の駅 丸瀬布 に到着

































上川のいつものGSで給油して明日に備える。

● 北見峠
自動車専用道が丸瀬布まで通ったのと高速道無料化実験の為だと思うが、遠軽から丸瀬布までの道は観光バスや行楽の車が数珠繋ぎになっていた。午後1時半、我々は丸瀬布の道の駅に到着したのだが、道の駅の駐車場は車やバスやバイクで大混雑で、バイクを止めるスペースを探すのに苦労する。


此処のソフトは250円だが結構美味しいのです。

結局我々は小さな空きスペースを見付けてバイクを止めたのだが、この混雑は今日が連休最終日で札幌方面に帰る車が高速に乗る前に休憩している為のようで札幌ナンバーが多かった。

我々は早速レストランに行ったのだが、レストランもまた混んでいて、食券を買ってから暫く椅子に座って順番を待つ事になってしまった。私はこの待ち時間を利用してソフトクリームを買いに行く。

前回立ち寄った時にも食べたここのソフトクリームは、250円と価格は普通だが結構美味しいソフトで、ソフト好きの方は一度食べてみて下さい。

何とかテーブルに着いて食券の番号が呼ばれるのを待ったのだが、ここでまた少し待たされてしまいました。それでも何とか30分ほどで食事を終えた(食べる時間は5分程)我々は、自動車専用道に乗って北見峠に向かう。

ここの自動車専用道は片側1車線で追い越しは出来ず、状況は先ほどの国道と何ら変わらなかったが、80km/h位のスピードで車が流れているところが違っていた。

ふと自動車専用道と並行して走っている国道333号を見ると、何と国道333号を走っている車は皆無で、退屈な高速道を走るより下を走った方が楽しそうではないか。

予定では道の駅 しらたき で自動車専用道を下りて北見峠に向かう事にしていた私だが、予定を変更して一つ手前の 白滝IC で下りて北見峠に向かう事にした。自動車専用道が出来るまでは交通量が多かった国道333号だが、自動車専用道が出来たおかげで今までの国道の状況が自動車専用道に移って、国道を走る車がいなくなったようである。

白滝ICで国道333号に下りた私は車の殆どいない道を北見峠に向かって快適に走っていたのだが、知らぬ間に峠道に入り込んでしまっていた。北見峠の白滝側は直線が長くスピードが乗る道が多いのだが、上川側は細かなコーナーが連続する道が多く峠を隔てて道の表情が異なる。

私はスピードに乗って一気に北見峠を駆け上がった後、峠でK9を待ち今度はK9の後ろに着いて上川側に下って行く。

峠を下って行くと道路脇のパーキングに数台のバイクが止まっているのが見え、それはSS系の走り屋さんのようだった。下からそれ系のバイクが上って来ていたから、この場所は走り屋さんのホームコースになっているようである。

確かに交通量は無く(峠を通過する間に出会った車は2台だけ)、適当なコーナーは沢山有るし、無料高速道を使えば旭川から1時間も有れば来れるだろうから、走り屋さんには絶好のスチュエーションではある。

K9はパーキングに居たライダーの視線を感じながら下りのヘアーピンカーブへ進入して行ったのだが、緊張の為か?コーナーの大分手前でブレーキランプを点灯させておりましたね。

北見峠を楽しんだ我々が再び自動車専用道に乗って上川に向かうと、自動車専用道は相変わらず車が連なっており我々もその列に加わる。この状況は予想出来た事なのだが、この区間は今年になって通れるようになった区間で、新し物好きの私は一度走ってみたかったんです。


沢野オートサービスのご夫婦の見送りを受けて出発。

上川ICで自動車専用道を下りた我々は、上川の街中に在るバイク屋さん

沢野オートサービス Tel. 01658-2-1371

さんに立ち寄り、秋田から持って来たお土産を渡す。

沢野オートサービスのオヤジさんは、以前私もお世話になった事が有る大変親切な方で、この近辺(石北峠、三国峠、北見峠)にはバイク屋さんが無いので貴重バイク屋さんでもある。

バイクの事で困った事が有ったら、相談してみたら良いと思いますよ。

オヤジさんと奥様の見送りを受けた我々は、今度は上川のいつものGSに向かう。

国道39号に面したこの出光GSは、設備は古い(失礼)がスタッフの皆さんが良い人達の感じの良いGSで、我々はここを通る時は必ずと云っていいほど(これから先にGSが無い事もあるが・・・)給油しているGSである。

私が顔を見せると 「アレッ」 という表情を見せたスタッフさんは、私の顔を覚えてくれていたようです。

我々がここ上川を通る時は、大雪山中深くに在る幌加温泉に向かう時が殆どなのだが、ここで給油しておかないと次の日の行動が制限(航続距離が短くなる)される為、ここでの給油は欠かせないものとなっている。

我々には給油の他にもう一つ、幌加温泉に向かう前にやるべき事が有って、それは今宵の飲み物を調達する事だった。

FUNKYが幌加温泉に泊まる時は糠平の商店で調達するのが常なのだが、今回はわざわざ幌加温泉の先に在る糠平に行くのを止めて、層雲峡温泉のコンビニで調達する事にした。

層雲峡温泉には Seicomart のコンビが以前から有ったのだが、国道39号沿いの以前ガソリンスタンドが在った場所に新しく セブン イレブン が出来ていた。


モノトーンのセブンイレブン
<Seicomartも同じカラー>

この新しいセブン イレブン の建物のカラーは、見慣れた赤と緑で縁取られてものではなく、ホワイトとダークブラウンのモノトーンカラーで、それは温泉街近くに在る Seicomart と同じだった。

国立公園内にあるコンビニの外装色に法律の規制が有るのか自主規制なのかは知らないが、セブン イレブン も Seicomart も同じカラーで店舗の外装がされておりました。

この落ち着いたカラーのコンビニは新鮮で、私は街中のコンビニもこのカラーにしてもらいたいぐらいなのだが、コンビニは

 「目立ってなんぼ!」

でしょうから、それは難しい事なんでしょうね?

飲み物と肴を調達した我々は、久しぶりに層雲峡の代表的な観光地 流星の滝 & 銀河の滝 に向かう。











我々の周りでは中国語が飛び交っており、アルパインスターのライダーウエアーを着た男性意外、全て中国人か香港人か台湾人と思われます。


● 層雲峡
層雲峡温泉入口を過ぎ、幾つかの覆道を抜けてトンネルに入る手前を右折すると、直ぐに駐車場が見えて来る。


久しぶりに滝の前で記念写真を撮りました。
隣の男性は着ているボーダーシャツからして中国人?

流星の滝 & 銀河の滝 の脇を通る国道39号は毎年のように通っているFUNKYだが、この滝に立ち寄るのは2002年以来だから八年ぶりになる。

混雑していたパーキングに何とか空きを見付けバイクを停めた我々は、早速 流星の滝 に向かったのだが、私は以前訪れた時には無かった違和感を感じていた。

そこは滝の看板の前で記念写真を撮る人達や滝の周りを散策している人々で混雑していたのだが、回りの人々の服装や仕草が何か変なのである。

顔はちょっと見日本人と変わらないのだが、まだ9月だと言うのにフード付きの厚手のコートを着ているし、話している言葉をよく聞いてみると中国語と思われる発音だったりしているのだ。

改めて我々の周りにいる人々を見てみると、その殆どが中国語を話しており、私は日本人と思われる観光客を見付けるのに苦労する状況だった。

中国語圏内の国には中国、香港、台湾等が有るから、この人々がどこの国から来たかは顔を見ただけでは分かる筈もなかったが、層雲峡は中国語に席巻されておりました。

数年前に訪れたニセコはオーストライア人だらけでしたが、層雲峡は中国人だらけでしたね。北海道を多くの外国人の方々が訪れる事はは歓迎すべきだと思いますが、あの雰囲気の中に居ますと日本人も中国人に見えてきて、自分が中国の観光地に来ているような気持ちになりましたね。

我々が一通りの観光を終えバイクの所に戻って出発の支度をしていると、周りに居た中国人?の方々が我々に向かって一斉にカメラのシャッターを押し始めた。その殆どがK9に向けられたものだったが、フルカウルのSS系大型バイクに乗る我々が余程珍しかったようである。

中国でSS系大型バイクを見る機会は殆ど無いと思われ、ましてK9となればシャッターを押したくなる気持ちは分からなくも無いのだが、今頃中国のインターネット上にK9GSX−R750の写真が出回っている可能性は有りますね!?

多くの中国系の人達が注目する中、我々は三国峠に向かって走り出す。





















幌加温泉到着。
紅葉はまだ始まったばかりでした。

























温泉上がりは、やっぱり浴衣でしょ。

● 幌加温泉
長い長いトンネルを抜けた我々は、国道273号に入り大雪ダムを渡ってマイペースで三国峠を目指す。私は周りに気を配りながら三国トンネルまで来たのだが、正面の山々には雲が掛かっているのが見えた。

私がトンネルの中でK9が追い着いて来るのを待ちながらトンネルを抜けると、そこには霧に包まれた白い世界が広がっていた。私は三国峠のパーキングか松見大橋が見える橋の上で休憩を考えていたのだが、周りが全く景色が見えないこの状況下で此処で休む意味は少なく、そのまま幌加温泉に向かう事にする。

私は霧に包まれて幻想的な松見大橋をゆっくりとそして慎重に下って行ったのだが、目の前の道路以外は真っ白で道が宙に浮いている感じで何か気持ちが悪かった。橋を過ぎ少し下って行くと霧が晴れてきて普通に走れるようになった私は、ペースを上げてみる。

路面は乾いており走る上では全く問題は無かったのだが、何故か安全運転で走ってしまった私は幌加温泉入口のパーキングにバイクを止めK9を待つ。

我々はいつも幌加温泉の玄関先にバイクを置かせてもらっているのだが、その玄関先が急坂になっている為そこにバイクを止めるにはそれなりのテクニックを必要とする。K9はこれまで何回か止めた経験を持っていたが、広いスペースで止められるよう最初に坂を上ってもらう事にしていた。

私から少し遅れてやって来たK9を前の出し、私はその後ろに着いて国道237号から幌加温泉に向かう道に入る。幌加温泉下のパーキングから坂を上ってK9はスムーズに玄関先にバイクを止めたのだが、その様子を坂の途中に止まって見ていた私は、発進しようとして危うく倒れそうになってしまった。

GSX−R1000 K5 のスリッパークラッチは、発進時半クラッチを過度に使うとジィージィー音を立ててトルクを逃がすのだが、坂道発進をする為に多目に半クラッチを使った時GSX−Rはジィージィー音を立てて失速し、倒れそうになってしまった。

エンストしたわけではないので何とか持ち堪えたのだが、何とかなりませんかね、あのK5のクラッチ。今のGSX−Rはきっと改良されているんでしょうけど、私がGSX−R1000 K5 で気に入らない点の一つが発進時のジィージィーですね。

玄関先にバイクを止めると、親父さんが出て来て我々を出迎えてくれる。親父さんと挨拶を交わし、荷物を下ろした我々は早速部屋に案内される。時間はまだ五時半前で、我々は夕食前に温泉に入って今日の疲れを取る事にした。

幌加温泉は見た目は透明だが中身が濃い温泉で、私は温泉の成分を感じながらゆっくりと温泉に入って体を温める。

温泉から上がって玄関に行くと、親父さんが今日も泊まる事になっている連泊のお客さん(男性二人)を待っていた。そのお客さん達は朝早くから近くのニペソツ山に登りに行ったそうで、時間からしてもうとっくに戻って来ても良い時間なのだが、まだ戻って来ていないと言う。

陽も落ちて辺りは暗くなり始めており、親父さんは大変心配していた。今日幌加温泉で雨は降らなかったらしいが、親父さんが昼に上士幌に行った時清水谷付近で大雨に会ったそうで不安定な天候の影響を心配していたのだ。

私が見た大雪の山々も雲に覆われていたから道に迷っている事も考えられられたのだが、六時過ぎに二人が乗った車が到着、車から降り玄関にやって来た二人はドカッと腰を下ろす。

彼らの話によると頂上までは行ったらしいのだが、山の上はガスで何も見えず往復に10時間以上(通常は7時間程らしい)掛かったらしく大変お疲れの様子だった。最近幌加温泉に泊まるお客さんの多くがニペソツ山に登山する人達だそうで、親父さんは山小屋の主人のようにお客さんの安否を心配しておりました。


幌加温泉 夕食
昨日の幌加温泉はニペソツ山に登るお客で満室であったようだが、今日の泊まり客は我々とこの二人だけだそうで、親父さんは今日は少しゆっくり出来るとニッコリしておりました。

今日の夕食は部屋食で、親父さんが運んで来た食事をテーブルの上に並べて頂く。サッポロ クラッシックのビールで乾杯した我々は、今日の出来事から反省から明日の予定などを色々語りながら飲みながら食べながら、夜は更けていくのでありました。

そんな中、外からパラパラと雨の音が聞こえてくる。雨は強くはないがしっかりと降っており明日の天気が心配になるが、晴れる事を前提に明日の予定を考えてみる事にした。

予定では、然別湖から菅野温泉へ立ち寄って温泉に入り、狩勝峠を越えて富良野に行く事にしていたのだが、今回の北海道は雨の為距離が伸びておらず、明日は走りに徹した距離が長目のコースを考える事にした。

私はこの周辺のFUNKYスペシャルステージを中心に、リエゾン区間を極力省いたコースを考えたのだが、詳細は明日説明する事にいたします。

寝る前にもう一度温泉に入った私は、今降っている雨が明日上がる事を願いながら布団に入ったのでありました。


5日目
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