2010 FUNKY IN 北海道 Part.27 初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日


一部紅葉が始まっておりました。


夜中の雨は上がっていたが、路面は生乾き。


親父さんとのツーショットだが、
この写真を後何回撮れるのだろう・・?


● 朝の幌加温泉

朝はストーブを焚くほど寒くは無かった。



幌加温泉 朝食

いつものように6時前に目が覚めた私は、早速温泉に行って体を目覚めさせ、温まった体で外に出てみる。昨晩降っていた雨は上がっていたが、路面はまだ生乾きで一部に水溜りも残っている。気温はさほど低くなく、今の季節にしては暖かい朝であった。

部屋に戻った私はK9と共に玄関先に戻りドライブチェーンにオイルを吹く。昨日雨が当たるからバイクをもっと中に入れるよう親父さんに言われのだが、玄関口をバイクが塞ぐ形になるので私は遠慮していた。

GSX−Rのフロントカウルを見ると雨でしっかり濡れており親父さんの言う事を聞いてもっと中に入れて置くべきだったと後悔したのだが、これまで雨に何回も当たって汚れていたバイクが、雨で洗車?されて少し綺麗になっておりました。

一昨年幌加温泉に泊まった時には、玄関先にエゾシカが来て草を食べていたのだが、今年はその姿が見えなかった。最近北海道では鹿が増えていると聞くが、幌加温泉付近ではそうはないのだろうか?

我々が部屋に戻ると食事が運ばれて来ていた。早速我々は朝食を頂く。幌加温泉の朝食は私に取って充分な物で、美味しく頂きました。

準備を終えた我々が荷物を持って玄関に行くと親父さんが見送りに出て来た。我々が雨具を着るかどうか悩んでいると、親父さんが雲の流れを見て

「雲が東(多分東と言っていたと思う?)に流れているから天気は良くなるよ。」 と言う。

見上げる空は雲で覆われていたが、雲の流れは速かった。長年ここに住んでる親父さんは、経験則として雲の流れる方向を見て天気を予想したのだが、その予想が正しかった事は後に証明される事になる。

我々は親父さんの言葉を信じ雨具を着ないで出発する事を決め、バイクに荷物を取り付けて出発の準備を整える。出発の前に親父さんとの写真を撮り、我々は糠平に向かって走り出した。

ここで私の考えた今日の予定コースを紹介しよう。幌加温泉を発って糠平へ南下、上士幌方向へ走って清水谷から道道468号で芽登に出て、、道道88号で置戸まで行く。置戸からは国道242号を陸別まで昨日と反対方向に走って給油、そのまま国道242号を足寄方向に走り、足寄の手前から道道466号に入って再び芽登に戻るコースだ。

芽登から芽登までの一つのサークルとなっており、前半が中速のワインディング、後半が超高速のコースとなっている。私はこの一周約120kmのスペシャルコースを2008年に走っており二年ぶりとなるが、今回私は或作戦を考えていた。



置戸Seicomart 2回目























































芽登の 「コケはったんですか?」 パーキングで休憩。
<ここから置戸までは61km有る>。























● 芽登⇒置戸⇒陸別⇒芽登
幌加温泉を出た我々は、国道273号を糠平に向かったのだが、路面はハーフウエット状態で、スロットルの開閉には注意が必要な状況だった。

この区間には緩い下りの長い直線が有って、そこではそれなりのスピードが出てしまうのだが、私はその直線に向けて手前のコーナーから走りを盛り上げていた。

ところがである。私が直線に向いて前方を見ると直線には数台の車が点在していて、対向車線にも車の姿が見える。この状況で走っても車の追い越しで走りが中断される事から、今回私はこの直線を車の後で過ごす事を決める。

車を追い越すのは簡単だが途切れ途切れの走りは楽しくは無く、この直線を楽しむのは次の機会と致しました。

国道273号を糠平から上士幌に向かった我々が清水谷まで来ると、空が明るくなって青空も見えて来る。昨日親父さんが言っていてように、大雪の天候と十勝平野の天候の境目は清水谷のようである。

清水谷から両側に原生林が迫る寂しい道道468号に入った私は、森の中に居るであろう鹿に気を配りながら芽登を目指す。この道では今まで何回も鹿の姿を見ている私は鹿に神経質になっているのだが、鹿の動きはトリッキーで読めないから見つけてもどうこう出来るという事も無いのだが・・・。

道道88号に出て左折、転けはったんですか?パーキング前を通過した我々は、置戸を目指す。まだ一部に黒い路面が残る道を私は暫く先頭を走っていたのだが、途中からK9を前に出し後からK9の走りを観察してみる事にする。

後から見るK9の走りだが、コーナーへのアプローチ距離が長くダラダラした印象のコーナーリングになっていて、もっと判断を早くしたコーナー進入が望まれる。しかし、走り慣れないコーナーへの侵入は経験が物を言う世界で、K9にはまだまだ多くの経験を積んでもらいたいと思います。

この国道88号には峠が在ってそこには大きなパーキングが在るのだが、そこで私は或作戦を考えていた。その作戦とは2002年の北海道で私がある人物からやられた作戦で、今回K9にその作戦を実行する事を私は楽しみ?にしていた。


国道88号の峠のパーキング。
右のスペースの奥で私は身を潜めてK9をやり過ごす。

(この写真は二年前の物。)

私は先ずその作戦の下準備として、峠の手前でK9の前に出て視界から消えるまで引き離す。K9の視界から消えた私が峠のパーキングに入り道路から見え難い場所を探すと、パーキング手前奥のスペースが死角になっていた。

その場所はK9がパーキングの前を通過しながらパーキングを見た時、後方に位置する為見えない場所で、2002年M氏が居たのもこの場所であったと思われる。私はそこで身を潜めてK9が来るのを待った。

そして甲高いエキゾーストノートと共にK9がやって来る。K9は一瞥をパーキング投げ私の姿がない事を確認?して通過して行く。

私はその後を急発進して追い掛け、上手くK9の背後に着く事に成功した。K9は後から突然現れたヘッドライトに気が付いたのだろう、何度もバックミラーを覗き込んでいる。

私がM氏に着かれた時もそうだったが、K9も後から突然現れたバイクは地元のライダーだと思ったそうだ。

K9の頭の中で私は前にいる事になっていたから、ミラーの中のバイクが私である筈は無かったのである。だがしかし、、ミラーの中で次第に大きくなるバイクの色が黄/黒である事を知った時、K9はその状況を理解したようである。

八年越しのリベンジ?を果した私は、気分良くK9の後を走っていたのだが、K9は何故私がこのような行動を取ったのかは分かっていなかったと思う。

このイナイ・イナイ・バー大作戦?を成功させるには一定の条件が有って、その条件が満たされない限り成功は望めない作戦だった。その条件とは、先行させるバイク(ライダーのポテンシャルも含めた)が追い掛けるバイクに対してパフォーマンスが落ちる事が条件で、いつでも出来る作戦ではないのである。

私がM氏にやられた時に乗っていたバイクはSUZUKI RF400R で、M氏の YZF750SP と比べ車重は10kg位しか軽くないのにパワーは半分以下だった。今回の場合、乗っているバイクのパフォーマンスは大して変わらなかったのだが、ライダーのパフォーマンスが半分(失礼!)であった為可能になった作戦だったのである。

もし、追い掛けるバイクが先行させるライダーのパフォーマンス(バイクを含めた)と同程度だった場合、先行させて開いた距離をゼロ発進で縮める事は難しく、先行させたバイクのミラーに自身の姿を映し込む事は出来ないのである。

K9は私のレポートの愛読者で、以前この作戦の事はレポートに書いていたので知っていた筈なのだが、この時のK9はこの作戦の事は全く頭に無かったようで、私のイナイ・イナイ・バー大作戦は大成功を納めたのでした。

長年の思いを果たした私はK9の後ろに着いたまま置戸を目指していたのだが、鹿の子温泉手前の黄線の下りで左の藪に何かが消えて行くのが見えた。私はキタキツネか何かだと思っていたら、K9によると二匹のエゾシカだったようだ。

道路脇にいたエゾシカは、我々が近付いて来るのを感知して慌てて藪の中に逃げ込んだたようなのだが、バイクが近付けば逃げるのと思われるエゾシカも時には予想もしない行動を取るようなのでお気を付け下さい。

転けはったんですか?パーキングから61km走った我々は、昨日も休憩した置戸のSeicomartにバイクを停める。私はいつものように缶コーヒーを飲んで、これから走る置戸〜陸別間に備えモチベーションを上げる。

昨日この区間をアドレナリン出まくりで走っていた私は、今日はK9の高速ステージの走りを見る為K9の後で置戸を目指す。後ろから見るK9の走りはスロットルの開け方が充分ではなく、メリハリの無い走りになっていた。

昨日電線工事で片側相互通行になっている所に差し掛かった時、工事の事を忘れていた私は一瞬ハッとしたのだが、K9は的確な判断で対応し私の余計な心配でした。昨日とは違ってリラックスした走りで陸別に到着した私は、GSには入って給油を行う。

陸別には以前二つのGSが有ったのだが、久しぶりにGSを探してみると一箇所になっていた。FUNKYは国道を足寄に向かって左側のGSを主に利用させてもらっていたのだが、そのGSの在った場所はきれいに更地になっていた。



陸別のGSもセルフになってました。

右側に在るホクレンGSは健在だったが、きれいなセルフスタンドに変わっておりました。私はマイペースで給油出来るセルフスタンドを嫌いではないが、スタッフさんが居るGSで毎年給油していると我々の顔を覚えていてくれたりして、そこから会話が始まりスタッフさんとの楽しい触れ合い(お客の少ない田舎のGS限定?)が出来たりする。

そんなたわいない事が私のツーリングの楽しみの一つで、そんなGSが陸別にも在ったのだが、残念ながらそこは更地になっておりました。

最近この手の馴染みのGS(田舎の)が次々に閉鎖されていて、私の些細な楽しみも減少しているのが寂しいです。

給油を終えガソリンタンクを満タンにした我々は国道242号を足寄に向かって走り出す。足寄の少し手前に出ている 清水谷⇒ の標識を右折し国道468号に入った我々は、置戸の転けはったんですか?パーキングを目指す。


緑の草原が広がる大地。
奥に見えるのは、阿寒湖方面の山々。
<草原の地平線の景色は八幡平の大白森を思い出す。>

この道は今朝通った清水谷〜芽登間と同じ道道468号で、途中道道88号と供用になって繋がっている。最初道の両側には牧場の入口が沢山並んでいたが、道は次第に標高を増し緑の草原が広がる高原を走るようになる。

この電波塔が建っていて高原は牧草地になっていて、右手奥には阿寒湖方面の山々が見えている。ここ景色は有名な観光地ナイタイ牧場にも匹敵する(景色の構図は違うが・・・)と私は思うのだが、周りには我々以外観光客も牛も居りませんでした。

私はその美しい景色を写真に納めようとバイクを止める場所を探していたのだが、決断が付かないまま道は左に大きくカーブしてさっき見えていた山々が左手に見えるようになっていた。

道道468号はこの先から左に折れて高原を下る為、私はその前にバイクを止めて写真を撮る事にしたのだが、いざカメラを構えるとあまりにも広い草原に構図が決められず、手当たり次第にシャッターを押しただけでした。

画面の大部分が緑の草原と白い雲で、その境目に遠くの山々が線となっている景色をどう切り取るか、私の頭ではアイデアが生まれませんでしたね。

こんな景色を以前何処かで見た事が有ると思ったら、それは八幡平を縦走して時に見た大白森の景色だった。緑の草原の先に遠の山が見える景色は、空中に浮いた大地にいるような不思議な気分になります。

また今度ここで写真を撮る時は、阿寒湖方面の山々が近くに見える反対側で撮る事にします。


これからまた糠平に戻ります。

11時少し前、我々は転けはったんですか?パーキングに戻って来た。FUNKYではこのパーキングを舞台に多くのドラマが作られてきたのだが、今回はドラマティックな展開は無く、我々は今朝通った道を走って糠平に戻る。

糠平から道道85号に入った我々は幌加峠を駆け上がる。この道は糠平温泉郷スキー場と交わりながら走っていて、所々でスキー場のリフトが見えている。

この峠はヘアーピンカーブで標高を稼いだ後、山を回り込むようにゆっくりと下るワインディングロードが続くのだが、このワインディングロードが大変楽しい。ある程度見通しが利くワインディングを右左右とバイクを振って走るこの区間は、リズミカルでダンスを踊っているように楽しいのだ。


八年前のM氏(私を道道88号の峠で驚かせたお茶目な人物)の走り。
180度の深いヘアーピンカーブ(右の映像のカーブ)を抜けると、道は然別湖へ流れ込む川に沿って原生林の中を走るようになり、我々はマイナスイオンに包まれながら走りを進める。

道が然別湖畔に出た所で私はK9を待とうかと思ったのだが、これから先迷う所は無く一人で湖畔沿いの狭い道を然別湖畔温泉に向かう事にする。

湖畔の山々はまだ紅葉には早く青々としていたが、キラキラと光る湖面に緑の山肌を映して輝き、私の目を楽しませてくれました。





芽登から糠平に出て幌加峠を越えて然別湖に到着。


● 然別湖⇒狩勝峠⇒トマム⇒占冠⇒金山

然別湖湖畔温泉
然別湖畔温泉に到着した私はK9の到着を待つが、K9はそれ程待たずに到着する。

毎年この時期には紅葉見物の観光客で賑わっている然別湖だが、今年の紅葉は大分遅れているようで観光客の数は少なかった。

時間は正午少し前なのだが、私は昼食を富良野の北時計で食べたいと考えていて、昼食はそこまで我慢する事にした。しかし富良野まではまだ暫く時間が掛かりそうで、昼食は今日も遅くなりそうである。

休憩を終えた我々は、富良野に在る 北時計 を目指して走り出す。富良野までのコースは、然別湖から鹿追に出て狩勝峠を上った後、落合からトマムに出て先日走った占冠への道を楽しみ、占冠から金山峠を越えて国道38号東山に出て富良野に向かうスペシャルステージを繋いだコースとした。

白樺峠を越えて広大は十勝平野を見下ろしながら鹿追に下った我々は、トムラウシから狩勝峠の途中に在るサホロモータースポーツランドに出て、そこから狩勝峠の麓に在る駐車場に下る。

私は麓の駐車場に入り狩勝峠を再び上る為バイクを狩勝峠へ向けて止まり、後ろのK9がUターンするのを見ていた。ここの駐車場は大型トラックも沢山停められる大きな駐車場で、今日は何処でもUターン出来るほど空いていたのだが、何故かK9は駐車場の奥に向かって走って行く。

「オイ オイ どこに行くの?」

弧を描きながらも駐車場の端まで行ってしまったK9は、曲がり切れずに奥で止まってしまいました。バイクを下りて方向転換したK9は何とか戻って来たのだが、K9がここまでUターンが苦手だったとは知らなかった。このままには捨て置けぬと思った私だが、我々に今Uターンを練習する時間は無く、直ぐに狩勝峠へ向かってスタートを切る。

今日の狩勝峠は車が殆ど走っておらず、私は峠のてっぺんまでクリアー状況で走り切る事が出来た。これまで幾度となく走っている狩勝峠だが、これ程までクリアーな狩勝峠を走ったのは今回が初めてだった。

クリアー過ぎて気を抜く所が無く後半は集中力が切れ気味になってしまいましたが、それでも深いバンク角を充分堪能出来た楽しい狩勝峠でした。

一方K9は、何が何だが分からない内に終わってしまった昨年と違い、今年は狩勝峠の楽しさが少し分かったような気がすると言っていた。狩勝峠の楽しさは深いバンクを長い時間体験出来るところで、K9が今回楽しく感じたとすれば昨年よりバンク角が深くなった証なのかもしれません。

峠の先の大きな右カーブをフルバンクで走り抜けた私は、次のスペシャルステージのトマムに向かう。

国道38号落合から道道に入り走って行くと幾つかのJRのガードを潜る。この線路は最初は根室本線(富良野方面)後半は石勝線(占冠方面)の物で、走っている時は一本の線路だと思っていた私は地図を見て驚いた。

二本の線路は途中で合体して一本になり、長いトンネル(新狩勝隧道5,648m))を抜け十勝平野(新得・帯広方面)に下って行っているようである。この線路は昭和41年に開通した新線だそうで、その前の線路は国道38号に沿ったルートで走っていたらしい。

我々は楽しく数分?で上ってしまう狩勝峠は結構な坂道で、あの標高差を蒸気機関車二台(前で牽引、後から押す)で登っていたいと言うから、当時は相当な時間を掛けて上っていたと思われる。

さすがに国道38号の追い越し車線が終わって道の勾配が急になる辺りから先はトンネルになっていたらしいが、そのトンネルも急勾配で機関車が沢山の石炭を焚く為煙が酷く、機関士が窒息する事故も起きていたと聞く。そんな大変な思いをして越えていた狩勝峠を、我々はバイクで楽しんでしまっている訳ですから本当に申し訳ないです。

話をツーリングレポートに戻そう。今日のトマム〜占冠間は先日と違い全く問題無かった。そして私は本当に久しぶりにトマム〜占冠間の全てを楽しんだのであります。道道136号が国道237号が交わる信号交差点で私はK9の来るのを待ったのだが、K9はなかなか現れなかった。

K9の話によると先日走った時と違い今日は何故か長く感じたそうで、ここまでやっとの思いで走って来たらしい。約30kmのこの区間を60キロで走れば30分掛かる訳で、30分間集中力を持続する事は結構大変な訳で、K9はお腹を空かして電池切れの模様です。

一方私は、芽登から芽登のサークル区間でK9の後を走りながらコーナーの進入の仕方を色々試していたのだが、その中で一つのヒントを見付けそれをトマム〜占冠間で試していた。

トマム〜占冠間では以前TZR(3XV)に乗って神懸り的な走りが出来た事が有ったのだが、今回その時と同じ様に頭で考えず体が自然に反応する走りが出来ていたような気がする。この頭で考えない走りと言うのが問題で、コーナーリングのメカニズムが構築されていない為、後に同じ走りが再現出来ないのが悔しいところだ。

しかし、サークル区間で見つけたヒントが今回の走りに作用している事は確かで、その走りを積み重ねていけば再現性の有る走りになる可能性は高い。こんな事がバイクの面白さで、昨日まで出来なかった事が今日出来たりすると、ライダーはバイクの楽しさに嵌ってしまうのである。

私とK9は占冠から国道237号を北上、富良野を目指す。私がこの国道237号の占冠から国道38号東山間を走るのは本当に久しぶりで、それは少なくても20世紀の事だったと思う。以前通った時の印象はでは、近いくてそんなに時間が掛からなかったと思っていたのだが、久しぶりに走ってみるとこれが結構長かった。

距離は30km位だから30分ほどの時間なのだが、私も電池切れで長く感じたのかもしれません。国道38号東山やなぎの信号を左折して富良野方面に向かうと、正面に芦別岳をはじめ富良野の西側に連なるギザギザの山々が見えてくる。この印象的な山々は、私が富良野に来た事をいつも実感させてくれる山々なのです。

山部から道道706号に左折し道道985号に入った我々は、北の峰近くに在る北時計に向かう。




富良野 北時計 PM1:40到着


純とシュウが座ったテーブル。
<緑が綺麗で落ち着いた雰囲気が良いですね!>


< メニュー >


これから桂沢ダムへ向かいます。


● 北時計

これから遅い昼食を食べます。


グリーンカレー(タイ風カレー) 750円


タラコスパゲッティー 700円


レアーチーズケーキ 350円

北時計到着 PM1:40。 然別湖を出て約1時間40分、休憩無し(私は何度か休んだが)の一気走りだった。

今日の北時計のパーキングには殆ど車が停まっておらず閑散としていた。休日でもなく昼食時間も過ぎていたので当然と言えば当然なのだが、我々が店内に入るとテーブルは全て空いていて、私は何処に座るか迷ってしまった。

そこで私は、時にはテーブルの奪い合い?になる事が有ると云う ドラマ 北の国から の中で シュウ が座った窓際のテーブルに座る事にした。

私が純になるには無理(どう見たって五郎でしょ)が有るが、気分だけは純になってテーブルに着いた私は、タラコスパゲッティーと後にコーヒーとレアーチーズケーキをオーダーする。

考えてみると、私が最初にここを訪れた時(10年以上前?)からメニューは基本的に変わっていないように思う。その全ての食事メニューを制覇?した私は、今回タラコスパゲッティーをオーダーしたのだが、ここが初めてのK9はグリーンカレーをオーダーする。

ここのグリーンカレーはタイ風のカレーで、他の人は美味しいと言っていたが、私はどうも苦手で食べたのは一度切りであった。ここのメニューの中で一番のお気に入りはスパゲッティー(タラコ)で、今回も注文してしまいました。

北時計での私の楽しみはここのレアーチーズケーキを食べる事で、今回も美味しく頂きました。ここのレアーチーズは私の中では一番のレアーチーズケーキで、K9に少しお裾分けして食べて貰ったら、スィーツ系に全く興味が無いK9の感想は

「フー」 

て感じで特別な事は無かったようです。

私はコーヒーを飲みながら、今回の北海道最後のスペシャルステージ桂沢ダム〜夕張間に向けてゆっくりと休憩を取り、これからの予定を考える。

今までのパターンでは、鵡川の四季の館で温泉に入り夕食を食べてから苫小牧東港のフェリーターミナルに向かっていたのだが、今回は穂別のポレポーレに立ち寄る予定にしているので、いつもと違うパターンを考える。

今までのパターンではPM2:00までに富良野を出る事が必要だったが、今回は鵡川で温泉に入らない(フェリー内にお風呂で入浴)事にしたので時間に少し余裕が出来、富良野の出発を少し遅らせても問題ないだろう。

ポレポーレで少し休憩させて頂くとして、夕食をどこで食べるか問題だった。以前にも鵡川で夕食を食べようと彼方此方探したのだが、結局四季の館の中の喫茶店になってしまった事が有った。其の辺の情報は、ポレポーレのお母さんから地元情報を仕入れる事にしよう思う。

PM2:15 北時計を発った我々は、国道に出た所のGSで北海道最後の給油を行い桂沢ダムを目指す。国道38号島ノ下から道道135号に入って我々は国道452号に向かったのだが、いつも車で混雑している道道135号は今日は車が疎らだった。

この状況下では思い切った走りも可能だったのだが、私の何かがそれを許さずそれなりのペースで走ってしまった。結局何も無かったのですが、こんな幹線道路(富良野と札幌を最短結ぶ)は流れに乗って走るのが一番です。

そんな時でも北海道のドライバーさんは、バイクが後に着くとウインカーを上げて前に出してくれようとするのだが、黄線の時は大変有り難いそのご好意も越したくない時も前に出なくてはならず、本当に申し訳ないが面倒くさい時が偶に有る。





桂沢ダムのパーキングに到着。






























ポレポーレのご夫婦に見送られてPM5:00穂別を出発。


鵡川の寶龍ラーメンで夕食。


● 桂沢ダム〜夕張〜穂別〜鵡川

ウイークデイとあって走り屋さんは居ませんでしたね。

三時少し前、我々は桂沢ダムサイトのパーキングに到着、休憩を取る。休日はバイクが多く停まっているこのパーキングも、ウィークデイの今日は停まっているバイクも車も無くガランとしていた。

そんな中、休憩を終えた我々は夕張に向けて走る出す。駐車場からトンネルまでの三笠側はいつもと変わらない道路状況で、私は走りを楽しんでトンネルの中でK9を待つ。

トンネルを抜けて夕張側を下って行くと道路状況が昨年と大きく変わっていた。夕張側では夕張シューバロダム工事の(民主党はダム工事を凍結している筈なのだが・・・?)大型ダンプが往来していて、道路は埃まみれだしダンプカーが等間隔で走っていた。

トンネル近くの山から岩石を満載したダンプカーが国道に出て来て、それが一定の間隔で夕張方向に向かって走っており、対向車線は空のダンプカーがこれもまた一定の間隔で戻って来ていた。

その状況がこのコースで一番楽しい区間中続くのだから、もう台無しである! ダンプカーはダム湖畔に建つ大きな工場?に入って行き、我々はダンプカーから開放されたと思ったら、その工場からまた加工処理された石を積んだダンプカー出て来て我々の前を走っている。

結局我々は、ダンプカーの巻き上げる埃を浴びながら大夕張ダムの先に在る夕張シューバロダムの工事現場まで走る事になってしまったのである。大夕張ダムの166m下流に造られている夕張シューバロダムは、高さが大夕張ダムの二倍近く有る大きなダムで、現在の国道452号も水没する為付け替え道路が新たに造られている。

以前は付け替え工事が盛んに行われていたのだが、民主党のダム凍結宣言が出てから工事が進んでいないように見えるから、このダンプカーが走る状況は暫く続くように思われる。この楽しめない国道452号を走る意味は少なく、来年はこのルートを外したコースを考えなければなるまい。

ダンプカーの後塵から開放された我々は、夕張のいつもSeicomartを横目で見ながらそのまま通過、紅葉山の交差点を左折して国道274号をゆっくりと加速して行く。するとその先で高確率で行われているネズミ捕りは、今日は行われておりませんでしたね。

国道274号から道道74号に入った我々は走り慣れた道を穂別に向かい、四時半過ぎ穂別ポレポーレに到着する。ポレポーレの玄関に行って声を掛けるとお母さんが出て来て、

「中で休んでいきなさいよ。」 とのお言葉に甘えて上がらせてもらいました。

食堂でお茶をご馳走になっていたら、お母さんのお兄さんやお父さんがやって来て楽しい時間を過ごさせて頂きました。お母さんから鵡川のラーメン屋さんの場所を聞いた我々は、五時過ぎご夫婦の見送りを受け穂別を出発、鵡川に向かう。

穂別〜鵡川間を走る時いつもはもう少し早い時間で交通量も多いのだが、今日は車が少なく走り易かった。お母さんから教えてもらったラーメン屋さんは、道道74号が国道235号に出た信号近くのローソンの奥隣に在って、寶龍ラーメンと言うラーメン屋さんだった。


味噌バターラーメン。バターの大きさが半端じゃなかった。

寶龍ラーメンは札幌に本店が有る全国チェーンのサッポロラーメン店で、私はその名前を聞いた事は有ったが今まで食べた事は無かった。

しかし私は、北海道のラーメンは当たり外れが有るが、寶龍ラーメンは間違いは無いと以前聞いた事があった。

寶龍ラーメンの店内は家族連れ等で賑わっており、地元で人気のお店のようでした。私は味噌バターラーメンを食べたのだが、スープも麺もサッポロラーメンの王道をいく味?で美味しラーメンでした。ラーメンの上に載ったバターが大きく、さすが北海道?と感心してしまいました。

そういえば最近私は北海道でラーメン店に立ち寄った事が無かった。以前は旭川ラーメンを集中的(年に一度だが)食べた時期が有って、旭川で有名?なラーメン店を毎年一店ピックアップして食べていたのだが、旭川ラーメンは店それぞれに個性が有って毎年どこのお店に行くか楽しみにしていたものだった。

私のお気に入りの旭川ラーメンは天金のラーメンなのだが、最近はルートや時間的制約などで旭川のラーメン屋さんに立ち寄る事が出来ていない。しかし、久しぶりにラーメン屋さんのラーメンを食べた私は、また旭川のラーメン屋さんを訪ねてみたくなっていましたね。

夕食を済ました我々がすっかり暗くなった国道235号をフェリーターミナルに向かって走って行くと、左前方にフェリーの明かりが見えて来る。国道235号から左に折れ苫小牧東港に向かった我々は、PM6:15無事フェリーターミナルに到着する。






PM6:15 苫小牧東港に無事到着

● 苫小牧東港〜新日本海フェリー
係り員の指示に従い秋田行きの列に並ぶと、我々の前には広島ナンバーのバイクが1台止まっていて、私が二番目、K9は三番目であった。横の新潟行きの列には5〜6台のバイクが止まっており、秋田行きは相変わらず少数派でした。

我々は帰りの乗船券を買ってあるので後は乗船の時間を待つだけなのだが、乗船は通常PM6:50頃(出港PM7:30)でその間にターミナルビルへお土産を買いに行く事にした。ターミナルビルの中は夏場ほど混雑していなかったが、結構人がいて乗船を待ておりました。

お土産を持ってバイクの所に戻って来ると、前の広島ナンバーのライダーが盛んに私のバイクを見ていた。YAMAHA XT660R と云うあまり見た事の無いバイクに乗る彼は、私のGSX−Rが1000ccのなのに小さくて400ccにしか見えないと驚いていた。

彼は最近(・・・と言っても私のバイクは05年モデル)のリッターSSをジックリ見た事が無かったようで、彼の知っているSS系バイクは、20世紀の物ばかりのようでした。

反対に私はXT660Rというフランス生まれのYAMAHA車に興味が有ってジロジロ見てしまったのだが、ヤマハの技術講習会で特徴などを教えてもらった事があったXT660Rは、ヤマハ車とは言え細かい所は微妙に日本製と違っていて、日頃見ているイタリア車に似た作りをしたバイクでした。

彼の話によるとパーツの入手に苦労しているそうで、YAMAHA車とは言え完全な輸入車のXT660Rのパーツ供給はフランスからになる為、パーツの入手には時間が掛かるようである。これからは日本メーカーが生産する大型バイクも海外生産が多くなるようだが、スペアーパーツのストックは今までの国内生産モデルと同様にお願いしたいものである。

時間になって我々は無事フェリーに乗船、客室の場所を確保した後船内のお風呂に行って北海道の埃を落とす。スッキリしたところで、私とK9は売店で酒と肴を買ってロビーのテーブルで乾杯となったのだが、そこへ先ほどの広島ナンバーの彼がやって来て色々と質問を受ける。

我々が秋田ナンバーであった事から、彼は秋田の情報を得ようと話し掛けて来たようだ。彼は明日山形市まで行きたいらしいのだが、楽に安く行くにはどのルートで行くのが良いか聞いて来る。

楽に速く行くのなら秋田自動車道と横手湯沢道路を使って国道13号で行くの良いのだが、秋田から横手まではお金が掛かるので、私は日本海沿岸道を使って酒田に行き、酒田からは無料実験中の山形道で山形市まで行くルートを勧める。

結局彼は私が勧めたルートで山形市に向かう事になったのだが、質問はそこで終わらなかった。広島の彼は無類のお酒好きのようで、折角秋田に来たので秋田の美味しい地酒を買って帰りたいらしく、何処で買えるか質問されたのだが・・・。

私の場合、酒を買うなら やまや なのだが、秋田の地酒となると・・・!?

「あれ 待てよ!」 

私、思い出しました。今回私が北海道に持って行ったお酒を買った、店の近所の佐々辰酒店さんの事を・・・。

佐々辰酒店のホームページ  http://www.tanoshiisake.com/
〒010-0041 秋田市広面字昼寝45−3
Tel.018-832-3653


佐々辰酒店だったら秋田の地酒が冷蔵ショーケースに沢山並べられているし、お店の旦那に秋田の地酒のアドバイスもしてもらえるから、明日の朝私が広島の彼を佐々辰酒店さんに案内する事に致しました。


広島の彼と一緒に・・・。

その後も広島の彼とのお話は続くのだが、彼はお酒好きと言うだけではなく酒豪でもあるようで、20リットルの生ビールサーバーの樽を二人で飲み干した事が有ると言う。

身長は180cm以上、体重は100kgを越えていそうな立派な体をした彼は、ビールやら焼酎を水のように飲んでも、表情も何も変わりませんでしたね。

しかし今回この酒豪に対抗できるポテンシャルを持つFUNKYメンバーが居た事は幸いだった。私は缶ビール1本で赤くなる体質で、チビチビと焼酎を舐めながら話をしていたのだが、二人は時々売店に行っては酒を調達しながら飲んでおりました。

売店が閉まる前、お二人はお酒を買いだめして来たのだが、最終的に買いだめしたお酒を全て飲み干してしまい酒宴はお開きとなってしまいました。その時ロビーの電灯は既に消されており、広いロビーに居るのは我々だけになっておりましたが、お酒の入手が可能だったとしたらお二人の酒宴はエンドレスに続いたと思われます。

そして我々は二等客室へ、広島の彼は二等寝台(お金持ち?)へ戻って眠りに着いたのでありました。

6日目
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